cat_11_issue_oa-businessinsider oa-businessinsider_0_7a7b3a57796d_オリラジ中田敦彦がLDHのHIROを目指す理由「パクっても干されてると言われても先頭を走る」 7a7b3a57796d 0

オリラジ中田敦彦がLDHのHIROを目指す理由「パクっても干されてると言われても先頭を走る」

2019年2月8日 10:00 Business Insider Japan

たびたび発言が炎上し、芸能界を“干された”とも噂されているオリエンタルラジオの中田敦彦。

中田は自身の本の出版イベントで、明言した。

LDHのHIROを目指す

「僕が目指しているのはLDHのHIROさんです」(中田)

HIROはEXILEのメンバーでありながら所属事務所であるLDHの社長を兼務、パフォーマー卒業後もLDH WORLDのチーフ・クリエイティブ・オフィサーとして活躍している。

LDHは三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBEやE-girlsなどの人気グループが所属する他、飲食店、アパレル、ダンススクールなど幅広く事業を展開していることで有名だ。

中田が目指すのも「衣食、そして楽曲や笑いなどのエンターテインメントをつなげて一つの世界観をつくり上げる」ことだ。

実は今、中田のビジネスの手腕に大きな注目が集まっている。

中田が『しくじり先生 俺みたいになるな!!』(テレビ朝日系)で魅せたプレゼン力は記憶に新しい。

2018年10月に出版した『僕たちはどう伝えるか 人生を成功させるプレゼンの力』は、人生の大きな局面を全て「プレゼン」の力で乗り切ってきたという中田が、そのテクニックを克明に記した1冊だ。

教育熱心だった父親に吉本興業入りを説得するとき、ダンス&ボーカルユニット「RADIO FISH」を結成するビジョンを相方・藤森慎吾と4人のダンサーに説明するとき、後に大ヒットする彼らの楽曲『PERFECT HUMAN』をお笑い番組で披露することにプロデューサーが難色を示したとき……中田は人生のターニングポイントをプレゼンでものにしてきた。

元ローソン社長らとビジネスコンテストで審査

「5分という短いピッチ(※)の中に社会的なテーマや技術革新、ビジョン、ユーモアも交えて、さらにマネタイズもしようなんて、この総合格闘技はすごい」(中田)

中田敦彦が壇上から語りかけると、会場に集まった約600人の参加者から笑いが起きた。隣には元ローソン社長の玉塚元一(現デジタルハーツホールディングス社長)、グロービス・キャピタル・パートナーズのマネージング・パートナー仮屋薗聡一ら。

中田はこの日(2019年1月11日)、デロイト トーマツ ベンチャーサポートと野村証券が共催したビジネスピッチコンテストに審査員として呼ばれていた。

当日配られたパンフレットの肩書きは「お笑いタレント・実業家」。大会が終わると、中田の元には名刺交換を求めるスーツ姿の男女が長い列をつくっていた。

※ピッチ:ビジネスのアイデアコンテストなどで審査員の前に登壇して行うプレゼンテーションのこと

アパレル、カフェ、オンラインサロン、大学で講師も

中田は吉本興業に所属したまま、活動の幅を広げてきた。

お笑いコンビ「オリエンタルラジオ」、前出のダンス&ボーカルユニット「RADIO FISH」などのタレント業のほか、2018年にはRADIO FISHの弟分ユニット「FAUST」をプロデュースし、アパレルブランド「幸福洗脳」を立ち上げた。

力を入れているオンラインサロンは月額1000円のファンクラブ的な「UNITED」と、中田から直接プレゼンの指導が受けられるなどビジネス塾的な要素が強い「​PROGRESS」の2つのコースを用意している。

“インテリ芸人”らしく、青山学院大学・経営学部のゼミではプレゼンをテーマにした授業も担当中。

今後は「禅徳寺珈琲」というカフェをオープンする予定で、すでにコーヒー豆が購入できるウェブページは作成済み。地方創生にも興味があるそうで、これまで暮らしたことのある大阪府と山口県でプロジェクトを準備中だ。

中でもいま最も熱中しているのが、アパレルブランドの「幸福洗脳」だという。

Tシャツだけでラジオのギャラ半年分

中田が「幸福洗脳」を立ち上げたのは2018年10月。真っ黒のTシャツに「幸福洗脳」という白い文字だけが入ったTシャツを1万円でネットで販売したのが始まりだ。初日の売り上げ枚数はなんとゼロ。

「僕は幸福洗脳のことを『着るタトゥー』と呼んでて。だってこんなに人を痛めつける、日常に支障をきたすデザインってないでしょ。

でも、こういう売れづらそうな物を高値で売ることが物語として面白いと思ったんです」(中田)

中田の仮説は当たった。

売れない悔しさを翌日から始まった自身のラジオ番組「中田敦彦のオールナイトニッポンPremium」でぶちまけると、面白がったリスナーやファンたちによる購入が相次ぎ、売り上げはあっという間に「ラジオのギャラ半年分を超えた」(中田)。

11月にはその収益をつぎ込み東京・乃木坂に実店舗をオープン。さらに2019年3月には東京・銀座の百貨店、阪急メンズ東京への出店も予定している。オファーはもちろん向こうからだ。

「僕がビジネスをやる上で常に考えているのは、今までやってきたことをどういかせば優位性と革新性が高まるか、その事業は社会的テーマに取り組んでいるかです」(中田)

アパレル業界、もっと言えば小売業が抱える社会課題に気づいたのは、ブランドを立ち上げた後だった。

激安メガ盛りの人生に光を

今、幸福洗脳で働きたい、コラボしたいという若者たちがあとを絶たないという。

ハードな男性向けの物をつくりたいのに自身でブランド化できず、雑貨屋に雇われて女性向けの物をつくっているシルバーアクセサリーの職人や、日本の高級ブランドでパタンナーとして働いた経験を持ちつつも自身のブランド立ち上げに苦戦しているパタンナー。

いい靴を高く売りたいと激安の靴の製造会社から、少し価格帯の高いメーカーに転職したものの、結局中国製品の卸売りをすることになり葛藤している会社員など、全員が“物を高く売ることができずに苦しんでいる”という共通点があった。

タレントとしてさまざまな場所にロケに行く中で、「激安」や「メガ盛り」の店が増えていると感じていたが、彼らとの出会いによって、より問題意識が鮮明になったという。

「薄利多売でギリギリの利益でやるしかないという状況に虚無感と徒労感を覚えている人は多いんじゃないかなって。だってみんな本当は自分の価値を高く評価して欲しいでしょう。

僕が幸福洗脳で伝えたいのは、変えなきゃいけないのは価格設定じゃなくて売り方だよということ。

高い価格を貫くことで、激安メガ盛りの人生を生きてる人たちに光を当てたい。『自分を安く売らないで』と 」(中田)

幸福洗脳ではキャップは2万2800円、スカルのアクセサリーは8〜13万円で販売している。「誰でも買えるクロムハーツ」を目指し、「手が出ないほどではないがちょっと高い」価格設定を守っていきたいという。

拡散力はあるけどコンテンツのなかった僕のところに、コンテンツは持っているのに拡散力やストーリーに乗せることができず売れないという悩みを抱えた人たちが集まってきた。

彼らは何が問題なのかを知りたかったし、僕は彼らと共に働くことで、ただ大騒ぎしてわけのわからない物を売りつけるヤツから、本当にクオリティーの高い物を売る人になれる。

win-winのマッチングが始まったんです。こんなこと最初は全く予想してなくって、ビジネスって面白いなと思いましたね」(中田)

ターゲットは「死にたい男たち」

そもそも自称「ファッションに疎い」中田がアパレルに参入しようと思ったのは、2018年9月まで約6年半レギュラー出演していた「ヒルナンデス!」(日本テレビ系)がきっかけだ。

女性たちがファッションコーディネートを競うコーナーを見ながらつくづく思っていたことがある。

「女性と男性ってファッションにおけるスタンスが違いすぎるなと。ママ友とのお茶会とかデートとか女性はTPOで服を選ぶけど、男は一切そういうのないんです。

ガンダムが好きだからガンダムのTシャツを着るし、長渕が好きだから長渕と同じジーパンをはく。男にとってのファッションはイデオロギーを表現する手段なんですよ。でもみんなそれに気づいてない。

ここに気づいたことに僕の優位性と革新性があるという仮説を立てて、さらに非常に狭い男性にターゲットを絞ったブランドにしようと」(中田)

目指すはファッション界の「ラーメン二郎」だ。過去に同店に妻を連れて行き「二度と嫌だ」と憤慨されたことがある。

「二郎を食べたい男性が何をかっこいいと思ってるかわかりますか? 完食することなんです。そんなバカな世界あります?

これも僕の仮説なんですけど、男は“死にたい生き物”なんですよ。Go to death。なんでかというと、ハーレーダビッドソンに乗ってショートホープを吸ってラーメン二郎を食うから。強い酒も好きですよね、ウイスキーとか。

全部からだによくなさそうなんですよ。こういう“日常に支障をきたす物をかっこいいと思ってる男性に刺さるブランド”にしたいんです 」(中田)

漢字ロゴ、色は黒しか使わない、寒くて硬いレザー素材やスカルのデザインなどがそれだという。

乃木坂ファンも高齢ラジオリスナーも囲い込め

初めは話題性で飛びついた人も、だんだんこの世界観に染まって中毒性を帯びていくところがブランドの進化だと考えています。

『もうこの服以外着れない』という強烈な信者、ファンが出てくれば後は自然に広がっていくはず」(中田)

実際、乃木坂の実店舗では「ああ、かっこいい」とため息をつきながら商品を見る中年や中高生の集団が出てきたという。幸福洗脳の客層はラジオとリンクしている。

ビジネスの話を逐一報告している「中田敦彦のオールナイトニッポンPremium」のリスナーは20〜50代、乃木坂46と共に担当する「らじらー!」は中高生。乃木坂のファンが乃木神社に参拝した帰りにショップに立ち寄ることも多いそうだ。

当初、実店舗を出すことは「服飾業界に詳しい人みんなに止められた」(中田)そうだ。

今はオンラインでの販売が主流で、実店舗はコストがかかるだけでリスクだというのが理由だった。

中田が実店舗で追求するのは、ここでしか得られない体験だ。インスタ「映える」内装はもちろん、特に注力しているのが店員と客の会話だ。

「流行とか着心地とかじゃなく『男はイデオロギーで服を着る』という仮説に基づいたブランドなんだから、そこをまずは褒めようとスタッフに言ってます。

中田の意思に賛同してる=ラジオを聞いて来る人が多いので、店員は絶対にラジオを聞いてないとダメ。ラジオは一人で聞く孤独のメディアだから深いんですけど、リスナー同士が出会った時の高揚感は必ずある。それを提供しようと」(中田)

後発でもパクリまくれば少しは進める

と、ここまで書いたが、読者に知っておいて欲しいのは、幸福洗脳が海外でも人気のブランド「#FR2」にとてもよく似ていることだ。

商品コンセプトや下着姿の女性を使った広告、そして実店舗での販売などで#FR2の戦略を参考にしたと中田自身が公言しており、#FR2の石川涼代表も「それはそれで嬉しい」とSNSに記している。

中田は他にもオンラインサロンの運営などでキングコングの西野亮廣を「丸パクリ」していると宣言している。

パクリ元をしっかり言うことでギリ許されることってあるじゃないですか。ちゃんとリスペクトしてますよと。

#FR2すごい!人気だしカッコイイから真似するんだというと先方の宣伝にもなりますが、これをこっそりやってると『ちょっと待ってくれ』となっちゃうでしょ。

この『はっきりパクると言った方がいい』というのもキングコング西野さんが言ってたことなんですけど。どのジャンルにも先行者がいるけど、彼らをパクリまくることで後発の僕も何かしら進むことはできるだろうと」(中田)

LDHのHIROを目指す中田が次に取り組むのが「禅徳寺珈琲」というコーヒーショップだ。架空の山奥で修行僧たちが厳しい鍛錬の合間に飲むコーヒーという設定らしい。

これは中田が東京を中心に展開するコーヒーショップ「猿田彦珈琲」を訪れたときに「ええ〜イイ〜やりた〜〜い」と思ったのが始まりだったという。

いいなと思ったら『俺にもできないか?』と常に考えるようにしてるんです。

三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBEのR.Y.U.S.E.I.を見て強烈にやりたいと思ったのがPERFECT HUMANになったし、アパレルだってSupremeを超えたいと思ってたら幸福洗脳という謎の物ができてるわけです。

だから猿田彦珈琲を目指してやり続けてたら何かにはなる。結局パクりきれなくて自分の変態性が出てくるでしょ、それを恐れず出していけばいいと思ってます」(中田)

「干されて」ないと辻褄合わない

大胆な仮説に基づく構想と、ローンチまでのスピード感。走りながら転ぶところもすべて見せて客にも参加してもらうのが、中田のビジネススタイルだ。

インタビューやブログ、SNSなどでの発言がたびたび炎上してきた中田。

幸福洗脳のTシャツやオンラインサロンは「教祖ビジネス」と揶揄され、2018年に「ビビット」(TBS系)や「ヒルナンデス!」(日本テレビ系)というレギュラー番組を終えたこともあり、芸能界から「干された」とも言われている。

「気持ちはわかります。テレビを干されたという理由でもないと、僕がビジネスをやることの辻褄が合わないんでしょう。テレビだけが芸能人の仕事の場だった時代があまりにも長かったから。

芸能人だって仕事の選択肢の一つに過ぎないし、質だってピンキリですよ。でもこの論調こそビジネスチャンス。これまでだって漫才の大会でリズムネタやって、ネタ番組で歌ってといつも『何なの?』と言われてきた。

僕みたいなのが誰もいないから先頭走れるんです。あっ、先頭っていうのも足が速くてかっこいい感じじゃなくて、ただルート外れてるだけなので。

ルート外れたら誰でも先頭になれるし大したことじゃないんだけど、でもちゃんと生きて帰ってくるっていうね。こんな感じで続けていきたいんですよね」(中田)

(敬称略)

(文・竹下郁子)

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cat_11_issue_oa-businessinsider oa-businessinsider_0_3e86531e78dc_メルカリ決算 国内好調も2Q累計44億円の最終赤字、決済メルペイ登場は「もう少し先」 3e86531e78dc 0

メルカリ決算 国内好調も2Q累計44億円の最終赤字、決済メルペイ登場は「もう少し先」

メルカリ

決算説明会は、メルカリ社長兼COOの小泉文明氏(左)と、長澤啓 執行役員CFOの2名が質疑に応えた。

メルカリは2月7日、メルカリの会計年度の第2四半期決算を公表した。

売上高の推移は堅調で、前年同期比で45%増の132億円。一方で、米国版メルカリへの継続投資や、いまだ開発フェーズを脱していない決済事業「メルペイ」のコストが重く、営業損益は第2四半期だけで11億円、上期累計で最終損益44億7500万円の赤字が続く。

この四半期の売上高は132億円。そのうち、国内事業が122億円と大半を占める。メルペイの状況は「開発中」のままだ。

季節要因で「ちょっとできすぎ」な国内版メルカリの現状

国内の流通総額は昨年比で48.7%と大きな成長を続けている。今後は、アパレル依存からカーパーツなどを含めた男性向け商品の強化、さらには「新聞広告」のような多様な手段を使って、メルカリを認知していないユーザーの開拓を進めるという。

これまでもメルカリ幹部は、躊躇(ちゅうちょ)なく投資のアクセルを踏み、まず流通金額の規模を大きくし、その後、回収するというのがメルカリの基本的なビジネスの作り方だと公言してきた。

決算会見に登壇したメルカリ社長兼COOの小泉文明氏はあらためて、そうした企業文化とともに、冷静に赤字を続ける姿勢で「一定のバーンレート(赤字発生)とコストの投資の比率を保ちながら、引き続き成長を加速していきたい」と説明。「(アメリカでの成功は)私たちの事業のミッションでもあるので必ず成功させたい」と、改めてアクセルを踏み続ける意思を示した。

会見の冒頭に挨拶をする小泉氏。

今回の四半期決算にあたる10月〜12月は、C2Cアプリにとっては季節要因でとりわけ「好調」になる、いわばハイシーズン。これは冬物アパレルが活発に取引される時期であるためで、例年、この時期に流通総額をジャンプさせ次の成長のベースとしてきた。

メルカリの知名度が上がりサービスとしても成熟してくるにつれて、流通総額の「ジャンプ」の幅(率)は鈍化してきはいるものの、直近10月〜12月の流通総額(前年同期比48.7%増)、月間ユーザー数(MAU、同28.2%増)を挙げ、「私たちもできすぎた数字、かなりいい数字だと把握している」(小泉氏)と、想定以上の好調な推移だったとした。今後も、これまでどおり過度な広告依存はせず、成長させていく方針と言う。

買収した「カーチューン」との連携も開始。データベースは基本的に共通で、カーチューン上で決済しようとするとメルカリに飛ばされる仕組み。同じ商品はメルカリ上にも出品されている。

なお、メルカリは2月4日から、カスタム自動車SNS「カーチューン」(2018年10月におよそ15億円で買収と報道)と連携し、中古パーツの流通も開始している。流通総額へのポジティブ影響については、まだ連携開始後3日しか経たないこともあり、言及は控えた。

小泉社長が語る「ヨーロッパ撤退」の背景、米国版メルカリ事業の状況

左が米国版メルカリアプリ。右が日本版メルカリアプリ。配色も、機能もまったく違う別のアプリとして、市場に合わせた開発を進めている。(2018年6月撮影)

メルカリの収支状況を語る際には、常にアメリカ事業の状況に注目が集まる。国内事業だけであれば黒字だが、戦略事業(米国版メルカリ、メルペイなど)によって赤字になっているからだ。この状況は第2四半期も継続している。

アメリカ事業の状況。流通総額は着実に増えているが、目指す先はまだまだ遠い。

具体的には、第2四半期単体で、国内メルカリ事業の営業利益は30億円。一方、メルカリ全体の営業損益は11億円。その差額である「41億円」の大半が、第2四半期における米国版メルカリとメルペイを合計した今期の損失相当ということになる。それぞれの比率は公開していないが、「ほぼ前四半期と同レベルの営業損失、投資額」(長澤啓 執行役員CFO)として、コントロールされた赤字であることを強調した。

アメリカ事業の目標値はいま「月間の流通総額1億ドル」をターゲットに改善を進め、今期はようやく前年同期比で69.3%増の8700万ドル(約95億5900万円)、当面の目標までもう一歩というところまできた。

メルカリのUS CEOを務めるジョン・ラーゲリン氏。シリコンバレー級人材の採用と改善に力を注ぐ。(2018年6月撮影)

とはいえ、その規模は国内の同期の流通総額実績1289億円を3で割ると、単純計算で1カ月あたり429億円。つまり、アメリカ事業の規模は日本事業の2割強の水準と計算できる。昨年に比べて流通総額の改善は進んでいるとはいえ、「1億ドル」は単なる通過点にすぎないはずだ。

アメリカ事業の大幅な成長が求められるなか、2018年12月18日には、100%子会社であるもう1つの海外事業、Mercari Europeなどの解散を発表した。これについては質疑の中で、UKを続けることは可能だったとしつつも、

「お金も人材も、経営陣のマインドも、1カ国(負担が)増えれば、そのぶんUSの成功確率を下げる可能性はゼロではない。いまは最大限USを成功させることにフォーカスしたい。(そのため)苦渋の決断だったが、一度UKについては撤退するという決断をした」(小泉氏)

と、意思決定の経緯を語った。

「メルカリ経済圏」拡大のキー「メルペイ」、登場はもう少し先

merpay

メルペイ事業については、まだお披露目にはしばらく時間がかかりそうだ。

PayPayやLINE Payなど先行する陣営が存在感を示すなかで、メルペイのスタート時期に関する質疑のやり取りにも、特にサービスインを慎重に進めている様子がうかがえる。

「メルペイのローンチ(開始)については、金融サービスということもあり、ネットサービスの常識のように、とりあえず出してみて、バグが出たら修正して直していこうという考えでは、少し金融サービスの事業者としての責任を果たせないと考えている。

慎重にきちんとシステムの安定性や社内の体制を準備した上で出していきたい。もうしばらくお待ちいただければ」(小泉氏)

一方で、「メルペイの強み」については、加盟店の広さを競合と競うのではなく、本質的には「入金」部分にあるとした。



「(他社のペイメントでは、この図の)“入金”のところに売り上げという概念がない。ある意味、給料をもらったとき、ユーザーがそれをクレジットカードで払うか現金で払うか、モバイルペイメントにするか、という話(給料の陣取り合戦)だと思っている。

(一方で)私たちは、今四半期でいうと400億円がユーザーの"お財布に入っているという状況。お給料とは違う“エクストラなお金”がアカウントに入ってくる。これがいろいろな加盟店で使われることで、(給料以外の収入源を使える)モバイル決済として習慣化され、私たちのサービスとして成り立っていく、ということを考えている」(同)

国内事業は好調で、規模拡大の打ち手もさまざまに持っているメルカリ。

堅調なコア事業があるからこそ、堂々とした赤字を続けられるということはあるが、アメリカ事業の重みは、まだしばらくの間は軽くなることはなさそうだ。

(文、写真・伊藤有)

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cat_11_issue_oa-businessinsider oa-businessinsider_0_059447448145_ハーレーダビッドソン、電動バイクでブランド再生なるか? 059447448145 0

ハーレーダビッドソン、電動バイクでブランド再生なるか?

  • ハーレーダビッドソンは電動バイクに未来を見出した ── そして生産ラインを急速に拡大している。
  • コロラド州アスペンで1月下旬に開催されたXゲームにおいて、同社は電動バイクの新しい2台のコンセプトモデルを発表。オートバイ免許は不要で、通常の家庭用電源で充電可能。
  • ミレニアル世代や都市部の住民など、新たな客層にアピールすることが同社再生プランの鍵。

ハーレーダビッドソンは最も有名なアメリカブランド、だが改革を切実に求めている。

同社はフラッグシップ製品のオートバイで4年連続、売り上げを落とした。2018年は4年間の再生計画の1年目だったが、中国との貿易戦争でトランプ大統領が関税を引き上げたことにより、第4四半期は利益のほとんどを失った。

だが変化の時がきた。

コロラド州アスペンで1月下旬に開催されたXゲームにおいて、同社は電動バイクの新しい2台のコンセプトモデルを発表した。

ハーレーダビッドソンはこのコンセプトモデルが116年の歴史を持つ老舗ブランドに、新たな顧客を呼び寄せてくれると期待している。


「未来がきた。未来は電動」とハーレーダビッドソンは述べた。

Harley-Davidson

クラッチがなく、アメリカではオートバイ免許も不要。


バッテリーパックは手で取り外すことができ、充電も簡単。さらに通常の家庭用電源で充電できると同社は付け加えた。

Harley-Davidson


2台目のコンセプトモデルは都市向けのスクーターというより、マウンテンバイクに似ている。

Harley-Davidson


2台とも「モーターを搭載」しつつ、ユニークなデザインで「未来の方程式に感情の息吹を導入した」。

Harley-Davidson


だが数台の電動バイクで流れを変えることは難しい。

Harley-Davidson

ハーレーダビッドソンは投資家向けプレゼンテーションで「More Roads to Harley-Davidson」プログラムの概要を説明した。電気バイクのコストが従来のバイクのコストと並ぶのは早くても2030年になる。

ハーレーダビッドソンの「直近の展望は明るくはない」とバーンスタインのアナリスト、デビッド・べッケル(David Beckel)氏は、ハーレーダビッドソンの決算状況についてクライアントに述べた。


同社初の電動バイク「LiveWire」は2019年秋、アメリカと西ヨーロッパで発売される見通し。

Harley-Davidson

「都市での素晴らしいライディング体験を提供することが、我々がこれからやらなければならないこと」と同社のプロダクト・ポートフォリオ担当バイス・プレジデントのマーク・マカリスター(Mark MacAllister)氏は2019年はじめ、Business Insiderに語った。

[原文:Harley-Davidson's newest electric concept is aimed at city dwellers — and could help the struggling brand reinvent itself]

(翻訳:忍足 亜輝、編集:増田隆幸)

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cat_11_issue_oa-businessinsider oa-businessinsider_0_d31f46187f93_アメリカ、徴兵制を再検討か ── 徴兵制をとる代表的な10カ国 d31f46187f93 0

アメリカ、徴兵制を再検討か ── 徴兵制をとる代表的な10カ国

レニングラード包囲戦からの解放75周年を祝うパレードに参加したロシア軍兵士。サンクトペテルブルク。
REUTERS/Anton Vaganov

  • 最近発表されたレポートによると、アメリカでは徴兵制が再検討されている。女性も対象とすることから、完全に廃止することまでさまざまな選択肢が検討対象。
  • 徴兵制の再検討はアメリカ市民にとっては懸念すべきことだが、世界の60近くの国はいまも徴兵制をとっている。
  • イスラエルなど、軍事力を維持するために徴兵制が不可欠な国もあれば、中国のように、徴兵制が不必要なほど、しばしば入隊希望者が多くなる国もある。
  • ノルウェーやイスラエルなど、数十年前からトランスジェンダーの入隊を認めている国もある。
  • 今も徴兵制をとっている代表的な10カ国を見てみよう。

ロシア

ロシア軍兵士。サンクトペテルブルク。
REUTERS/Anton Vaganov

18〜27歳のロシア人男性には、1年間の兵役が課せられている。

いくつか例外もある。例えば、息子もしくは兄弟が兵役中に死亡している場合には免除される。

こうした例外があるにせよ、ロシアでは兵役を回避する人の割合が警戒すべきレベルになっている。政府はまだ徴兵通知を受け取っていない場合でも、自ら兵役について報告することを義務づけることを検討している。


スイス

スイス軍のF/A-18ホーネット。2018年10月。
Fabrice Coffrini/AFP/Getty Images

スイス人男性には兵役が課されている。

2017年、スイスは徴兵対象に女性を加えることを検討した。


イスラエル

エルサレム「嘆きの壁」の前で宣誓するイスラエル国防軍の士官候補生。
Dominika Zarzycka/Nur Photo/Getty Images

イスラエルでは男性には3年、女性には2年の兵役が課せられている。

トランスジェンダーも1993年から入隊が許されている。


ノルウェー

前進命令を待つノルウェー軍のレオパルド2A4戦車。NATOの合同軍事演習トライデント・ジャンクチャーにて。
Till Rimmele/Getty Images

ノルウェーはNATOで最初に女性を徴兵対象とした国。また1973年に規則を変更し、トランスジェンダーの入隊を許した世界で最初の国の1つ。

ただし、全員が徴兵登録を行うが、全員に兵役が課せられるわけではない。


中国

北京の人民大会堂に整列した人民解放軍の兵士。
REUTERS/Roman Pilipey

中国は徴兵制をとっているが、志願者だけで人員は足りており、徴兵を強制する必要はない。


イラン

イスラム革命防衛隊。2018年10月。
Hamed Malekpour/Tasnim news Agency via REUTERS

イランでは男性に18カ月〜2年間の兵役が課せられている。


北朝鮮

建国70周年記念パレード。2018年9月。
AP photo/Ng Han Guan

北朝鮮の兵役期間は世界で最も長い。

男性には17歳から10年間の兵役が課せられている。女性は7年間。


エジプト

投票所を警備するエジプト軍兵士。2015年。
AP Photo/Eman Helal

男性には教育レベルに応じて、1〜3年の兵役が課せられている。


オーストリア

チェコ、ハンガリーとの合同軍事演習に参加したオーストリアの兵士。2017年。
AP Photo/Ronald Zak

男性は6カ月の兵役か、9カ月の公務かを選択できる。

2004年からトランスジェンダーの入隊を許可している。


一方、台湾などは徴兵制を廃止した。

台湾中部での実弾演習の後、アメリカ製のM60A3パットン戦車の上でポーズを取る台湾軍兵士。
SAM YEH/AFP/Getty Images

台湾は2011年に徴兵制を廃止すると発表した。志願制による軍隊という目標を達成しつつあるが、若い世代が軍を選ばないという問題に直面している。


[原文:The US may revisit military drafts. Here's what life is like in 10 countries that already have them]

(翻訳、編集:増田隆幸)

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cat_11_issue_oa-businessinsider oa-businessinsider_0_d4b9724c1d2b_女性への「通販商品送りつけ被害」実態。キーワードは「セクハラ・山口県」 d4b9724c1d2b 0

女性への「通販商品送りつけ被害」実態。キーワードは「セクハラ・山口県」

政治家や弁護士などが頼んでいない通販商品を着払いで送り届けられるケースが相次いでいる。2019年2月7日、被害にあった7人の女性たちが東京で記者会見を行った。

実態を見ると、「女性」「性暴力」「山口県」など、共通するキーワードが浮かび上がってきた。

性差別や性暴力で発信し始めてから

女性たちが販売元に問い合わせて入手した商品の送り状には、山口県の消印が。
撮影:竹下郁子

最も早くから被害にあっていたのは、弁護士の太田啓子さんだ。2017年7月から2018年12月までの間に5回ほど、勤務する法律事務所宛てに注文していない美容ドリンクや化粧品などが代引きで送られてきたという。

「性差別や性暴力について発信したり、メディアに出るようになったのは、ちょうどその頃です。憲法について考える『憲法カフェ』などの取り組みは2013〜14年頃から続けていましたが、こうした被害はありませんでした。

Twitterでも改憲や政権の批判をするより、ジェンダーについて投稿する方が多くのバッシングがきます。女性が性差別について物言うとやっぱり嫌な思いをするんだなと」(太田さん)

弁護士の太田啓子さん。
撮影:竹下郁子

Business Insider Japanの以前の記事でも報じた北九州市議の村上さとこさんは、2018年6月にブラジャー16点が送られてきて以降、美容ドリンクやサプリメントなどこれまでに10件以上も被害にあっている。

「同時多発的に女性たちが同じような被害にあっていることが今回初めて分かりました。卑劣で許せない行為です。被害が今後も続いたり、他の人にも広がることを危惧しています」(村上さん)

北原みのりさん(左)、村上さとこさん(中央)、濱田すみれさん(右)。
撮影:竹下郁子

生後7カ月の長男を連れて議会の本会議に出席しようとして厳重注意処分を受けた熊本市議会の緒方夕佳議員は、約4000円の美容ジェルが自宅兼事務所に届いたという。家族が受け取り、間違って代金を支払ってしまったそうだ。

その後も2回にわたって同様の被害にあっている。初めて送りつけがあったのは2018年10月。前月の9月には議会でのどあめをなめたことが議会の品位を軽んじたとして懲罰動議にまで発展した。

「のどあめのことがきっかけで送りつけが始まったのではないかと推測しています。村上議員へのブラジャーなどからも明らかなように、これは女性への性的嫌がらせです」(緒方さん)

熊本市議会議員の緒方夕佳さん。
撮影:竹下郁子

女性の人権やジェンダー平等について活動しているアジア女性資料センターの濱田すみれさんは、「こういう活動をしていると普段から嫌がらせの電話やメールをたくさん受ける」と言う。

今回の送りつけのきっかけは、財務省・前事務次官のセクハラ問題で、麻生大臣が「セクハラ罪っていう罪はない」などと発言したことを受けた街頭行動で、濱田さんがスピーチしたことが原因だと考えている。

というのも、濱田さんが商品の販売元から取り寄せた注文ハガキには(旧字体の「濱」ではなく)「浜田」と書かれていたが、街頭行動を報じた新聞にも同様に「浜田」と書かれていたからだ。

弁護士の猿田佐世さんも「普段は外交問題に取り組んでいて女性問題についての発信はしていなかった」そうだが、「フェミニズムという名前がつくシンポジウムに初めて登壇したのが1月で、その宣伝が始まったのが2018年12月です。その頃から送りつけが始まった」そうだ。

7人の多くに共通していたのは、性差別や性被害、ジェンダーにまつわる発言がきっかけで送りつけが始まったのではないかということだ。

彼女たちの他にも、塩村文夏・元東京都議や女性弁護士2人が同様の送りつけ被害にあっているという。

注文ハガキの消印は山口県

北九州市議の村上さんに送りつけられた商品の注文ハガキ。消印はすべて山口県だったという。
撮影:竹下郁子

共通点は他にもある。それぞれが送りつけられた商品の販売元に問い合わせて注文ハガキを送ってもらったところ、作家の北原みのりさんを除く全員、「山口県」の消印があったのだ。

さらに、注文ハガキの筆跡も似ているものが複数見られたという。

村上さとこ議員についてはすべて山口県の消印で、「山口県内でWOWOWを視聴している人だけに配っているチラシからの注文もあった 」(村上さん)そうだ。

村上さんは2018年6月に偽計業務妨害容疑で警察に被害届けを提出しているが、あとの6人は法的措置はとっていない。

作家の北原みのりさんは「被害額が少なかったですし、声を上げることで相手を喜ばせてしまうのではないかと思い、黙ることを選択してしまった」と振り返った。

「村上さんのことを知って、送りつけられている物がブラジャーや健康食品で、私と一緒だった。犯人は同じ人、同じグループではないかと。

物言う女性に対する攻撃は、本当に多くの女性が味わっていると思います。脅迫、年齢、容姿に関することなど女性ならではの差別表現がたくさんくる 。送りつけも同様の言論封殺なんじゃないかと。声を上げる村上さんを一人にしたくないと思ったんです」(北原さん)

太田弁護士は今回の会見について、「被害を可視化したかった。黙らない選択肢もあるという姿を見せて、連帯できると示したい」と語った。

(文・竹下郁子)

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cat_11_issue_oa-businessinsider oa-businessinsider_0_5ff96a797d71_4月から有休義務化、知って得する新ルール。人手不足の中小・零細企業に勤めるあなたも例外なし! 5ff96a797d71 0

4月から有休義務化、知って得する新ルール。人手不足の中小・零細企業に勤めるあなたも例外なし!

年次有給休暇(有休)を社員に年5日は必ず取らせる。できなかった企業には罰金を科すことも——。働き方改革関連法の成立に伴い、2019年4月1日から「有休義務化」のルールがすべての企業に適用される。人手不足に悩む中小・零細企業からは「それでは職場が回らない」といった悲鳴もあがる。

しかし、有休取得は働き手の当然の権利。きちんとルールを知ったうえで、あなたも堂々と休みを取りませんか?

年末年始の全社休業日は有休にカウントされる?

「そもそも有休というものがあることを社員には知らせてなかったんだけど、どうすればいいでしょうか?」

「有休とは別に、年末年始やお盆に全社一斉の『特別休暇』を設けているのですが、これを有休にカウントできませんか?」

「社員に有休を取らせない代わりに買い取ってしまいたいんですけど」

東京都立川市に事務所を構える特定社会保険労務士・森井博子さんは、中小・零細企業の経営者から有休義務化に関するこんな相談をひんぱんに受ける。

以前は東京労働局で労働基準監督署長などを務め、『労基署がやってきた!』といった著書もある森井さん。新ルールを経営者らに説明する講演会の場や、公益団体による無料電話相談といった機会に相談を受けることが多い。

特定社会保険労務士の森井博子さん。
撮影:庄司将晃

義務化がスタートする4月は目前だが、「まだまだ制度の理解は進んでいないのが現状です。完全にアウトな事例について、可能かどうかを聞いてくる中小・零細の経営者の方も少なくありません。正直、新しいルールが本当に守られるかどうか心配しています」(森井さん)。

冒頭に紹介した3人の経営者の話の内容も、すべて「アウト」だ。

社員が申請しなければ、会社が有休取得「お願い」が義務に

長時間労働などが原因でうつ病といった精神疾患にかかり、労災認定を受ける人は増加傾向だ(写真と本文は関係ありません)。
撮影:今村拓馬

大学で労働法を学んだ人などは別として、そもそも有休の制度なんてきちんと知らないのがふつうだ。会社員でもバイト学生でも、雇われて働いている人ならこの機会に知っておいて損はない。

有休のルールは労働基準法できっちり定められている。会社が働き手にとって不利なルールを勝手に設けることはできない。

同じ会社に6カ月以上続けて勤務し、全労働日の8割以上出勤すると、年10日間の有休を取る権利を得る。その後、勤続年数が増えるにつれて有休の日数も増えていく。パートやアルバイトの場合、所定労働時間・日数の短さに応じて割り引かれた日数の有休の権利を得る。休みたい日を会社に申請すれば、希望する日に有休を取れる。
これが原則だ。例外として、会社にとってどうしても都合が悪い時期に申請があった場合、社員に有休の取得時期をずらしてもらうことはできる。もちろん「いつまでも取らせない」といった対応は今でも違法だ。

しかし、厚生労働省の調査によると、日本の有休取得率は長らく50%前後。2019年4月からの有休義務化によって、何が変わるのか。

「年10日以上の有休が与えられている社員について、うち5日は必ず取らせるよう会社に義務付ける」
というのが新ルールの肝だ。

これまでは社員の方から申請してこなければ、会社側は無理に有休を取らせる必要はなかった。しかし4月以降、社員が年5日以上の有休取得を申請してこなかったら、会社の方から「この日に有休を取ってください」とお願いしなければならない。その場合でも、いつ有休を取ってもらうかについては「社員の意見を聴いて尊重しなければならない」とされている。

中小企業の4社に1社は新ルール「知らない」

人手不足が深刻化するなか、中小・零細企業では1人でも休むと仕事が回りづらくなる、といった状況も珍しくない(写真は本文と関係ありません)。
Shutterstock

「みんな忙しいのに自分だけ休みたいなんて言い出しにくいな……」

そんなふうに気兼ねして有休が取りづらい、という人も多いだろう。

厚生労働省の2018年の就労条件総合調査によると、パートを除く無期雇用の社員(ほぼ「正社員」にあたる)は平均で18.2日の有休の権利を得ながら、実際に取得したのはその51.1%にあたる9.3日。有休日数と取得率は企業規模が小さいほど低くなる傾向があり、「30~99人」では有休17.5日のうち、実際に取得したのは44.3%にあたる7.7日にとどまる。

「今はただでさえ人手不足。小さな会社の場合、誰か1人休んだだけで仕事が回りづらくなる、といった状況は珍しくありません。社員が有休を取ることが前提になっていない職場も多いのです」(森井さん)

日本商工会議所が2019年1月にまとめた全国の中小企業2881社を対象とする調査では、有休義務化について「対応済み」「対応のめどがついている」という趣旨の回答をした企業は44%。そもそも法改正の内容を「知らない」と答えた企業は24.3%にのぼる。

一般にある社員が「その日、実際に休んだかどうか」について、会社が労基署にウソをつき通すことは極めて難しいと言われる。当日のアリバイやパソコンのログイン状況などを徹底的に調べられたら、ほぼ間違いなくどこかでぼろが出るからだ。

義務化がスタートした後、もし「違法状態」が放置されれば、それは「社員は本来取れる有休を取れていないし、労基署にバレて会社はペナルティを課せられる恐れがある」ことを意味する。

誰にとってもハッピーではないそのような事態を避ける現実的な方法はあるのだろうか?

中小・零細でも導入しやすい「計画年休制度」

電通の女性新入社員の過労自殺が明るみに出て世論が盛り上がり、残業時間の上限規制なども含む「働き方改革」の前進につながったことは記憶に新しい。
REUTERS/Issei Kato

森井さんが中小・零細企業の経営者らに薦めるのが「計画年休」の導入だ。

労基法の規定では、働き手の過半数が支持する代表者や、過半数が加入する労働組合と会社側が協定を結べば、社員の有休のうち「5日を超える部分」については有休取得日をあらかじめ決められる。この規定に基づき、「事業所全体」や「班ごと」といった単位で一斉に有休を取る日を決めておくのが計画年休制度だ。

これなら有休10日以上の権利がある社員の場合、うち5日は自動的に消化されることになるので、有休義務化に伴う最低限のハードルはクリアできる。1人休むだけで業務に大きな影響が出たり、人事担当者が少なく一人ひとりの社員と個別に有休取得時期を調整する余裕がなかったりする中小・零細企業でも、忙しい時期を外してまとめてみんなに休みを設定できるので導入しやすい。

社員としても気兼ねなく休めるメリットがある。本来は好きな時に取れるのが有休だが、「現状を踏まえれば初めの一歩としては悪くない」と思える職場で働いている人も少なくないだろう。

「人手不足が深刻化するなか、企業規模にかかわらず、メンタルヘルスに問題を抱える人が増えています。義務化されるのはたったの年5日。せめてそのくらいのルールはきちんと守ってほしい。それをしない企業は、結局は生き残れなくなると思います」(森井さん)

電通の女性新入社員の過労自殺が明るみに出て世論が盛り上がり、残業時間の上限規制なども含む「働き方改革」の前進につながったことは記憶に新しい。しかし、その後も同じような悲劇は後を絶たない。

頑張って働いたらしっかり休む。これはすべての働く人にとって当然の権利だ。

さて、あなたが勤めている会社は有休義務化にどう対応するのだろうか。この記事を読んだら、上司や人事担当者、経営者に尋ねてみては?

(文・庄司将晃)

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cat_11_issue_oa-businessinsider oa-businessinsider_0_f1ab8892b0db_ティム・クックがスタッフに送ったメールを入手 ── 小売部門トップが退任へ f1ab8892b0db 0

ティム・クックがスタッフに送ったメールを入手 ── 小売部門トップが退任へ

  • アップルは2月5日(現地時間)、小売部門トップのアンジェラ・アーレンツ氏が4月に退任すると発表した。
  • 後任は現在、人事部門トップのディアドラ・オブライエ氏。小売部門も統括することになる。
  • Business Insiderは、幹部の交代を伝えるために、アップルが小売部門のスタッフに送った社内文書を入手した。

アップルの幹部に大きな変化がある。

小売部門トップ、アンジェラ・アーレンツ氏がアップルを去る。後任は現在、人事部門トップのディアドラ・オブライエ氏。小売部門も統括することになる。今年で在籍30年になるオブライエン氏は、世界に500店を超えるアップルストアで働く7万人の小売部門スタッフのトップに立つ。

アップルのティム・クックCEOは2月5日(現地時間)、小売部門のスタッフにメールで幹部の交代について語った。Business Insiderはその文書を入手した。

「アップルの実店舗とオンラインストアを5年間率いたアンジェラ・アーレンツは4月に当社を去る。個人として、またプロフェッショナルとして、新たな可能性を追求するために」と文書に書かれていた。文書の最後には「ティム」のサイン。

彼は続けた。

「アンジェラは、消費者とコミュニティに貢献するために、ストアをアップルの最高のものが集結した場にするというビジョンを提示し、リテールチームに新しい刺激とエネルギーを与えた。彼女の在職中、ストア内での顧客体験はToday at Appleのようなプログラムによって改められた。そして消費者との関係性は以前より強くなった」

クックCEOはまた、ディアドラ・オブライエ氏が2001年に最初のアップルストアがオープンして以来、同社の小売部門に関わっていることに触れた。

「ディアドラは、最初のオンラインストアとアップルストアの計画と立ち上げのチームに加わっていた。彼女は当社の小売部門のエキサイティングな拡大とあらゆるプロダクトの発売に関わっている」

我々は文書についてアップルにコメントを求めたが、まだ返信はない。

アンジェラ・アーレンツ氏は在職中の5年間、アップルの小売部門の変革を進めてきた。彼女はオンラインとリアルを統合し、高級感を加え、大規模な改修を陣頭指揮で進めた。

だが、アーレンツ氏はiPhoneの販売が低迷し、アップルストアはいつも混雑しているという批判があるなか、アップルを去る。

ティム・クックCEOが小売部門スタッフに送ったメール全文は以下。

Team,
I'm writing to let you know about an important leadership change. Today we're announcing the promotion of one of Apple's most passionate and experienced advocates for our customers and employees — and the departure of a much-loved and accomplished leader who has played a transformative role in shaping Apple's retail experiences.
After five years leading Apple's retail and online stores, Angela Ahrendts is planning to leave Apple in April for new personal and professional pursuits. Angela has inspired and energized our retail teams with the vision of stores as a place where the best of Apple comes together to serve customers and communities. During her tenure, the in-store experience has been redefined with programs like Today at Apple, and our relationship with customers is stronger than ever.
This transition gives us an opportunity to reinforce and carry forward the values that make our retail and online stores the best in the world — and our mission to enrich the lives of others. As I've said many times, Apple's greatest asset is its people. And with that in mind, the best choice to lead our team became clear very quickly.
I am thrilled to announce that Deirdre O'Brien will be taking responsibility for our retail teams in a new role as senior vice president of Retail + People. Deirdre brings insight and experience gained over 30 years at Apple — decades spent focusing on the connection between customers and the people and processes that serve them. Working collaboratively across Apple, Deirdre and her teams empower people to lead with purpose and humanity.
Deirdre was part of the team that planned and launched Apple's very first online and retail stores. She has been a part of Retail's exciting expansion and every product launch since. She knows the value of the deep human connections that retail experiences make possible — and she knows this is where Apple shows its heart and soul.
In her capacity as vice president of People, Deirdre and her team have brought elevated focus to how Apple inspires, connects, develops and cares for its employees — essential efforts that she will continue companywide through the People team in her new and expanded role.
As we look forward, finding new ways to elevate our in-store and online experiences, forging deeper relationships with the customers who love our products, I believe that our team, at every level, is the best in the business. I am grateful to Angela for all she's done for Apple, and I'm looking forward to what Deirdre will bring to her new role.
To everyone in Retail, and our employees worldwide, thanks for all you do to help dreamers become doers, to expand human potential and to do the best work of our lives.
Tim

[原文:Read Tim Cook's email to Apple retail employees announcing the management shakeup]

(翻訳、編集:増田隆幸)

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cat_11_issue_oa-businessinsider oa-businessinsider_0_956f1231949a_胃がん克服したファミマ澤田社長。がんで動揺しないため「必要なのは正しい知識と共感」 956f1231949a 0

胃がん克服したファミマ澤田社長。がんで動揺しないため「必要なのは正しい知識と共感」

コンビニエンスストア大手・ファミリーマートの澤田貴司社長(61)が2月3日、都内で開かれた「CancerXサミット2019」に登壇。医療やがんに罹患した人の生活など幅広く話し合う場で、自らのがん体験を語った。

CancerXサミットに登壇したファミリーマートの澤田社長。小泉進次郎衆院議員らと一緒に、「がんで動揺しない社会のために」を議論した(右から2番目)。

このサミットはがんの経験者やその家族、医療者ら有志で作る団体「CancerX」が企画、約650人が参加した。

澤田社長が胃がんの手術を受けたのは6年前、55歳の時だった。伊藤忠商事、ファーストリテイリング副社長を経て、当時は自ら興した経営支援会社「リヴァンプ」のトップ。手術の1カ月後には仕事復帰した。

その後、2016年にはファミリーマートの社長に就任。サークルKサンクスと経営統合して同社を業界2位に浮上させた。

経営者が自らがんも含め、自身の病気や健康状態について公の場で話すことは珍しい。当然公表することによるリスクもあるからだ。このサミット登壇後、Business Insider Japanの取材に応じた澤田社長に「登壇することに躊躇はなかったのか?」と問うと、こう言い切った。

「経営者としてがんに罹患し克服したことは、全くネガティブな体験ではない」

なぜ、ポジティブにがんを捉えられたのか?

医師の“がん予告”で心の準備

澤田社長はがんの告知を受けた際、大きく動揺はしなかったという。

「私の場合はちょっと特殊で、『ああ、やっぱり!』と」

当時経営する会社のクライアントの主治医との会食の席で、医師が消化器の専門医だと知ると、患っていた胃炎の悩みを相談。「自覚症状はないものの、胃が荒れているらしく、定期的に胃カメラを飲んでいて」 と、持参していた胃の内視鏡写真を見せた。

すると、意外な答えが返ってきた。

「澤田さん、あなたの胃はかなり悪い。このままだったら、がんになる可能性が高い。経過をみていけば、2年ぐらいで症状が出てくるかもしれません」

突然の“がん予告”に「冗談を」とも思ったが、医師から「僕が診ましょう」との言葉をもらった。それからは、胃炎の治療とともに半年に1度の内視鏡検査を欠かさず、経過を観察した。

「それで2年経った時に、その先生から『気をつけて診ていたら、やっぱり出ました』と言われまして。本当にそうなったんだ、やっぱりそうかとびっくりしました」

死を全く意識しなかったわけではない。それでも、告知を受けて大きく動揺しなかったのは、

「予め、がんになるかも、と言われていて、心の準備ができていたからだと思う。信頼している医師から見通しをしっかり伝えられたことも大きい」
がんのタイプは、胃壁の内部で広がっていくスキルス性胃がん。見つかりにくく、広がりやすいがんだが、ごく初期で見つかったため、医師からは「全く心配ない。僕が治します」とお墨付きをもらった。その言葉で安心して治療に臨めたという。

胃の3分の2を内視鏡で切除し、2つの「門」(胃の出口と入り口)は残す手術で、普通の生活に戻れるという見通しも、合わせて伝えられた。

「俺、生きてるぞー」と社員にメール

闘病と経営で必要なのは、「先が見える状態にすること」と語る澤田社長。

澤田さんは、社長である自身がしばらく治療で仕事を抜ける以上は、周囲に隠し立てはできないと判断。告知直後、「おい、がんになったぞ」と会社(リヴァンプ)の社員たちにオープンに伝えた。

手術後には全社員に、 「生きてるぞー。1週間後には会社に行くから」 とメールした。「生還した自分」の姿を写メで撮影して、写真も添付した。それを見た社員からは、「頑張って下さい!」「社長、半端ない!」などと激励メールが届いたという。

「自分が元気、大丈夫ということは、あらゆる機会に発信し続けなければと常々思っていて。たとえ闘病中であってもね。僕が強く思うのは、社長が下を向いちゃいけないなということ。元気で明るくいることは、社長の一番の仕事ぐらいに思っているんです」

4年前からは、趣味のトライアスロンも再開した。

「がんと言われても動揺しない社会に」

CancerXは患者だけでなく、立場の違う人たちが組織の壁を超えて課題を解決する仕組みを目指している。

澤田さんは大学時代にはアメフト部に所属。社会人になってからはトライアスロンのほか、スキーやダイビングなど多忙の中でも積極的にスポーツをし、健康には気を遣ってきた。

「だから、自分ががんになるなんて全く想像していなかった」
人は健康な時、誰もが病気に対して無知なもの —— 。こう話したのは、澤田さんが登壇した冒頭のサミットで司会を務めた認定NPO法人マギーズ東京共同代表理事の鈴木美穂さん。元日本テレビの記者兼キャスターで、今回のサミットの主催者でもある。鈴木さんもまたがん患者だった。

「2008年に24歳で乳がんを告知された際は激しく動揺しました。『この世の終わり』と感じて未来が一切描けなくなり、8カ月間塞ぎ込みました」
それは、自分ががんのことを何も知らなかったからだと鈴木さんは語る。

日本では毎年100万人ががんに罹患しているにも関わらず、「がん=死」と結びつける固定したイメージが根強い。鈴木さんの願いは「Cancer,So WHAT?」、つまり「がんだから何?」と言えるぐらいの、「がんと言われても動揺しない社会の実現」だ。

経営と似ている「キャンサー・ジャーニー」

サミットの主催者の1人、鈴木美穂さん(一番左)は、「がんだから何?」と言えるぐらいの社会を、と話す。

幸運なことに澤田さんの場合は、がんになる前から信頼する医師という「優れたナビゲーター」がいた。心の準備ができていたからこそ、過剰な心配に苛まれることもなく、治療の前後も穏やかに過ごすことができたと澤田さんは感じている。

「僕もいろんな会社を経営してきたんで、苦労もいっぱい経験してきたんですが、下手な専門家に会社を委ねていたら大変なことになることもあるなと。公私それぞれの経験から思うのは、お医者さんと弁護士さんは間違っちゃいけないということ(笑)」。これは、身に染みて思っています」

しばしば「キャンサージャーニー」と表現される、がん体験。澤田さんは、がんの旅路もまた、会社経営に似ていると話す。

「人は誰も、先が見えないと不安になっちゃう。自分の会社がこの先どうなるんだろう。自分の体や暮らしがこの先どうなるんだろうと。だからこそ、『先が見える状態』をいかに早くつくるかが大事だと思いますね」

会社の経営でも、見通しが持てる状況を迅速に作り上げることを意識してきたという。

「コンサルタントを入れていろんな手を打ったとしても、先が見えない会社は怖い。でも、会社の方向性が見えると『よしここ行くぞ!』とみんなを鼓舞できて、そこに向かって頑張れる。

闘病も同じじゃないかな。僕は今も、人間ドックを受け健診は受けていますが、同じ検査結果を見せられても、やみくもに怖がらなくていいんだと。正確にその結果が伝えられるのとそうでないのとでは大きく違うと思う」

「正しい知識は大事ですね。そうした医療の知識を伝えられる『信頼できる人』をあらゆる人が身近に持てるように、人材を増やすこと。正しい知識にたどり着ける仕組みを作ること。そのどちらもが大事だと考えています」

「全員参加」で医療を創る時代

サミットの登壇者の一人、がん経験者でもある上野直人・MDアンダーソンがんセンター乳腺腫瘍内科教授は言う。

「これからは、医者だけでなく『全員参加』で医療を創る時代」

「あらゆるプレーヤーが、大きな枠組みの中でコレクティブ(集合的)に社会を変えていくことができる」

「がんと言われても動揺しない社会」の実現のために、サミットで課題として掲げられたのは、立場の異なる組織がその壁を越え、互いの強みを出し合いながら社会的課題の解決を目指す「コレクティブ・インパクト」の体制をいかに作り上げていくかだ。

登壇した小泉進次郎衆院議員。

その体制のプラットフォームとして、コンビニができることはたくさんある、と指摘したのは、登壇者の一人、衆議院議員で自民党厚生労働部会長の小泉進次郎氏だ。

イベント終了後、一緒に登壇した3人からは、「店でがん健診ができたら」「弁当を食べると、いくらかはがん医療に寄付できるという仕組みもよいのでは?」「がん健診セット弁当なんていうのも面白い」などとアイデアが次々に飛び出した。

そうした新しいサービスを業務として考えた場合、担い手の負荷など検討すべき材料は多い。ファミリーマートの店舗で働く人を合わせると約20万人にも上る。アイデアの一つ一つを具現化する上で、一番大事なのは、理念に賛同し、ともに行動を盛り上げてくれる仲間たちの「共感」を得ることだと澤田さんは力説する。

「今度、ファミリーマートではこども食堂を3月から始めます。加盟店の皆さんが、子どもたちを招いて、みんなで食事ができれば地域コミュニティの活性化にも一役買って素敵なんじゃかなと賛同してくれたからこそできるんです」

がん支援も、現場である加盟店に負荷をかけないことは大前提。

「大上段に構えて号令をかけてお願いするのは違う」

店で働く人たちが「共感」を持って主体的に課題解決に参画してもらえるよう、自分はプロデュース役に徹するのだと付け加えた。

「だって、現場の人にこう思ってもらいたいですから。『澤田の言ってること、そうだよな。よっしゃー、いっしょにやろう』と。20万人が共感して動き始めたら、そのインパクトは「半端ないものになると思いますよ」
(文・古川雅子、写真・今村拓馬)

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ポルシェ初のEV「タイカン」、現時点で分かっていること

2019年2月7日 10:30 Porsche
  • 今年発売が予定されているポルシェ初のEV「タイカン(Taycan)」は、4分間の充電で60マイル(約96キロメートル)以上の走行が可能。1月28日(現地時間)、ポルシェはプレスリリースに記した。
  • タイカンは、以前「ミッションE」と呼ばれていた。
  • 航続距離は300マイル以上、最高出力は600馬力以上、0-60mphは3.5秒以下。
  • テスラのセダン「モデルS」と競合することなる。

今年発売が予定されているポルシェ初のEV「タイカン(Taycan)」は、4分間の充電で60マイル(約96キロメートル)以上の走行が可能。1月28日(現地時間)、ポルシェはプレスリリースに記した。

同社は、タイカンの充電速度はテスラの高速充電器(約30分で80%前後の充電が可能)を超え、現時点で最速のものになるだろうと述べた。テスラ車の航続距離はモデルや状態にもよるが、およそ265〜334マイル(約426〜538キトメートル)。

タイカンの急速充電には、最大350キロワットの充電をサポートする直流(DC)急速充電器が必要。アメリカ国内191カ所のポルシェディーラーのうち120カ所、およびエレクトリファイ・アメリカが運営する充電ステーションで充電できる。

タイカンは2019年末までに登場する予定。航続距離は300マイル(約480キロ)以上、600馬力以上を発揮し、0-60mphは3.5秒以内。The Driveによると、価格は約9万ドル(約990万円)。

タイカンは、テスラのセダン「モデルS」と競合することになる。モデルSの最大航続距離335マイル(約400キロメートル)、0-60mphは2.5秒。

2018年、ポルシェのEV開発責任者、ステファン・ウェックバッハ(Stefan Weckbach)氏は、タイカンはモデルSよりも優れたパフォーマンスを発揮できるようになると語った。彼は、タイカンは「再現性の高いパフォーマンスを発揮し、最高速度を長い時間、保つことができる」と述べた。

ウェックバッハ氏は、自動駐車や渋滞時に自動で加減速するなどのドライバーアシスト機能が搭載される可能性も示唆した。またタイカンは、ドライバーの動きに合わせて反応するデジタルインパネやホログラフィックディスプレイを通して、コントロールできるダッシュボードといったハイテク機能も搭載されると予想されている。

現時点でタイカンについて分かっていることを見てみよう。

タイカンはポルシェ初のEVとなる。

Porsche


出力は600馬力以上、0-60mphは3.5秒以下。

Porsche


フル充電で300マイル(約480キロメートル)以上の走行が可能、4分間の充電で60マイル以上走行可能。

Reuters/Kai Pfaffenbach


ポルシェによると、数多くのハイテク機能を搭載する。ドライバーの動作に合わせて反応するデジタルインパネやドライバーがホログラフィックディスプレイを通してコントロールできるダッシュボードなどだ。

Porsche


リチウムイオンバッテリーを車の前から後ろ、全体にかけて配置。前後バランスの均等化を図っている。

Porsche


The Driveによると、2019年末までに発売される予定。価格は9万ドルから。

Porsche
出典:The Drive


[原文:Porsche says its all-electric Tesla rival will be able to charge faster than any other EV — here's what we know about the car]

(翻訳:Yuta Machida、編集:増田隆幸)

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cat_11_issue_oa-businessinsider oa-businessinsider_0_1e34898a4cc3_インスタ世界記録「卵」の広告掲載料、スーパーボウル30秒スポットよりも高額 1e34898a4cc3 0

インスタ世界記録「卵」の広告掲載料、スーパーボウル30秒スポットよりも高額

この記事は、Business Insiderのプレミアム・リサーチ・サービス「Business Insider Intelligence」の調査レポートをもとにしています。


インスタグラムの「いいね!」世界記録を持つ「卵」の最初のブランド広告は、スーパーボウルの30秒スポット広告よりも高額になる可能性がある。ベイナーメディア(VaynerMedia)のダイレクト販売のトップ、ニック・シャーマ(Nik Sharma)氏がアトランティック(The Atlantic)にコメントした。

Instagram

シャーマ氏によると、最も人気のインスタグラム投稿の広告スペースには「少なくとも1000万ドル(約11億円)の価値」がある。一方、今年、CBSがスーパーボウルの30秒スポット広告の料金として広告主に請求した最高額は525万ドル(約5億8000万円)。

2月1日現在、インスタグラムアカウント「world_record_egg」の投稿は5190万件の「いいね!」を集めている。1日以降も同アカウントは卵の画像を投稿し続けている。徐々に殻のひびが大きくなってきており、間もなく生まれるようだ。現在、フォロワーは970万人。

ブランドの関心を引きつけている「卵」の力は、口コミ情報が将来の一流広告スペースになり得ることを示している。さまざまなブランドが今、この「卵」に広告を掲載しようと競っているだろう。「なぜなら2019年は、口コミがブランド確立のチャンスとなるから」。 

ただし「卵」そのもののスポンサーになることが真のチャンスになるわけではなさそうだ ── アカウントの運営者は「卵」を反トランプ的なアピールに利用しているようだ。

さらに「卵」は多くの模倣アカウントを生み出した。ブランドが模倣しているケースもある。いずれもソーシャルでの影響力を活用し、多くのアテンションを集めようとしている。ブランドはどのようにして、このチャンスを評価すればよいのだろう。

「卵」が評価されていることは、ブランドが大きな力を持つテレビから全般的に離れつつあることのサインかもしれない。

スーパーボウルの広告と比べて、「卵」は広告スペースとして高額なだけでなく、ブランド認知度、リーチ、インプレッション、コンバージョンといった多くの重要なROI指標において、より価値が高く、効果検証も直接的だろう。

その要因は以下の2つにある。

  • 若者のメディア習慣の変化:スーパーボウルの人気は衰えていない。ニールセンによると、第52回スーパーボウルは1億411万人が視聴した。だが、若者のテレビ離れは進んでおり、NFLの視聴者は年配者と男性に偏っている。一方、インスタグラムは今、世界中で10億人ものユーザーを引きつけている。アメリカの若者は全員と言っても過言ではない。パイパー・ジャフレー(Piper Jaffray)によると、アメリカの10代の85%が少なくとも月に1回はインスタグラムを利用すると回答した。インターネットが若者にとっての新しいゴールデンタイムとなっている。グーグル/イプソス(Google/Ipsos)によると、アメリカの10代の71%が1日3時間以上、オンラインで動画を見ると回答、また51%が1日3時間以上、SNSを利用すると回答した。
  • 口コミ情報の自己再生力:さらに、口コミ情報は従来のテレビ広告よりも寿命が長い。絶えず繰り返され、再生され、時間とともに進化する。人気の高い口コミ情報は永久に存在し得る。インターネットユーザーが将来、いつでも復活させるからだ。これはスーパーボウル広告には当てはまらない。スーパーボウル広告はゲームとともに忘れられてしまう。

ソーシャルメディアの口コミ情報に賭けることがブランド投資の未来であるなら、少なからぬリスクと反動もある。何がオンラインで話題になるかは、概ね予測不能。自然発生的で、気まぐれで、「いいね!」やシェア、ビューなどで雪だるま式にアテンションが集まる。

こうした成り行き任せな現象の活用にこだわると、ブランドは強引、無分別、あるいは無計画に出費を重ねることになる。つまり、ブランドは浪費のリスクを負う。口コミ情報の風向きは急変する恐れがあるし、実際、急変する。

さらに、口コミ情報を活用すると決めたブランドは、効率的なクリエイティブを運用していくために、チームを迅速に動かす必要がある。一方、スーパーボウル広告を行うブランドはプランニングに優雅に数カ月もかける。

リスクはあるものの、ブランドが口コミ情報を通して、アテンションやコメントを活用、あるいは自身で運用することのポテンシャルは極めて大きい。

ネットフリックスのようにオーガニックな口コミ情報の拡散から恩恵を受けたブランドも、次第に、ほぼ成り行き任せだったプロセスをよりコントロールしようと試み始めている。

例えば、ネットフリックスは今、数百のバズフィード(BuzzFeed)の人気クイズづくりに貢献した19歳の人物を雇おうとしている。ブランドが探し出し、雇わなければならない人物は、口コミ情報を広げる方法とその理由、口コミ情報とインターネットカルチャーの多種多様で、小さな兆候に詳しい人物。

そうしたエキスパートならより確実に、絶好のチャンスなのか、そうではないのかを見抜くことができる。そして不適切な広告出費を防ぐことができる。

 [原文:Battle of the ad phenomena: The Instagram Egg vs. The Super Bowl (FB, CBS, NFLX)]

(翻訳:Ito Yasuko、編集:増田隆幸)

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