『高市早苗議員のサイトより』
「金融庁への圧力ではない」
野田聖子総務相(57)の事務所が、金融庁の調査を受けていた仮想通貨企画会社の関係者を同席させたうえ、同庁の担当者に説明を求めていた。遡ること半年、1月のことだ。
7月19日、朝日新聞のこのスクープに、野田氏は事実関係を認めたうえで、冒頭のように語った。企画会社の事業に積極的に関わっていたとされるのがGACKT(45)だ。ゆえに同社の仮想通貨「スピンドル」は「GACKTコイン」とも呼ばれていた。
この件に詳しい作家でブロガーの山本一郎氏が語る。
「実際にGACKTからスピンドルをすすめられた芸能人や芸能事務所社長も複数おり、たんなる広告塔以上の活動はしていたと思います」
さて、3人の写真が撮影されたのは2013年3月のこと。GACKTを挟んで野田氏の反対側に写る高市早苗前総務相の事務所に話を聞いた。
「当時、野田先生は総務会長で、高市は政調会長を務めていました。党本部の同じ6階にそれぞれ部屋があって『今、GACKTさんがいるから来ない?』と呼ばれ、高市は総務会長室に行ったとのことです」
じつは、野田氏とGACKTが蜜月の関係であることは、永田町では知られていたという。某自民党議員が明かす。
「宝飾品関連会社の経営者がGACKTプロデュースのジュエリーなどを販売しています。この経営者と野田さんの夫は親しく、野田さんが結婚後は、GACKTと野田家は家族ぐるみのつき合いになっていったようですね」
野田氏はこの夫と2011年に正式に結婚したが、過去に暴力団組員であったことなどが報じられたこともある。
前出・山本氏が野田氏に苦言を呈しながら解説する。
「野田氏が仮想通貨に詳しくなく、この問題についてあまり理解しないまま、事務所の秘書をスピンドルの対金融庁陳情の場に同席させてしまったことは、落ち度としか言いようがありません。
また、圧力の内容も、企画会社が仮想通貨交換業者として登録できるよう配慮を求めたり、国内市場でスピンドルが上場しやすいよう対応を願い出るといった、踏み込んだ内容が話されたと聞いております。
さらに、スピンドルの事実上の仕掛人の一人で、中心となって活動してきたのが野田氏の夫なのです。となれば、親族の事業に対して野田氏が便宜を図ったといわれてもおかしくない案件なのだと思います」
関係者に話を聞こう。
GACKTに取材を申し込むと、“日本のエージェント会社” から回答があった。野田氏の夫のことは「友人の一人と聞いております」としたうえで、金融庁と面会した件について尋ねると、「GACKTが本件に関して動いた事実 はなく、意向もありません」。
国会最終日の7月20日、野田氏を国会内で直撃した。
ーーご主人がこの仮想通貨に関わっていたのでは?
「まったく、ありません」
ーーご主人、あるいはGACKTさんの意向があって、金融庁と秘書の面会があった?
「まったく、違います」
ーーGACKTさんと仮想通貨について話されたことは?
「ありません」
ーーご主人と仮想通貨について、お話しされたことは?
「ありません。息子のことは話しますけど」
“女性初の総理を目指す大物大臣” と、“芸能界イチ違いがわかる男” が絡んだ仮想通貨をめぐる問題。野田氏の9月の総裁選出馬に赤信号が灯った。
(週刊FLASH 2018年8月7日号)