cat_11_issue_oa-businessinsider oa-businessinsider_0_fe8e763f2d34_「令和」フィーチャーに見るすごい“発想力”、ゴールデンボンバーから大企業広告まで fe8e763f2d34 fe8e763f2d34 「令和」フィーチャーに見るすごい“発想力”、ゴールデンボンバーから大企業広告まで oa-businessinsider 0

「令和」フィーチャーに見るすごい“発想力”、ゴールデンボンバーから大企業広告まで

新元号「令和」を発表する菅義偉官房長官。
内閣広報室

2019年5月1日に改元を迎える、平成に代わる新元号「令和」。

4月1日11時40分ごろ、生中継で菅義偉官房長官が発表したあと、SNSでは瞬く間に新元号の話題がバイラル的に広がった。発表翌日になってもその勢いは落ち着きそうにない。

Twitter Japanによると、11時30分から13時30分までの2時間で、「#令和」に関するツイートは述べ450万ツイートあったという。


Twitter Japan

Twitter Japan

TwitterやFacebookといったSNSを眺めている限り、「令和」に賛否はあるものの、おおむね好意的に受け止めている人が多い印象だ。

口コミ分析ツールを展開するユーザーローカルの「Social Insight」による分析でも、「好意的」であることがデータに表れている。新元号発表後、数時間経過以降、深夜0時までの「令和」を含むツ250万ツイート(4月1日22時時点)を対象にポジネガ分析を行ったところ、「ポジティブ」と判定されたツイートは約13%。対して「ネガティブ」判定のツイートは約3%しかなかった。

ユーザーローカル「Social Insight」

「令和」フィーチャーに見る、SNS時代の音楽ビジネスの稼ぎ方

Apple Musicで新元号発表の4月1日に「令和」が含まれる楽曲をリリースしたのは2つのバンドのみ。

1989年の「平成」と2019年の「令和」新元号発表時の大きな違いは、インターネットとソーシャルメディアの有無だ。

おそらく、多くの企業やマーケター、広告担当者はこの改元の祝賀ムードになんとか美しく、かつソーシャル波及効果の高い「仕掛け」を狙ったはずだ。

実際、4月1日、新元号合わせ「企画」はいくつも登場した。その中でもフットワーク軽く「令和」フィーチャーをして見せたのは2組のミュージシャンだった。

最も驚かされたのは、ビジュアル系バンド・ゴールデンボンバーの新元号ソング「令和」だ。

ユークリッド / Zany Zap

このミュージックビデオがすごい。MVを再生すると、冒頭には「令和」というCGタイトルがしっかりと入っている。さらに進めると、「平成」発表時の小渕恵三官房長官(故人)をもじった例のポーズで「令和」発表をパロディーにしたシーン。

ユークリッド / Zany Zap

さらに、サビの歌詞では「令和」を連呼するほか、ミュージックビデオのエンディングでは、タイムマシンにのったゴールデンボンバーのメンバーらが「令和」の未来へと消えていくという演出まで入っている。

ユークリッド / Zany Zap

ユークリッド / Zany Zap

出典: YouTube

もちろん、事前に大半を作っておいた上での差し替えとはいえ、新元号発表から間髪入れずにこのレベルでミュージックビデオを作り込んで来るのは、プロ根性を感じる。

一方、同じく「令和」フィーチャーを仕掛けてきたもう1組のグループが、YouTuberとしてもしられるレペゼン地球だ。

レペゼン地球

ゴールデンボンバーと同様、ミュージックビデオが用意され、タイトル、歌詞、歌ともに「令和」が盛り込んである。

ゴールデンボンバーの「令和」、レペゼン地球の「令和」はともに、4月2日午前3時時点で再生回数100万回を突破している。

出典: YouTube

2つのバンドがここまで「令和」「改元当日」にこだわったリリースをしたのは、音楽ビジネスの収益構造において、サブスクリプションとYouTubeなど動画の再生数による収入が無視できない規模になってきていることと無関係ではないはずだ。

さらに、4月2日時点では、複数のアーティストが「令和」フィーチャーの楽曲を発表している。

iTunes Storeで「令和」フィーチャーの楽曲を発表しているミュージシャンたち。

4月1日朝刊の新聞広告で「新元号」



4月1日は、多くの企業にとって「新しい会計年度が始まる時期」で、学生たちの「新生活が始まる時期」でもある。その時期と新元号発表の祝賀ムードに、「キレイに合わせよう」とした企業もいくつかあった。

4月1日の朝刊で「仕掛けた」のは、キンチョールでおなじみの大日本除虫菊。

日本経済新聞のセンター見開き全面を使った広告は、キンチョールのCMでおなじみ、「カマキリ先生」こと俳優の香川照之さんを起用し、「平成」を発表した小渕官房長官(当時)をパロディーにしたものだった。

香川照之が「キンチョール」と書いた額縁を持っている。どこにも新元号を表現するものはないが、マイクの位置、掲げた額縁の向きはそのまま、「社会の教科書に載っているあのポーズ」にしか見えない。

とはいうものの、4月1日の朝刊は新元号「発表直前」ということもあり、クリエイティブの難易度は相当高かったように見える。実際、朝日、読売、毎日、産経、日経の大手5紙すべての新聞広告のなかで、朝刊で「新元号に絡むネタ」を仕掛けたのは大日本除虫菊ただ1社だけだった。

「号外」がメルカリで爆売れ、広告狙った2社

メルカリには号外配布後に大量の出品がはじまり、あっという間に「SOLD」状態になっていった。安いもので300円程度、高いものでは1000円以上の価格で売れているものもあった。

一方、4月1日にあらかじめ予定されていた新元号発表を狙い、新聞社が必ず刷る「号外」を狙った企業もある。新元号発表のタイミングでは、ある意味で新聞本紙より「注目度」が高い号外は、ソーシャル拡散の要素としても十分な素質がある。

想定外だったのは、それらが「商品」として2次流通で大量に売られたことかもしれない。号外の配布後、フリマアプリのメルカリにはあっという間に、大手紙から地方紙まで、大量の「号外販売」の出品がずらりと並んだ。

「号外狙い」をうまく成功させた企業は、見たところ2社だ。

1社はヤフージャパン。朝日新聞など複数の新聞で、「令和」を告げる号外記事の真下に「続きはWEBで。」とする号外広告を掲載した。

もう1社はコカ・コーラ ボトラーズジャパン。読売新聞で、同じく1面の下に「笑顔であふれる時代になりますように。」というキャッチコピーで、乾杯を象徴するような2本の瓶のコカ・コーラのクリエイティブを掲載した。

この出品は、780円で販売済みになっていた。

期限1カ月、「新元号対応」に向けIT各社が対応急ぐ



新元号発表によって、“時間制限1カ月”待ったなしの戦いもスタートしている。各社のITシステムの「新元号対応」だ。

いまから19年前、1999年から2000年への変わり目には、ITシステムのトラブルを想定したいわゆる「2000年問題」があった。同様の混乱が起こらないよう、IT大手は相当な時間をかけて準備をしてきた。

マイクロソフトは1年近くをかけて周知をはかり、経済産業省とも協力して各地でパートナー企業などに向けたセミナーも行ってきたという。

すでに新元号対応の情報については、「新元号への対応について」という公式ページを用意。法人向けの各種対応指針を掲載中のほか、新元号への切り替えがゴールデンウィークの10連休中に行われることから、ゴールデンウィーク期間中の対応窓口も用意するなど、万全の体制で対応にあたる。

「基幹システムに障害を起こさない」という絶対に負けられない戦いにとって、1カ月での検証と、本番システムのアップデートは大急ぎの対応作業になるとされる。

5月1日の改元に向けた祝賀ムードと、IT企業のピリピリとした緊張感が混在した濃密な1カ月は、いま始まったばかりだ。

(文・写真、伊藤有)

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cat_11_issue_oa-businessinsider oa-businessinsider_0_0fd094599672_分析:Apple Cardが決済ビジネスに与える影響とは? 0fd094599672 0fd094599672 分析:Apple Cardが決済ビジネスに与える影響とは? oa-businessinsider 0

分析:Apple Cardが決済ビジネスに与える影響とは?

この記事は、Business Insiderのプレミアム・リサーチ・サービス「Business Insider Intelligence」の調査レポートをもとにしています。


Michael Short/Getty Images

アップルは3月25日(現地時間)のスペシャルイベントで、同社初となるクレジットカードサービス「Apple Card」を発表した。ここ数カ月の噂を受ける形での発表となった。

ユーザーはiPhoneを使って申し込むことができる。申込開始はこの夏の始めから。審査を通過すれば、Walletアプリ内のバーチャルカードが使えるようになる。バーチャルカードはApple Payが使えるところならどこでも使える。

Apple Cardの発行業務は提携したゴールドマンサックスが担当し、国際ブランドはMastercard。またバーチャルカードだけでなく、チタン製の物理カードも発行される。

Apple Cardが同社の決済ビジネスに与える影響
・Apple Cardは、Apple Payのさらなる普及を後押しするだろう。Apple Payは2014年にアメリカでサービスを開始し、着実にユーザーを増やしている。ただし、ユーザー増加の大部分は、アメリカ国内でユーザー増加ではなく、サービス提供国の拡大によるもの。Apple Cardはさまざまな特徴を提供し、Apple Payの使い勝手を向上させ、アメリカ市場での勢いを加速させると考えられる。具体的にはバーチャルカードの方が物理カードよりもキャッシュバック率が高く、支払い方法や履歴などをアプリで確認することができる。
・Apple Cardは、若い消費者の間でヒット商品になる可能性がある。支払い管理機能、キャッシュバック、柔軟な返済方法が選べることは、特に若いユーザーに人気となるだろう。また、消費者が不透明と感じているカード業界に透明性とシンプルさをもたらす可能性もある。
・いくつかの課題はあるものの、Apple Cardは成功すると考えている。ただし、成功するためには、アップルは消費者に、Apple Cardは既存のサービスよりも良い選択肢であることを納得させる必要がある。具体的には、バーチャルカード、物理カードのいずれでも、既存のカードと同様もしくはそれを上回るメリットを提供し、提携したゴールドマン・サックスの評判リスクを超えなければならない。とはいえ、マーカスなどゴールドマン・サックス消費者向けのオンライン金融サービス・プラットフォームなどは評判も良い。だが我々はApple Cardはミレニアル世代、Z世代、そして世代を問わずデジタルに関心の高い人にとってユニークで魅力的な選択肢となると考えている。スタート当初から多くのユーザーを獲得するだろう。
Apple Cardの3つの特徴
・1つ目:バーチャルカードの利用を促すキャッシュバック。Apple Cardは、バーチャルカードを用いた場合、店舗、オンライン、アプリ内購入を問わず、一律2%のキャッシュバックが受けられる。さらにApple News+のようなアップルが提供する製品、サービスについては、キャッシュバック率が3%になる。だが物理カードを使った場合は1%しかキャッシュバックされない。これは、ユーザーにスマートフォンでの支払いを促す仕組みとなる。キャッシュバックはポイントではなく現金で、毎日、Walletアプリに払い込まれる。
・2つ目:使い勝手の良い管理ツール。Apple Cardは、まったく新しい管理サービスを提供する。「購入アイテムを自動的に分類、集計」し、ユーザーは、いつ、どこで買い物をしたかをWalletアプリおよびApple Mapアプリで確認できる。また、カテゴリー別に購入額をまとめて、購入履歴を表示することもできる。プライバシー保護の観点から、データ処理はアップルのサーバーではなく、個々の端末で行われる。つまりアップルはユーザーの購入履歴にはアクセスできない。またメッセージアプリを使って、ユーザーの問い合わせに即座に対応するサポートサービスも提供される。
・3つ目:コンシューマー・フレンドリーな料金・利率。Apple Cardは手数料、年会費は無料、延滞金もない。さらに海外決済や限度額超過の際の手数料も発生しない。具体的な数字を明らかにしなかったものの、アップルの目標は、競合サービスよりも低い金利を提供し、利息をリアルタイムで計算すること。返済方法もより柔軟になり、返済間隔を従来の月単位より短く設定することも可能。より短い期間で返済すれば、家計に与える負担も小さくなる。
決済業界の状況
Business Insider Intelligenceは、毎年発行している「The Payments Ecosystem Report」の最新版において、電子決済エコシステムの現状を解説するとともに、変化が与える短期的・長期的な影響について考察した。レポートは、複数の予測、ケーススタディ、さらには過去1年のサービス開発状況をもとに、デジタル化の流れが決済業界の主要セグメントに与える影響を解説し、変化の速さについても評価している。

レポートの要点は以下の通り
・業界の裏側を見ると、決済処理の仕組みや顔ぶれに大きな変化はない。だがオンラインショッピングが盛んになる中、サービスプロバイダーは決済にまつわる手間を可能な限りなくすことを強いられている。電子商取引は2023年に1兆ドルを超えると見られている。これは全米の小売業の5分の1近くに相当する。
・消費者が決済に使用するチャネルおよびフロントエンドの支払い方法は進化を続けている。新興国市場では店頭で使えるモバイル決済が大幅に浸透している。だが先進国での普及はそれほど進んでおらず、本格的な普及にようやく近づいている段階。また、VenmoやSquare CashのようなモバイルP2P決済サービスは普及が進み、デジタルP2Pの取扱高は2023年に5740億ドルに達すると見られている。
・決済業界での競争が激化するにつれ、各社は合弁事業を選択する傾向にシフトするだろう。地政学的な緊張状態に対応しつつ海外で成長するため、あるいはデジタル化が進む中、急速な規模拡大を実現するためだ。
・手数料、利用停止措置、乗り換え施策、さらには規制などが消費者の選択に影響を与える。こうした要素に後押しされて消費者は、既存のクレジットカードの決済システムを使わない新しい決済方法に移行しており、決済サービスプロバイダーがキャッシュバックやマーケティングキャンペーンに使っていた原資が制限されることになる。
・トークナイゼーション(Tokenization:カード番号などの機密データを暗号化する技術)は頻発するデータ漏えいなどを防止する主要な方法として広く採用され続けるだろう。
[原文:ANALYSIS: How Apple Card is poised to accelerate Apple's payments business]

(翻訳:長谷 睦/ガリレオ、編集:増田隆幸)

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cat_11_issue_oa-businessinsider oa-businessinsider_0_0f740af5e7b9_アメリカの若者がいま、国が直面する最大の問題と考えているのは「トランプ大統領」 0f740af5e7b9 0f740af5e7b9 アメリカの若者がいま、国が直面する最大の問題と考えているのは「トランプ大統領」 oa-businessinsider 0

アメリカの若者がいま、国が直面する最大の問題と考えているのは「トランプ大統領」

・アメリカのジェネレーションZは、トランプ大統領に対していくつかの懸念を持っている。
・Business Insiderでは13~21歳のアメリカ人1800人あまりを調査。アメリカが直面する最大の問題は何か、尋ねた。
・回答者1559人のうち295人が、トランプ大統領をアメリカが直面する最大の問題だと答えた。
・これは割合にして18%強だ。
トランプ大統領の長男、ドナルド・トランプ・ジュニア氏は2月の集会で、保守派の若者たちの支持を得ようと、「きみたちに生まれたときから社会主義を売り込もうとする、負け犬の教師たちに洗脳されないように」と、呼びかけた。

だが、Business Insiderが1884人の若者を対象に行った調査の結果を見ると、ジェネレーションZの多くはこうした考えを支持していないようだ。事実、回答者の多くがトランプ大統領を「アメリカが今、直面している最も重要な問題」と答えている。

調査対象は13~21歳のアメリカ人。1月11日から14日にかけて実施した。アメリカが直面する最大の問題について尋ねたところ、1559人が回答し、325人が回答しなかった。

調査の結果、回答者のうち295人が、トランプ大統領をアメリカが直面する最大の問題と答えた。割合にして18%強だ。

2番目、3番目に多かった回答も、大統領の行動に関係するものだ。2番目に多かったのは「政府閉鎖」で183人、3番目に多かったのはトランプ大統領が提案した国境の壁をめぐる対応で123人が最も重要な問題と回答した。

大統領に対する批判的なコメントも相次いだ。

「トランプは自分がやりたいことなら何でもできると思っているし、自分が傷つけた人間のことなど気にしない」と、ある回答者はコメントした。

また別の回答者は、トランプ大統領を「自分の思い通りにするために国を脅迫する、自己中心的な大統領」と批判した。

「バカ」「最低」「無能」といった意見のほか、「檻に入れられた子ども」のようだと批判する回答者もいた。

だが、中にはトランプ大統領寄りのコメントをする人もいた。

ある回答者は「大統領を支持しない人々」が、今のアメリカの最大の問題だと書き、別の回答者は「自分たちの大統領を人々が嫌っている」ことが大きな問題だと答えた。

若い人の間でトランプ大統領の人気が相対的に低いことを考えれば、調査結果は驚きではない。2019年1月のピュー・リサーチ・センターの調査によると、ジェネレーションZの大統領の支持率は30%と、全体の支持率に比べて大幅に低かった。

もちろん、トランプ大統領を支持する若者もいる。2018年12月に開催され、数千人の若者が参加した親トランプのイベント「Turning Point USA's Student Action Summit」もそれを証明するものだ。

だが、全体としては、選挙権年齢に達するジェネレーションZが増えるにつれ、トランプ派の政治家たちにもためらいが出てくる可能性がある。

[原文:We asked more than 1,800 young people what they think is the biggest issue facing America, and the most popular answer was Trump]

(翻訳、編集:山口佳美)

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cat_11_issue_oa-businessinsider oa-businessinsider_0_dce73ee6feaa_令和元年の社会人誕生、スタートアップ「合同入社式」に潜入。あの著名投資家もロボット姿でスピーチ! dce73ee6feaa dce73ee6feaa 令和元年の社会人誕生、スタートアップ「合同入社式」に潜入。あの著名投資家もロボット姿でスピーチ! oa-businessinsider 0

令和元年の社会人誕生、スタートアップ「合同入社式」に潜入。あの著名投資家もロボット姿でスピーチ!

「スタートアップ合同入社式2019 」での新入社員代表挨拶の様子。

新元号「令和」が発表された2019年4月1日には、多くの企業で新入社員の入社式があった。大手企業に比べて新入社員の数が少ないスタートアップは、「合同入社式」を共催するという。どんな内容なのか?潜入して探ってみた。

祝辞はロボットを遠隔操作して

「スタートアップ9社 合同入社式 2019」で新入社員たちにスピーチを送る、個人投資家の千葉功太郎氏。

「皆さんは、平成最後の新入社員であると同時に、次の元号の最初の新入社員。歴史的な新入社員です」
東京・有楽町にあるヘルスケアスタートアップ、FiNC Technologies(フィンクテクノロジーズ)のオフィス。集まった24人の新入社員は、「スタートアップ9社 合同入社式 2019」の発起人である、元コロプラ代表取締役副社長・個人投資家、千葉功太郎氏の言葉に熱心に耳を傾けていた。

この入社式は今年で2回目。スタートアップは新入社員が1、2人という企業も多いため「一緒に入社式を開催することで切磋琢磨できる仲間が見つかるのでは」と、千葉氏が投資先の企業に提案したことが始まりだ。

参加企業は、さまざまなスペースを時間単位で貸し借りできるサービスを提供するスペースマーケットや、エンジニア向けAIプログラミング学習サービスを提供するAidemy(アイデミー)など9社。千葉氏が起業家コミュニティを主催していることもあり、起業家同士の仲も良いという。

千葉氏のスピーチでは、コミュニケーションロボット「OriHime(オリヒメ)」が、遠隔操作により千葉氏本人の代わりに、登壇。“ロボット姿”の千葉氏は、過去から学んで常識をぶち壊そう、と話した後、こう続けた。

「去年(2018年)僕は、全員スーツでビシッとやれ、と言いました。1年経って(スタンスを)ガラッと変えました。『時代はもうこっちだろう』と」
28社が参加する合同入社式も

入社式のウェブページには、「社長のメッセージがエモい」との声も上がった。
出典:スタートアップ2019 新卒合同入社式

より規模の大きな合同入社式もある。

4月2日に開催される「START-UP 2019 新卒合同入社式」では、28社の参加が決定した。理系学生の人材データベース「LabBase」などを運営するPOLと副業・転職マッチングSNSを運営するYOUTRUSTが呼びかけると、すぐに多くの参加希望が集まった。

規模を拡大した上に、新規受け入れを取りやめるほどの反響だったという。

ウェブページを公開すると、「代表からのメッセージがエモい」などとTwitter上でもポジティブな反応が広がった。開会の挨拶には、クラウドファンディングのCAMPFIRE社長、家入一真氏の登壇も決まった。

スタートアップに新卒採用の動きが広まっている背景には、スタートアップの資金調達額が膨らんでいる、という理由もある。ジャパンベンチャーリサーチが1月31日に発表したデータによると、2018年のスタートアップ資金調達額は前年比22%増の3848億円。過去10年間で最高となった。

チャット小説アプリ「Balloon」を運営するFOWDの新入社員。

チャット小説アプリ「Balloon」を運営するFOWDは、創業2年目ながら新卒を採用している。社長の久保田涼矢氏は自らも24歳と若い。「運営するサービスが主に中高生に向けたものなので、若い世代の感覚がわかっている新卒社員に入ってもらうことにした」と話す。

新入社員としても、「他社同期」がいることは心の支えになっているようだ。

「他の新卒が“同期入社”する会社も、一通り見てみました。事業領域は違いますが、根底に流れる熱は似通っているんじゃないかなって。(他社同期と)つながりができたら楽しいと思う」
前述の「スタートアップ9社 合同入社式 2019」で新入社員代表挨拶を務めた、ファームノートホールディングスの杉本有沙さん(27)は笑顔でそう語った。

(文・写真、西山里緒)

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cat_11_issue_oa-businessinsider oa-businessinsider_0_aa5a1870522e_中国警察「4年間で1万人の逮捕に貢献」の顔認証システム。政府支援で大躍進 aa5a1870522e aa5a1870522e 中国警察「4年間で1万人の逮捕に貢献」の顔認証システム。政府支援で大躍進 oa-businessinsider 0

中国警察「4年間で1万人の逮捕に貢献」の顔認証システム。政府支援で大躍進

友だちの結婚式で撮った集合写真をFacebookにアップロードしようとして驚いたことはないだろうか。Facebook上で友だちになっている人(のうち顔写真がプロフィールやタイムラインで公開されている人)が自動認識され、投稿へのタグ付けをうながされる。現在の画像認識技術をもってすれば、このくらいのことは何でもない。

iPhoneのロック解除で、従来の指紋認証システム「Touch ID」に代わって導入された顔認証システム「Face ID」。たくさんの人が使っているとまでは言えない現状だが、一度使ってみるとその便利さ、優秀さがわかる。顔という立体画像がもつ複雑な情報を、角度や明暗が多少変わっても正確に認識する技術がこんなに身近で使われていることに、驚きを禁じ得ない。

中国の銀行400行に顔認証システムを提供
だが、顔認証分野では世界最先端を突っ走る中国では、こんなことで驚いていたら身が持たないかもしれない。香港メディアのサウスチャイナ・モーニング・ポストは3月28日、こんな衝撃的なタイトルの記事を掲載した。

「中国警察当局による1万人の犯罪者逮捕に貢献した、政府支援のAIユニコーン」

このユニコーン(非上場ながら企業価値が10億ドル=約1110億円を超えるベンチャー)は、中国南部・広州市に本拠を置き、人工知能(AI)を使った顔認証技術の開発を進めるクラウドウォーク・テクノロジー(以下、クラウドウォーク)を指す。

同社の顔認証技術は、中国31行政区(自治区・直轄市含む)のうち29の警察で使われ、1日あたり約10億人分の顔をデータベースと突き合わせ、過去4年間で1万人を検挙するのに貢献してきたという。

とりわけ大口の顧客は銀行で、中国4大銀行と呼ばれる中国銀行と中国農業銀行、中国建設銀行、中国工商銀行を含む400行のATMの顔認証システムとして採用されている。1日あたりの取引(に伴う顔認識)量は2億1600万件にものぼる。

また、同社は広州市から約3億ドルの補助金を受け取るなど(2017年実績)、行政との結びつきも深く、中国国家発展改革委員会の進める高精度顔認証プロジェクトでは、政府推奨企業にも名を連ねている。

クラウドウォークは2018年10月、中国の政府系ファンド「国新科創基金」などから1億4000万ドル(約155億4000万円)を調達。2015年の創業からの合計調達額は約5億1000万ドル(約566億1000万円)となった。

世界の顔認証デバイス市場は80兆円規模に

2018年4月、北京で開催された「グローバル・モバイル・インターネット・カンファレンス」会場にて。中国では顔認証関連のイベントが次々と開催されている。
REUTERS/Damir Sagolj

英調査会社IHSマークイットのレポートによると、2017年時点で中国都市部の公共空間には2000万台の防犯・監視カメラが設置され、私有地内も含めると1億7600万台にのぼる。2020年末までに、中国市場向けに4億5000万台が出荷される見通し。

また、クラウドウォークのプレスリリースによると、世界の顔認証デバイス市場は2017年に約11億ドル(約1221億円)で、2025年末までに71億ドル(約7881億円)まで成長するとみられている。うち中国市場は約29%(2017年)を占め、2023年には45%までシェアが広がるという。

(文:川村力)

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cat_11_issue_oa-businessinsider oa-businessinsider_0_8aa2e6d4af03_大統領顧問も例外ではない! 39%のアメリカ人が、夫婦ゲンカの原因は「トランプ政権」 8aa2e6d4af03 8aa2e6d4af03 大統領顧問も例外ではない! 39%のアメリカ人が、夫婦ゲンカの原因は「トランプ政権」 oa-businessinsider 0

大統領顧問も例外ではない! 39%のアメリカ人が、夫婦ゲンカの原因は「トランプ政権」

2019年4月1日 15:30 REUTERS/Joshua Roberts
  • アメリカの大統領顧問ケリーアン・コンウェイ氏の夫で弁護士のジョージ・コンウェイ氏が、ソーシャルメディアで妻の雇い主であるトランプ大統領を厳しく批判した。
  • コンウェイ夫妻は恐らく、トランプ大統領に対する意見が食い違っているアメリカで最も有名なカップルだろう。だが、政権をめぐる意見の食い違いがストレスになっているカップルは彼らだけではない。
  • INSIDERの世論調査の結果、パートナーがいる回答者の39%が、トランプ政権がカップルに多少のストレスをもたらす原因になっていると答えた。

アメリカの大統領顧問ケリーアン・コンウェイ氏の夫で弁護士のジョージ・コンウェイ氏が、ソーシャルメディアで妻の雇い主であるトランプ大統領を厳しく批判した。

コンウェイ夫妻は恐らく、トランプ大統領に対する意見が食い違っているアメリカで最も有名なカップルだろう。だが、INSIDERの世論調査を見ると、政権をめぐる意見の食い違いがストレスになっているカップルは彼らだけではないようだ。

約50万人のフォロワーがいるジョージ・コンウェイ氏のツイッターのページは、主にトランプ大統領を不誠実だなどとこき下ろすことにささげられている。

同氏のここ数カ月にわたる大統領への批判は、『Trump is guilty — of being unfit for office(トランプは有罪 —— 大統領には不適格)』と題した3月下旬のワシントン・ポストへの論説で最高潮に達した。

INSIDERの世論調査の主な結果はこちら:

  • パートナーがいるという回答者のうち70%が、一般的な政治に対する意見が相手とほぼ合うもしくは合うことの方が多いと答えた。
  • 約25%が、パートナーと政治問題をめぐって対立したことがあると答えた。
  • 15%は「意見が合うこともあれば合わないこともある」と言い、10%は「意見が合うことよりも合わないことの方が多い」もしくは「意見がほぼ合わない」と回答した。
  • トランプ大統領に限定すると、回答者の39%が、トランプ政権がパートナーとの関係に多少のストレスをもたらす原因になっていると答えた。
  • 24%が、政権がパートナーとの関係に中程度のストレスをもたらす原因になっていると回答した。

ジョージ・コンウェイ氏の大統領に対する批判が鋭さを増すにつれ、トランプ大統領も同氏からの批判に気付き始めた。

トランプ大統領は最近のツイートで、コンウェイ氏を「最低の負け犬で最悪の夫」と呼んでやり返した。

そして大統領の2020年の大統領選の選挙運動責任者、ブラッド・パースケール氏(Brad Parscale)氏も、ジョージ・コンウェイ氏を「ミスター・ケリーアン・コンウェイ」と呼び、同氏が妻の成功に「嫉妬」していると非難した。

2018年8月には、ケリーアン・コンウェイ氏はワシントン・ポストの取材に対し、夫のツイートは彼女の意見と一致していないだけでなく、妻の上司を批判するのは「無礼だ」と語っていた。

[原文:It's not just George and Kellyanne Conway— 39% of Americans in relationships said the Trump administration is a source of stress in their partnership]

(翻訳、編集:山口佳美)

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cat_11_issue_oa-businessinsider oa-businessinsider_0_14c917f7547b_米バーニーズ・ニューヨーク、旗艦店を半分以下に縮小か 14c917f7547b 14c917f7547b 米バーニーズ・ニューヨーク、旗艦店を半分以下に縮小か oa-businessinsider 0

米バーニーズ・ニューヨーク、旗艦店を半分以下に縮小か

2019年4月1日 05:30 Getty/Lynn Goldsmith
  • アメリカの高級百貨店「バーニーズ・ニューヨーク(Barneys New York)」は、その象徴であるニューヨークの旗艦店を縮小すると報じられた。
  • ニューヨークでは、カルバン・クライン(Calvin Klein)や老舗百貨店のロード・アンド・テイラー(Lord & Taylor)など、旗艦店のクローズや縮小が相次いでいる。
  • 旗艦店のあり方は変化している。専門家は、魅力的な体験を提供しない巨大な旗艦店はもはやブランドのマーケティング・ツールとして機能していないと指摘する。

バーニーズ・ニューヨークが縮小する。

同社はその象徴であるニューヨークの旗艦店を半分以上縮小し、9フロアのうち5フロアを手放す計画だと、関係者がニューヨーク・ポストに語った。

Business Insiderはバーニーズ・ニューヨークにコメントを求めたが、回答は得られなかった。

バーニーズ・ニューヨークは非公開企業で、業績を公表していない。だが、ニューヨーク・ポストによると、同社は旗艦店の賃料として、年間最大で3000万ドル(約33億2500万円)を払っているという。

アメリカではここ数カ月、ギャップ(Gap)やロード・アンド・テイラー、カルバン・クライン、ラルフローレン(Ralph Lauren)など、旗艦店のクローズや縮小が相次いでいる。

ブランドのストーリーを伝える手段
伝統的に、旗艦店はブランド・イメージを広め、そのストーリーを伝える手段の1つで、売り上げよりもマーケティングやブランディングを目的としていた。

しかし、消費者の購買習慣が変わり、コストのかかる旗艦店は次第にマーケティングツールとして効果的でなくなってきた。

コンサルティング会社「グローバルデータ・リテール(GlobalData Retail)」のマネージング・ダイレクター、ニール・ソーンダース(Neil Saunders)氏は、「新しい世代の消費者たちは、オンラインやソーシャルメディアで商品について熱心に調べている。つまり、コストの高い旗艦店はかつてのようには見合わなくなってきている」と今年2月、Business Insiderに語った。

「ギャップのようなブランドは、旗艦店を普通の店の大型版として置いているだけで、採算も取れず、ビジネスとして成立していない」と、ソーンダース氏は指摘する。

通常の店舗を単に大きくしただけの旗艦店には、未来の小売業に居場所はなさそうだ。

「(旗艦店は)体験を生み出すことで初めて意味をなす」と、顧客分析プラットフォーム「Custora」の創業者兼CEOコーリー・ピアソン(Corey Pierson)氏はBusiness Insiderに語った。

ピアソン氏は、旗艦店には「人の心に訴える、他にはないユニークな体験」が必要だという。

物事は変化している
ボノボス(Bonobos)やグロッシアー(Glossier)、エバーレーン(Everlane)、キャスパー(Casper)といったデジタル・ネイティブな小売業者は、イノベーティブな新しい店舗コンセプトの道を切り開いている。これらのブランドには、実店舗を伴う小売業に新鮮な風を呼び込み、新しいコンセプトを試す余裕がある。旗艦店が街の中で唯一の店舗であることもあり、こうした小売業者たちはできるだけ良い印象を与えることに注力できる —— まさに旗艦店がすべきことだ。

だが、イノベーションは比較的規模の小さなデジタル・ブランドだけのものではない。ナイキ(Nike)やノードストローム(Nordstrom)といった長い歴史のある業界大手も、その旗艦店をコストに見合った、魅力的なものにしようと取り組んでいる。

ニューヨークにあるナイキの旗艦店。
Business Insider/Jessica Tyler

ノードストロームは2018年、ニューヨークに新たなメンズ限定の旗艦店をオープンした。この小さな百貨店では、仕立てや靴磨きのサービスが受けられるだけでなく、レストランやバーも利用できる。今秋にはウィメンズ限定の旗艦店も道の反対側にオープンするという。

メンズ限定の旗艦店がオープンしたとき、当時のノードストロームの共同社長ブレイク・ノードストローム(Blake Nordstrom)氏はBusiness Insiderに対し、同社は20年にわたってマンハッタンで場所を探し続けてきたと語った。そして、百貨店業界はプレッシャーにさらされているものの、同社は依然としてマンハッタンの一等地に店を開くことに価値を見出していた。

ナイキも2018年の終わりに、ニューヨークに巨大な旗艦店を新たにオープンしている。6フロア、6万8000平方フィート(約6300平方メートル)に及ぶこの店は、ナイキが世界で販売しているシューズの大規模コレクションを擁し、アプリユーザー向けのインスタント購入といった革新的な技術を用いた店内体験を提供している。

[原文:Barneys is reportedly the latest retailer to cut back on expensive flagship stores]

(翻訳、編集:山口佳美)

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護衛艦の英訳はデストロイヤー(駆逐艦)。世界有数の“軍隊”隠そうとして起きる矛盾

毎年3月は海上自衛隊の新たな護衛艦や潜水艦が就役することが多い。年度末に合わせての竣工は一般の建設建築の現場でも多いので、不思議なことではない。

2019年も三菱重工業長崎造船所で新造された護衛艦「しらぬい」が海自大湊基地に配備された。同時に、低振動で静粛性に優れ、世界有数の高性能を誇るそうりゅう型潜水艦の10番艦「しょうりゅう」も3月、川崎重工業神戸工場で建造され、海自呉基地に配備された。

海自はこれで護衛艦48隻、潜水艦19隻の体制を整えたことになる。2018年12月に閣議決定された新たな防衛大綱に基づき、防衛省はこれを護衛艦54隻、潜水艦22隻に増やすことにしている。

さて、ここまでは本稿の前置きである。日本語で書けば何も問題はない。

しかし、イギリスの国際軍事専門誌ジェーンズ・ディフェンス・ウィークリー(JDW)の東京特派員として、筆者がこうした記事を英語で書くときには厄介なことが起きる。ジャーナリストは普段は取材や記事執筆の裏側を明かさないものだが、今回はこうして書く機会を得られたので、思うところを記したい。

日本の防衛や安全保障、さらには憲法のあり方を幅広く考えるヒントになると思うからだ。

ゆるく使いすぎている「護衛艦」
まず1つ目の問題として、日本は「護衛艦」という言葉をあまりにゆるく使いすぎていることだ。海自は現在、保有する護衛艦の数を48隻とカウントしている。一方、「ジェーン年鑑」で有名な、筆者が所属するジェーンズでは、日本はヘリコプター空母4隻、駆逐艦38隻、フリゲート6隻ときっちり分類している。

ジェーンズが発行する「Jane's Fighting Ships」は世界の海軍の国際基準になっている。そのジェーンズからみれば、「ひゅうが」や「いずも」といったヘリコプター空母も、「ちょうかい」や「あしがら」といったイージス駆逐艦も、「あぶくま」といったフリゲートも、 海自はすべて「護衛艦」と呼んでしまっている。

本来は大雑把に護衛艦48隻と言わずに、他国の海軍と同様に、ヘリ空母4隻、駆逐艦38隻、フリゲート6隻と個別に分類すればよいだけの話だ。

ちなみに、空母とは本来の「航空母艦」の名称の通り、海上での航空基地として多数の軍用機を搭載し、それを離着させられるだけの全通甲板型の飛行甲板や格納庫などを備えた艦のことを指す。

そのうえでジェーンズでは、日本の「いずも」「かが」「ひゅうが」「いせ」の4隻は、自衛のための機関砲やミサイルしか搭載せず、主としてヘリコプター運用のための軍艦とみなし、「ヘリ空母」に分類している。

駆逐艦とは、水上戦闘艦の1つに分類される。巡洋艦より小型の快速艦で、砲や魚雷などを主要兵器とし、敵の主力艦や潜水艦、航空機を撃破するのを任務とするが、偵察から船団護衛まで用途は多い。

フリゲートは、イギリスやカナダでは駆逐艦より小さく、速度性能の高い護衛(エスコート)用の軍艦を指してきたが、アメリカでは駆逐艦以上の大きさになっており、定義が各国の海軍で異なっている。

なぜ日本はすべて護衛艦と呼ぶのか。日本は、憲法9条で「軍隊」を持たず、必要最小限度を超える「戦力」を持てないことになっているから、ヘリ空母でも駆逐艦でも何でも「護衛艦」というマイルドな表現でひとまとめにしている。

憲法で軍隊として認められていない自衛隊が、戦前の空母や駆逐艦といった日本海軍を想起させるような呼称が使えず、護衛艦という呼称を独自の定義で編み出して使ってきたために、このような事態に陥っている。

英語ではすべてデストロイヤー

アメリカ切ってのエリート軍人一家のマケイン家のジョン・S・マケイン氏の名にちなんで名付けられたUSSジョン・S・マケイン(ミサイル駆逐艦)。
US NAVY/Reuters

百歩譲って、ここまでは国内事情で理由がわかる。

しかし、より大きな2つ目の問題は、海自がそれら48隻の「護衛艦」をすべて、英語の表記では、諸外国の海軍の「駆逐艦」に当たる「Destroyer」に分類していることだ。

具体的には、海自は48隻の護衛艦に以下の艦種記号を付けて分類している。

DD(Destroyer:護衛艦)、DDH(Helicopter Destroyer:ヘリコプター搭載護衛艦)、DDG(Guided Missile Destroyer:ミサイル護衛艦)、DE(Destroyer Escort:護衛駆逐艦)だ。このため、日本の護衛艦48隻はすべてDestroyerに仕分けされている。

そのdestroyerの本来の英語の意味は、あくまで「駆逐艦」だ。日本国内では「護衛艦」というソフトな語感で呼んでいても、英語になればdestroyer、つまり駆逐艦になり、攻撃性の有無をめぐる言葉の響きが内と外では、まるで違ってくる。日本国内では「護衛艦」という防御的な言葉が使われていても、海外からすれば「デストロイヤー」という攻撃的な艦船と受け取られている。

日本だけにしか通じない「言霊主義」
なぜ海自は護衛艦をdestroyerに分類するのか。

海上幕僚監部の広報担当者に聞くと、1960年に発令された「海上自衛隊の使用する船舶の区分等及び名称等を付与する標準を定める訓令」に基づき、そうした記号を付け、区分しているという。

しかし、国際的にはヘリ空母やフリゲートとみなす艦船も、海自は全部、護衛艦にカウントしているため、どうしても海外とは艦船の分類別の数が違ってきてしまう。

ジェーンズでは、「DD(数字)」「DDG(数字)」という艦種番号が付いている日本の護衛艦のみを駆逐艦とみなしている。そして「DDH(数字)」という艦種番号が付いている護衛艦をヘリ空母、「DE(数字)」という艦種番号が付いている小型で近海警備用の護衛艦をフリゲートとそれぞれ分類している。

前述の通り、防衛大綱では、日本語では将来の「護衛艦」の整備規模数として54隻が目標に掲げられている。そして、その英語版では「護衛艦」の対訳として「Destroyers」が使われている。

ロンドンにいるピーター・フェルステッドJDW編集長に防衛大綱の英語版を見せると、日本がdestroyer 54隻の整備を目指していることに大変驚いていた。

なぜなら、前述のとおり現在のジェーンズのカウントではdestroyer(駆逐艦)38隻にどどまっているからだ。編集長は日本が近い将来、そんなにdestroyerを持てるわけないではないか、防衛省は艦船の分類別カウントの仕方を間違っていると思うので、ぜひ問い合わせてくれ、と指摘された。筆者は、その背景を説明するのに翌日未明まで時間がかかった。一概に「護衛艦=destroyer」と呼び変えるのは対外的にも非常に良くないのだ。

実は軍事防衛問題を英語で書いていると、こうした日本だけにしか通じない「言霊主義」の問題にたくさん直面している。

自衛隊はすでに世界有数の軍隊

自衛隊を「軍隊」として認めない日本国憲法との矛盾は、日本の国連平和維持活動の現場にも大きな支障をもたらしてきている。
Tomohiro Ohsumi/Getty Images

そもそも、自衛隊というすでに世界有数の軍隊を「軍隊」と認めていないおかしさ。さらには、必要最低限度を超える「戦力」を保持しないと言いつつ、今では世界最新鋭のステルス戦闘機F35を147機も取得しようとしている矛盾。

「戦力」を保持しないと言いながら、最近では、戦闘機に搭載して敵の射程圏外から艦艇を攻撃できる長距離巡航ミサイルを開発する方針さえも示した。さらには、今回指摘したように、護衛艦という日本にしか通じない定義の言葉を使い、それを自己理由で対外的には英語で全部destroyerと呼ぶ自己矛盾とごまかし。

ちなみに、憲法9条第2項は英文では以下のようになっている。

“land, sea, and air forces, as well as other war potential, will never be maintained.”(陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない)

「war potential」の部分を日本語では「戦力」と訳しているが、本来は、文字通りに訳せば「潜在的に戦争を遂行できる能力」のことだ。

「潜在的に戦争を遂行できる能力」とは一体どのようなものだろうか。

連合国総司令部(GHQ)内に設けられた憲法制定会議の運営委員会のメンバーだったチャールズ・L・ケーディス陸軍大佐によると、「政府の造兵廠(ぞうへいしょう)あるいは他国に対し戦争を遂行するときに使用され得る軍需工場のための施設」を指す。同大佐は「戦争放棄」の条文を起草したと言われている。

war potentialが、かなり幅広い意味を有していることがわかるだろう。つまり、「陸海空軍その他の戦力(war potential)はこれを保持しないというのであれば、厳密に言えば、事実上の陸海空軍である自衛隊の存在はもちろんのこと、戦闘機や戦車を量産してきた三菱重工業も、装甲車を製造するコマツも、「戦争を遂行するときに使用され得る軍需工場のための施設」というwar potentialを持っていることになり、憲法違反の存在となってしまう。

おかしくはないだろうか。三菱重工やコマツのような日本一流の企業を憲法違反と読み取れてしまうような条文があれば、本来なら改正するのが当然だろう。

日本国憲法を英語でしか読めない外国人は、特に日本の今の矛盾を感じているはずだ。

世界第2位の海軍

海軍としては世界2位と言われているにも関わらず、いつまで憲法9条との間の矛盾を放置するだろうか。
REUTERS/Kim Kyung-Hoon

韓国海軍駆逐艦が海自のP1哨戒機に火器管制レーダーを照射したとされる問題では、海自隊員が「THIS IS JAPAN NAVY(こちら日本海軍)」と名乗っている動画が公開され、話題になった。

その言葉通り、アメリカに次ぐイージス艦6隻(就役済み)を保持する海自は、国際的にみれば、すでに世界第2位の海軍だ。

こうした矛盾は、筆者のような軍事防衛の国際報道の現場ではまだ良いものの、日本の国連平和維持活動の現場にも大きな支障をもたらしてきている。詳細は別の機会に記したいが、軍人にしかできない業務であるのに、自衛隊員を軍人扱いできないままで派遣していることで、現場の自衛隊員に危険をもたらしている。

憲法9条は、きっちりと実態に合うように改正し、リセットをした方がいい。今の憲法9条は裸の王様になっている。このままでは、憲法9条が死文化・形骸化されて、ますます蔑(ないがし)ろにされてしまう危険性がある。

リーガルマインド(遵法精神)のある民主国家ならば、いつまでも拡大解釈で軍拡をするより、実態に合うよう「国の最高法規」である憲法を改正し、きちんと自衛隊に対する歯止めをかける方が好ましい。自衛隊をきちんと軍隊と認めたうえで、Negative list(やってはいけないことのリスト)を作った方がはるかに歯止めがかかる。今は自衛隊を軍隊と認めていないため、他国のようにそうしたリストが作れない。

振り返れば、戦前の大日本帝国では明治憲法の下、天皇が持つ軍の最高指揮権である統帥権について、軍が拡大解釈して政治の介入を阻止、戦線を拡大させていった。現在の日本ではシビリアンコントロールが十分に確立されてはいるものの、防衛当局が次々と他国領土への攻撃能力を持ち、専守防衛の枠を超えるような「戦力強化」を行っていることに不安を感じる国民は多いはずだ。なし崩しではなく、真っ正面から憲法改正で臨まなければ禍根を残すだろう。

高橋 浩祐:国際ジャーナリスト。英国の軍事専門誌「ジェーンズ・ディフェンス・ウィークリー」東京特派員。ハフィントンポスト日本版編集長や日経CNBCコメンテーターを歴任。

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敷礼金仲介手数料ゼロ「OYO LIFE」物件の“実力”を内覧会で体感 ── 予約殺到の混乱も

3月28日の「OYO LIFE」サービス開始記者会見の様子。左から、ヤフーの川邊健太郎CEO、OYOのリテシュ・アガルワルCEO、OYO TECHNOLOGY&HOSPITALITY JAPANの勝瀬博則CEO。

格安ホテル事業を展開するインド発のベンチャー「OYO」がついに3月28日、日本で賃貸サービス「OYO LIFE」を開始した。敷金・礼金・仲介手数料がゼロ円、スマホひとつで引っ越しができるとうたう。

事前登録の時点ですでに1万3000人以上が登録、契約済みは400人(3月28日時点)と、OYOがうたう「旅するように暮らす」ライフスタイルが広まるポテンシャルは、それなりにありそうだ。

とはいえ、「OYO物件」とはどのようなものなのか?選ぶ価値はどこにあるのか?内覧に行って確かめてみた。

JR大崎駅から徒歩10分ほどの場所にある「OYO LIFE」のショールーム。この部屋は値付けはされていないが、されるとしたら家賃は15万円ほどだという。広さは19㎡。




冷蔵庫、電子レンジ、洗濯機、掃除機など一人暮らしに必要なものは一通り完備。まさに「引っ越し準備不要」の物件だ。




食器も、一人暮らしには十分なほどの量が揃っていた。




一人暮らしだと、買うのにやや躊躇するテレビもついている。




別のタイプの部屋。こちらも同様に一通りの家電・家具がついている。家賃は同様に1カ月15万円ほど。




洗濯機も十分なサイズ。ちなみにこのマンションは、ショールームの2部屋を除いてすべて入居済みだという。その全てが法人契約だといい、法人利用のニーズも高そうだ。




キッチンはシンプルな作り。IHコンロが2つついている。




JR大崎駅から徒歩10分、19㎡の広さで月15万円、敷金・礼金・仲介手数料はゼロ円……をどう捉えるかは人によりそうだが、少なくともSNSをみると「住んでみたい」「こんなサービスを待っていた」と、おおむねポジティブな受け止められ方をしているようだ。

現在、OYO LIFEのウェブサイトで紹介されている物件をクリックしてみても、すでに「入居中」になっているものも多くある。
出典:OYO LIFE

ただ、まだ始まったばかりの新しいサービスのためか、懸念もある。

OYOの予約がどれだけ簡単にできるか試そうとアプリを開き、ある物件を「予約」してみた(予約しても正式に契約するまでは、キャンセルも可能だ)。

しばらくするとメールが届いたが、そこには「お問い合わせいただきました【●●マンション】 ですが、現在ご入居中のお部屋でございました」とのメッセージが。ウェブサイトに公開している「入居」の表示と実際の状況が異なっているようなのだ。予約が殺到しているためか、予約状況の混乱も見てとれる。

ホテルのように、賃貸住宅も自由に選べるライフスタイルを ── 「OYO LIFE」が提唱するライフスタイルが広まるまでには、あとどれくらいの時間がかかるのだろうか。

(文・写真、西山里緒)

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cat_11_issue_oa-businessinsider oa-businessinsider_0_ebfba0a9342c_【有休義務化開始】周りの目を気にして休めない人1%の組織とは ebfba0a9342c ebfba0a9342c 【有休義務化開始】周りの目を気にして休めない人1%の組織とは oa-businessinsider 0

【有休義務化開始】周りの目を気にして休めない人1%の組織とは

「周囲が有休取得しないから休めない」人は全体のわずか1%——。

有休取得率が3年連続最下位(19カ国比較)という残念なランキング結果(2018年エクスペディア・ジャパン調べ)のある日本でも、外資系勤務などグローバル人材では、まるで意識が違いそうなことが、外資系人材エージェントのロバート・ウォルターズ・ジャパンの調査で明らかになった。

有給義務化ルールの始まる2019年度は、10連休もある。
Shutterstock

働き方改革関連法の成立で、4月1日から「有給休暇(有休)義務化の新ルール」が適用される。

年10日以上の有休が与えられている社員に対し、5日間の有休をとらせることが、会社に義務づけられる。守らなければ罰金を科すケースもある厳しいルールだが、厚生労働省の調査では、「企業が付与した日数のうち従業員が実際に取得した割合」を示す「年次有休取得率」は、5割程度で推移。

政府はこれを、2020年までに70%にするという目標を掲げているが、果たして1年で大きく進化できるのか。そのヒントはひょっとして、同じ日本人でもグローバル企業で働いている人のマインドにあるかもしれない。

グローバル人材に聞いた休み方の実態
出典:ロバート・ウォルターズ・ジャパン

ロバート・ウォルターズ・ジャパンが「休み方の実態調査」として、英語力と専門スキルを活かして働く会社員554人を調査。2018年度の有休消化日数を聞いたところ、15日以上が26%、10日以上が37%、5日以上が21%と、8割以上の人が年5日以上は有休を消化。6割以上が10日以上の有休を取得できている。

一方で、5日未満の有休にとどまった人(16%)に、その理由を聞いたところ「仕事が忙しかったから」(56%)がもっとも多く、「休みたいと思わなかった」(18%)が続いた。

注目すべきは「周囲が有休取得しないから」という、周りに忖度した理由で5日未満の取得にとどまったのは、回答者全体に占める割合では、わずか1%だったこと。

というのも、日本人が有休取得率が目立って低い理由として「周りの目」を気にする傾向がありそうだからだ。

エクスペディア・ジャパンが2018年秋に、19カ国約1万1千人に実施した調査では、日本の有休取得率は3年連続最下位。同調査によると、日本人が有休をとらない理由としては以下のとおり。

  • 1位 人手不足
  • 2位 緊急時のためにとっておく
  • 3位 仕事をする気がないと思われたくない

人手不足も職場の事情。緊急時のためにとっておくのは、つまりは普段は休みづらいことの裏返し。仕事をする気がないと「思われたくない」など、いずれも周囲の目や様子を気にしていることが伺われる。

周囲の目を気にするというのは、年向序列で目上を敬い、「和を重んじる」日本人特有の気質に由来しているのだろうか。

しかし、グローバル人材に聞いた今回調査では、「周囲が有休取得しないから」休まない人がわずか1%というのなら、組織の文化や風土に、日本人の休み方は大きく左右されているのかもしれない。

戦略的に休むという発想

思い切ったリフレッシュがもたらす効果は、思いのほか大きいかもしれない。
Shutterstock

ロバート・ウォルターズ・ジャパンの今回調査では、「有休取得してよかったことは?」も聞いている。

それによると「気分転換」「リフレッシュ」「心と頭をリセット」など、オンオフの切り替え、前向きなキーワードが多かった。調査では「戦略的に休みを活用して仕事の生産性・生活の充実を両立させていることが伺える」と分析する。

4月から、とうとう有休義務化ルールがスタートする日本。19カ国中、3年連続で有休取得率が最下位というエクスペディア・ジャパンの調査が話題になったように、日本人は「休むことが苦手」というイメージが強い。同じ日本でも、周囲に忖度せずに、休めているようにみえるグローバル企業から学ぶことはあるのか。

ロバート・ウォルターズ・ジャパンの担当者は、調査結果を受けて「同じ日本人でも、企業文化がグローバル基準であれば休めている。情報や仕事を属人化しないなど、組織の仕組みや環境づくりが、休み方に与える影響は大きい」と指摘。

また、戦略的な休み方という意味では「日本人は休まないことで、仕事のパフォーマンスを落とさないようにしているが、思い切って休んでリフレッシュすることで、仕事をしている時の生産性をあげるといった発想から、学ぶことはあるのでは」とみる。

取得率7割実現の特効薬?

日本人は、有休に対して罪悪感があるという調査結果も。
撮影:今村拓馬

「親の葬式の日ですら出社していた上司(50代)がいた」(40代前半の女性会社員)「転職で会社を辞める時に溜まっていた有休を初めて消化した」(30代前半の男性会社員)「人手不足で同僚がいっぱいの中、自分だけが連続で休めない」(30代後半女性)
こんな声が上がる日系企業で、年5日間の有休を消化することすら、ハードルが高くなることはやむを得ないかもしれない。しかも、エクスペディア・ジャパン調査によると、有休の取得に罪悪感のある人の割合も日本は6割近く、2位の韓国と並んで高い。

しかし「休むことでリフレッシュし、仕事の生産性を上げている」のであれば、休みたいのに疲弊しながら仕事をしている人と、長い目で見てどちらのパフォーマンスが上がるかは明白だ。休むことに罪悪感をもつ必要はどこにあるだろう?

(文・滝川麻衣子)

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