LINEは7月1日、ユーザー作成型のキュレーションメディア「NAVERまとめ」を9月30日で終了すると発表した。以下のスケジュールで、順次機能を制限していき、9月30日にはすべてのまとめが閲覧不可となる。
- 2020年7月31日 新規アカウント登録の停止
- 9月30日 サービス終了(すべてのまとめが非公開、新規投稿も停止)、まとめ記事ダウンロード機能の提供
- 11月上旬 最終インセンティブの確定
- 11月30日 まとめ記事ダウンロード機能の提供終了
- 2021年2月16日 支払い申請機能の提供終了
終了の理由は「総合的に検討」「ヤフー統合は関係なし」
NAVERまとめは、キュレーションサービスの先駆け的な存在ではあったが、さまざまな問題を抱えていた。
撮影:小林優多郎
NAVERまとめは現・LINEの前身の1つである「NHN Japan」が2009年7月から提供していたサービス。2017年12月にはLINE完全子会社の「ネクストライブラリ」が事業を継承し、運営を続けていた。
同サービスはキュレーションメディアの先駆け的な存在で、最新の月次利用ブラウザー数は約4800万(2019年8月末時点)。しかし、近年は「(ユーザー数が)延びていたサービスではない」(LINE広報)、成長は鈍化していたものと見られる。
今回の突然のサービス終了について、LINE広報は「社内外のさまざまな状況を総合的に検討した結果」と語り、「いずれも直接的な原因はない」としつつも、以下の要因を挙げている。
- キュレーションメディアにまつわる著作権問題
- プラットフォームとしての誹謗中傷拡散に対する責任
- 新型コロナウイルス感染症拡大による広告費の下落 など
LINEは現在提供している「LINE Search」や新サービスに注力していく考え(2019年6月撮影)。
撮影:小林優多郎
なおLINEは、想定より遅れていると言うが、2020年10月以降にヤフーとの経営統合を控えている。その前に、サービスの整理を図る意図も考えられるが、LINE広報は「Zホールディングスとの統合とは、とくに関係はない」と述べている。
同社は今後、NAVERまとめで得た技術的なノウハウや技術者をLINEアプリ内の検索機能「LINE Search」に注力する考え。また、ネクストライブラリでは、新しいユーザー参加型のLINEサービス開始の検討を進めているという。
(文、撮影・小林優多郎)