“お正月”って本来はどんな行事なのか知ってる? 実は、豊かな実りと幸福を新年に授けてくれる有難い“年神様”をお迎えする行事のこと。そこで正しいお正月の迎え方を神社検定1級の資格を持つモデルのMARIKOさんにASK! これを読めば、気持ちよく2021年のスタートが切れること間違いなし。
大掃除はいつまでに済ませるべき?
大掃除は、お正月に各家に訪れると言われている年神様にゆっくりくつろいでもらうためにするもの。1年間の汚れを落とすことを“煤払い”と言います。昔は12月13日がこの煤払いの日で、正月事始めとも言われ、お正月の準備が始まります。
今は13日~28日頃までに行うのがいいと言われています。必ずしも13日から本格的に始めなくても、その日は神棚の掃除のみで取り入れてみても。仕事などで忙しい人は、その後お飾りや鏡餅を飾る場所、玄関など掃除箇所を絞って大掃除するといいでしょう。何よりも“神様が来てくれるのがうれしい”という感謝の気持ちが大切です。
門松・しめ縄(しめ飾り)・鏡餅はなぜ飾るの?
門松…門松は年神様がいらしてくれる目印になるものです。松は枯れにくく、緑を保つ植物であることから神様が宿る木ともいわれています。
しめ縄(しめ飾り)…年神様をお迎えするのにふさわしい清浄な空間であることの印。大掃除を終えてから飾ります。しめ縄は神聖な場所を示すもので、玄関に飾るのは家の中に不浄のもの入れないためです。
鏡餅…年神さまへのお供え物と同時に、松の内(1月1日~1月7日の年神様が滞在するといわれている期間)の間年神様が宿るもの。古くから日本人は鏡を神様が宿る神聖なものと扱っていて、昔は鏡が丸かったことからそれを模して鏡餅と呼ぶという一説があります。
飾り日は、29日と31日は避けること。29日は“苦”を連想し縁起が悪いという理由から、31日は「一夜飾り」と言われ一晩だけ飾ってお迎えするのは失礼という理由からです。できれば28日までに飾り、難しければ30日に飾りましょう。
飾りを下げる日は、門松、しめ縄(しめ飾り)は松の内が終わる7日に、鏡餅は11日の鏡開きのときにお雑煮やお汁粉にしていただきます。お餅は包丁などの刃物で切るのはご法度。木槌や手で割るようにしましょう。鏡餅には年神様の力が宿るため、食べることで力を授かれるといわれています。
おせちとお年玉が必要な理由は?
おせち料理には五穀豊穣、不老長寿、子孫繁栄など、さまざまな願いが込められた食材が詰められていますが、そもそもおせち料理とは年神様へのお供え料理で、元々はお正月や五節句などにお供えする「御節供」でしたが、やがてお正月料理のみを指すように。かまどの神様をお休みさせるという意味合いも。
お年玉は、その昔お金ではなくお餅を渡していました。年神様の魂が宿った鏡餅や丸餅を、家長が年少者に“御年魂”、“御年玉”として分け与えたのが始まりとも言われています。 玉には魂という意味が込められています。
MARIKO/モデル。
ファッションや美容など幅広い方面で活躍。神社好きが高じて神社検定1級を取得。その造詣の深さから、コラム執筆や雑誌出演なども多数あり。インスタグラム@marikozaemonにも神社の話題を掲載。
text: AYUMI SHINOHARA
Illustration: foxco