常にフェアプレーが求められるスポーツの世界で、ある選手の「アジア人差別」的行為が問題になっている。
事件が起きたのは、2021年6月1日(火)にイタリアで開催されたFIVB女子バレーボール・ネイションズリーグの試合。セルビア代表のサンヤ・ジュルジェヴィッチ(Sanja Djurdjevic)選手が、タイ代表との対戦中に指で目尻を引っ張る“つり目(スラントアイ)ポーズ”をしたことがきっかけ。アジア人を揶揄するジェスチャーとして知られていることから、「対戦チームへの差別的行為だ!」と即炎上。
実はバレーボールのセルビア代表がこのような行為をしたのは初めてではない。2017年6月、日本で開催された世界選手権の出場を決めたチームの集合写真にて、多くの選手たちが“つり目ポーズ”をしたことでも話題に。過去にも同じ過ちを犯していることから「また?」「反省していないのでは?」とSNSを中心に非難が殺到している。
ジュルジェヴィッチ選手は、現在非公開にしている自身のインスタグラムで「私は自分の過ちを認識しており、試合後すぐにタイチーム全員に謝罪しました」と投稿。「誰かを侮辱するつもりはまったくなく、ただ“タイチームのようなディフェンスをしよう”というメッセージをチームメイトに伝えたかっただけ」と釈明している。
タイ代表のメンバーはこの謝罪を受け入れたようで、セルビアの選手たちと一緒に写真を撮るなど和解したことをアピール。またタイのプルームジット・ティンカオ選手は、自身のインスタグラムにジュルジェヴィッチ選手との動画を投稿。「みんな、ジュルジェヴィッチ選手が私たちの部屋に来たの。彼女は私たちを怒らせるつもりはなかったと言っていました。どうか彼女を許してあげてください」と語った。
この事件を受けて、セルビアのバレーボール連盟は「我々はセルビア対タイの試合中に起きた出来事と、我々の選手であるサンヤ・ジュルジェヴィッチのジェスチャーに深く心を痛めています」「タイチームとタイ国民、そしてこの件で影響を受けたすべての皆様に心からお詫び申し上げます」と謝罪声明を発表。「どうかこの件を大げさに考えないでください。サンヤは自分のミスを認識しており、すぐにタイチーム全員に謝罪しました。両チームの選手間の雰囲気は友好的で、単なる誤解で終わりました」と続けた。
試合中のアジア人差別的な行為は“単なる誤解”で終わらせることができない気も……。とはいえ、謝罪を快く受け入れたタイ代表選手たちの行動はぜひ見習いたい!