- ニューヨーク市警察は、映画「ジョーカー」の公開にともない、市内全域の映画館に私服警察官を配置するなど警戒態勢を強化すると、Deadlineが報じた。
- 「もしいずれかの映画館で何かが起きた場合、我々は迅速かつ確実に鎮静化を図る」と、警察はDeadlineへ語った。
- ニューヨーク市警察はBusiness Insiderに「現時点で特定の、または信頼し得る脅威はなく、この映画の上映を引き続き厳重に警戒していく」と書面で述べた。
- ロサンゼルス市警察も「映画館周辺での警戒の強化を続ける」と発表した。
- 「ジョーカー」上映での暴力に対する不安は、2012年にコロラド州オーロラの映画館で起きた銃乱射事件の被害者家族がワーナー・ブラザーズへ手紙を送ったことで、国民の関心の的となった。
- 事件は「バットマン」シリーズの「ダークナイト ライジング」のミッドナイト上映中に起き、バットマンの悪役、ジョーカーに刺激を受けたと見られる犯罪者によって、12人が死亡し、70人以上が負傷した。
- 市民の不安はあるものの、「ジョーカー」は10月の興行記録を破ると予想されている。
ニューヨーク市警察は、今週末に公開する映画「ジョーカー」の上映で、映画館で起こり得る暴力に対して不安が高まっていることから、警戒態勢を強化する。
Deadlineによると、警察官が市内全域の映画館でパトロールを行い、私服警察官も配置される。
「チケットを購入して着席する人のほか、通行人の安全も確保するための、全方位的な取り締まり活動だ」と、警察はDeadlineへ語った。
「もしいずれかの上映中に何か起きた場合、我々は迅速かつ確実に鎮静化を図る」
ニューヨーク市警察はBusiness Insiderへ「現時点で特定の、または信頼し得る脅威の情報はなく、この映画の上映を引き続き厳重に警戒していく。必要に応じて、追加人員を配置する」と書面で述べた。
「市民には、公共の安全を守る義務がある。警察への支援を期待する。何かを目撃したら、通報してほしい」
ロサンゼルス市警察も、「ジョーカー」上映中には映画館周辺での警戒を強化すると発表した。
「ジョーカー」は、人気映画「バットマン」の悪役が登場するR指定の荒々しいストーリーだ。映画のレビューは、ほとんどが好意的だが、露骨な暴力が出てくることは指摘している。Business Insiderの記者は、レビューに「ジョーカーは、マーティン・スコセッシ監督の映画『キング・オブ・コメディ』や『タクシードライバー』などから多大な影響を受けた、非常に暴力的な物語」と書いた。
「ジョーカー」上映での暴力に対する不安は、2012年にコロラド州オーロラの映画館で起きた銃乱射事件の被害者家族が先週、映画会社ワーナー・ブラザーズへ手紙を送ったことで、国民の関心の的となった。映画「バットマン」シリーズの「ダークナイト ライジング」のミッドナイト上映中、12人が死亡し、70人以上が負傷した事件だ。
犯人は頭髪を明るいオレンジ色に染めていたので、ジョーカーと比較された。当時、犯人は警察に自身を「ジョーカー」と呼ぶように言ったと報じられたが、デンバーポスト(The Denver Post)紙はこれを否定している。ハリウッド・リポーター誌によると、手紙は上映中止を呼びかけるものではなかったが、ワーナー・ブラザーズに議会での政治的影響力を行使し、銃規制を強く働きかけるよう要請した。
「私が懸念するのは、そこにいる誰か、イライラした人間や銃乱射したいと思う人間が、この映画に触発されるかもしれないこと」と、24歳の娘、ジェシカ・ガーウィ(Jessica Ghawi)が殺害されたサンディ・フィリップス(Sandy Phillips)(「ジョーカー」の監督、トッド・フィリップスとは無関係)は同誌へ語った。
銃乱射事件が起きた映画館では「ジョーカー」の上映を行わない。映画館の従業員は「上映がないため、前売りチケットの販売もしていない」と同誌に話した。
市民の心配はあるものの、「ジョーカー」はヒット作になると予想されており、現在、映画「ヴェノム」が保持する10月の興行記録の8000万ドルを上回ると予想されている。Boxoffice Proは、ジョーカーが1億ドル以上を稼ぎだす可能性があると予想している。
[原文:The NYPD says 'Joker' movie screenings this weekend will be 'closely monitored']
(翻訳:Makiko Sato、編集:Toshihiko Inoue)