cat_11_issue_oa-businessinsider oa-businessinsider_0_ed28177fa795_【独占】News23デビュー。小川彩佳アナが語った“転身”の真意と等身大の女性としての葛藤 ed28177fa795 ed28177fa795 【独占】News23デビュー。小川彩佳アナが語った“転身”の真意と等身大の女性としての葛藤 oa-businessinsider 0

【独占】News23デビュー。小川彩佳アナが語った“転身”の真意と等身大の女性としての葛藤

小川彩佳アナウンサーが報道番組に帰ってくる。

小川さんの新たな“職場”はTBSの「NEWS23」。TBSの看板報道番組のメインキャスターを担う。

初オンエアの6月3日を前に、テレビ朝日を退社した理由や、結婚・出産、なぜ報道の現場にこだわるのか……34歳の「等身大の思い」を単独インタビューした。

退社憶測に「ずっと反論したかった」


一般男性との結婚を機に、4月にテレビ朝日を退社した小川彩佳アナウンサー(34)。現在は事務所に所属せず、フリーランスとして活動している。

テレビ朝日を退社すると報じられた際には、その理由について根拠のない記事も書かれたという。

「憶測も含めていろいろな情報がネットを飛び交って、反論したいことがたくさんありました。一緒に頑張ってきたスタッフに誤解されることがつらいし、怖かったです。

退社の決断は、30代半ばに差しかかる中で、自分のこれから歩む道について深く考えた結果でした。結婚が現実的になったのも大きな理由の一つです」(小川さん)


変わるなら今がラストチャンス


現在のパートナーである一般男性との出会いをきっかけに、アナウンサーとしてのキャリアと結婚・出産などのライフプランを本格的に考えるようになったという。将来は子どもも欲しいと考えているそうだ。

「子どもが小さいうちは環境を大きく変える決断には至りにくいんじゃないかなと。一歩踏み出したり、違う自分に出会うきっかけを持つとしたら、今がラストチャンスだと思ったんです」(小川さん)


小川さんは2007年4月にテレビ朝日に入社して以降、「サンデープロジェクト」の司会、「報道ステーション」のサブキャスター、直近ではインターネットテレビ局「AbemaTV」のニュース番組「AbemaPrime」の司会進行を務めるなど、一貫して報道番組に携わってきた。

もがく姿も見せて、問題提起したい


報ステもアベプラも月曜から金曜までの、いわゆる「帯番組」。生活が不規則になりがちで家族と過ごす時間が持てないことは、報道現場で働く多くの人が抱える悩みだ。

結婚を機に仕事のペースを落とす選択肢もあったはずだが、そうはせず再び苛烈な報道番組に戻ってきたのはなぜなのか。

「女性って仕事を一番頑張りたい時期に結婚・出産・子育てなどいろんなことにいっぺんに直面しますよね。でも、保育園の待機児童問題に代表されるように、それらすべてをやり切れる環境は整っていない。

私も葛藤を抱えてもがく1人です。その等身大の姿も、視聴者の方に共感していただけるかもしれないと思いました。

番組として働く環境について考えたり、制作現場を整えたりすることでメッセージを発信していきたいと考えています」(小川さん)


「NEWS23」キャスターの誘いを受けた当初は悩んだ小川さんが、番組スタッフと話し合う中で出した答えだ。

発言を制限されたことはないが……


小川さんがインタビュー中に何度も繰り返したのが、「等身大」という言葉だ。

報道番組が権力に「忖度」しているのではないか —— そんな視聴者の批判、メディアへの不信感は日ごとネットを中心に募っている。

そんな中で小川さんが支持されるのは、自身の意見を述べることをためらわず、たとえ言葉にしなくともその思いが表情から伝わってくることも多いからだ。

昨年秋に司会進行に就任した「Abema Prime」時代はネット番組の柔軟さもあって、企画段階から関わることも多かったという。出演最終週には自ら企画した#MeTooの特集も組んだ。

小川さんはテレビ朝日時代も一貫して「発言を制限されたことはなかった」と言う。しかし、報道ステーションなどではサブキャスターだったため、「主体的に自分から発信していく機会があまりなかったんです」(小川さん)。

原稿を読むだけではなく


一方、「NEWS23」での小川さんの役割はメインキャスター。「ニュースは客観的に冷静に、事実を忠実に描写して伝えることが至上命題」だとした上で、自身の感覚や思いは「言葉にしなくとも、大切にしたい」と語る。

「自分では『滞りなく放送できたな』と思ったことが伝わっていなかったり、思い入れのある企画でもどこか『小手先』の表現で伝えようとするとダメだったり。

一方で視聴者の方から良かったねと言っていただくのは、自分の感情が溢れ出したり、衝動があったりしたときなんです。

それを意識的にやるのは違うと思いますが、私はこのニュースに対してどう思うのか、視聴者のみなさんはどんな風に受け止めるだろうかというのは、常に問い続けていきたいと思っています」(小川さん)


批判コメントも紹介してインタラクティブに


入社時から報道志望だった。そのやりがいは「つながっていく感覚」(小川さん)だという。
取材現場、スタジオ、そして視聴者へとポジティブな変化のきっかけを提示できることだ。

共に仕事をしてきたのは、田原総一朗氏や古舘伊知郎氏など自身のスタンスを明確にする司会・キャスターたち。

番組には賛同と共に批判のコメントも多く届いたそうだが、意見を示すことで視聴者に考えるきっかけを提示できたのではと、手応えを感じることも多かったそうだ。

きれいごとに聞こえるかもしれないが、一生懸命やったことは必ず誰かが見ていてくれた。目の前のことにコツコツ取り組んでいった先に、未来が開けたと語る。

「『NEWS23』ではSNSの投稿など番組に寄せられたさまざまなメッセージを紹介して、視聴者のみなさんと対話しながら番組をつくり上げていきたいなと思っています。

私もどんどん現場に足を運んで取材する予定です。
取り組みたいテーマは数多くありますが、これまでも取材してきた『性的マイノリティ』と『核廃絶をめぐる問題』などについては、今後も継続していきたいと思います。

記者会見、街頭インタビュー、そしてカメラが回らない事前取材なども大切にしていきたいですね」(小川さん)

(文・浜田敬子、竹下郁子、撮影・稲垣純也)
※本記事は、Business Insider Japan編集部とLINE NEWSの共同企画です。

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cat_11_issue_oa-businessinsider oa-businessinsider_0_56823f0d0e4d_【ホロレンズ2初上陸】「マイクロソフトの天才」A・キップマン氏が明言した“一般向けモデル”の可能性 56823f0d0e4d 56823f0d0e4d 【ホロレンズ2初上陸】「マイクロソフトの天才」A・キップマン氏が明言した“一般向けモデル”の可能性 oa-businessinsider 0

【ホロレンズ2初上陸】「マイクロソフトの天才」A・キップマン氏が明言した“一般向けモデル”の可能性

左が初代ホロレンズ。右が新しいホロレンズ2。ホロレンズ2はまだ開発中のプロトタイプ版。de:code 2019は、国内で初めて体験できる貴重な機会になった。
撮影:伊藤有

日本マイクロソフトの開発者向けイベント「de:code 2019」にあわせて、「ホロレンズ」の生みの親であるアレックス・キップマン氏が来日。今年2月にモバイル国際見本市「MWC19 Barcelona」で発表した「ホロレンズ2」を国内初披露した。

ホロレンズ2の仕様はすでに発表済みだが、ざっくりまとめると次のようなものになる。

  • 前モデルから解像度と視野角が2倍に
  • 10本の指の動きを認識する高精度なジェスチャー機能
  • 高精度な視線検知機能の追加
  • 重心位置の大幅改善で、長時間装着するための快適性の向上(公式発表によれば3倍快適に)
  • ディスプレイを跳ね上げて視界が確保できるフリップ機構の採用

最後のディスプレイを跳ね上げる機構は、キップマン氏自身が、前モデルを首に掛けている日本の開発者の姿を見て、ひらめいたものだという。

多くのパートナーと提携し、エコシステムを構築。「ホロレンズ2」をより早く導入できるしくみを提供する。
撮影:太田百合子

また既に2月時点で発表済みだが、「ホロレンズ2」で見ているのと同じ空間を、PC、タブレット、スマホ、Webブラウザなどと共有できる仕組みも提供する。

さまざまなデバイスへ「ホロレンズ2」のARをシェアし、同じテーブルを囲んだり、同じオブジェクトを共有することで、活用範囲は飛躍的に高まるはずだ。

キーノートでは、これらを使った非常に未来的なデモも披露された。

キップマン氏が「ホロレンズ2」を装着して目にしている空間の中に、彼自身をモデリングしたホログラムが登場。従来のデモでは、この撮影するカメラはホロレンズ自体をカスタムした特殊なカメラだったが、今回の撮影機材はなんと「iPhone」。違うデバイスをまたいで、MR空間を共有する新機能を使っている。

さらにこのデモでは、Microsoft Azureベースの翻訳や音声読み上げ機能を連携させ、ホログラムのキップマン氏が流ちょうな日本語でプレゼンをする様子も紹介された。

「ホロレンズの父」が語る、MRデバイスの未来像

「ホロレンズ2」を手にするマイクロソフトのアレックス・キップマン氏。価格は3500ドル(約37万9000円)で、予約受付中だ。
撮影:太田百合子

キーノート後、インタビューに応じたキップマン氏は、「前モデルに対してお客様から特に要望の多かった没入感、快適性、導入のしやすさという3つの重要な課題に取り組み、それらを実現できたことを誇りに思っています」と、ホロレンズ2への強い自信を覗かせた。

「没入感を向上させるためにデバイスを大きくしたら、装着が大変で快適には利用できないし、没入感と快適さを実現できても、そのために価格が高くなってしまったらお客様に受け入れられない。“没入感”と“快適”さを大きく向上させながら、かつ“価格も抑え”てより多くの人に価値を提供する。3つの課題を同時に実現することが重要でした」(キップマン氏)

初代ホロレンズ(左)との比較。構成パーツがシンプルで合理化されている。重心位置などの変更で装着感はかなりよくなり、「重い」感覚がかなり軽減された。
撮影:伊藤有

実際に2月の発表後の反響は大きく、「一緒にエコシステムの構築に取り組むパートナーからも、高い評価を得ています」という。

「そもそもパートナーがMRに可能性を感じてくれなければ、アプリケーションのエコシステムは広がらないし、多くの人にその体験や価値を届けることはできません。だから品質に対する評価基準が高いパートナーに良い評価を得られたことは大きな後押しになっています」(キップマン氏)
マイクロソフトはこれらのパートナーと、どのようなのMRアプリケーションのエコシステムを構築しようとしているのか。

キップマン氏はエコシステム構築の前提として、マイクロソフトは「垂直統合型の会社ではなく、あくまでもプラットフォームを提供する会社」だと強調する。

「我々がこれまで約45年間にわたってトップランナーでいられたのは、我々のプラットフォームのもとにパートナーとエコシステムを構築して新たな価値を創造し、そのことによってお客様に様々なメリットを提供してきたからです。MRでももちろん、目指すところは同じです。
たとえば私は医者ではないので、MRを用いた手術がどのようなものになるのか詳しくわかりませんが、医療分野に通じたパートナーと組んでアプリケーションを提供することができれば、MRを手術に用いて誰かを救えるかもしれません。
MRのエコシステムはもちろんマクロソフトにとっても新たな価値を生み出すものです。我々が様々な業種のパートナーと組むのは、その業種で働く人々に対して価値を提供したいからです。それこそ我々のミッションである『Empower every person and every organization on the planet to achieve more.(地球上のすべての個人とすべての組織が、より多くのことを達成できるようにする)』に立ち返ることだし、目指すところなのです」(キップマン氏)

de:code2019会場で実施された体験デモの風景。装着している人には、手のひらに3Dの小鳥が舞い降りているように見えている。手そのものの状態も認識しているので、手のひらを裏返すと逃げてしまう。
撮影:伊藤有

さらに「エコシステムは、オープンでなければならない」とキップマン氏。

「我々がトップランナーでいられたのはWindowsがオープンだったから。パートナーはそこに価値を感じることができたし、その価値を多くの人が享受したからこそ、PCはこれだけ普及して民主化されました。
最近は何か新しいアプリケーションを提供するために独自のAPIを使わないといけないとか、手数料を支払わなければいけないといったものもあるが、そんなことをしていたらイノベーションは止まってしまうし、クリエイティビティーも発揮されません。それは世界にとって全く良いことではない」(キップマン氏)
── というのが、その理由だ。

「Microsoft Edgeが入っていても、ほかのブラウザーが自由に使えるように、自前のアプリストアを持っていたとしても、他のアプリストアも自由に使えるようにすべきです。その方が今の時代にあっているし、エコシステムを前に進めるためにも、オープンであることはとても大切です。
できればさまざまな分野でトップを走るの企業にもオープンになってもらいたい。そうすればテクノロジーの利益は民主化されて分散されます。ちゃんと価値が創造されるところに、利益が落ちるようにすべきなんです」(キップマン氏)
「ホロレンズ2」はマイクロソフトが「ファーストライン・ワーカー」と呼ぶ、製造や流通、医療など現場の第一線で働く人々を最初のターゲットとして想定している。

たとえば国内では、トヨタ自動車の販売店がいち早く採用を発表。担当者が修理や点検作業をする際に「ホロレンズ2」を装着すると、ディスプレイにマニュアルが表示されるしくみだという。

de:codeのエキスポ会場では、プリウスの実車を持ち込んで、トヨタが採用するシステムのデモも。最終日夕方でも体験待ちが1時間出るほどの人気だった。
撮影:伊藤有

トヨタが採用するホロレンズを使ったシステムの映像イメージ。装着すると、実際には隠れた位置にあるハーネスやパーツが透視するかのように浮かび上がる。
撮影:伊藤有

紙のマニュアルはもちろん、PCやタブレットが使いづらい作業中も音声操作やジェスチャー操作でマニュアルが参照でき、作業を効率的に進めることができる。

一般向け版の開発は当然。「if」ではなく「When」だ

撮影:SAMSON YEE

キップマン氏がいうように、かつてWindowsは様々なPCで採用されて一気に選択肢が増え、最初はビジネス向けだったものが、家庭や個人へも広がっていった。

同じように「ホロレンズ2」もやがてコンシューマーの一般ユーザーへと広がっていくのだろか?

こう質問すると思いがけず、「イエス」という力強い答えが返ってきた。

「我々が考えるコンピューティングの未来に、コンシューマーが関与しないシナリオはありません。だからコンシューマー向けにホロレンズを提供するかという質問は、『If』ではなく『When』が正しいです。
ただ我々は今、エコシステムをしっかりと構築している段階。まだ何もないのに空騒ぎをするのではなく、適切なタイミングを見定めたいと思っています。
確信しているのは、このようなヘッドマウント型のデバイスを、コンシューマーが受け入れる日は必ず来るということ。そのときにMRのトップランナーとして一番乗りになりたいし、最高のプレイヤーになりたいと思っています」(キップマン氏)
(文・太田百合子、伊藤有)

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cat_11_issue_oa-businessinsider oa-businessinsider_0_a972dd8e0aca_選挙はおもしろい。思わず目が釘付けになる民主党候補たちの選挙戦 a972dd8e0aca a972dd8e0aca 選挙はおもしろい。思わず目が釘付けになる民主党候補たちの選挙戦 oa-businessinsider 0

選挙はおもしろい。思わず目が釘付けになる民主党候補たちの選挙戦

選挙は、なんておもしろいんだ —— と思わせるニュースがアメリカで相次いでいる。

ミレニアル世代、そしてゲイであることを公表している民主党候補者ピート・ブティジェッジ。
REUTERS/Yuri Gripas

散髪しながらのライブ中継、テレビ司会者の鋭いツッコミに必死で答える候補者ら、土砂降りの中の集会……日本のメディアではトランプ大統領の動向ばかり注目されているが、アメリカでは2020年大統領選挙で、乱立している民主党候補の動向から目が離せない。

「れいわ新撰組」代表の山本太郎氏が街頭演説で人を集め、1人でポスター貼りをしながら、1億3000万円以上の寄付金を集めた背景は、アメリカにいるとよく分かる。選挙を「おもしろく」して、人々を巻き込んでいるからだ。

ゲイ公表の市長が一躍注目候補に
アメリカであれば、2020年大統領選で一躍民主党の注目候補に躍り出たピート・ブティジェッジ氏(37)がまさにそんなひとり。

インディアナ州の人口10万人の市長で、当選すれば市長から初めてホワイトハウス入りすることになる。それだけでなく、彼はゲイであることも公表しており、同性愛者初の大統領ということにもなる。

ブティジェッジ氏の本領が発揮されたのは、保守系テレビFOXの番組に出演した時。懸命に質問をこなす姿にスタジオの視聴者全員が立ち上がって拍手した。FOXは間違いなく、ゲイの彼を叩いて視聴率を狙ったはずだが、逆に司会者は「ワオ」とタジタジになっていた。

司会者:「民主党にとって一つの懸念は、どの候補者が(トランプ大統領との)討論会に耐えられるか、ということです。Twitterなど、(トランプ氏の)侮辱的な言動にどうやって渡り合っていきますか?」
ブディジェッジ氏:「Twitterは……どうでもいいです。(スタジオ内大喝采)メディアの注意をひくには、いい方法でしょう。でも、トランプ氏が作り上げた政治ショーからチャンネルを変える(=目をそらす)ことが、まず大切なのです」
FOXはトランプ大統領のお気に入りの放送局でもある。この限りなくアウェイに近い状況で、ブティジェッジ氏は司会者の質問に真剣に、真っ直ぐに答えた。その様子に多くの視聴者が驚き、感嘆したのである。

散髪しながらFacebookライブ中継

ベト・オルークは他の候補者とは違ったアプローチで有権者との繋がりをみせる
REUTERS/Jose Luis Gonzalez

もう一人の注目候補、ベト・オルーク・テキサス州元下院議員(46)は、メキシコからの移民である馴染みの床屋で散髪中にFacebookライブを配信。選挙戦の様子や移民政策について語った。

「(この床屋のような移民は)雇用を生むために、そしてアメリカ人としての価値を体現するためにいるんだ」
ライブ映像を見せた集会で、彼はこう強調した。

ライブ配信では、「歳をとると、毛が生えるんだよ」と、耳の穴の毛を短くしていることも“告白”。Twitterではたちまち保守系のユーザーから「耳の穴の毛のことなんか知りたくない」と非難が殺到した。

土砂降りになっても帰らない支持者

アンドリュー・ヤン氏の集会。土砂降りになっても最後まで若者たちは楽しそうに参加していた。
撮影:津山恵子

筆者がニューヨークで取材に行った集会でも、集まった人々の関心の高さには驚かされた。

5月12日夕、過去にはオバマ前大統領が2万7000人、前回大統領選で最後までヒラリー・クリントン氏と民主党候補の座を争ったバーニー・サンダース氏が2万人集めたワシントン・スクエア・パークには数百人しかいなかった。土砂降りの午後6時過ぎ。あたりは暗い。人が集まらなくて当然の状況だった。

民主党候補で起業家アンドリュー・ヤン氏(44)が野球帽を被って演壇に立った時は、雨足がピークに達した。民主党候補として立候補している24人(5月31日現在)のうち、かなり知名度が低い。

舞台の後方数十メートルのところでは、中年のトランプ支持の女性が、「ファック・ユー、ファック・ユー」と叫び続けて妨害している。それでも集まった数百人の若者たちは、帰らなかった。

彼の最大の公約は「ユニバーサル・ベーシック・インカム(ユニバーサル基本給)」。オンラインを中心に、若者の支援を集めている。

「(トランプ政権の)減税政策で収入が潤った、子どもが学校に行ける、なんていう話は聞いたことはない。私は、18歳以上の成人に1カ月に1000ドルずつ支給する。それだけのお金があれば、生活苦は解消できる。こんな具体的な公約は、誰もしていない」
雨の中ヤン氏が叫ぶと、若い支持者らが飛び上がって声援を送った。

冬のダウンコートの中まで雨水が染み渡って自宅に帰り着くと、ヤン陣営からメールが来ていた。

「ニューヨークでは、CNNやPBSも取材に来た!」

選挙はもっと「おもしろく」できるはず

再選になりふり構わないトランプ大統領を倒せる可能性のある民主党選手は?
REUTERS/Carlos Barria TPX IMAGES OF THE DAY

アメリカの選挙では巨額のお金が動く。候補者も寄付金を必死で集める。金額の多寡はテレビCMをどれだけ打てるか、多くの集会を開けるかという「体力」を示す。このため四半期ごと、あるいは月末に各陣営は寄付金の残高を競い合う。

当然、有権者も勝ってほしい候補者に寄付して勝負をかける。アメリカの選挙が、「ホースレース(競馬)」と揶揄(やゆ)される所以である。支持したくない代表が選ばれるのを阻止するためにも、競馬よりははるかに真剣な「賭け」だ。

民主党の候補者らは日々、集会、テレビインタビューだけでなく、朝食会や個人宅などで必死の選挙戦を展開する。中には、思いもかけず少人数しか来ない場合もある。しかし、それらをこなしてこそ、有権者とつながっていける。

日本のように熱のこもらない政見放送や、名前を連呼するだけの街宣カーだけでは、有権者に選挙への関心を持たせ、候補者間の公約の違いを理解させ、最終的には投票所に向かわせて投票率をあげるのは、アメリカの選挙戦を見ていると困難に思える。

メディアの選挙報道のあり方を含め、有権者を選挙に向かわせる道を日本は政党、候補者も含めもっと探るべきではないだろうか。

(文・津山恵子)

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cat_11_issue_oa-businessinsider oa-businessinsider_0_45c5d766dcd7_「世界初の5G対応PC」の実力とは? クアルコムが抱く新しいPCの存在価値:COMPUTEX 2019 45c5d766dcd7 45c5d766dcd7 「世界初の5G対応PC」の実力とは? クアルコムが抱く新しいPCの存在価値:COMPUTEX 2019 oa-businessinsider 0

「世界初の5G対応PC」の実力とは? クアルコムが抱く新しいPCの存在価値:COMPUTEX 2019

世界初の5G PCを発表するクアルコムのモバイル事業シニアバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーのAlex Katouzian氏(左)とレノボでPCとスマートデバイスを担当するシニアバイスプレジデントであるJohnson Jia氏(右)。

  • クアルコムとレノボは、世界初の5G対応PCを発表した
  • 性能は現行のインテル製の省電力プロセッサーと同程度と説明
  • 2019年内には製品版がリリースされる見込みだが、価格や端末の種類に懸念がある

高速、低遅延、多接続が特徴の次世代通信規格「5G」。すでにアメリカや韓国での運用がはじまっており、日本も2019年9月のラグビーワルドカップに合わせて法人向けの試験運用を開始、2020年には個人向けサービスも予定されている。

各国のキャリアやメーカーなどが5Gの開発にしのぎを削る中、台湾で開催されているアジア最大のICTの見本市「COMPUTEX TAIPEI 2019」では、クアルコムとレノボが世界初の「5G PC」を発表した。

5Gにつながるものの代名詞と言えば、やはりスマートフォンやセンサーなどのIoT機器の印象が大きい。しかし、クアルコムとレノボは「5GはPC産業をも変える」と話す。

ほとんどのPCユーザーは満足できる性能

レノボが発表した5G PC。

両社が開発する世界初の5G PCの実力とはどのようなものか。クアルコムのプロダクトマネージャー兼シニアディレクターのMiguel Nunes氏に話を聞いた。

クアルコムのプロダクトマネージャー兼seniorディレクターのMiguel Nunes氏。

まず、PC単体としての実力を見てみよう。本体は13~15インチほどのディスプレイを搭載、形状はレノボが得意とする360度回転機構を採用し、タブレットとして使ったり、キーボード部をスタンド代わりにできるいわゆる“YOGAスタイル”になっている。

詳細なインターフェース類は今後変わる可能性があるが、デモ機にはUSB Type-C端子やイヤホンジャックなど一般的なものは備えている。

5G関連の半導体がコンパクトなので当たり前だが、外観だけでは、5G搭載ノートPCだと認識することはできない。

ヒンジが360度回転するYOGAスタイルを採用している。

5G PCが試験的に屋内で発信されていた5Gの電波をつかんでいる様子(台湾ではまだ5Gの電波は飛んでいない)。

中身については、クアルコム製のPC向けチップセット「Snapdragon 8cx」と同社の5Gモデムチップを組み合わせた「Snapdragon 8cx 5G compute platform」を採用している。

Snapdragon 8cxは、従来の同社のスマートフォン向けチップに比べて、現在の市場にあるPCと遜色ないほどの処理性能、より少ない消費電力、多様な接続性に特化して開発したという。

Snapdragon 8cxを搭載したPCから、2つの4K解像度ディスプレイに出力し、ブラウザー、動画再生、PowerPoint、Excel、Photoshopを動かしている様子。もたついた動きは見せなかった。

クアルコムは以下のようなベンチマーク結果を公表している。数値を見る限りでは、現在の市場で出回っているインテルの第8世代コアのUプロセッサー(低消費電力版)と比べて遜色のないスコアが出ている。

Nunes氏は「PCユーザーのほとんどが行っているようなブラウジングやカンタンな写真編集、カジュアルゲームなどは十分にできる」と話している。

■アプリケーション処理性能比較(PCMark 10 Applications BenchmarkのTotalスコア)
・Snapdragon 8cx、8GBメモリー搭載機:4039~4139
・Core i5-8250U、8GBメモリー搭載機:3894-3970

■グラフィック処理性能比較(3DMark Night RaidのOverallスコア)
・Snapdragon 8cx、フルHD解像度ディスプレイ、8GBメモリー搭載機:5710~5815
・Core i5-8250U、2K解像度ディスプレイ、8GBメモリー搭載機:5047~5055

5Gで実現する新しいPCの使い方

インテルも次世代PCの在り方を策定している最中。COMPUTEXではレノボとその第1弾となるPC「YOGA S940」を発表した。

とはいえ、インテルもCOMPUTEX 2019で次世代ノートPCへの取り組みである「Project Athena」※のバージョン1の詳細を発表。1秒以内でのスリープからの復帰、同社の想定する通常利用時の9時間以上のバッテリー駆動などを性能目標として定めている。

※Project Athenaとは:
インテルのプロジェクトのコード名。ノートPCに対する需要や課題に関する研究を行い、それらを解決する規格を策定する。レノボだけではなく、エイサーやデル、HPなどが今後それらの規格を採用した製品をリリースする予定。

クアルコムの5G PCのメリットは何かといえば、圧倒的なシェアをもつスマートフォン向けチップセットで培った省電力性とモバイルネットワークへの接続性だ。

出典: YouTube

クアルコムは、5G PCではPCの使われ方もアップデートされるというイメージを打ち出している。

クアルコムの公式ビデオでは、高画質な動画の高速アップロード、動画の共同編集やビデオ会議中の自動翻訳などがリアルタイムで進行する様子が描かれている。いずれも現在の4Gネットワークの速度や遅延性能では実装が難しい用途ばかりだ。

また、Nunes氏はゲーミング用途についても言及。現在、高度な3Dグラフィックを用いたPCゲームはインテル製でも消費電力の高いハイエンドなCPUが必要で、インテルはその需要を取り入れた商品展開も行っている。

しかし、Nunes氏は「(消費電力が)45WのCPUは開発しない」とゲーミングノートPCにはフォーカスしない方針だ。しかし、これには注釈がある。Nunes氏は「グーグルの『Stadia』などのストリーミング型(クラウド型)のゲームサービスにより、すべてのPCでゲームは可能」と、5G PCではゲームのプレイの仕方そのものが変わるとする。ゲーム分野でも、5Gの高速性・低遅延性が大きなアドバンテージになるというわけだ。

多彩なデバイスが生まれるか?

スマホで培った技術を強みとして、PC市場の開拓を目指すクアルコム。

この先の5Gの通信が当たり前になる時代にクアルコムは5G PCでも覇権を握るのか? これは難しい問題だ。

大きな懸念とされるのは種類と価格だ。例えば、現在Snapragonを搭載しているWindows 10 PCは数が少なく、日本市場に限って言えばレノボの「YOGA C630」以外には存在しない。

これでは、市場全体での部品の調達コストは下がらず、本体の価格は下がらない。また、競争環境が生まれないため、多様な種類のデバイスはインテル機に比べて登場しにくいだろう。

4Gのときより、5Gの方が賛同するメーカーやキャリアは多い。

もちろん、クアルコムもその認識はあるようで、5Gのスタート時は4Gのスタート時と比べて、「5倍以上の通信事業者やPCメーカーの賛同を得ている」という趣旨のアピールをしている。

クアルコムは5G PCの製品版の登場を2019年内としているが、Nunes氏は「2019年の第3四半期から第4四半期ごろ」と予想、「日本は大事なマーケットであり、日本の通信事業者も興味を持ってくれている」と国内での発売開始にも期待を寄せている。

(文、撮影・小林優多郎、取材協力:TAITRA)

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cat_11_issue_oa-businessinsider oa-businessinsider_0_506428cccf31_もうすぐ人間の仕事を奪う? ロボットが1日2万5000個のラズベリーを収穫 506428cccf31 506428cccf31 もうすぐ人間の仕事を奪う? ロボットが1日2万5000個のラズベリーを収穫 oa-businessinsider 0

もうすぐ人間の仕事を奪う? ロボットが1日2万5000個のラズベリーを収穫

  • 効率的にラズベリーを収穫する新しいロボットが開発されている。
  • 機械学習テクノロジーを用いたロボットは、カメラとセンサーを通して「スーパーに陳列できるレベルの熟れ具合」を判別する。
  • 開発者はロボットが1日に収穫できるラズベリーは2万5000個以上と述べた。人間は1万5000個程度。

ラズベリー収穫ロボットの登場が間近だ。

英プリマス大学からスピンアウトした企業、フィールドワーク・ロボティクス(Fieldwork Robotics)が開発した新しいロボットを使うと、農家は1日約2万5000個のラズベリーを収穫できるようになる。

ロボットは、プリマス大学でロボット工学を教えるマーティン・ストーレン(Martin Stoelen)博士が考案した。ガーディアンが伝えた。

機械学習テクノロジーを用いたロボットは、カメラとセンサーを通して「スーパーに陳列できるレベルの熟れ具合」を判別する。収穫時期を迎えたラズベリーを特定すると、グリッパー(バーベキューで使うトングのようなもの)を伸ばし、摘み取って、近くに置かれたカゴに入れる。開発には90万ドル(約1億円)近くが費やされた。

出典: YouTube

フロンティアIP(Frontier IP) ── フィールドワーク・ロボティックスの技術のベースとなっている大学の知的財産の商業化を専門とする企業 ── の広報担当者アンドリュー・ジョンソン(Andrew Johnson)氏によると、ロボットは10秒に1個ラズベリーを摘み取り、1日20時間稼働する。

4本のアーム(現在は1本のみ)が装備されれば、ラズベリーを1日2万5000個以上収穫できるようになる見込み。これは人間が8時間で収穫できる平均的な個数1万5000個をはるかに超える。

ロボットは労働力不足や人件費の高騰といった農家が抱える問題を解決する可能性がある。

Courtesy of University of Plymouth

初めての実証実験は、イギリスのベリー生産会社ホールハンター(Hall Hunter)が所有するウエスト・サセックス(West Sussex)の農場で行われた。同社はフィールドワークスのパートナーで、マークス&スペンサー(Marks & Spencer)、テスコ(Tesco)、ウェイトローズ(Waitrose)といった小売店と取り引きしている。

フィールドワークスはこの秋にさらに実験を行う計画で、得たデータをロボットの改良・改善に生かしていくとジョンソン氏は述べた。2020年の商用ロボットの製造開始を目指している。

収穫プロセスが抜本的に変わるのは、ラズベリーだけではない。ストーレン博士が最初の研究対象としてラズベリーを選んだのは、他の果実より傷みやすいからであり、まず最初に複雑な工程に取り組みたかったから。

博士はすでに、トマトとカリフラワーの収穫に取り組んでいる。

[原文:This fruit-picking robot can pick up to 25,000 raspberries a day, and it could someday replace human workers]

(翻訳:仲田文子、編集:増田隆幸)

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cat_11_issue_oa-businessinsider oa-businessinsider_0_1d6dd68b1a17_アメリカの農業に関する、9つの驚きの事実 1d6dd68b1a17 1d6dd68b1a17 アメリカの農業に関する、9つの驚きの事実 oa-businessinsider 0

アメリカの農業に関する、9つの驚きの事実

アメリカの農業は大きな変化の途中にある。

気候変動による異常気象や、開発による耕作可能地の減少といった要素が食料の供給を脅かす一方で、 農業に従事する人の数は年々減りつつある。

同時に貿易摩擦は、アメリカの食料輸出ナンバー1の大豆といった主要作物の経済的な継続性に疑問を投げかけている。

しかし、農業は急激なイノベーションも経験しつつある。スマートテクノロジーは、農業という業界で働く意味だけでなく、アメリカ人と食のあり方をも変えている。

アメリカの農業に関する9つの驚きの事実を見ていこう。


1. アメリカの農業は国の経済に1兆530億ドル(約115兆円)を貢献している —— これはインドネシアのGDPよりも多い


Jim Young/Reuters

農業は2017年、アメリカのGDP(国内総生産)に1兆530億ドルを貢献した。これを国として見ると、メキシコより下、インドネシアより上の、世界で16番目の経済大国になる。


2. アメリカには200万以上の農場があるが、農場や牧場で働く人の数は国の就業人口の1.3%に過ぎない

AP Photo/Ted S. Warren

農場は広大でも、農場や牧場で働く人の数は国の約260万人、就業人口の1.3%に過ぎない。

今日、アメリカには約200万の農場があるが、1935年のピーク時には700万近くあった。

ちなみに、1840年には労働人口の約70%が農業に従事していた。


3. 消費者の間で広まる不信を受け、ファーマーズ・マーケットや食料の自給自足に対する支持が広まっている


Flickr / George Kelly

2017年、市場調査会社のミンテル(Mintel)は、消費者の間で食料がどのように作られているかに対する「不信が広がっている」と指摘した。

安全なのか? 倫理的なのか? 自然で、環境にやさしいのか?

こうした不信が、ファーマーズ・マーケットや食料の自給自足に対する支持を広め、トレーサビリティ(食料の生産プロセスの全段階が追跡可能であること)に対する需要を高めた。


4. アメリカが輸出する大豆の約60%は中国へ


Jim Young/Reuters

今日、アメリカが輸出する大豆の約60%は中国へ行く。

アメリカは中国に総額238億ドル(約2兆6000億円)の農産物を輸出している。


5. アメリカの作物の損失の90%は、異常気象が関連している


Scott Olson/Getty Images

農務省は、アメリカにおける作物の損失の90%は異常気象が関連していると見ている。

中西部では爆弾低気圧の影響で洪水が、西部では山火事が発生し、南部ではハリケーンによる大きな被害が出ている。


6. 農業といってもその仕事は多様で、必要な資格を持った人材がまだまだ不足している


Justin Sullivan/Getty

農業といっても、その仕事は必ずしも農場にあるわけではない。研究施設やオフィス、コワーキングスペースで働く人もいる。

CareerAddictによると、その中でもトレンドを予測し、クライアントにアドバイスする農業専門のエコノミスト(平均年収10万5000ドル)や、土地の使用、環境保護、労働法に詳しい農業専門の弁護士(平均年収11万5820ドル)といった仕事は高給が望めそうだ。

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7. 近い将来、アメリカではりんごに貼られたラベルをスキャンすれば、その履歴が追跡できるようになる


Getty Images

アグリサイエンスのコルテバ(Corteva)によると、IoTの新たな技術によって、店で売られているそれぞれの果物や野菜がどういう道をたどってきたのか、追跡することができるという。

スマートラベルは、食品の産地や二酸化炭素排出量などを確認することができるため、消費者の食品に対する不安を和らげることに貢献しそうだ。


8. アラスカとハワイを除くアメリカ本土の面積の48%、7億8100万エーカー(約320万平方キロメートル)は、家畜を養うために使われている —— これはほぼインドの面積と同じ

Mark Rightmire/Digital First Media/Orange County Register via Getty Images

ブルームバーグの調査によると、アメリカの農地は約3億9100万エーカーで、アラスカ、ハワイを除くアメリカ48州の5分の1にあたる。このうち、人間が食べるものを作るために使われているのはわずか7730万エーカーだ。家畜の飼料を作るための土地(1億2700万エーカー)と牧草地(6億5400万エーカー)を合わせると、家畜を養うために使われている土地の広さは7億8100万エーカーを超える。これは、アメリカ48州の41%にあたり、これはインドの面積とほぼ同じだ。

ちなみに、アメリカ48州に占める都市部の面積の割合は、わずか3.6%だ。


9. 農業に関する情報交換がメインだった「#AgTwitter」が、最近では農業の世界で働く人々のメンタルヘルスの向上にも貢献している

Nir Elias/Reuters

報道番組『PBSニュースアワー(PBS NewsHour)』によると、アメリカの中でも農村部の自殺率は高い。そして、農業の世界で働く人々の自殺率は、1992年~2010年の殺人発生率よりも高い。

ただ、近年はツイッターで必要なサポートを得ることができるようになったとの声もある。

農業に従事するマイク・ピアソンさんは、「#AgTwitter」のコミュニティーでそうした情報や支援が得られたとPBSに語っている。


[原文:9 mind-blowing facts about the US farming industry]

(翻訳、編集:山口佳美)

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cat_11_issue_oa-businessinsider oa-businessinsider_0_a12a5110ce27_ホテルの客室係が言いたくても言えない9つのこと a12a5110ce27 a12a5110ce27 ホテルの客室係が言いたくても言えない9つのこと oa-businessinsider 0

ホテルの客室係が言いたくても言えない9つのこと

汚れた部屋から口うるさい客まで、ホテルの客室係には我慢しなければならないことがたくさんある。

Business Insiderでは、ホテルの現役の客室係と元客室係に、自分たちの仕事がやりやすくなる、宿泊客に言いたいけど言えないことを尋ねた。

ホテルの客室係が言いたくても言えない9つのこととは?


1. チェックアウトのときは、部屋の中の全てのものを「オフ」に

BrunoRosa/Shutterstock

「部屋をチェックアウトするとき、テレビをつけっぱなしにしないで」と、ある客室係はBusiness Insiderに語った。「テレビがついていると、部屋にいるのかどうか分からなくて困ります(受付のスタッフに連絡が取れるまで分からないし、受付はものすごく忙しいので)。あとは、チェックアウトのときに『起こさないでください(Do Not Disturb)』のサインをそのままにしておかないでほしい」


2. ホテルで髪を染めないで

Shutterstock

「ホテルでは髪を染めないでください。バスタブをきれいにするのに1時間はかかるし、掃除用品も信じられないほどたくさん使うことになるので」 と、あるホテルの客室係はBusiness Insiderに語った。


3. 使ったリネン、タオルはまとめて置いておいて

stillframe/Flickr

「そうする必要はないし、期待はしていないけれど、時間内にものすごくたくさんの部屋をきれいにしなければならないので、部屋を出るときに(使ったリネンを)ベッドからはがしてまとめておいてくれると、すごく助かります。あと、使用済みのタオルは床にまとめておいてくれると、ありがたいです」と、あるホテルの客室係はBusiness Insiderに語った。


4. チェックアウトの前に、ベッドメイクはしないで

Joe Raedle/Getty Images

「ベッドで寝たなら、部屋を出るときにベッドメイクする必要はありません。ベッドが全く使われていないように見えると、わたしたちはシーツを変えないかもしれません。使ったかどうか、分かりやすい方がありがたいです」と、リゾートホテルの元客室係はBusiness Insiderに語った。


5. ゴミ袋や洗濯物袋の追加は、気軽に頼んでください

Shutterstock/fotoinfot

「多くの人が、ゴミ袋がいっぱいになると追加の袋を頼むのではなく、そのまま床に捨てています。わたしたちは宿泊客の部屋をきれいな状態で維持する手助けをすることを厭いませんし、床に散らばった汚れた服の上を歩きたくはありません」と、あるホテルの客室係はBusiness Insiderに語った。


6. ゴミは散らかさず、1か所に集めておいて

Shutterstock/Daniel S. Edwards

「できれば、全てのゴミは1か所に集めておいてほしいです。そうすれば、部屋中のゴミを拾うために走り回らずに済むので。時間の節約になります」と、あるホテルの客室係はBusiness Insiderに語った。


7. 使い捨ての医療関係のものは適切に処理して

AP Photo/Reed Saxon

「糖尿病患者が使うインスリン注射の針が、むき出しの状態でゴミ箱に捨てられていることがあります。わたし自身、一度それでけがをして、半年間、血液検査を受けたり、薬を飲んだりすることになりました」と、あるホテルの客室係はBusiness Insiderに語った。


8. 「起こさないでください(Do Not Disturb)」のサインを使ってください

Kenishirotie / Shutterstock

「わたしたちに邪魔されたくないときは、『起こさないでください(Do Not Disturb)』のサインを使ってください。サインが出ていないので部屋に入ったら、怒鳴られたということが何度もあります」と、あるホテルの客室係はBusiness Insiderに語った。


9. 客室係を人間として扱って


Jeffrey Greenberg/UIG via Getty Images

「わたしたちは客室係です。流ちょうな英語をしゃべる客室係もいれば、そうでない客室係もいます。部屋にいるときに客室係が部屋の掃除に入ってくると、気まずいと思いますが、わたしたちも気まずいのです。わたしたちにはやらなければならない仕事があり、あなたとあなたの部屋を気にかけることがその仕事なのです」と、あるホテルの客室係は語った。


[原文:10 things hotel maids wish they could tell you, but can't]

(翻訳、編集:山口佳美)

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cat_11_issue_oa-businessinsider oa-businessinsider_0_096f9e462fbd_キャリアを劇的に変える方法 096f9e462fbd 096f9e462fbd キャリアを劇的に変える方法 oa-businessinsider 0

キャリアを劇的に変える方法

  • 転職活動中は、業界あるいは職種のどちらか1つを変えることに集中することがベスト。2つを同時に変えようとしてはいけない。
  • これは、組織人事ストラテジストでエグゼクティブコーチのエリカ・ケスウィン(Erica Keswin)の意見。
  • ケスウィンはまた、今の仕事から新しい仕事に活用できるスキルをまとめることを勧めた。

ニューヨーク大学スターン・スクール・オブ・ビジネスのエグゼクティブコーチとしてのエリカ・ケスウィン(Erica Keswin)の日々の大部分は、キャリアを変えたいと考えているクライアントとのやりとりが占めていた。

クライアントたちは仕事に飽きたのかもしれない。行き詰まったと感じていたのかもしれない。天職が別のどこかにあると感じたのかもしれない。

こうしたクライアントすべてに対して、組織人事ストラテジストで『Bring Your Human to Work』の著者でもあるケスウィンは、同じアドバイスを送った。

「業界と職種を同時に変えることは非常に難しい」

だが、あまりにも多くの人が転職活動に熱心になり過ぎ、キャリアチェンジの際には180度の完全な転換を望んでいる。

例えば、あなたが今、ファッション業界で財務を担当しているとする。ケスウィンは、ファッション業界に留まって希望する職種に転職するか、財務という職種を維持しつつ希望する業界に転職することを勧める。

新しい役割もしくは新しい業界のどちらかで経験を積めば、もっと大きなキャリアチェンジを考えることができる。

ケスウィンはまた、多くのクライアントに次の仕事に活かせる、転職に有利なスキルをまとめることを指導してきた。

「興味のある仕事と、今までやってきた仕事。紙の上では、“新しい仕事”は“これまでの古い仕事”と何も共通点はない。しかし、一皮むけば、“新しい仕事”に活用できるたくさんのスキルを持っていることは明らか」

これは結局、辛抱強く、慎重で、思慮深くなることに行き着く ── 確かに、現在の仕事にうんざりしているときに、こうした特徴を示すことは簡単なことではない。

実際、キャリアコーチで元グーグルのジェニー・ブレイク(Jenny Blake)は、今の会社で新しい役割を担うのか、スタートアップを立ち上げるのかにかかわらず、キャリアチェンジをするときには4段階のプロセスでクライアントを指導している。

最初のステップは、現在のキャリアステージで何がうまくいっているのか、そしてそれをどのように活用できるのかを明確にすることだ。

選択肢を3つに絞り込む
ケスウィンは、クライアントがスキルのマッピングを終え、以前の職種とかけ離れすぎていない新しい仕事をいくつか提示すると、選択肢を3つに絞り込むよう勧める。

理由は、「私のクライアントのほとんどは、これまでに築いてきた何らかの関係を通して、最初の面接、あるいはその次の機会を得ている」からと彼女は語った。オンラインでの書類提出を通してではない。

つまり、そうした関係を築くために、適切な時間とエネルギーを投資する必要がある。

元同僚や同級生に連絡することを考えてみよう。「3つ以上の選択肢を検討していると、すべてがおろそかになる」

[原文:How to make a drastic career change, from an executive coach who's helped countless people unhappy at work]

(翻訳:一柳優心、編集:増田隆幸)

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cat_11_issue_oa-businessinsider oa-businessinsider_0_4392543cdd7f_目標設定の「暗黒面」、エベレストでの死者数急増から知る 4392543cdd7f 4392543cdd7f 目標設定の「暗黒面」、エベレストでの死者数急増から知る oa-businessinsider 0

目標設定の「暗黒面」、エベレストでの死者数急増から知る

2019年6月2日 07:00 Twitter/@nimsdai
  • 世界最高峰エベレストでは今シーズン、少なくとも11人が山の危険な区域での渋滞中に命を落としている。
  • 1996年にも同様の渋滞が複数の犠牲者を出していて、ある社会心理学者は、多くの登山者が「サミット・フィーバー(summit fever)」 —— 頂上に到達したいという執着心が命を守るための決断を見えなくする —— にかかっていると指摘する。
  • 会社であれば、CEOがあまりにも高い目標を設定すると、従業員たちはタスクを実行できるかどうか不安になる。登山者と同じく、チームのメンバーは感情的な結びつきがあるため、目標達成に向けてさらに懸命に働くことになる。

世界最高峰エベレストでは今シーズン、少なくとも11人が山登りの途中で命を落としている —— 雪崩や猛吹雪のせいではなく、確立された登山ルートで、だ。

あまりにも多くの登山者が山頂を目指して列をなし、"渋滞"になっているからだという。この渋滞のせいで、登山者は「死のゾーン」と呼ばれる標高約8000メートル以上のエリアで待つことになる。

経験不足の登山者に、山頂を目指すことを許した許可制度の緩さも犠牲者を出すことにつながったかもしれないが、心理学は、「サミット・フィーバー」 —— 頂上に到達したいという登山者の執着心 —— が影響した可能性を示している。

エベレストで渋滞が複数の死者を出すことにつながったのは、これが初めてではない。1996年には、8人が山頂近くで渋滞中に命を落とした。当時、組織心理学者のクリストファー・ケーズ(Christopher Kayes)氏は、ヒマラヤの山麓の丘から登山者を観察していた。

2004年の研究論文で、ケーズ氏はエベレストの山頂に到達することが登山者の社会的アイデンティティーの一部になっていると指摘。登山者たちは目標を達成したいあまりに、誤った判断を下しているとした。

山頂に到達したいというエベレストの登山者たちの衝動が、他の行動を考えることを妨げていると、ケーズ氏は主張する。目標達成だけを追求する登山者の視野の狭さが、その途中で遭遇した渋滞や酸素量の低下といった問題を見えなくし、引き返すという選択肢を消してしまう。

加えて、頂上に近ければ近いほど、登山者はここで引き返したらこれまで投資した時間や労力が無駄になると恐れるかもしれない —— これは「サンクコストの誤り」と呼ばれる現象だ。

ジャーナリストで『The Antidote: Happiness for People Who Can't Stand Positive Thinking』の著者でもあるオリバー・バークマン(Oliver Burkeman)氏は、ケーズ氏の主張を拡大し、高すぎる目標設定は成功を遠ざけかねないと指摘した。例えば、CEOがあまりにも野心的な目標を掲げると、チームのメンバーはタスクを本当に実行できるかどうか不安になる。

この不安は、目標を達成できないのではないかという恐れとあいまって、彼らはさらに懸命に働くことになる。チームのメンバーは登山者同様、それが本当に達成可能かどうかにかかわらず、目標に対する感情的な投資を増やす。例え計画が「だんだん無謀」に見えてきても、サミット・フィーバーが彼らを目標にこだわり続けさせる。

企業の野心的すぎる目標に従業員たちがあまりにも執着していると、彼らは誤った判断を下す。

目標への固執が逆効果になると考えているのは、バークマン氏だけではない。『Irresistible』の著者でニューヨーク大学の経営大学院スターン・スクールの准教授、アダム・オルター(Adam Alter)氏は、スマートフォンのアプリが理不尽な目標設定を促していると、Business Insiderに語っている。

それが登山であれ、外国語学習であれ、人は目標を達成するためだけに必要以上に自分を追い込んでいると、オルター氏はいう。そして、目標を達成しても、その喜びは新たに執着する別の目標のために、すぐに色あせてしまう。常に目標に向かって努力しているということは、自分の大半の時間を目標達成に「失敗」することに使っているということだと、オルター氏は指摘する。

何かを成し遂げたいときは、高すぎる目標を掲げるのではなく、システムを作ることをオルター氏は勧めている。ハーバード大学の社会心理学者、エイミー・カディ(Amy Cuddy)氏も、目標は小さく、一口サイズに刻もうとBusiness Insiderに語っている。例えば、本を書きたいと思うなら、毎朝、良くても悪くても、500単語書くシステムを作るべきなのだ。

「最終的には、積み重ねでゴールにたどり着く」とカディ氏はいう。

[原文:What 'summit fever' and the spike in deaths on Mount Everest can teach you about the dark side of goals]

(翻訳、編集:山口佳美)

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cat_11_issue_oa-businessinsider oa-businessinsider_0_e3ff4acb826c_職場の「言いにくいこと」を伝える極意。プレゼン名手、澤円さん語る e3ff4acb826c e3ff4acb826c 職場の「言いにくいこと」を伝える極意。プレゼン名手、澤円さん語る oa-businessinsider 0

職場の「言いにくいこと」を伝える極意。プレゼン名手、澤円さん語る

ビジネスの世界では、ときとして「言いにくいこと」を伝えなければならないシーンが存在します。それが自分やチームのために必要なことだと頭では分かっていても、伝えるときの精神的負担は計り知れません。伝えなければならない、だけど言いにくいものは言いにくい……。

相手が部下であれ、上司であれ、顧客であれ、互いにしこりを残すことなく、言いにくいことを適切に伝えるためにはどうしたらいいのでしょうか?

この悩みをぶつけるなら、絶対にこの人がいい——と頭の中に浮かんできたのが、プレゼンの名手として知られる澤円さんでした。外資系大手IT企業に業務執行役員として勤務しながら、数多のスタートアップ企業の顧問や大学の客員教授なども務め、伝え方のプロとして多くの研修、講演の実績を持つ澤さん。

なぜ「言いにくい」と感じてしまうのか。それをどう乗り越えて伝えればいいのか。そして言っても伝わらないときにはどうすればいいのか——たくさんの企業や組織に関わってきた経験から、私たちが持つべきマインドセットを教えていただきました。


PROFILE
澤円:圓窓代表
1997年、外資系大手IT企業に転職。ITコンサルタントを経てプリセールスSEへ。2006年よりマネジメントに職掌を転換し、ピープルマネジメントを行うようになる。2011年より同社テクノロジーセンター センター長。2014年よりサイバークライムセンター 日本サテライト責任者も兼任。2018年より業務執行役員。ビズリーチ、FiNC、カウンティアなど多くのスタートアップ企業の顧問も務める。NewsPicksプロピッカー。琉球大学客員教授。

聞き手には、上場企業であるガイアックス社の最年少事業部長として、ほとんどのメンバーが年上という状況で組織づくりに挑戦し、現在は役職のないフラットな組織マネジメントを実践している管大輔さんをお迎えしました。

日本企業はムラ社会。同質性の押し付けが「言いづらい」を生む

——多くのチームや組織に関わっている澤さんですが、コミュニケーションがスムーズな組織とそうではない組織、どちらもご経験があるかと思います。言うべきことを言いづらい組織になってしまうのはなぜでしょうか?

僕が国内外のさまざまな企業と関わってきた中で感じたのは、日本の企業はお互いに同質性を押し付け合う関係になりやすいということ。特に大企業ほど、社員が「会社ではこれが普通」「こうするのが当たり前」みたいな “見えないルール” を勝手に作るのがすごく得意で、しかもその見えないルールを押し付け合う。結果として、「言わなくても分かるよね?」といった空気感が生まれたり、言いたいことを言えない雰囲気になったりするのかもしれません。

——なぜ見えないルールや空気に支配されてしまうのでしょうか?

日本人は潜在的に、一度所属した組織に対して「一生付き合う仲間だ」とか「裏切ってはいけない」みたいな意識を持っていますよね。終身雇用の前提が未だにあって、ムラ社会的な概念で「ここでこんなことを言ったら村八分にされるんじゃないか」みたいな、すさまじく大きな恐怖を感じてしまうんだと思います。

アメリカやヨーロッパでは同じ会社に居続けることは当たり前ではないし、もっと言えば、ずっと同じところにいるのは能力がないバロメーターという考えの人もいるほど。でも日本では、同じ会社で出世する人が能力が高いと言われますからね。学生の部活動ですら、辞めると裏切り者扱いをされる。一度属したところから抜けられないというのは、日本の特徴的なところだなあと思います。外の物差しを持つと、日本でいう “当たり前” が本当にバカらしく感じますよ。



今の日本企業と社員の関係性って「親子」なんです。すごく頑張って大学に入っても、4年間で坂道を転げ落ちるようにアホになって(笑)、就活時期になるとみんながおそろいのスーツを着て、入社したら新人研修を受けて、40年かけて大人になる。それっていわば、企業による子育てですよね。

親である会社は子どもを思い通りにしようとして同調圧力が強くなり、子どもである社員は親に「怒られない」ことを第一優先するようになる。親に受け入れてもらうために、言いたいことを我慢する。実際に、日本企業の若手や40代の中堅社員などから相談を受けると、「怒られたくないから言えない」とよく口にします。

——そのような環境を改善するにはどうしたらいいでしょうか?

マネジメント能力がない人をマネジャーにするのをやめることでしょうね。日本の企業には「本物のマネジャーが育ちにくい」というのが、僕の持論です。なぜなら、日本では給料の増減が役職と一致していて、管理職が名誉職になっているから。「営業成績がいいからマネジャーにしてやる」みたいなことで昇進させた結果、マネジメント能力のない人が上司になって、部下に「なんでお前できないの?」「俺はできたよ?」みたいなことを言ってしまう。これでは部下が言いにくくなる一方です。

——「本物のマネジャー」はどうあるべきなのでしょう?

まず、「マネジャーは平社員より上」という意識を捨てて、ひとつの役割だと捉えることです。僕のチームにも元本部長だった人がメンバーとして入っていますが、僕は上司ではなく、班長とか学級委員長くらいのスタンスでいます。クラスの係としてホームルームの司会はするけど、上下関係ではないよ、というマインドセットです。

そのうえで、しっかりとマネジャーとしての職責を果たすこと。マネジメントには、大局的な視野を持って、常にベストなやり方を判断し、人の適正配分も考えて……というように、組織のパフォーマンスを最大化するためにいろんな能力が必要です。プレーヤーとしての能力の高さを拠りどころにするのではなく、マネジャーに必要な能力をつけて、発揮していかなければいけません。

「言いにくい」のは人格攻撃になっているから? 必要なのはゴールという共通認識


——では、マネジャーとしてメンバーに「言いにくいこと」を伝えるときに、気をつけるべきことは何でしょうか?

最初の主語を「あなた」にしないことです。ビジネスの関係であれば、まずゴールがあるべき。そしてそれを成し遂げるために、「われわれは」何をしなければならないかを話し合うのが最初のプロセスです。そのうえで、「あなたはその能力がありますか?」と話すのはいいと思います。「私からあなたへ」の個人的な話になってしまったら、それは人格攻撃で、伝える側のエゴでしかありません。

——ゴールから逆算した上での対話であるべきなんですね。

会社というのは、ゴールやビジョンが常に共有され続け、みんなが同じ方向を向いて進んでいくもの。であれば、対話というものは、その中で、スピードがおかしいとか、違う方向を向いているときに、はじめて生まれるべきです。

そういう前提もなく、「なんで、できてないの?」「おまえ、それはないだろう」とか言われたら、「やかましいわ」って反応したくもなりますよね(笑)。きちんと伝えるためには、成果が出ていないのはなぜか、チームとして責任を果たすためにどうすればいいか、といったことを言語化していく必要があります。

——内容に納得できても、「言い方に傷ついた」と言われてしまうこともあります。

相手が傷ついたということは、伝える内容が「サプライズ」になっちゃっているということです。「言い方がキツい」なら優しく言えばいいのかというとそうでもなくて、本当の原因は「まったく予想していないことを言われた」ことにあります。

それまでの言語化が不十分で、前提知識の共有ができていなかったということ。そうならないためには、段階を追って話し、その都度、相手の理解度をチェックしていかなければなりません。

例えば、事業の方向性が少しずつ変わっていくのに伴って、必要な能力も変わっていくときってありますよね? そういうときは「今は事業がこんな状況だからこういうスキルが必要なんだけど、習得してみたいと思う? もしそうなら、最初の目標数値は○○にして、1カ月後にレビューしよう」と話して、実際に1カ月後に進捗を確認して……と順を追って話せば、相手が傷つくことにはなりません。

それを急に「おまえ何でこれできないの? 必要だって分かるよね?」と言われたら、明らかに悪い意味のサプライズになってしまいます。

——表現の仕方もポイントになりますね。

そうそう。例えば、「ちょっと」や「なる早で」とよく言われますけど、そういう感覚的な表現って、人によって概念が違いますからね。もし上司から言われても、部下は「その “ちょっと” ってどのくらいですか?」とは聞きづらくて我慢してしまうでしょう。そうやってどんどん乖離が広がっていくとトラブルにつながる。数値やスケジュールなど、誰でも同じように認識できる数字で共有することが大切です。

そういうことを要所要所できちんと共有できていれば、言われる側も自覚が持てるので、言いにくいと悩むことも、伝え方によって傷けることもなくなるでしょう。

逆に、「実は半年前に評価基準が変わっていて……」みたいな後出しジャンケンがあったり、過去の事実が判明したりすると、ほとんどの場合、事故につながります。そういうサプライズは絶対にあってはダメ。サプライズというのは、ミクロであれば人を潰すし、マクロであれば会社を潰します。

会話にならない上司からは迷わず逃げろ!持つべきは「我慢しない」マインドセット

——では、部下から上司に言いにくいことを伝える場合はいかがですか?

基本は同じで、目指すべきゴールを示してから対話することです。ただ、はっきり言ってしまうと、人はそう簡単には変わりません。なので、感覚的な言葉ばかりを投げかけてきたり、せっかく言いにくいことを伝えても聞き入れてくれなかったりする上司なら、辞めちゃっていいと思います。

そういう人とコミュニケーションを取ろうとしたり、相手を変えようと思ったりするだけ時間の無駄。それなら、自分がやりたいことや、こういう風に生きたいという自己実現のゴールを軸にして、邪魔な上司のいないところへ移動したほうがいいですよ。

——それはずいぶん思い切った行動ですね。

だって、多くの会社で今「上司」になっている世代は、感覚的な言葉でやり取りしてきた人が多くて、今さら変えようとしても変わりませんから。でも、若い人が自分の元からどんどん去っていったら、「もしかしたら自分に原因があるんじゃないか」と気づけるかもしれない。

逆に、気づかないような上司に人格攻撃をされても、受け入れる必要はまったくありません。「ゴールはここでしたよね?」と確認して、そこで気づいてくれて建設的な会話ができるならOKだし、できなければ、逃げたらいい。これは、上司だけでなく、顧客に対しても同じことです。

——会社のゴールやビジョン自体が抽象的で、個人の解釈が異なりやすい場合もありますよね。

例えば、グーグルのビジョン「1クリックで世界の情報へアクセス可能にする」のように明確だとコミットしやすいですよね。もしそのビジョンが腹落ちしないなら、ほかの会社に行けばいいんだし。

でも、多くの日本企業のビジョンは、抽象的だし言葉も長すぎるように感じます。そのうえ、「なんとなく分かるよね」という押し付けに依存しすぎて、言語化を怠ってしまう。「今さらなんか恥ずかしいよね」と、あらためて共有する機会も設けてられていないので、人によって解釈の違いが生まれてしまうのだと思います。

——海外の企業はなぜ、明確なゴールを打ち出して、共有できるのでしょうか?

外資系企業は、宗教などのバックグラウンドやジェンダー観が異なる人がわんさかいる中でビジネスをしているので、言葉が通じないとか、価値観が違うというのが当たり前なんですよ。ですから、全員に通じるように、シンプルに明確に話そうとします。その最たるものが「数字」です。

外資系はよく数字至上主義でドライだと言われますが、実際はみんなに分かる「数字」を使っているというだけのこと。同質性の押し付けの真逆です。昔の上司に、そのときやっていた仕事がいつまでに終わるかと聞かれたとき、「In near future.(近い将来)」と答えたら「いつを指しているのか分からない」と言われたことがあります。僕もそこでハッとしました。

——具体的なゴールや数字を明確化しないままコミュニケーションを取ろうとするのが、いかに問題なのかが分かりますね。

軍隊で最もつらい訓練は、「ゴールを指定されないまま、上官が『もういいぞ』と言うまで走らされる」ものだそうです。鍛え抜かれた軍人でさえそうなのですから、ビジネスパーソンが「いつまで」「どこまで」といったゴールがないまま走らされると、ペース配分もできずに、疲れだけが溜まっていくのでものすごくつらい。ある日突然心が折れてしまうこともあります。

よく鬱になる人は「心が弱いから」と表現されますが、そうではなく、誰であっても疲れが原因で心が折れることもあるんですよ。だから、マネジャーは「俺がいいと言うまで走れ」ではなく、必ずゴールを言語化して共有しなければなりません。

日本は我慢を美徳とする国ですが、「我慢できない=弱い」ではないんですよ。海外の人は、「家族との時間とか、趣味とか、人生にはいっぱいやることがあるんだから、仕事にそんなに時間を使わなくていいよね」という考えがベースにあるので、仕事のプライオリティーがそれほど高くありません。

だからこそ、言っても伝わらないような非効率的なコミュニケーションを嫌うし、我慢なんてせずにどんどん離れていく。何でもかんでも海外のほうがいいとは思わないけど、言いにくいことに頭を悩ませたり、それで心が折れたりするくらいなら、彼らを真似て、「そんな上司や会社からは逃げてもいい」くらいのマインドセットを持ってくれたらいいなって思いますね。



(取材・文、管大輔/青木麻里那/岡徳之、撮影・ 伊藤圭)

"未来を変える"プロジェクトから転載(2019年3月20日公開の記事)

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