2019年5月1日に第126代天皇に即位された天皇陛下。皇位継承から約半年を経て、10月22日、皇居・宮殿にて即位礼正殿の儀が行われた。注目は十二単姿の皇后雅子さまや、海外から参列するロイヤルファミリーのファッション。この貴重な機会に、世界のロイヤルファミリーの戴冠式・即位式での装い&ティアラを振り返り。
皇后陛下 美智子様
1989年1月7日に昭和天皇が崩御し、明仁親王の即位に伴い、皇后陛下になられた美智子さま。1990年11月12日に行われた「即位の礼」でお召しになった衣装は「マント・ド・クール」と呼ばれる、女性の最も正式な礼装。トレーンという長い引き裾が特徴のスタイルで、ティアラと相まって格別に華やかだった。
由緒正しき「第一ティアラ」
そして美智子様の頭に輝いていたのは、明治天皇の皇后である昭憲皇太后から約130年もの間、皇后陛下に受け継がれる由緒正しき「第一ティアラ」。一番の特徴は大粒のダイヤモンド。ブリリアントカットのダイヤモンドが60個ほど用いられたことが報じられている。
イギリスのエリザベス女王2世
1952年2月6日、父の国王ジョージ6世が崩御し、25歳という若さにしてイギリス女王(君主)に即位したエリザベス2世(Elizabeth II)。翌1953年6月2日に執り行われた戴冠式では、 ノーマン・ハートネルがデザインした戴冠式用のドレスに身を包んだゴージャスなスタイルで登場。白のダッチェスサテンで仕立てられたドレスには、イギリス連邦の国々を表する花々の紋章が金銀の糸で刺繍されていたとのこと。写真では見えないが、足元は、ムッシュ ロジェ・ヴィヴィエが戴冠式のために特別にデザインしたシューズをお召しになったそう。
聖エドワード王冠
エリザベス女王の頭に輝く王冠は、 「聖エドワード王冠」。この王冠は1661年、チャールズ2世のために作られたもの。王室の金細工師、ロバート・ヴァイナーが制作し、重さはなんと2.3キロ。1953年の戴冠式以来、ロンドン塔にて大切に保管されているのだそう。
ヨルダンのラーニア王妃
ヨルダン王国のアブドゥッラー2世皇太子が「国王アブドゥッラー2世」として国王に即位し、王妃となった当時28歳のラーニア。1999年6月9日に行われた即位式では、「エリー サーブ」によるゴールドの刺繍が施されたツーピースのドレスで華を添えた。
「カルティエ」のティアラ
ヨルダンには、王国が代々所有する、いわゆるロイヤルジュエリーというものは存在せず、ほとんどが王妃から娘へと受け継がれるパーソナルなコレクションだという。 ヨルダンで初めてティアラを身につけたのは、現国王アブドゥッラー2世の父フセイン1世の3番目の妻であったアリア・アル=フセイン。その「カルティエ」のダイヤモンドのティアラはその後、娘のハヤー・ビント・アル=フセインに受け継がれ、ラーニア王妃もハヤーから拝借し、即位式で身につけた。