メス犬は避妊手術をしなければ、子犬を授かれる期間とそうでない期間を繰り返すようになります。その周期の一時期に、人の生理のように陰部からの血のようなおりものが分泌されるため、犬の発情を「犬の生理」と表現することもあります。
一般的には、7〜10カ月以降で最初の発情期を迎えることが多いですが、犬種や季節、飼育環境などの影響も受けるため、1才を過ぎてから最初の発情期を迎えることもあるようです。
今回は、実際にいぬのきもち獣医師相談室に寄せられた飼い主さんたちの質問を例に、犬の生理にまつわる疑問4つを取り上げます。
Q1.愛犬が生理に。どれくらい続くの?
A.メス犬の発情は、「発情前期→発情期→発情休止期→無発情期」の順で起こります。このサイクルのうち、発情期に相当するのは5~20日程度で、出血がはじまるのは発情前期、出血の持続日数は4~37日と個体差があります。
ちなみに、交配適期は発情期がはじまってから5~6日であるといわれています。
Q2.愛犬がはじめて生理に。乳腺が大きくなっている気が…大丈夫?
A.発情期のすぐ後は、発情休止期と呼ばれます。この時期は妊娠していてもしていなくても、黄体ホルモンというホルモンが分泌されることにより、乳房が張ります。
一般的に、この張りは正常な体の反応のひとつだと思われますが、もし乳房に熱感を帯びていたり、コリコリしたしこりが感じられるなどの異常がみられたら、かかりつけの獣医師に相談してくださいね。
Q3.愛犬の生理が始まり、家の中に血が…対処法は?
A.避妊手術をしない限り、1年に2回程度の発情期がきます。自分で血を舐めとってしまう子もいますが、出血量が多ければ血がいろいろなものに付着して汚してしまいます。
犬用の生理ナプキンとパンツが市販されていますので、お好みのものを購入してみてはいかがでしょうか? なかには、犬用のおむつを使用される飼い主さんもいますね。
排泄のときにナプキンやパンツの取り外しをしなければならないので、少し手間がかかりますが、血が家の中のものに付着するのを防ぐにはよい方法だといえるでしょう。
Q4.犬が発情中だけど、散歩に行っても大丈夫?
A.メス犬が発情中に散歩をすることは問題ありませんが、オス犬との接触には注意が必要です。一瞬のうちに交尾してしまうこともあるので、犬のたくさんいる公園やドッグランには連れて行かないようにしましょう。
以上、よくあるメス犬の生理にまつわる疑問についてお届けしました。
(監修:いぬのきもち・ねこのきもち獣医師相談室 担当獣医師)
※写真はアプリ「まいにちのいぬ・ねこのきもち」にご投稿いただいたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
取材・文/sorami