犬の“習性”の3つの新事実!
犬にまつわる習性、巷ではいろいろいわれていますが……
世の中ではワンコの習性についていろいろなことがいわれていますが、なかにはその真偽のほどがわからないものも。ウワサの域を出ない情報を鵜呑みにしていると、たとえばしつけに失敗したり、愛犬との関係が悪くなったりする可能性も十分あるので、正しい情報を知って、愛犬との生活に役立てましょう。
新事実1 犬は家族を順位づけしない!
かつて「オオカミなど群れで生きている動物には序列があって、上下関係や順位がある。リーダーには絶対服従する」という説がありました。その影響なのか、犬においても「家族という群れの中で上下関係を築く」といわれることがあります。
しかし! これは間違った情報なのです!
犬は家族のことを、たとえば「お母さんは群れのリーダーで、妹は自分より下」などと順位づけしたりしません。
もし、「お母さんの言うことは聞くけれど、妹の言うことは聞かない」など家族への対応に違いがあるのだとすれば、それはお母さんの言う通りにすればごほうびがもらえ、妹にはもらえない、などといった理由から。犬はその時々の状況に応じ、自分にとってどのような損得があるか考えて行動しているといわれています。
事実2 母犬は子犬の口を噛んで叱ったりしない!
「母犬は子犬を叱るときに口まわり(口吻、マズル)を噛む」という誤った説が流れ、そこから「犬はマズルを押さえながら叱るといい」といわれたことがありました。
しかしこちらも大きな間違い! 母犬は子犬を本気で噛んで叱ったりしません。
ですから、それを真似したしつけ方など言語道断!
犬はマズルを強く押さえて叱る飼い主さんの手に嫌悪感を抱くようになり、口を触らせなくなり、しまいには信頼関係も崩れます。
そもそも犬を叱ること自体ナンセンス。絶対にしてはいけないしつけ方なので、注意しましょう!
事実3 人より先に歩いても「自分が上」とは思わない!
散歩中に犬を先に歩かせていると「自分のほうが飼い主より偉い」と勘違いさせる……、そんな間違った習性を耳にすることがあります。
しかし、先に述べたように、犬は相手が自分より上か下かということを考えてはいません。
また、犬との接し方で上下関係や主従関係がつくられるという説に根拠はありません。
散歩中、飼い主さんより先に歩きたがるのは、自分がリーダーだからと思っているのではなく、単にお散歩が好きだったり、行く先に気になるものを見つけてわれ先にと進んでいるだけなのです。
ただ、毎回犬の自由に歩かせていると「リードを引っ張って好きなように歩いていいんだ」と覚えさせてしまうため、「飼い主さんの隣に並んで歩くとイイコトがある」とごほうびを与えながら教えるといいでしょう。
いかがでしたか? 正しい犬の習性を知って、お世話やしつけに役立てられれば、愛犬からもっと信頼される飼い主さんになれますよ!
参考/「いぬのきもち」2017年10月号『ネットに載っていたこの情報、ウソ?ホント?』(<しつけ編>監修:Can!Do!Pet Dog School代表 西川文二先生)、
「いぬのきもち」2018年3月号『犬の習性 コレってホント? それともウソ?』(監修:東京農業大学農学部バイオセラピー学科教授 増田宏司先生)
イラスト/尾代ゆうこ
文/h.taco