先代犬の「富士丸」と犬との暮らしと別れを経験したライターの穴澤賢が、数年を経て現在は「大吉」と「福助」(どちらもミックス)との暮らしで感じた何気ないことを語ります。
あちらこちらで紅葉が見頃を迎えている。山の家がある原村周辺も散歩しているとちらほら見かけるが、ぽつんぽつんとある程度で、密集してあるようなところは知らなかった。が、これまたご近所のカール家から絶好の紅葉スポットがあると聞き、せっかくなので行ってみた。
まさに“紅葉”な秋景色
到着してみると、たしかに紅く染まった木が多い。同じ頃にそうなる木を植えたのだろう。広い敷地にある木がみんな紅くなっている。これまで「紅葉を見に行こう」なんて思ったことは1度もないが、これだけ1カ所に集まっているのを目にするとついつい写真を撮りたくなってしまった。
紅葉なんてどうでもいい大福に付き合ってもらい、記念撮影する。ちなみにここは「ヨドバシカメラスポーツセンター」で、駐車場も開放されている。小淵沢インターから原村をつなぐ鉢巻道路沿いで「鹿の湯」のそばにあるのだが、ここを通るのはいつも夜だから全然知らなかった。
これを撮影したのが2021年11月7日で、このあたりは間もなく冬になるから、そう長くは見られないと思う。八ヶ岳あたりに行くことがあれば立ち寄ってみるとこんな景色が見られるかも。
落ち葉と愛犬で思い出したこと
落ち葉を大福の頭に乗せて笑いながら写真を撮ったりしているとき、ふと前にもこんなことをしたことがあったような気がした。
たしか富士丸と福島県あたりへ行ったときだったような。帰宅してから探してみると、やっぱりあった。日付を見ると2006年の10月。15年も経っているのに、やっていることはたいして変わらないんだなぁ。
プロフィール
穴澤 賢(あなざわ まさる)
1971年大阪生まれ。2005年、愛犬との日常をつづったブログ「富士丸な日々」が話題となり、その後エッセイやコラムを執筆するようになる。著書に『ひとりと一匹』(小学館文庫)、自ら選曲したコンピレーションアルバムとエッセイをまとめたCDブック『Another Side Of Music』(ワーナーミュージック・ジャパン)、愛犬の死から一年後の心境を語った『またね、富士丸。』(世界文化社)、本連載をまとめた『また、犬と暮らして』(世界文化社)などがある。2015年、長年犬と暮らした経験から「DeLoreans」というブランドを立ち上げる。
大吉(2011年8月17日生まれ・オス)
茨城県で放し飼いの白い犬(父)とある家庭の茶色い犬(母)の間に生まれる。飼い主募集サイトを経て穴澤家へ。敬語を話す小学生のように妙に大人びた性格。雷と花火と暴走族が苦手。せっかく海の近くに引っ越したのに、海も砂浜もそんなに好きではないもよう。
福助(2014年1月11日生まれ・オス)
千葉県の施設から保護団体を経て穴澤家へ。捕獲されたときのトラウマから当初は人間を怖がり逃げまどっていたが、約2カ月ほどでただの破壊王へ。ついでにデブになる。運動神経はかなりいいので、家では「動けるデブ」と呼ばれている。