宇宙から見たカナダのマッケンジー川。
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NASA(アメリカ航空宇宙局)は、はるか遠く宇宙の研究で有名だが、地球の上空にも無数の人工衛星を打ち上げ、その変わりゆく姿を表す豊富なデータを科学者に提供している。
だが時として、科学と芸術は紙一重だ。NASAのグローバル気候変動グループ(Global Climate Change Group)は2017年11月、人工衛星と宇宙飛行士が上空から撮影した地球の素晴らしい姿を公開した。
通常肉眼では見えない姿や特徴を表現するため、科学者が着色した写真も多く含まれる。
公開された一連の写真の中から、Business Insiderが選んだ18枚を紹介しよう。
(敬称略)
---------------------これはSF映画のワンシーンではない。宇宙服の中はからっぽだ。この「スーツサット1号(SuitSat-1)」は、不要となったロシアの宇宙服に古着を詰め込んだ宇宙服衛星で、2006年に地球の周回軌道に乗った。
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このミシシッピ川は、2003年にアメリカのテネシー州メンフィス南部で撮影された。ブロック状になった町や田畑が川を囲んでいるのが分かる。河川の蛇行により形成される三日月湖が無数に存在するのも、写真から見て取れる。
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ロシアのレナ川は、世界で最も流域面積の広い川の1つだ。多くのシベリアの野生動物にとって、重要な繁殖地でもある。
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こちらは、カヴィール砂漠もしくはグレート・ソルト・デザートと呼ばれるイラン最大の砂漠。基本的に無人の荒地で、沼地と塩性湿地でできている。
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オーストラリアの東、約1200キロメートルに位置する、ニューカレドニア群島の一部を捉えた写真。彩色はされていない。青色が薄いほど水深は浅く、濃いほど深い。
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2013年の西オーストラリアの着色写真。厚い堆積物と熱帯地域の河口特有の植生パターンが見て取れる。
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アフリカのモロッコ南部にある、アトラス山脈の一部を成すアンティアトラス山脈の着色写真。世界で最も大きくかつ多様性に富む鉱山の1つだ。
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2010年に撮影されたマナム火山。パプアニューギニア本島から数マイル離れた沖に位置し、直径6マイル(約10キロメートル)の島を形成している。白煙の原因は不明だが、非常に活発な火山活動によって噴火口から発生していると思われる。
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この着色画像では、ヒマラヤ山脈東部の雪に覆われた山頂と尾根が、中国南西部の主要河川に囲まれているのが分かる。
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あまり見たことがないようなアメリカのルイジアナ州の光景。ミシシッピ川の河口から、沈泥(シルト)がメキシコ湾に流れ込んでいる。
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オーストラリアのカーネギー湖。一時湖、つまり大量の雨が降ったときにのみ水が満ちる湖だ。降雨量の少ない年が続くと、泥だらけの沼地になる。この写真は1999年に撮影された。
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マダガスカルの北西、ボンベトカ湾の着色画像。
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ブルース・マッカンドレス2世は1984年、これまでの宇宙飛行士が経験したことのない冒険に乗り出した。窒素のジェットパックの力を借りて、宇宙船から320フィート(約98メートル)の距離を「命綱なしで遊泳」した。
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ナミビアにあるカリハリ砂漠の端の着色画像。かつては肥沃な地であった北部に、砂丘が広がっている。健全な植生は赤色で示されている。NASAによると、中央部分の赤い点は唯一残った農場のかんがいシステムだという。
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植物プランクトンが増殖しているこの写真は、アイスランドの沿岸で、2010年にNASAの地球観測衛星「アクア」によって撮影された。
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まるでゴッホの絵画のように、緑がかった植物性プランクトンの巨大な固まりが、バルト海に浮かぶスウェーデンのゴットランド島周辺の、ほの暗い水の中で渦を巻いている。
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カナダのマッケンジー川の写真。NASAとアメリカ地質調査所(USGS)の人工衛星が2017年、撮影した。暖かい淡水が冷たい海水と混ざることで、北極圏の気候調整に主要な役割を果たしている。
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地球の全体像を最も詳しく捉えた圧巻の写真。着色はしていない。2002年、科学者らが数千枚の衛星写真を貼り合わせて作成した。
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[原文:Here are the most stunning images NASA has ever taken of our planet]
(翻訳:忍足亜輝/編集:山口玲子・山口佳美)