シニア犬と暮らしたことのある方は、犬が「この段差が越えられないよ」「今日のお散歩はちょっと疲れちゃった」と感じているような”愛犬の老化”を実感した経験はありませんか?意外な変化に早く気がつくことは、シニア犬の暮らしやすい生活や病気の発見に繋がります。
老犬の意外な変化①外見的な変化
シニア犬は、若い犬に比べて外見的な変化が目につきやすいです。老化で毛色を作る細胞の働きが弱まることで白髪が目立つ、核硬化症や白内障で目が白くなる、角質の新陳代謝が悪くなって鼻がカサカサに乾く、歯が黄ばむといった変化がみられます。
体に皮脂腺腫や乳頭腫といった良性のイボができることもありますが、乳腺近くのできものは、未避妊のメス犬の場合、乳腺腫瘍の可能性があるので注意が必要です。
意外な変化としては「お尻が小さくなる」ことが挙げられます。運動量や筋肉量が低下することで、足やお尻回りが痩せてほっそりとした印象になり、歩いた後に足がプルプルしているかもしれません。
運動量が少なくなったのに、今までと同じ食事内容を与えていると基礎代謝の低下によって太りやすくなり、犬の関節に負担がかかるので気をつけましょう。
老犬の意外な変化②体の機能の低下
老犬は運動量や筋肉量が落ちることで関節や体の痛みを感じるようになったり、運動機能が低下して体の反応も悪くなっていきます。
段差につまづく、階段が上がれなくなる、室内でも散歩でも歩きたがらずに寝てばかりいるといった様子がみられるかもしれません。
呼んでも反応がない、壁にぶつかるなどの変化は、聴力や視力の衰えによって周りの状況がわからず、日常の行動に変化が出ていることもあるので、びっくりさせない工夫や危険なものを移動させるなど生活環境の改善を行いましょう。
歩かない、動かないという変化は、椎間板ヘルニア、変形性脊椎症、僧帽弁閉鎖不全症や白内障などの病気の可能性があります。
皮膚常在菌への抵抗力が弱まることで体臭が強くなるのも老化のサインです。
老犬を観察することが大事
老いていく愛犬の姿に少し寂しい気持ちになってしまうかもしれませんが、日々の観察と定期的な健康診断を行い、体の状態を把握して、共に過ごせる時間をより充実させてあげましょう。
監修:いぬのきもち獣医師相談室
文/maki
※写真は「いぬのきもちアプリ」で投稿いただいたものです
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください