世界中で感染が広まる新型コロナウイルスは、人々の暮らしを根底から変えてしまった。休校措置にリモートワーク、外出自粛要請……これらの非常事態に向き合って、人々の関心はどのように移り変わったのか?
3月31日、Googleトレンドなどの検索動向からわかった結果を、グーグルが発表した。グーグルで検索が急増した“意外”なワードとは?(レポートは3月22日までの状況やデータをもとにしている)
出典:グーグル
1. 2月27日に「新型 コロナウイルス」が検索ピークに
日本経済新聞は3月31日、都立学校の休校措置が、ゴールデンウィークまで延長される見込みだと報じた。
撮影:今村拓馬
まず検索ワード「新型 コロナウイルス」への関心が高まったピークは、政府によって休校要請が出た2月27日だった。
この要請により、3月初めから多くの学校が一斉臨時休業(休校)となった。
以下に挙げるキーワードも多くはこの2月末から変化が生じているものが多く、政府からの休校要請は、ある種、日本が新型コロナウイルスの脅威と向き合う上でのターニングポイントになった出来事といえるだろう。
2. ネットスーパーにテイクアウト。“食”に変化
新型コロナウイルスによって、テイクアウトの検索が伸びている。
写真:Shutterstock
政府による休校要請が出された翌日2月28日から急増したのは、ネットスーパーに関わる単語だ。
特に、惣菜・弁当・冷凍食品・洗剤といった食材や日用品などと掛け合わせて「ネットスーパー」が検索されており、普段はネットで食材を買っていなかった人の行動変化があったことが読み取れる。
同時にレシピの検索需要も高まったことが確認されている。3月に入ってからは「テイクアウト」「持ち帰り」も伸びた。外食チェーン店と掛け合わされることが多く、そうした店の持ち帰り・テイクアウト需要が伸びていることが伺える。また「お持ち帰り 近くの店」という検索も同時に上昇した。
外食の冷え込みが顕著になる一方で、家での食事をいかに楽しむかという方向に人々の関心が変化していっている様子が伺える。
出典:グーグル
3. 教育系YouTuberに、ブーム到来
検索結果を見ると、子どもが時間を過ごす場所について頭を悩ませる親たちも増えたようだ。
伸びたキーワードのひとつは「学童」。学童が空いているかどうか、その対応はどうなるのか、学童情報を集める人が多かったとみられる。
同時に「オンライン学習」に対する検索も高まった。YouTube内の検索でも「オンライン学習」に関わるYouTuberの検索が顕著となっており、レポートによると小中高生の勉強について発信する「とある男が授業をしてみた」 や 東大生によるクイズチャンネル「QuizKnock」が支持を集めているという。
出典:グーグル
4. 運動不足が心配…ビリー隊長に「再入隊」組も続々
『令和版 ビリーズブートキャンプ』も誕生。
画像:LEAN BODY
リモートワーク・在宅勤務による運動不足が心配……そんな大衆心理は検索結果に現れている。同レポートによると「バランスボール」の検索が増えているという。
さらに、2000年代に「鬼軍曹による室内エクササイズ」として人気を博した「ビリーズブートキャンプ」も、YouTube内検索で上昇しているという。
この需要の高まりを受けて、オンラインフィットネスサービスの「LEAN BODY」は『令和版 ビリーズブートキャンプ』の配信を決定。YouTubeにはビリー隊長からの励ましのメッセージもアップされており、新型コロナをきっかけとした「再入隊」組がまた増えそうだ。
5. 新型コロナウイルスが収束したら…キャンプの検索が上昇傾向
「早く思いっきり旅行できるように……」そんな想いが検索結果にも現れている?
写真:Shutterstock
同レポートによると意外な結果となったのは「旅行」だった。
3月といえば卒業旅行シーズンだが、新型コロナウイルスの影響で海外旅行に関する検索は急激に減少。
その一方で、国内旅行の検索は例年とそこまで変わらないという。また「キャンプ」の検索も上昇傾向にあるという。検索結果は、「新型コロナが収束したら……」という日本人の願望を反映しているのかもしれない。
(文・西山里緒)