編集A
→普段は国内外のデザイナーズを担当する女性編集者。2009年3月のファーストリテイリングとジル・サンダーの契約発表を目の当たりにした。当時の会見を「懐かしい〜」と目を細める。
編集B
→ユニクロをフリースブームの時から見続けている男性編集者。専門はもっぱらラグジュアリーとデザイナーズ。昨今のゆったりシルエットには正直食傷気味だが、「やっぱり買ってしまう」らしい。
1.ライトダウンボリュームロングフーデッドコート -MEN-
編集A:+J、ついに復活です。ファストリとジル・サンダー氏の契約発表の会見に参加したのが懐かしいですね。
編集B:そうですね。確か会場は椿山荘でしたが、今思うとなんで椿山荘だったんだろう(笑)。
編集A:とにかくジル本人とファストリ柳井社長という並びに興奮したのは覚えています。+Jのファーストコレクションは、発売日にほぼ全型を購入してレビューしたんですよね。
編集B:頑張りました(笑)。それから何シーズンか展開されましたが、やっぱり「最もジルらしかった」と言われるのが2009年のファーストコレクション。今回のレビューでは、過去の+Jも回想しつつ見ていきたいと思います。
編集A:早速ですが、まずアウターからいきましょう。これまでもダウンは結構出ていましたが、+Jでこういったメンズのロングダウンは珍しいかも。
編集B:そうですね。ウィメンズはロング、メンズはショートというのがダウンの定石だったと思いますが、最近はメンズでロングというのも見るようになってきました。
編集A:この「ライトダウンボリュームロングフーデッドコート」は公式のヴィジュアルで使われているキーアイテムという位置付けのようだったので、実物が気になっていて。
編集B:まず持ってみて思ったのは、めちゃくちゃ軽い。
編集A:ですね。640フィルパワー以上のダウンを使用しているそう。ユニクロは毎年ウルトラライトダウンを推していますが、これはあえてウルトラではなく「ライトダウン」みたいです。アウター好きのBさんはダウンも毎年というほど購入しているようですけど、比較するとどうですか?
編集B:だいぶ軽いです。アウトドア系のダウンは800フィルパワーくらいの超高品質が多いですが、タウンユースなら640以上で性能や実用性は十分。雪山とかよほどのところに行かない限りはアウトドアでも活躍すると思います。ただ個人的に、ダブルジップ仕様については疑問ありですね。
※フィルパワー→羽毛のかさ高性を指す単位。640フィルパワーは1オンスの羽毛が640立方インチに膨らむ。ようするにフィルパワーが高い方が高級。
編集A:上部だけ閉めたり使い方はあるかなと思いますが、そこは好みですかね。生地は撥水加工が施されているけど止水テープなどは使われていなくて、極力シンプル。やっぱりネイビーはジルの定番カラーという感じがします。裏地のシャイニーなブルーもいい色。シルエットはどうですか?
編集B:メンズのロングダウンはシルエットの出し方が難しいんですよ。ウィメンズのようにウエストの絞りなどがないから、間違うとベンチコートのようになっちゃう。でもこれは、襟元の立ち上がりと立体的なフードのボリュームがバランス良く仕上がっていて、表地が割とマットなのもあって上品にまとまっていると思います。
編集A:ヴィジュアルではこの上にオーバーサイズのカシミヤブレンドコートを羽織っていましたが、ディテールがシンプルなので重ね着で遊ぶのも良さそう。かなりオーバースペックになりそうですが(笑)。
編集B:これだけでも十分にあったかいですしね。今回は手元にないアイテムですが、メンズはショート丈のダウンも良さそうです。
編集A:こちら、気になる価格は1万7900円。ロングダウンの出来を見るとショート丈も期待できますが、やはりこちらを推したいと思います。
2.ウルトラライトダウンフーデットコート -WOMEN-
編集A:ウィメンズのダウンコートは「ウルトラライトダウン」となっています。メンズよりも更に軽い。着ているのかわからないくらいじゃないですか。
編集B:確かに、ロング丈でこの軽さ。フィルパワーは640以上。収納ポーチ付きのポケッタブル仕様なんですよね。収納する機会がどれだけあるのかは不明ですが、ポーチがあることで畳んだ時のサイズ感がわかるところは良いです。
編集A:収納までしなくても、脱いだ時にまるめてもかさばらないのは良いんじゃないでしょうか。あと実は手洗いできる、というのがポイント高い。シルエットはウエストから下が軽いフレアですね。モコモコし過ぎるとミシュランマンみたいになる気がして苦手なので、このくらいソフトならコート感覚で着られそう。
編集B:色名はパープルとのことですが、絶妙なニュアンスカラーでジルの色出しは本当に綺麗。ユニクロのインタビューでは、北ドイツでも運河が多いハンブルクで育ったジルは、自然への原体験として、空とそれを映す水面の反射を挙げていました。クリアな太陽の光が色や素材を選ぶ目を培ったと語っています。
編集A:
納得ですね。前立てのグログランテープが上品で、インナーのシャイニーなボルドーも色のメリハリとして良い感じ。こちらお値段は1万2900円です。
編集B:
今回の+Jでアウターが欲しいなら、ダウン系は買うべきじゃないでしょうか。過去例を見ないクオリティ。他のブランドがこのプライスでこのクオリティのダウンを出そうとしても、かなりハードルが高いでしょう。
3.カシミヤブレンドチェスターコート -WOMEN-
編集A:画像で見た時は厚手なのかなと思いましたが、ダブルフェイスでソフトな風合いですね。カシミヤ14%、ウール84%、ポリエステル2%。価格は2万2900円と、今回のコレクションの中では高価格帯です。
編集B:今日は2014年に一度+Jが復刻した時に購入したコートを持ってきたんですよ。こうやって比べてみると、縫製や素材がアップデートされているのがわかります。
編集A:並べるとかなり違いますね。新作の素材は光沢があって上質な雰囲気。縫い目を薄く仕上げていて、縫製の技術がかなり上がっているのを感じます。ダブルフェイスの縫製って職人による手作業がかなり多くて手間がかかるものなんですが、ユニクロはどうやって縫っているんでしょう・・・。
編集B:カシミヤ混だし、普通だったら2万円台では作れませんね。過去の+Jのコートは、少し硬めの生地でカッチリとした細身のシルエットが多かった印象ですが、これはダブルフェイスの柔らかい質感を活かしてゆとりがあります。今回のコート類は、今の時代に合わせたサイズ感と着心地を採用しているのが特徴ですね。
編集A:王道のチェスターコートとは少し雰囲気が違います。あえて1〜2サイズ大きめをガバッと羽織って、ゆったりした着心地を楽しむのも良さそう。ベルトは後ろのみについているので、フロントのデザインはシンプルです。
編集A:今回のコート類では、ダブルフェイスものは注目。手元にはないですが、「カシミヤブレンドノーカラーコート」も良さそうです。ボタンもベルトも省いて更にミニマルな印象。ドロップショルダーなので、男女で着られるアイテムだと思います。
編集B:ただ、ダブルフェイスは軽さの代償で防寒性はそこまで見込めないので、重ね着を考えたコーディネートをお勧めします。メンズのチェスターコートはオーバーサイズのタイプもあって、そちらのシルエットも良さそうでした。
4.ハイブリッドダウンオーバーサイズパーカ -MEN-
編集A:これは公式のヴィジュアルで見て、かなり良いなと思いました。スポーティーなデザインですね。「ハイブリッド」と商品名についているのは、640フィルパワー以上のダウンと、吸湿発熱綿、2種類を使い分けた仕様なんだそうです。
編集B:先ほどのダウンもそうですけど、今回の+Jのアウター類はポケットなど機能面に配慮がありますね。でもマットな質感の素材を使っていたり、見た目はスッキリしていて機能を押しすぎないというか。
編集A:切り替えを利用したポケット口もミニマルな仕立て。ポケットに手を入れた時に温もりを感じられるよう袋布にフリース素材が使われていたり、前立てのグログランテープなど、見えない部分に機能が隠れているようです。ユニクロがこれまでアウター類で活用していたディテールをしっかり取り込んでいます。
編集B:表には出さない部分で知見を活かしているのはさすが。そういう小さな改善の積み重ねが、ユニクロのモノづくりの強みに繋がっているんでしょうね。
編集A:オーバーサイズ感が程良いので、黒などを選べば仕事着の上にも着られるのでは。
編集B:ここまで機能性を詰め込むと、顧客はどれくらい+Jのコレクションに機能性を求めているか?は気になります。
編集A:ユニクロのテックウェアというと「ブロックテック」シリーズが思い浮かびますが、そのロジックなのかなと。見た目はかなりシンプルだけど、実は機能が隠れていたり。アウトドアウェアのハイスペックまでいかずとも、生活を快適にするくらいのちょうど良い機能性がウケているというか。
編集B:ジルが選ぶ素材は、コットンやウールなど天然素材をイメージしがちですが、実はナイロン素材も積極的に取り入れているんですよね。ジル自身もあったらいいなと思う素材について「自然由来で、環境と地球にダメージを与えないようなハイブリッド素材」と語っているから、素材探求はあらゆる観点から行われているんだと思う。
編集A:ジルのクリエイションを知る人から見ると、このオーバーサイズパーカのデザインに関しては想像とは少し違う気がしますね。このチャレンジがどういう風に受け入れられるのかは、今回の指針になるのかも。
編集B:これが手に取られるか否かで、顧客が+Jにどういうイメージを抱いているかが分かる気がします。今のメイヤー夫妻が手掛ける「JIL SANDER」と、ジルが手掛けていた頃の「JIL SANDER」は、同じブランドでも全然違うわけで。若い世代の人たちが+Jに対して描くイメージは、9年前の+Jを知る我々と違う可能性がありますからね。
編集A:そういった意味では、ダークホース的なアイテムかもしれません。
5.ウールブレンドジャケット -MEN- 6.ウールブレンドパンツ -MEN-
編集A:セットアップが可能なストライプ柄のテーラードジャケットとパンツです。素材はウール50%、ポリエステル50%。
編集B:ジャケットは総裏仕立てですね。これも縫製技術が高そうです。
編集A:裏側見てください。両玉縁の内ポケットのステッチが素晴らしい。それと見返しとの境目、裏地に星止めが施されています。個人的に星止めを見つけると嬉しくなるというか、好きなディテールなんですよね。でも確か、これも通常だと職人の手縫いだと思います。
編集B:袖口はさすがに本切羽ではないですが、これで1万円台って、一体ユニクロはどうなってるんですかね(笑)。
編集A:シルエットを見ていきましょうか。肩パッドは薄めで、身頃は少しゆとりがあってボックスに近いフォルム。ファーストコレクションはジャケットも結構タイトだった記憶があるので、やはり少し変化があるようです。
編集B:時代の流れを取り入れているんでしょうね。パンツもラインはストレートですが、少しゆとりがあるように感じます。よく見たらマーベルトに「+J」とロゴが。
編集A:芸が細かい。どうでしょう、セットアップで着られそうですか?
編集B:例えばビジネスシーンで着るスーツって、やっぱり身体に沿ったジャストサイズが永遠の定番なんですよね。なのでこのジャケットとパンツのシルエットだと、フォーマル寄りの場で着るのは想像ができないかも。服装を少し崩してもOKな場で、シャツじゃなくてニットを合わせたりする感じですかね。
編集A:ジャケットが1万5900円、パンツが6900円なので、セットアップを試してみたい人には買いやすいのではないでしょうか。
編集B:ちなみにファーストコレクションではタスマニアウールブレンドを打ち出していて、それも結構良かったんですが、今回はないですね。その代わりというか、今回はNikke社のウールを使った「ウールテーラードジャケット」の展開があって、個人的にはそっちも気になります。
7.スーピマコットンスタンドカラーシャツ(長袖)-WOMEN-
編集A:+Jの真打登場。白シャツです。まずはウィメンズから。
編集B:シャツもデザインが色々とあるようですが、個人的にはこのシャツが今の空気感を最も反映していると感じました。
編集A:ヴィジュアルにも使われているアイテムですね。スーピマコットン100%。実は今日、ファーストコレクションの時に買った+Jの白シャツを着てきたんですが、新作は素材がだいぶアップデートしているようです。糸の番手が細く打込みがしっかりしているので、薄手でもパリッとした印象。
編集B:そうですね。誰が見ても高級感を感じるのではないでしょうか。着てみた感じはどうでしょう。
編集A:スタンドカラーと比翼仕立てが端正な印象で、シルエットはダーツなどが入っていないのでストンと落ちる感じが着やすいです。個人的には、この長めのカフスのデザインが好きです。
編集B:本来ならダブルカフスになるような長さですね。カフスボタンが袖先から奥についているので先が開くようになっているのが面白い。手元を隠しているような優雅な印象になります。
編集A:ボタンは天然の貝ボタンとのこと。それから3990円という価格ですが、調べたらファーストコレクションから据え置き。
編集B:つまり11年前から値段が変わってないってことか・・・2%インフレもなんのそのって感じですね(笑)。
8.スーピマコットン オーバーサイズシャツ (長袖)-MEN-
編集A:続いてメンズの白シャツです。こちらもスーピマコットン100%。比翼仕立てで、やや長めの着丈になっています。
編集B:後ろ身頃が大きめで立体的。オーバーサイズと書いてあるけど、びっくりするほど大きくはないです。パターンで工夫していますね。個人的には、この腰あたりの切り替えは必要なのかな?と思ってしまいましたが。
編集A:前立てと切り替えの十文字で「+(プラス)」を表現しているのでは?
編集B:ですかね(笑)。+Jにしては、珍しくデザインが入ったシャツ、という位置付けかもしれません。
編集A:よく見ていくと襟裏に小さな隠しボタンがあって、見えない部分も工夫が感じられます。ガゼットにさりげなく「+J」とロゴが入っていたり。
編集B:胸ポケットにマチがあるのは珍しい。ここは好きなディテールです。
9.スーピマコットンオーバーサイズシャツ(長袖)-WOMEN-
編集A:こちらはウィメンズのオーバーサイズシャツ。今回のラインナップのひとつの特徴が、やっぱり「オーバーサイズ」ですね。
編集B:ひとことで「オーバーサイズ」と言ってもただ大きくするわけではないですし、シルエットを研究したんだろうなと感じます。ユニクロのインタビューでも、ジルは「私はドローイングをせず、身体の上でデザインして何度もフィッティングを繰り返します」と語っていましたし。
編集A:クリエイティビティの土台について「フィッティングと生地を使った実験」とも書かれていました。このシャツは後ろ身頃の丈が長く大きめのシルエットで、ジルならではの空気をまとうような感覚です。
編集B:全体的にはシンプルですが前立ての幅がかなり太いのがポイント。ステッチ幅も型によって使い分けているんじゃないでしょうか。「違うシャツとして出してるけど、よく見たら実はほとんど同じ」みたいなことがないのがスゴい。ちゃんと一つ一つゼロから考えてるんだなってわかります。
編集A:シャツは全て一率の3990円で、ウィメンズが3XLまでの7サイズ、メンズはなんと4XLまでの8サイズ。デザイナーズブランドだと多くても4サイズ程度なので、サイズレンジの広さも強みだなと思いました。(※アイテムによってサイズ展開は異なる)
10.シャツワンピース(長袖)-WOMEN-
編集A:綿100%のシャツワンピース。うちの編集部で男女問わず好評だった一着です。
編集B:ガウンのようにも見えるデザインですね。ドロップショルダーでシルエットがストレートなので、男性も着られそう。
編集A:ユニクロ公式サイトでも、ワンピースとしてだけではなくシャツコートとしての着方を提案していました。ベルト付きなんですが、身頃の脇にベルトホールがあって、背中はシャツの内側にベルトを通す仕様なんです。わかりますか?
編集B:なるほど。だからベルトを前でキュッと結ぶと、後ろ身頃は干渉せずふわっと広がったシルエットが出るようになっているんですね。
編集A:あと、比翼で隠れるボタン側の前立てと、ポケット口に同色のグログランテープが使われていたり、今回のコレクションの中ではデザイン性が高いなと思いました。色はこのネイビーかブラックのダークカラーのみ。
編集B:プライスは4990円。ウィメンズで1万円以下のアイテムとしては最もコスパが高いアイテムかもしれませんね。
11.ファインゲージカシミヤクルーネックセーター(長袖)-WOMEN-
編集B:カシミヤ100%。薄手で繊細、少し光沢がある表面感が綺麗です。
編集A:ユニクロのカシミヤニットは認知が高いと思いますが、ファインゲージは珍しいかも。
編集B:そうですね。もう少し肉厚でふわっとしたカシミヤニットが多かった気がします。
編集A:素材の繊細さは今回の+Jのポイントの一つですね。唯一のアクセントは、襟のカラーライン。
編集B:個人的には襟にラインがあるデザインはあまり好まないですが、これはさりげない感じです。ひとつ気になったのは、あまり見ない袖のリブの長さ。少し短めで、好みが分かれるポイントかもしれません。
編集A:カシミヤを9990円という価格に設定できるのは、流石ユニクロと言ったところ。ちなみに通常のユニクロだとベーシックなカシミヤセーターは8990円〜なので、若干高くなっています。
編集B:ユニクロは近年、秋冬はウルトラライトダウンとヒートテックに力を入れているように感じていましたが、今年はオンラインで50色のカシミヤセーターを売り出していて本気を感じました。カシミヤを一般に普及させた企業とも言えますよね。
12.チノパンツ -WOMEN-
編集A:いわゆるチノパンのイメージとは違って、キレイ目な印象。曲線ラインがバナナのよう。ユニクロはのんさんを起用したCMでも話題を集めた「カーブパンツ」がありますが、それと比べてもラインにメリハリがあります。
編集B:足首がきゅっと細くなっていて、履くとハイウエストのジョガーパンツのようなシルエットになりますね。
編集A:素材は綿96%、ポリウレタン4%で、結構ストレッチが効いています。このアイテムは男女で展開あり。価格は3990円です。
編集B:バナナパンツはブランドの指向性がすごく出るので着こなすのが難しい印象がありますが、これはラインが綺麗なのでなかなか良いのではないでしょうか。おそらくバナナパンツを履いたことがある人のほうが少ないと思うので、この機会に試してみると良いかと。
編集A:とてもクリーンな印象なのは、極力ステッチを省いているからですかね。これはスニーカーよりも、ブーツやヒールと合いそうな気がします。
編集B:最近は何でもスニーカーに合わせようとするのが目立つので、脱スニーカー的なパンツとして受け入れられるかは見ものかもしれません。
編集A:カラバリを確認したら、いわゆるチノパンのイメージがあるカーキは無くてダークトーンの4色展開。どれも履きやすい色味なのでバナナ初心者も受け入れやすそう。メンズとウィメンズを合わせると16サイズもあるし、これはサイズを色々と試して履きこなしたいですね。
13.カシミヤニットビッグマフラー
編集B:ビッグマフラーという商品名ですが、思っていたよりビッグじゃないな、というのが最初の感想です(笑)。確かに大判ではあるんだけど、昨今のマフラー巨大化トレンドを見ると適正サイズなのかな。
編集A:ストールと言ってもいいくらいのボリュームはあると思いますよ。深みのある色がとても綺麗で好みです。
編集B:ラインの色味もシックですね。カシミヤ100%の大判マフラーって結構お値段が張るので、これで9990円はいい感じだと思います。
編集A:先ほどのセーターと同じ価格なんですね。やっぱり肌に直接触れるものは、素材感が如実にわかる。あと手元にはないですが「ウールストール」(4990円)の方は別色の3枚重ねになっているようで、なんだかお得だなと思いました。
14.カシミヤニットキャップ
編集B:一見すると何の変哲もないように見えますが、後ろ側に特徴がありました。ダーツというか、接ぎ目が1本あることによって、トップがやや後ろ側に傾斜するようになっています。
編集A:着用した時にフィットする小技ですね。ローゲージのカシミヤで2990円です。大人がかぶる、上品なニットキャップという印象。
編集B:下手すると子どもっぽくなりがちなアイテムですからね。僕は普段、帽子は被らないので購入はなさそうですが、こういった普通そうに見えて実はしっかり考えて設計されたものっていいなと思いました。何気ないけどアップデートされている、というのを感じさせてくれます。
総活
編集A:最後に総括していきます。今回レビューできたのは全61型のうちの一部でしたが、いかがでしたか?
編集B:過去の+Jと違いを感じたのは、まずシルエットでした。以前は縦線を感じさせる細めのラインだったのが、今回は全体的にゆとりをもたせたシルエットに変化してます。
編集A:オーバーサイズは今っぽいシルエットですが、トレンドをそのまま踏襲するのではなく、時代感を取り入れたという感じでした。ユニセックスで自由に着られそうなデザインも特徴ですね。
編集B:そうですね。以前の+Jはメンズとウィメンズがはっきりしていましたが、今回は男女兼用のディテールやシルエットが多い印象です。それと全体のクオリティがかなり底上げされて、縫製レベルの向上には驚きました。特に感じたのがコートとシャツ。ほとんどの人は縫製とかは気にしないと思いますが、縫製レベルの高さが全体のクリーンなイメージに一役買っているんですよね。
編集A:あと、最近のユニクロは身体に沿うような3Dパターンを駆使していますが、今回の+Jでは身体と服の間のゆとりを立体として表現するシルエットが良かったです。着用しないとわからないことですが、後ろ姿が綺麗だったり、360度を意識した作りになっているのかなと。
編集B:個人的に買うべきアイテムは、今回見た中だとやっぱりダウン。女性ならシャツワンピース。あとバナナパンツ(チノパンツ)は男女問わず試してほしいなと思いました。
編集A:個人的にはスタンドカラーの白シャツが良かったです。ジルと言えば白シャツ、というイメージがありますが、ピュアな中にさりげないひねりが効いていて、素材とシルエットのアップデートを感じたので。そして意外と価格が上がっていないという。
編集B:そうですね。例えばベーシックなシャツはすでに皆持っていると考えると、進化した今回の+Jはワードローブにプラスしたくなるような、求められるデザインというか。そういった期待を汲み取って構成されたコレクションという感じがしました。
Image by: FASHIONSNAP.COM