大江戸四十八手と聞くと、セックスのときの体勢…いわゆる「体位」をイメージする人が多いはず。もとは、江戸時代の浮世絵師・菱川師宣の手によって生み出された春画『恋のむつごと四十八手』。一度でも見たことがある人はご存じかと思いますが「これ組体操じゃん!」と、思わずツッコんでしまいそうな体位が48通り描かれています。
基本的には男女2人でおこない、愛を深める大江戸四十八手。しかし、先日発売された『48手ヨガ 江戸遊女に学ぶ女性ホルモンと体力活性法』(鈴木まり/駒草出版)は、大江戸四十八手をもとに考案された48通りの「ヨガ」が1冊にまとめられています。
著者の鈴木まりさんは、目白にある博物館・永青文庫で開催されていた「春画展」で出会った春画の数々に衝撃を受け「試しにひとりで48項目をすべて通してやってみた」のが、48手ヨガのはじまりだそうです。チャレンジャーですね…!
48手ヨガを実践した鈴木さんの身に、睡眠の質の向上や、女性ホルモン・エストロゲンの数値が急上昇するなど、さまざまな変化が起こったそうです。
何やら気になる「48手ヨガ」。そこで、同書に収められている48手ヨガの一部をご紹介します。
■寝ながらできるホルモン活性術「燕返し」
体幹を鍛え、美尻効果も期待できる「燕返し」。横になった状態でおこなえるので、リラックス効果も高いとのこと。就寝前にもおすすめです。
■ 体力活性しゃがみ術「時雨茶臼」
お尻の冷えと太もものセルライトのケアにつながるのが「時雨茶臼」の特徴。下半身を鍛えて「締まり」もよくするポーズです。
■体幹強化術「碁盤攻め」
手を当てた膝をしっかり伸ばし、視線を正面に据えて背中をまっすぐにするのが「碁盤攻め」のポイント。下半身の冷えやむくみ対策にもつながります。
ここで紹介したのは、たったの3手。同書には、あと45手のヨガが紹介されているので、1日1手を目標におこなうと無理なく続けられそうですね。
ヨガのハウツーだけでなく、遊女の日常を綴ったコラムも掲載。当時の遊女は、上客を獲得するために、夜の仕事以外にも、文字の読み書き、華道、茶道に将棋など、さまざまな教養を身に着けなければならなかったそう。当時の遊女は、今でいう「バリキャリウーマン」だった、という考察も。
あらゆる観点で、江戸の性愛について説かれた『48手ヨガ』で、新たな扉を開いてみては?
文=田中ハルカ
『48手ヨガ 江戸遊女に学ぶ女性ホルモンと体力活性法』(鈴木まり/駒草出版)
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