飼い主さんは、愛犬が1日にどれくらいの水を飲むべきか、目安量を把握していますか?もし飲む量が少ない場合には、健康を害してしまう恐れもあるようです。
今回、犬が飲む水の適正量について、いぬのきもち獣医師相談室の先生に聞いてみました!
犬は1日にどれくらい水を飲めばいいの?
ーー犬は1日に、どれくらいの量の水を飲めばいいのでしょうか?
いぬのきもち獣医師相談室の獣医師(以下、獣医師):
「犬の1日に必要な飲水量は、目安として体重○kg×50ml前後で計算をすることができます。ただし、これはドライフードが主食の犬の場合であり、ウェットフードや水分が多い手作り食が主食であれば、目安よりも少なめでよいでしょう。
また、季節や運動量によっても飲水量は変動する場合があります」
犬が水を飲む量が少ないとどうなるの?
ーードライフードを食べる犬は、体重○kg×50mlくらいを目安に、というのは飼い主さんも覚えておきたいですね。もしこれよりも水を飲む量が少ないと、どんな支障があるのでしょうか?
獣医師:
「水は体のありとあらゆる機能を動かしている大切なものです。そのため、体の水分が不足してしまうと体温調節ができずに熱中症になったり、臓器など体内の働きが鈍くなり、深刻な体調不良を引き起こすことがあります。
夏だけでなく、冬でもきちんと水分をとらせることが必要です」
ーー今まさに暑くて過酷な時期ですが、熱中症にならないよう、水分不足になっていないか注意しないといけないですね。
ふだんから水をあまり飲まない犬への対処法は?
ーー1日に必要な水の量を与えたいと思っても、なかなか飲んでくれないコもいますよね。そういうコには、どんな工夫をしてあげるといいですか?
獣医師:
「水を飲ませる工夫としては、ササミのゆで汁やペースト状の犬用おやつなどを少し水に溶かして、水に犬が好むニオイをつけるのが効果的です。
ほかにも、ただの水であってもゼラチンや寒天で固めて、ゼリー状にしておやつとして与えてみるのもいいと思いますよ」
犬が水を飲みすぎる原因とは?
ーーなかには、「水を飲みすぎなんじゃないの?」と思うコもいますよね。犬が水を飲みすぎるのは、なにか原因があるのでしょうか?
獣医師:
「犬が水を飲む量は、暑さ・寒さ、尿をつくる腎臓の働き、ホルモンの働きによって変わります。しかし、腎臓やホルモンに異常が見られると、水を飲む量が急激に増えるので注意が必要です。
水を飲む量が急激に増える場合、クッシング症候群や糖尿病、腎臓病などの病気の可能性もありますので、病院で診察を受けましょう」
犬が毎日適正量の水を飲むことは、体のためにも大切なこと。もし飲む量が少ない場合には、飼い主さんが見直してあげてみてくださいね!
また、あまりにも水を飲む量が多い場合は、病気が関係している可能性もあるかもしれません。動物病院に相談してみるといいでしょう。
(監修:いぬのきもち・ねこのきもち獣医師相談室 担当獣医師)
※一部の写真は「いぬ・ねこのきもちアプリ」にご投稿いただいたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
取材・文/柴田おまめ