犬と暮らすうえで、まず知っておきたいのは、体のこと。この記事では、フードを消化・吸収する体のつくりや成長の仕方、健康的な理想体型などをまとめました。愛犬の体調管理は飼い主の責任です。やせすぎや肥満に注意して、犬の健康管理に気を配りましょう。
雑食の犬、肉食の猫。体のつくりも違う
犬と猫を比べてみましょう。犬は雑食性の動物、猫は肉食性の動物という違いがあります。このため、体のつくりにも異なる部分があります。
たとえば、犬と猫の永久歯を比べると、雑食性の犬の臼歯(奥歯)は26本なのに対し、肉を引きちぎって飲み込む猫の臼歯は、14本と少ないのです。
また、食物を消化する腸の長さも違います。犬は消化に時間のかかる植物を食べることもあるため、腸の長さが体長の約6倍あるのに対し、猫の腸は体長の約4倍しかありません。
小型犬と大型犬では成長スピードが違う
生まれたばかりの子犬は、毎日体重が変わるほどのスピードで成長します。この時期(成長期)の栄養状態が悪いと、病気になりやすい、ひ弱な犬になってしまいます。
成長期には、子犬の小さな胃や腸で効率的に消化・吸収できて、充分な栄養素のとれる、適切な食事を与える必要があります。成犬体重の80%くらいに成長するまでは、「子犬用」などの表示のある、成長期用の総合栄養食のフードを与えることが理想です。
成長スピードは犬種によって異なるため、成犬用フードへの切り替えに適切な時期は、小型犬では1才より前、超大型犬では1才よりも後になります。
やせすぎ? 肥満? 定期的に獣医師のチェックを!
私たちが健康診断で腹囲などを測り、基準値と比較することがあるのと同様に、犬にも肥満度を判断する指標があります。下の表は、犬の栄養状態の判定に用いられる指標の1つ、「ボディ・コンディション・スコア(BCS)」です。
体重や体の大きさは個体によってばらつきがあるので、BCSでは肉付きなどから肥満度を判断します。飼い主の判断では、肥満かどうかの判別が甘くなってしまうので、定期的に、獣医師に肥満度をチェックしてもらいましょう。
肥満はさまざまな病気を呼び寄せます。体重が増えすぎないように、コントロールすることが大切です。
成長期も、成長が止まっても 体重測定を習慣に
犬の健康を維持するために、定期的に体重の管理をしましょう。肥満の兆候にいち早く対応できるほか、体重が減るなどの病気のサインに気付く手助けともなります。成長期には2〜4週に一度、その後も3カ月に一度は体重測定して増減を比較したいものです。
成長期にはエネルギーの消費が大きく、比較的肥満になりにくいのですが、成長が止まってから、とくに、避妊・去勢手術を済ませたあとは必要なエネルギー量が減るので、肥満に気を付ける必要があります。生後1年前後の体重の増加が一度止まった時点から、また体重が増え出したら、獣医師に相談しましょう。
引用元:いぬのきもち『愛犬の栄養学事典』
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