財務省が、窮地に追い込まれている。福田淳一財務事務次官(58)が番記者へのセクハラ発言の責任を取って辞任。
本誌は、財務省の監督責任者・麻生太郎副総理兼財務相(77)の資金管理団体「素淮会」の少額領収書等の写し(組織活動費の平成29年公開分)を開示請求した。
そこには、宛名も、受取人の住所もなく、受取人の「Y」という名字だけのサインと、「バイト代」、「7,000円」と書かれた領収書が、192点、合計額134万4000円分あったのだ。1月4日から29日までの間に支出した19点、13万3000円分には、「バイト代」とすら書かれていない。
政治資金に詳しい上脇博之神戸学院大教授は、こう指摘する。
「この領収書では、支払った個人を特定できません。政治資金規正法では、同じ相手に複数回支出し、合計が1万円以上になるなら、金額と氏名、住所を収支報告書に記載する必要があります。
ところが『素淮会』はその記載をせず、領収書を政治活動費の『その他の支出』として、ほかの支出とまとめて処理しています。
これでは、この支出を表に出したくないのではと疑われても仕方ありません。そもそも “バイト” なら、『素淮会』という宛名を書けないのはおかしい。
収支報告書への記載義務に反しますし、“バイト代” と明示せずに『その他の支出』へ計上したことは、虚偽記載にあたる可能性があります。麻生氏は、この説明責任を果たさなければなりません」
この「Y氏」とは何者なのか。
「麻生事務所にY氏は2人。姉妹です。一人はベテランの私設秘書で、もう一人は繁忙期に手伝いに来る人。どちらも国会内の事務所にいます」(麻生事務所に詳しいジャーナリスト)
“バイト代” だけではない。議員会館内のコンビニで、電子マネーに1万円チャージしたレシートが63点、総額63万円分ある。だが、電子マネーで支出した形跡が見当たらない。
所管する総務省に聞くと、「(規正法に基づけば)政治資金すべての支出には領収書が必要です。電子マネーで支払っても、原則同じ」(政治資金課)という。チャージした電子マネーで支払った領収書がなければ、何に使ったかわからない。
麻生事務所に問い合わせると、「資金管理団体の支出につきましては関係法令に則り報告致しております」と文書で回答した。
税務行政を司る麻生財務相の、杜撰な会計処理疑惑。これでは、納税者に示しがつかない。
(週刊FLASH 2018年5月8・15日合併号)