cat_12_issue_oa-davincinews oa-davincinews_0_df34157f7b7f_東大生クイズ王・伊沢拓司が語る、大学時代の過ごし方とYouTuberという職業【インタビュー後編】 df34157f7b7f df34157f7b7f 東大生クイズ王・伊沢拓司が語る、大学時代の過ごし方とYouTuberという職業【インタビュー後編】 oa-davincinews 0

東大生クイズ王・伊沢拓司が語る、大学時代の過ごし方とYouTuberという職業【インタビュー後編】

2019年3月1日 19:00 ダ・ヴィンチニュース

 今、一番勢いのある東大生クイズ王・伊沢拓司さんが書き下ろした新刊、『勉強大全』の執筆秘話から伊沢さんが考える大学受験、学び、書籍作りについて伺いました。

写真:前康輔

大学時代の過ごし方とYouTuberという職業

―本文でも触れられていましたが、自分が何に向いているのか、将来何になりたいか分からないけれども、とりあえず大学にみたいな人も多いと思うんです。大学時代を浪費してしまい、なかなか納得した道を見つけられなくて、社会人になっても転職を繰り返してしまう、20~30代も増えているように思います。大学時代のベストな過ごし方についてどうお考えですか?

 今回はあくまで「大学受験を例に取った」勉強本というコンセプトで書いたんですが、「学問」を語る上で「大学」は軸になるなと思ったので「大学とはそもそも何か?」みたいな話をカンタンにですが入れました。最後まで削るか悩んだパートではあります。この本では再三「合格点を取ることが目標、それをどう目指すかというのは手段」という割り切りを軸にして話を進めているんですが、それってそもそもちょっとズレてて。合格という結果を掴み取るためにはその割り切り方が一番ラクなんだけど、やっぱり本質は「◯◯するために合格するぞ」だと思うんですよね。

―本来の目的を見失っている人が多いですよね。

 文中でも触れましたが、大学とかって「この大学でこういうことがしたい」と思って入る人より「とりあえず大学に入るという資格を得ねば」というところがスタートになるケースが多いはずで。それが悪いとは全然思わないけれど、本来の構造から見るといびつですよね。その学校に入ったから何かになれるなんてことってないし、基本的には学校の中で自分が努力することで何かを得ないといけないのが普通。学校がなにかしてくれることを期待するんじゃなくて、学校で自分が何をするかというのが重要になる、というのが本線だと思うんです。だから、「いや、ホントのところは受験を点取りゲームと考えるのはスマートじゃないよ、でも受かることが大事だから、一応さ……」ってことは言っておかないと誠実じゃないなと思って、大学についてのパートを残したんです。

 だから正直、僕も大学時代にどう過ごすべきかはわからないです。大学の本来の目的は研究と教育だけれども、大卒資格に価値があることもまた事実だし、いろんな職業があるわけだから「こうあるべき!」とは言い切れないなと。僕自身、大学入った直後はやる気があってゴリゴリ単位とっていましたけど、2年生のときはサッカー見てギター弾いて寝るだけの生活を一年してましたし。一人暮らしでお金もなくて、バイトして日銭を稼いで、安い服とギターの弦買ったらもう終わりみたいな。無為ですけど、それで趣味は深まったから、一概にマイナスとも言えない。今の仕事も大学での研究内容とはかけはなれたものですけど、研究で得たメソッドだったり、見地だったりが活きることもある。そもそも企業人であり、YouTuberでもありますから、自分の職業が何なのかという意識もよくわからないことになってますし、それゆえに大学が自分の人生においてどういう存在だったのかは、まだわかっていないですね。僕自身、その答えについては探している最中という感じです。

 ただ、これだけは多分あってる、と思うことには、「本来はこうなんだよ」ということを知った上で別の選択、つまりは職業訓練校的な大学の使い方を選ぶのと、なーんも知らないで流されるのとでは、やはり時間の価値が変わってくるなと。ですから、ベターな過ごし方としては「大学ってどういうものなの?」ということを正しく知った上で、自分の意志でやることを選択する、ということになるのかなと思っています。

―今はYouTuberとして「クイズの面白さ」をクオリティの高い動画で伝えていらっしゃいます。伊沢さんはご自身のの得意なこと、好きなことを仕事にされているかと思いますが、誰もができることじゃないですよね。

 少なくとも、いろいろな場所で活動できる、勉強できることには感謝ですね。そもそもWEBメディアの仕事もずっと準備をしていたというよりは、目の前にボールが転がってきたから始めたという感じでしたし、YouTuberになることも最初はそれほど興味がなく、わりと流されるように始めた仕事でした。自分は研究者になろうと思っていたけれど、それは向いていないということもわかったので、「やりたいことを仕事に」というよりは「チャンスが来たものにしがみついている」という方が正しい気がします。

―QiuzKnockの登録者数は58万人を超えていますね!毎晩、動画配信を楽しみにしているファンも増えていると思います。

 ありがたいことに表現の場所を複数頂戴したので、その場その場をほんとに大事にしないとなという意識でやっています。いや、そう口にすることで自分に暗示をかけてるのかな?わかんないですね……。

 今回は書籍でしたからなるたけ丁寧に論理を追って、後からの補足がいらないような形にしました。同じ内容を話すとしても、テレビだとコメントを振られる立場だから15秒以内で結論だけ言い切ったり、YouTubeなら笑いを交えつつ10秒におさめて、後から論理を補強したり、あえてオーバーに動いたり……みたいなやり方になると思います。今回伝えたいことをよりよい形で伝えるのなら、書籍というフォーマットがベストだったと思います。

 逆に、今回追えなかった具体的な方法論だったり、個々人の事例に対するケーススタディはより相性の良いYouTubeでやってきたので、合わせて使ってもらえると嬉しいですね。

 各メディアごとにペルソナを使い分けるのは大変ですが、楽しくもあります。YouTubeにはYouTubeの、テレビにはテレビの文法がありますし、WEBメディアの編集長として書くときと、書籍を書く時でも違います。ほかなら非常識に思えるような伝え方が、YouTubeの視聴者層には響いたりもする。逆もまた然りで、この本の内容を丁寧にYouTubeに出してもウケなかったはず。そこのスイッチだけは入れ間違えないように気をつけていきたいなと思います。

装丁や写真、「プロの技術」に触れた書籍作り

―『勉強大全』装丁もシンプルでとても素敵ですね。書店でも目立っています!装丁については、伊沢さんも案を出されたりするのか?

 今回は寄藤文平さんと文平銀座のみなさんにデザインしていただきました。とにかく見やすく、とっつきやすく……と僕の中で思っていて、あれやこれや相談させていただいたんですが、伝えたものがデザインに即変換されていくさまというか、打ち合わせをしながらどんどんとデザインができていく所を間近で見て感動しました。

 プロの技の凄みを体感できたことも、今回得られたとても良い経験したね。イメージを伝えると、それに寄藤さんの知識と経験がプラスされた形でアウトプットが出来上がり、あとは僕がそこから選ぶだけ。それでいて、「うわ、これがいいな」と僕自身腑に落ちるものができるのだから、本当にすごいです。

 寄藤さんにはタイトルについてもご意見いただいて、『勉強大全』という名前についても「いいんじゃない」と最初にいってくださりました。本当にこの本に携わってくださりありがとうございました。

―口絵の写真や章扉の写真も、伊沢さんらしい表情がとらえられていてすばらしいですね。伊沢さんの馴染みのある地域で撮影されたのですか?

 やはり文章ベースの本ですし、多少なりとも休憩ポイントがほしいなと思いまして。あとはやはり前作とかぶっちゃいますけど、目線を自分の中に作って語る必要があって、そしてそれを伝える必要もあって……という中で、ファーストインプレッションというか、読み手が受ける感覚として、僕自身の学生時代を本全体として上手にトレースできれば良いなと思っていました。

 なので、写真のロケ地は学生時代の思い出の地ばかりですね。放課後たむろしてた西日暮里の煙ためのゲーセンとか、よく行ってたうどん屋とか、あとは通ってた塾とか。高校生の頃通っていて、大学時代はバイト先だった塾で撮影をするのとかは、なんかこそばゆかったですね。お世話になりっぱなしだった塾長が遠目で見ていて。僕はどう写っていたんでしょうか。

 今回は写真家の前康輔さんに撮影していただいんですけど、かなり自然な、ナチュラルな場面を撮っていただけて、もうホント良かったです。撮影の時、序盤は自分自身でも撮られている意識というか、「構えている」部分があったんですけど、前さんが「一緒に遊びに来てる感じで」と言ってくれて、前さんの話術にノッているうちにどんどん自然になっていったというか、ナチュラルに楽しんでいたら良い写真に……という感じで、前さんのプロのワザを目の当たりにしました。めちゃすごいなと。前さん超ナイスガイでした。コロッケ美味しかったです。

―各分野のプロフェッショナルが形作っていく書籍作りの凄みが伝わってきますね。

 著者として名前が出るのは僕ですけど、本当に多くのスタッフさんがプロフェッショナルの技術を集めてくださって、執筆への気合だったりとか、「自分もプロにならねば」という良い重圧がかかりましたね。みなさんに見合う仕事ができたか気になります。

―「クイズ本」に続いての「勉強本」。伊沢さんの文章が読みたい読者は、続々と増えていると思います。次はどんなテーマでご執筆されたいですか?

 悩ましいですね……。書くことは好きなのですが、まだまだスキルアップをしないといけないなと。特に最近、書いてばかりで読めていなくて、積読がたまっているので、まずはそれを吸収するところからスタートかなぁと。

 もちろん、前に言ったように「勉強自体の楽しさ」に焦点を当てたものには携わりたいですね。あとは、そろそろまた作りためたクイズを放出したい気持ちもあります。クイズについても、普段の仕事の中でドンドン新しい知識、新しい見方を得られるので、その分だけ欲望がふくらむというか、もっともっと知って、面白いものを思いつきたいです。いやでも、今回の書籍についてはYouTubeでやりたいような理想像を捨ててより現実的なことを書いていく仕事だったから、この本がヒットしたなら、ここで言っているようなことは書籍に向いてないのかも? 戦略の再考は必須ですね……。

 いずれにせよ、自分が発掘した面白いものだったり、自分が見地を提供できたりというものを、良い表現方法で外に出していきたいですね。まずはそのための勉強をやりたいです。

―最後に受験生や資格試験を控えている読者に一言お願いいたします。

『勉強大全』に興味を持ってださりありがとうございます。

 勉強本を書いておいて無責任なことを、と言われそうですが、やっぱり決めるのは御本人なんだと思います。どの勉強本を読むか、どの情報を信じるか、どれを採用してどれを不採用にするのか。すべては本人が、本人の未来のためのみによって決定をくださねばならぬことです。受かるのも自分なのだから、決めるのは自分です。ですから、ぜひこの本も「疑って」いただけると嬉しいです。「決める」ことは「疑う」ことから始まりますから。

 逆に言えば、自己分析さえできていればエゴに振る舞ってもいいのです。合格を掴み取りさえすればオールOK。人の言う正攻法など、強いパーソナリティの前には無意味です。ですから、その良いエゴのための、体のいい道具として、ぜひこの本を活用していただきたいです。

【プロフィール】
伊沢 拓司(いざわ たくし)
日本のクイズプレーヤー&YouTuber。1994年5月16 日、埼玉県出身。開成中学・高校、東京大学経済学部を卒業。現在は東京大学農学部大学院、東京大学クイズ研究会(TQC)に在籍。「全国高等学校クイズ選手権」第30回(2010年)、第31回(2011年)で、個人としては史上初の2連覇を達成した。TBSのクイズ番組「東大王」では東大王チームとしてレギュラー出演し、一躍有名に。2016年には、Webメディア「QuizKnock」を立ち上げ、編集長を務め日本のクイズ界を牽引する。同時に、自身の経験を活かしYouTubeで勉強法のアドバイスや公演なども行っている。『思考力、教養、雑学が一気に身につく! 東大王・伊沢拓司の最強クイズ100』(KADOKAWA)など著書多数。

『勉強大全-ひとりひとりにフィットする1からの勉強法』(伊沢拓司/KADOKAWA)

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cat_12_issue_oa-davincinews oa-davincinews_0_187075173a30_愛する妻のオッサン化を止めたい! 夫の切実な願いは届くのか(1)「妻、強し」【連載】 187075173a30 187075173a30 愛する妻のオッサン化を止めたい! 夫の切実な願いは届くのか(1)「妻、強し」【連載】 oa-davincinews 0

愛する妻のオッサン化を止めたい! 夫の切実な願いは届くのか(1)「妻、強し」【連載】

2019年3月1日 19:00 ダ・ヴィンチニュース

大反響につき、リバイバル連載決定!

 なぜか泣ける人続出中! 夫36歳、妻32歳、息子5歳 泣いて笑って、やっぱり泣いて… それでも幸せです。 本当の結婚生活が、ココにあります。―― 結婚10年目 40歳男性 愛する妻が日々オッサン化してしまい、悩める夫の視点から描いた夫婦本。「あるある」「うちも」という男性の共感、「ヤバい、これって私のことかも」「うちの母親がそうだったから気をつけねば」という女性のドキドキ感をくすぐるようなネタが満載!

 ネット上では、「事件が起こるわけでもないけど、どうなるのか気になり読んでしまう。」「あっ!姉だ!!自分の姉にそっくりだ!!! ということで、他人事ではない気持ちで読みました。」など、反響が続々! 一方で妻側の目線で怒りのコメントもちらほら…?

 でも、作品には夫の妻への愛情があふれているように見えるのは、私だけではないはず。そして妻の底抜けの明るさとポジティブさが私たち読者の大きな救いです。

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cat_12_issue_oa-davincinews oa-davincinews_0_8feeb56fa36d_「モテる読書術」でライバルに差をつけよう! 「初体験」がオトコを上げる 8feeb56fa36d 8feeb56fa36d 「モテる読書術」でライバルに差をつけよう! 「初体験」がオトコを上げる oa-davincinews 0

「モテる読書術」でライバルに差をつけよう! 「初体験」がオトコを上げる

2019年3月1日 17:30 ダ・ヴィンチニュース

 異性にモテるために、一生懸命筋トレや美容に励んでいる世の男性の皆さん。今やその努力は時代遅れだと聞いたらどう思うだろう。今の時代において、「モテる男」であるためには、一体何が必要なのだろうか?

 センス、経験、教養、財力…などなど、モテのために必要なものは数多く思い浮かぶ。そして、それらを手に入れるために最も有効な行動のひとつが、「読書」であるという。

『モテる読書術』(長倉顕太/すばる舎)の著者は、「情報社会である今の時代に大切なのは筋肉量や美しいカラダではなく、読書量、つまりは情報量である」と説いている。本書に収録されている「魅力的になりたい現代人のための読書術」を本稿ではいくつかご紹介したい。

■読書は大切。だがただ本を読むだけでは意味がない

 本書が強く推すポイントは、「読書だけ、知識だけでは、リアルな世界では何の意味もない」ということだ。世界中の知識なんてかき集めればキリがないし、そもそもそれを読書でカバーしようと考えていては時間がいくらあっても足りない。

 読書そのものを楽しく感じ、本の世界に入り浸るのはとても良いことだが、実生活に、そしてモテに役立てるには多少なりともテクニックを体得しておく必要がありそうだ。本書は「読書はあくまでも人生戦略における手段であり、目的は人生をより良くすること」だと定め、そのために有効なメソッドを紹介している。

■いかにして「脳を飽きさせないか」がカギ

「やる気が出るのも失うのも結局脳の問題なので、脳をどう都合よく使えるのかが勝負」になると著者。確かに、よほどの読書好きであっても、読書に「飽き」はつきものだろう。

 例えば、ふと思い立って「森鴎外でも読んでみようか」と腰を上げても、作家の時代背景や当時の感覚が分からないと、読むのがとても難しく感じてしまうだろう。そこで著者は、補足情報を検索することを推奨している。作者の生い立ちや執筆の裏に隠されたエピソードを知ることで、本の内容がすんなりと脳に入ってくるようになり、モテるための読書も苦しいものではなくなるわけだ。

■「初体験」が男の魅力を上げる

「初体験が…」というとすぐにそっちを思い浮かべる男性の方も多いかもしれない。そっちだけでなく、すべての初体験は頭を良くし、私たちが魅力的になっていく上で重要な役割を担っているのだという。

 私たちは気付いていないだけで、日常の中で慣れて鈍化してしまう。そしてこの「鈍化」はモテの大敵だという。読書も、ビジネスも、そして色々な女の子とデートするのも、私たちが不感症にならないために重要なことだ。それぞれの初体験を通して新しい世界に直面したとき、「自分が“知らない”ということを初めて知る」ことは、魅力的であるためには欠かせないことなのだと著者は説いている。

 私たちは現代を生きる中でインターネットの技術を手に入れ、今やインターネットの世界が中心となって情報を創り出し発信する場所になっている。それによって読書をする人や読書の時間は減っているようだが、捉えようによっては、これは「チャンス」ではないだろうか。読書をすればするほど、周りやライバルと差をつけやすいからだ。

 頭ひとつ抜きんでた“モテる男”になるためにも、読書は非常に効率的で効果的なエクササイズになるのではないだろうか。

文=K(稲)

『モテる読書術』(長倉顕太/すばる舎)

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「私は夫が大キライ」――平凡な主婦の笑顔の裏側の物語(1)「献立」【連載】

2019年3月1日 11:00 ダ・ヴィンチニュース

大反響につき、リバイバル連載決定!

どこにでもある普通の家庭の平凡な妻、翔子。

子どもにも健康にも恵まれ、何一つ不自由はないはずなのに…。
夫との距離が離れ行くばかりの毎日が、積み重なっていくのです。
『ママ友がこわい』でもおなじみの野原広子さんが描き、多くの女性たちをざわつかせた“問題作!

 発表直後から、反響がとどまるところを知らず。

「読んで涙が止まりませんでした。「私は夫が大嫌い」ずっとつぶやいてしまいます。まだこの夫はまし。改善の余地あり。」「気になって買ってみたんだけど、予想以上にハートに突き刺さってボロボロ泣いた。専業主婦の辛いところ全部エグって来よる…つらい…」などなど、今なおSNS上にあふれる数々の感想が、いかに本作が多くの人の心に刺さったかを表しています。

 主人公の翔子や夫について、「もっとお互いに言いたいことを言えばいいのに」と感じる人も少なくないでしょう。しかし、世の中のすべての人が「こうしたら絶対いい」ということができるわけではありません。どうしてもできないこともあるのが現実です。

 できないことが理解できない人には疑問だけが残り、理解できる人にはきっとたくさんの共感がある。これはそんな作品だと思うのです。

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cat_12_issue_oa-davincinews oa-davincinews_0_4e169e912eeb_元・保護猫「くまお」と運命の出会い! 里山育ちの怖がり猫が飼い主に心を許すまでの1か月間 4e169e912eeb 4e169e912eeb 元・保護猫「くまお」と運命の出会い! 里山育ちの怖がり猫が飼い主に心を許すまでの1か月間 oa-davincinews 0

元・保護猫「くまお」と運命の出会い! 里山育ちの怖がり猫が飼い主に心を許すまでの1か月間

2019年3月1日 11:00 ダ・ヴィンチニュース

 猫を迎えるときに、保護猫を選択肢の一つとして考える人が増えています。でも、「人間に慣れるの?」「飼うのが大変では?」と不安に思う人もまだ多いようです。そこで、「元・保護猫」の「くまお」と暮らす鎌田さんに、くまおを迎えることになった経緯と、くまおが鎌田さんに慣れるまでのエピソードをうかがいました。

壮絶な介護の末にペットロス 新たに迎えるなら保護猫を

 じつは、ずっと犬派だったという飼い主・鎌田さんは、結婚後に飼いはじめたロシアンブルーとの生活で、猫のかわいさと、いっしょに暮らす快適さを知ったといいます。みうさんと名づけられたその猫は、大病を患い、16歳のとき鎌田さんが看取りました。「人生で初めて、命と向き合うという体験をしたんですよね。看取ったあと、どうしても介護のことを思い出してしまうので、仕事が終わっても家に帰れない状況がしばらく続きました。完全にペットロスだったと思います」

 しかもそのとき、鎌田さんのご主人は、大阪に単身赴任中。「すごく心配して、『うちはいま、猫を飼える環境なんだよ。飼えば、1匹助けられるんだよ』って言ってくれて。次に迎えるとしたら保護猫だねと、主人と前から話していたんですよね」。でも、実際に譲渡会に行ってみたものの、一歩踏み出せずにいた鎌田さん。「みんなかわいいけど、迎えるとなると責任が伴いますよね。そんなとき主人が『すごいのがいるよ』と写真を送ってくれて、それがくまおだったんです。その写真を見た瞬間「わあ! この子だ」と思って、すぐに里親募集サイトから問い合わせをして、お見合いをしました」

会いに行ったら目の小ささにびっくり(笑) シャーシャー言う姿もかわいくて

 くまおを保護したのは、鎌倉市とその周辺でTNR活動(地域猫活動)をしている「NPO法人・湘南鎌倉猫ほっとさぽーと」という団体。「くまおは横須賀の里山にいて、たまに近所のおじいさんにエサをもらっていたらしいです。通報があったのか、ボランティアさんがくまおを保護して動物病院に預けたら、腸のヘルニアが見つかって。まずヘルニアの手術をすることになり、そのあと去勢手術もすませたので、保護期間が長期になったんでしょうね。地域猫として里山に戻すつもりが、もしかしたらこの子は里親が見つかるかもしれないと募集をかけたところ、うちがその3日後に手を挙げたそうです」

 さて、シェルターでくまおとケージ越しに対面した鎌田さん。「目が小さいのにびっくりしました(笑)。ビビリでシャーシャー言っているんですけど、そのシャーシャーもかわいくて。怖がって固まっているから、くまおのボディとか全体像がまったく把握できないんですけど、でもこの子を迎えたいと思って伝えて、譲渡契約をしたその翌週には自宅に連れてきてくれました」

迎えたくまおは極度の怖がり ソファの下に1カ月籠城

 極度に怖がりのくまおですから、鎌田家に慣れるまでに当然、時間がかかりました。初日は、テレビの裏に隠れて、2日目からソファの下に籠城。「一週間ぐらいたって、さすがに無理かもしれないと思いました。ごはんもほとんど食べていないので体調を崩したらどうしようと思っていた矢先に、ソファからさっと出てきてごはんを食べて、また戻るようになって。これは時間をかけたらたぶん大丈夫だなと思いました。そうしたら、ある日トコトコ出てきて床の座布団に座ったんです」。迎えて1カ月が過ぎていたそうです。

あせらずゆっくりかまえるのが 大人の保護猫と暮らす秘訣

「くまおは、大人の保護猫のビビリな子の典型だと思うんですけど、ゆっくり時間をかけたら、じわじわと近づいてきてくれて、その感じがたまらなくかわいい。捕獲されたトラウマなのか、いまもだっこは怖いようです。でも、ベッドでなでられるのが大好き。わたしが仕事から帰ると、まずごはんではなく、ベッドへと小走りでわたしを誘導するんです。ベッドの上に乗ってごろんとするので、そのまま10分ぐらいなでると、満足して『さ、ごはん食べに行こうか!』となるのが日課です(笑)」。

 あせらず時間をかけたからこそ、くまおが投げかけた愛をのがさずキャッチできた鎌田さん。「わたしにとってくまおはほんとうに福猫で、いろんな縁をもらいました」

保護猫の魅力を伝えるべく 日本各地でイベントを開催

「保護猫活動のボランティアさんは、土日返上で、ほぼ自費で活動されているかたが多いです。せめてもの恩返しをと約3年前、くまお本を作り、インスタグラムでお知らせして500冊ぐらい買っていただきました。その収益のすべてを、くまおを保護した団体に寄付しました。そのとき本を購入してくれたかたがたが『いつも写真に癒やされています』とか温かいメッセージをくださって。そのかたがたにもなにかお礼をしたいと思って、最初のイベントを開催しました」。

 昨年、「一般社団法人くまお」を立ち上げた鎌田さん。保護猫のことを楽しく知ってもらうため、「くまおが山からおりてきた展」というイベントを東京、大阪、宮城、鹿児島、長野、福島、岩手などで開催しました。今後の予定については、鎌田さんのブログやインスタグラムをチェックしてください。

『元・保護猫と世界一幸せに暮らす方法』(白岩千鶴子:監修/主婦の友社)

『元・保護猫と世界一幸せに暮らす方法』(白岩千鶴子:監修/主婦の友社)には、くまおのほかにも、どんこやぐっぴー、ぶさおなど「元・保護猫」と幸せに暮らす人たちの実例が満載。幸せを満喫する猫たちの写真も、猫好きにはたまりません! ペットショップへ行く前に読んでほしい一冊です。

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cat_12_issue_oa-davincinews oa-davincinews_0_918fe6d0b71d_「武士の門限は午後6時」「お供は派遣スタッフ」…江戸時代の武士のリアルがおもしろい 918fe6d0b71d 918fe6d0b71d 「武士の門限は午後6時」「お供は派遣スタッフ」…江戸時代の武士のリアルがおもしろい oa-davincinews 0

「武士の門限は午後6時」「お供は派遣スタッフ」…江戸時代の武士のリアルがおもしろい

2019年2月28日 17:30 ダ・ヴィンチニュース

 今から150年前の日本には刀を差し、ちょんまげを結った武士たちが当たり前のように存在していた。そうした武士の暮らしぶりは時代劇や映画などで取り上げられてはいるが、中には脚色が強いものもあり、実際のところ、彼らがどんな生活をしていたのかを知るのは難しいようにも思える。だが、『大江戸 武士の作法』(小和田哲男:監修/ジー・ビー)でなら、武士たちの真の姿や生き様に触れることができる。

 歴史をテーマにした書籍はどうしても堅苦しく思えてしまうことが多いが、本書はイラストを用いながらユニークな視点で、武士のライフスタイルにスポットを当てている。

 単身赴任や副業、賄賂など、私たちをあっと驚かせるような武士のリアルな生き様は時代劇よりもドラマティックなことも。読後には、あなたの中の武士のイメージが180度変わっていることだろう。

■1千万円もの賄賂を手にする武士も!

 いつの時代でも、世の規則に逆らう不届きものは現れる。江戸時代には自分の地位を守るために献上物や献残品という名目で金品を贈る“賄賂”が常態化。中にはなんと、賄賂だけで年間3千両(現在の貨幣価値でおよそ1千万円)もの副収入を稼ぐ武士も存在していた。

 賄賂はそもそも、参勤した大名が藩領の名産品を将軍家に献上する習わしがあったことから始まった。しかし、時代が下ると、献上する相手先が増え、いつしか藩領の名産品ではなく、目録と金子を「付届け」として手渡すようになっていったという。

「付届け」は、藩の中で外交官のような役割を担っていた留守居が贈る。留守居は町奉行に出向き、藩が揉め事を起こした時に面子が汚れないように処理してもらうため、「付届け」を渡す。その際は「馬代」や「太刀代」など、聞こえのいい名目で渡すことが暗黙のルールに。武士たちの間には「おかねを受け取るのは恥だ」という考えがあったため、こうした配慮がなされていた。

 こうして、町奉行に渡った「付届け」は1年間保管された後、総額を算出。成績を踏まえて年末に与力や同心(共に江戸の見回りや監視を行っていた警察のような役職)に配られていたという。

 そんな事実を知ると、時代劇によく出てくる悪代官も実在したのでは…?と思えてしまう。代官という役職は勘定奉行の部下に当たるため、権力を握っていたのは確かだ。しかし、代官は領民の重税を軽くするため、幕府へ掛け合うような人物が多く、時代劇に出てくるような悪代官は実在しなかったそう。

 武士たちの暮らしを知ると、意外な真実も明らかとなり、本当の江戸の姿が見えてくるのだ。

■武士の門限は午後6時!

 武士として生きていくには、守らなければならないルールもたくさんある。その中でもユニークなのが、武士にも門限があったということ。

 武士は戦うことが本分。24時間体制で非常時に備えておく必要があるので、外泊は禁止。そして、午後6時までに帰宅することが決められていた。そのため、江戸時代後期に裕福な商人や庶民の間に到来した旅行ブームとも武士は無縁だったという。

 現在の学生よりも厳しい門限を守っていた武士たち。彼らのルールを知ると、サムライとして生き続けることは想像以上に大変だったのかもしれないと感じさせられる。

 戦いの中で生きる武士たちは気分をリフレッシュさせたいとき、どんな方法をとっていたのだろう…。そう、遠い江戸時代の彼らに思いを馳せたくなってしまうのだ。

■「お供」でわかる武士界の厳しさ

 敵を欺くための「影武者」は、時代劇にもよく登場する。影武者は容貌がよく似ていなければいけないと思われがちだが、実はそうではなく、影武者となる「徒(かち)」は将軍とよく似た衣服を身につけることで敵を欺いていた。

 徒はいわば、将軍の身辺警護の親衛隊。常に将軍の近くにいて、身を呈しながら将軍を守り抜くのが彼らの務めだった。

 江戸時代にはなんと、600人もの徒が影武者となり、将軍の命を救っていたと言われている。

 こんな風に、熱い信頼関係で結ばれていた徒と将軍がいる一方で、「お供」をレンタルする武士も存在していたのが江戸時代のおもしろいところ。武士の掟は「外出時は家臣を必ず連れて歩くこと」。しかし、旗本の最低ランクである2百石取りの武士たちは家臣を雇う余裕がないことも多かった。

 そんな武士たちが頼りにしていたのが、お供のレンタルサービス。当時の江戸では「口入れ屋」という人材派遣業が人気を集めており、各々の都合に合わせて槍持ちなどの「三供」をレンタルできたのだ。

 強い信頼関係にある将軍と徒とは真逆で、レンタルで一時の絆を育まなければいけない武士もいる…。この事実は、武士という世界で生き抜くことの厳しさを教えてくれるように思えてならない。

 武士の知られざるライフスタイルや一生を丁寧に解説してくれる本書は、教科書には書かれていないリアルな江戸を知れる1冊。歴史って難しそうで苦手…と思っている方にこそ、おすすめしたい。

文=古川諭香

『大江戸 武士の作法』(小和田哲男:監修/ジー・ビー)

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専業主婦こそ起業向き! 主婦感覚を活かしてあなたの人生をグッとときめかせる方法

2019年2月28日 11:00 ダ・ヴィンチニュース

「主婦カツ!」(NHK)や「グッドワイフ」(TBS)など、主婦が子育てや家事で培ったスキルを仕事に活かすドラマが話題となり、今世間では“主婦力”への評価が見直されつつあります。

 今の社会にこそ専業主婦のマネージメント力やコミュニケーション力が必要とされていると話すのは、21年間の専業主婦生活の後に起業し、現在、株式会社wGlue Japanの代表取締役と一般社団法人日本グルーデコ協会の代表理事を務める山岡まさえさん。

 著書『人生が二度ときめく主婦社長のすすめ』(マガジンランド)では、ご自身の主婦時代の子育てや家事での経験談を例に、その時々での考え方や行動を具体的に綴りながら、日常の中でできるビジネスに通用する「主婦脳」の鍛え方を公開しています。

■「主婦感覚」を「主婦脳」に切り替える

 山岡さんが言う「主婦脳」とは、家事や献立のマネージメントや、ご近所づきあいでのコミュニケーションなど、日頃主婦が当たり前にやっている仕事をビジネスの発想で捉えられるようになること。例えば、スーパーでの買い物ひとつを取っても、「主婦脳」は鍛えられるそう。

“例えば、10円安いマヨネーズを買うために、自転車で往復1時間かかるスーパーに行くとしましょう。この発想は「主婦感覚」ですが、これを「主婦脳」で考えると、1時間あったら家のリビングの掃除ができるな、家のなかを快適にする方が10円安いマヨネーズを買うより価値的だな、と考えることができます。(中略)さらに、お料理の手を抜くためだけにマヨネーズが必要だとしたら? マヨネーズを使わずに、同じような料理が作れないかな? という視点をもつと、意外といいアイデアが浮かんできて、そこから発明につながることも。”

 山岡さんによると、日常の出来事はすべて考え方次第で「主婦脳」のトレーニングの場になるのだといいます。親が子どもの将来のために習い事をさせるのは、会社が社員教育のためのセミナーにお金を出すことと同じ。家族も親戚もご近所というコミュニティも、会社と同じ組織と考えれば、接し方で快適さは変わるもの。主婦の日常での経験は、ビジネスに置き換えられることばかり。専業主婦でいることをどう考えるかで、将来の自分のビジネスに活かすことができるのです。

■自分の“主婦力”の棚卸をするきっかけに

 子育てが終わるということは、自由な時間が増えると同時に、今後の自分の生き方に再度向き合う機会を得るということでもあります。「これからは自分らしく、なんて言っても、わたしに起業は無理だわ」と思うあなたも、懸命に主婦をやってきたのなら、きっとキラリと光るものを持っているはず。

 世間の主婦力への評価が見直されてきていますが、まずは主婦であるあなた自身が、これから何ができるのか、自分のスキルを再評価するきっかけとして、本書を読んでみてはいかがでしょうか。

文=三浦小枝

『人生が二度ときめく主婦社長のすすめ』(山岡まさえ/マガジンランド)

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病気になってしまったら!? 病院・医者・薬局の選び方とは?

2019年2月28日 06:30 ダ・ヴィンチニュース

 以前に私が薬局で事務員をしていた頃、病院から発行された処方箋を、個人情報だからと受付に提出するのを拒む患者さんがいて困ったことがある。さすがにそんな極端なケースは一回だけだったが、初めて訪れた患者さんに本人確認のための名前と住所の記帳を求めると、やはり個人情報を理由に断られるのは珍しくなかった。確かに個人情報の流出を警戒するのは必要であるものの、自分自身の健康に責任を持つセルフメディケーションのためには、個人情報を積極的に医療者に伝えるのが有益なのだと、読者に広く知ってもらいたいと思い、この『医者・病院・薬局 失敗しない選び方・考え方 ―病気でも「健康」に生きるために』(鈴木信行/さくら舎)を選んだ。

 著者は先天性の「二分脊椎」という疾患により、膀胱や大腸の動きが鈍い「排泄障害」があり、下肢の「運動機能障害」のため歩行時には杖が必要で、20代のときには発症率が10万人に1人とされる「精巣がん」にかかり、40代になると今度は「甲状腺がん」を発症し加療中という身。しかし、13年間にわたり製薬会社で薬の研究にたずさわってきた著者は、現在は患者と医療者がともに互いを理解する交流の場である「患医ねっと」の代表を務め、講演や研修活動を精力的に行なっている。

 本書は、ボタンを押せば商品が出てくる自動販売機のようなハウツー本ではない。どちらかといえば、理想的な対人関係を築くための指南書に近いだろう。患者が人間であるように、医療者もまた人間であるから、たとえば病院や薬局に行ったさいに、あとはお任せという態度では自分の健康を任せられる関係になどなれるはずもない。本書では、「情報が欲しければ、情報発信すること」をすすめていて、「お薬手帳を一冊用意してほしい」と述べている。お薬手帳というと、処方された薬を記録するものと限定的に考えている人は多いだろうが、著者は「健康手帳」として活用するためにA5サイズのノートを使っており、健康保険証や病院の診察カードのほか、健康診断結果なども一緒に管理しているという。

 では、処方された薬の記録以外に何を書き記すのかというと、「医師や薬剤師に聞きたい、言いたいこと」や「自分の身体の変調や気になること」などである。会う前にはあれこれ考えていても、いざ医療者と接すると忘れてしまいがちだからだ。そして、医療者の前での心構えは「記者の気分になるといい」と説き、分からないことがあれば質問をしてメモを取り、レントゲンの画像などをスマホで写真に撮らせてもらえるか尋ねてみる。熱心な人には相手も親身になろうという心理がはたらくし、なにより医療者には患者が「何がわかっていて何を知らないのか」ということが分かるので、専門的な説明の内容が個人向けにカスタマイズされる。

 また、著者は「要望書」を作成することもすすめている。甲状腺がんの治療で入院中に、毎日のように排便の回数を確認され、2~3日排便が無いと薬を使うといった対処法が検討されたそうだが、もとより排泄障害のため排便は数日に一回が著者にとっては普通のこと。しかし、患者が意思表示をしなければ「標準」に近づけるのが医療でもあるから、これは仕方のないこと。人と人は、「思う」だけでは分かり合えないのだ。本書には、著者が実際に病院に提出した要望書が参考に載っており、講演や執筆活動などのために声帯や視力、上肢機能への影響をできるだけ避けたい旨が記されていた。

 さて、肝心の医療者や医療施設の選び方であるが、自分の話を親身に聞いてくれて、率直な意見を云ってくれる相手を探すことだ。そのためには、自分の生活スタイルや家族構成といった個人情報の開示も必要なのである。それができてこそ、本書の「医療者とのより深い付き合い方」や「薬局をより便利に使うコツ」などの具体的なアドバイスが役に立つだろう。

文=清水銀嶺

『医者・病院・薬局 失敗しない選び方・考え方 ―病気でも「健康」に生きるために』(鈴木信行/さくら舎)

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「自己PRは1行に絞れ!」…でも得意分野がない人は何をアピールすればいい?

2019年2月28日 06:30 ダ・ヴィンチニュース

「どんな仕事をしてるんですか?」という質問をされて、日々のあれこれを思い浮かべながら「えーっと…」とたじろいでしまったことはないだろうか。『今すぐ自分を売り出す1行を作れ』(さわらぎ寛子/大和書房)は、著者がコピーライターとして見聞きしたさまざまな事例をまじえながら、「簡潔に物事を表現すること」の重要さ、大変さ、楽しさを教えてくれる1冊だ。

 本書は、自分で自分を売り込まなければいけないフリーランスだけではなく、会社員から就活生まで、自分をより豊かに表現したいあらゆる人に向けて書かれた1冊だ。

 就職や転職活動の時に「自己PR」に悩んだことがある人は多いはずだ。この言葉は、ともすると「自分(志望者)」のことだけを聞かれているように感じてしまう。本書では「自分が相手にとってどう役立つ(可能性がある)のか」という視点の重要さが繰り返し示される。

人は、「同業他社と違う」から、その商品が欲しくなるわけではないのです。「自分に役立つ」「これを使えば、自分にとっていいことがある」と思うから。そして、それを使ったりやったり、その人と会ったりした後の「自分の変化」が想像できるから、それが欲しくなるのです。

・ターゲットを想定し、彼らのベネフィット(得られる未来)を考える
・「何をしたいか」というコンセプトを固める
・理由・方法・結果・シーン(例示)・セリフ(ターゲットの心の声)の5点を書き出す

 最終的な「1行」を作るために、こうした思索を具体的にどうやって行えばいいかが本書では説明されている。ワークシートも巻末に付属しているので、読者は書中の指示に従いながら頭の中を根掘り葉掘り探れるようになっている。

 数あるポイントの中で特筆したいのは「まだ実現していないこと」「まだ分からないこと」を自分のセールスポイントにしてもよいという点だ。自己PRや志望動機というと、どうしても自分の中に「あるもの」から掘り出すようなイメージになってしまいがちだ。著者は、コピーライティングの相談を受ける中で、相談者が「自分の言いたいこと」、つまり「既にあるもの」を軸に話す傾向があることに気づいたという。

今できることを書くのではなく「こうなりたい」という宣言で構いません。「自分を表す1行」は、相手に自分を知ってもらうという意味もありますが、もう一つは、「自分が進んでいく指針になる」という大きな意味もあるのです。

 すでに手に職があり、「持っているもの」で生活しているように見える人も世の中にはいる。しかし、そうした人もまた、「まだない」けれど自分の心の中にあるビジョンをうまく共有し、他者を惹きつけているからこそ「手に職がある」ように見えるのだ。

「自分の言葉で、生きていく」。これは、著者が本書を書くにあたって作った1行だ。そのプロセスは、SNS・ホームページ・チラシ・名刺・ブログなど、あらゆる場面で役立つことだろうと、本書を読むと実感できる。ぜひ、本書をきっかけに「たくさんの、魅力ある1行」を生み出してほしい。

文=神保慶政

『今すぐ自分を売り出す1行を作れ』(さわらぎ寛子/大和書房)

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堀江貴文、DMM創業者… “現代の革命家”4人がおくる、新時代の必須スキルとは?

2019年2月28日 06:30 ダ・ヴィンチニュース

 子供を持つ親ならば、我が子に「こうなってほしい」という願いがある一方で、その通りに育ってくれることのむずかしさを感じているだろう。そもそも、親の望みと子供の幸せは違うし、子供は“勝手に育つ”という側面もある。親として何をすればいいのか…と途方に暮れている方もいるはずだ。

 本稿で紹介する『僕たちは14歳までに何を学んだか 学校では教えてくれない 新時代の必須スキルの育み方(SB新書)』(藤原和博/SBクリエイティブ)は、一般的な“子育て本”や“教育本”とはずいぶん趣が異なる。

 著者は、リクルート出身の教育改革実践家・藤原和博氏。本書は、時代の寵児たる4人の革命家(堀江貴文氏、キングコング西野亮廣氏、SHOWROOMの前田祐二氏、DMMの亀山敬司氏)にインタビューを行い、彼らが14歳までにどう遊び、学び、育ってきたのかを徹底的に深掘りする。

■「ない」ものは、自分で作る――西野亮廣

 西野さんは、上に5歳上の兄と2歳上の姉、下に6歳下の弟がいる4人兄弟だったそう。真ん中の子にありがちな話だが、西野さんは上のふたりに比べて洋服や新しいモノを買ってもらう機会は少なく、いつも“お下がり”だったのだとか。

 そこで、彼は、“自分で作る”ことを始める。自分で“お下がり”の自転車を改造し、いかにかっこよく見せるかを追求した。それはだんだんと本格化していき、高校生のころには、廃材でイチから自転車を作るようになっていたという。家の教育方針は、基本的に“放牧”で、ほとんど怒られることもなかったようだ。そして、学校では皆を笑わせる人気者。小2でお笑い芸人を目指した。

■ぶれない戦略家――前田祐二

 一方、ライブ配信プラットフォーム「SHOWROOM」を立ち上げた前田祐二さんは、幼少期から壮絶な体験をしている。父親を3歳で、母親を8歳で亡くし、小6で食い扶持を稼ぐために街頭で弾き語りを始める。そこでの体験に、彼の“戦略家”としての一面が垣間見える。ある日、「赤いスイートピー」を歌っていた彼は、それを聴いた40代の女性から(同じ松田聖子の)「白いパラソルって知ってる?」と訊かれる。そこで彼は迷ってから、「僕、知らないので今は歌えません」「でも、来週水曜日の同じ時間に、もう一度この場所にきてもらっていいですか?」と答えた。次の週、「白いパラソル」を聴きにきた彼女は、その1曲に1万円を支払ったという。

 当然、この本には子育ての“正解”は書かれていない。それでも、4者4様の人生を振り返って著者が指摘するのは、全員が“根拠のない自信”を持っていることだ。各分野で革命を起こす彼らは、一歩踏み出す時に“なんとかなる”という感覚がある。そして、それは誰かから無条件に愛された経験から来ているのではないか――著者はそう語る。幼いころに両親を亡くした前田さんも、生前の母親が懸命に自分を看病する姿をよく覚えているという。結局、すべての基本には“愛”があるのかもしれない。

文=中川 凌

『僕たちは14歳までに何を学んだか 学校では教えてくれない 新時代の必須スキルの育み方(SB新書)』(藤原和博/SBクリエイティブ)

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