cat_11_issue_oa-businessinsider oa-businessinsider_0_3fe68ff673bd_週9本レギュラー、炎上、起業…元祖セレブタレント・マリエがいま伝えたい「自分を信じる生き方」 3fe68ff673bd 3fe68ff673bd 週9本レギュラー、炎上、起業…元祖セレブタレント・マリエがいま伝えたい「自分を信じる生き方」 oa-businessinsider 0

週9本レギュラー、炎上、起業…元祖セレブタレント・マリエがいま伝えたい「自分を信じる生き方」


モデル兼「セレブタレント」として活躍し、多いときは週9本のギュラー番組を抱えていたマリエ(31)が、自身のアパレルブランドを立ち上げてからもうすぐ2年が経つ。

デザインは基本的に「ジェンダーレス」。環境問題にも積極的に取り組み、工場や職人など生産者の声に耳を傾けるため全国を飛び回っているという。 東日本大震災でのツイッター炎上、その後のアメリカ留学も「逃げた」と囁かれた彼女に、一体何があったのか —— 。

きっかけは留学で芽生えたファンへの責任感


マリエがデザイナーを務めるブランド「PASCAL MARIE DESMARAIS(パスカルマリエデマレ)」を立ち上げたのは2017年6月。 きっかけは、2011年のアメリカ・ニューヨークのパーソンズ美術大学への留学だったという。専攻はもちろんファッションだ。

通常は2年間のプログラムを朝晩履修して1年で終わらせた後、教授のアシスタントとして働いた。そのままニューヨークで活動することも一時は考えたそうだが、帰国を選んだのはファンの存在があったからだ。


「テレビに出ない間も『応援してるよ』というメッセージをブログなどSNSにくれる子たちがいて。そういう日本のファンにできることって何だろうと思ったときに、自分勝手な責任感かもしれないですけど、私がここで学んだことを伝えることなんじゃないかと思ったんです。

そのために自分の信念を貫けるものづくりがしたいと思ったのが、ブランドを立ち上げるきっかけでした」(マリエ)


東日本大震災でTwitter炎上した理由は


今では渡辺直美、ウエンツ瑛士などタレントが海外留学することは珍しくない。だが、このときファンの声援がより特別なものに感じたのは、マリエの留学が通常のそれとは大きく異なっていたからだろう。

2011年の東日本大震災直後、マリエはチャリティ活動を揶揄するとも取れるツイートを投稿し、大きな批判を集めた。「セレブタレント」として活躍していたマリエのもとには、「セレブなんだから寄付しろ」という趣旨のコメントが多数届いていたという。


一方でマリエが当時交際していたパートナーは震災で大きな被害を受けた宮城県気仙沼市の出身。家族と連絡が取れない状況が続くパートナーを隣で励ましながら、すぐに寄付やボランティア活動などの行動をとる心の余裕がなかったと振り返る。

「Twitterを炎上させたのは私が一番早かったかもしれないですね。自分ができるタイミングでできる支援をすることがベストなんじゃないかということを言いたかったんですが、人を傷つけるような言い方になってしまって、今でも反省しています」(マリエ)


10代からの夢を選ぶも「逃げた」と批判


マリエは自称「ファッションオタク」。モデルとして自分が着る洋服がどの工場でどのように作られるのか、生産される背景をスタッフに尋ねたり、自身で調べるのが習慣だった。多忙なタレント活動を続けるかたわら、「このままでいいのか」と悩むようになったのは、22歳を過ぎた頃からだ。

そのときに浮かんだのが、10代の頃から憧れていたパーソンズ美術大学への進学だった。

所属事務所との契約更新のタイミングとも重なったため、「関係者の方々には大変ご迷惑をかけることになったんですが」(マリエ) 、テレビ番組などタレントとしての仕事を3月いっぱいで整理し、9月から入学というスケジュールで動いていた。

全てが決まったタイミングで起きたのが、東日本大震災とTwitter炎上だ。


自粛ムードが強かったため留学することもあまり公にできず、芸能界から「逃げた」「干された」とさらなるバッシングを受けることに。 そもそも留学については、事務所や知人からも「その歳で大学生なんて大丈夫?」 と心配されていたという。

しかし、入学した社会人コースで、マリエは最年少だった。学費が高額なため、10代では支払えず進学を諦めた人たちが、「学び直し」に集っていたのだ。

30〜40代も多く、中には「CDデビューする孫の衣装をつくりたい」という60歳を過ぎた女性もいた。

違う選択肢があることを伝えたい


「みんなすごく真剣で、刺激的な毎日でした。日本では『23歳なんておばさんだよ』『それで学生?』というニュアンスの反応が多かったですが、そんなことない。

日本とアメリカとどちらが良い悪いではなく、自分に合ったものをチョイスできる時代になっています。そういう外の世界もあるよって、日本の女の子たちに伝えたいんです」(マリエ)


思い出すのはアメリカに留学する前、毎晩のように朝まで飲み歩く「ずさんな生活」(マリエ)をしていたときのことだ。

取材で毎日のように体型をキープする方法について聞かれ、「またか」と内心でため息をつきながら、「楽しく過ごすことでーす、みたいに答えてましたね(笑)」(マリエ)。


運動はせず、体重管理のために食べた物を吐き出すこともしていたという。留学中、適切な運動や食事の取り方などのライフスタイルに関する知識も身につけた。

「もしあの時の私に知識があったら、どれだけの女の子たちの良いロールモデルになれただろうと。今はもう昔みたいな影響力はないんですけど、1000人いたファンが5人に減ったとしても、その5人には私が知った生き方を、選択肢を教えてあげたいんです。

もちろんファッションというエンターテインメントを通して」(マリエ)


工場スタッフや職人を訪ねて全国を巡る


マリエは商品をつくる、売る、買う、さらにそれが捨てられるプロセスまで全てを見直すべきだと提唱する。

「PASCAL MARIE DESMARAIS(パスカルマリエデマレ)」の商品をつくるのは、マリエが全国各地を飛び回って直接話を聞き、価値観などを互いに納得した上で仕事を依頼した工場や職人のみ。2017年にはこうした全国16カ所の生産地をスタッフとブランドのファンで回るバスツアーも開催した。

現場に行き耳を傾けたからこそ知る、ファッションの不都合な真実もある。環境に配慮した商品展開をすることが現在の最重要課題だ。

切れ端を使った商品で大量生産に警鐘


岐阜県にある高級獣毛生地をつくる工場を訪ねたマリエは、大きな衝撃を受ける。最高級の素材たちが商品を生産する際に出る「切れ端」として、大量に処分されていたからだ。

そこで考えたのが、この廃材を使って1点モノのラグマットをつくるプロジェクト「THE LEFT OVER RUG」だ。 廃材の再利用にも、社会への問題提起にもなる。 展示会は盛況に終わり、安定した生産体制を整えるためにクラウドファンディングにも挑戦した。

「ファッション界の産業廃棄物は年間で9200万トンです(2017年)。大量生産して売れない分はセールか廃棄という大手アパレル企業の生産システムには限界がきています。

そういう意味でも支援者の要望に合わせて、つまり“必要な分だけ”を生産するのにクラウドファンディングは最適なツール。ファッション業界でももっと取り入れられると良いなと思ってます」(マリエ)


「野生の傷ついた革こそ美しいと思う」


今、新たな商品が生まれようとしている。次は「PILLOW(ピロー)」つまり、枕・クッションだ。

きっかけは、ラグの取り組みを知った革職人から「自分の業界でも何かできないか」と相談を受けたこと。マリエ自身もファッション業界の革への向き合い方には、以前から疑問を抱いていたという。

「一流ブランドが商品に使う牛や羊は、狭い場所で絶対に傷がつかないように育てられます。殺されるまで。

一方で野生で育った動物の革は売れないんですよ。傷がついていると商品にならないからと言って。何が虐待か、そして美しさの定義って何?って思いますよね。

人間も流した涙の分だけ美しくなるとか言うじゃないですか。野生の動物の傷だってそう。その方が美しい革なんじゃない?ということを提唱していきたいんです」(マリエ)



日本では、野生のシカやイノシシが増えすぎたことで農林業や生態系に深刻な被害を与えていることが問題になっている。
捕獲事業は国やジビエの団体なども強化しているが、捕まえたシカなどを食肉にすることはあっても、革に加工することはあまりないのだという。時間がかかる上に、前述した通り野生の革は「売れない」からだ。

そこでジビエの団体などに捕獲した動物の革を加工してもらい、革の職人がそれを使ってクッションをつくろうというのが、今回のプロジェクトだ。

中には、前回のラグを製作した際にどうしても使えなかった「糸」を入れる。ポリエステルやプラスチックと違い、ウール・アルパカ・シルクなどの糸が入ることで、弾力のあるリッチなクッションに仕上がっていると、マリエは興奮ぎみに言う。

当たり前を見直すことがカッコイイにつながる


日本には社会問題を口にしづらい空気がいまだ根強い。そんな中でもマリエの言葉にはためらいがない。過去の後悔から、今自分がやるべきことがはっきりと見えているからだ。

「『エシカルブランドなんですか?』と聞かれることは多いです。もちろん社会問題を提起したり解決したいと思ってますよ。ただ全てのアイテムにストーリーやバックグラウンドがあるわけでもないんですよね。カッコイイことを追求したら、それがエシカルだったという感じで。

これまでの歴史で流行ったものやかっこいいとされてきたことの根底には、現代社会への反抗があった。大量生産もそうだし、今あるベーシックを見直すことがすごく必要なときだと思います。

政治は正しいの?憲法って本当に変えないといけない?とか、そういうことにも繋がってくる。

私たちはファッションブランドなので、これからもファッションでできることをやっていきます」(マリエ)

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cat_11_issue_oa-businessinsider oa-businessinsider_0_9613600ce8d2_「変なホテル大阪 西心斎橋」に泊まってみた、スマート家電やロボホンで進化 9613600ce8d2 9613600ce8d2 「変なホテル大阪 西心斎橋」に泊まってみた、スマート家電やロボホンで進化 oa-businessinsider 0

「変なホテル大阪 西心斎橋」に泊まってみた、スマート家電やロボホンで進化

H.I.Sホテルホールディングスが経営するロボットホテル「変なホテル」。2018年末から2019年の年始にかけて、一部で「ロボットのリストラ」が報じられた同ホテル。2019年3月には大阪・西心斎橋、京都・八条口駅前にも新規拠点をオープンし、5月29日時点では全国15カ所で運営している。

筆者は5月25日にシャープのロボット型スマートフォン「RoBoHoN」(以下、ロボホン)のイベントに合わせて、西心斎橋店に宿泊。

本当に変なホテルは“脱・ロボット”しつつあるのか、確認してみた。

部屋はまるでスマート家電の体験ゾーン

チェックイン・チェックアウトは変なホテルではお馴染みの恐竜型の受付ロボットの指示に従う。

実は、筆者が変なホテルに宿泊するのはこれが初めて。第一印象は、ここは本当に“ロボットホテル”なのだろうか?という疑問だった。

確かに、受付には変なホテルの紹介写真などでよく見る恐竜型の受付ロボットが常駐しており、ロボットの案内に合わせてチェックイン作業を進めることができた。チェックアウト時も同様だ。

しかし、筆者の泊まった部屋にはロボットはいなかった……。長崎のハウステンボスにある変なホテルには、チューリップを模したキャラクターのロボット「ちゅーりーちゃん」をはじめとする多彩なロボットが部屋や施設内にいたと聞くが、今回の西心斎橋ではそんな様子はない。

筆者が泊まったのはツインルーム(一般価格5300円税込)。ベッドは、フランスベッドの独自技術を採用したマットレスを使っている。

ベッドの向かいには机と洗面台がある。机のとなりに洗面台があるのには驚いたが、鏡も大きく身支度を調えやすい。

個人的に、気に入ったのは風呂場。部屋のサイズは一般的なビジネスホテルのサイズと大きく変わらないが、風呂釜は広く深く、そしてトイレが別なのはうれしい。

どちらかと言えば、スマートホームのモデルルームのような体験ができるおもしろさがあった。

泊まった部屋は、一見すると新しくて清潔な普通のホテルの一室が、部屋の照明やテレビ、エアコンは備え付けのタブレットで操作できた。内線や外線の電話には、ソフトバンクが出資する無料のレンタルスマホ「handy」を使う。

hi Japanによる無料のレンタルスマホ「handy」が内線代わり。宿泊期間中は外に持ち出すこともできる。ただし、テザリング利用は有料だった。

and factoryが提供するホテル向けタブレット「tabii」で、家電などを操作。単なるリモコンではなく、指定した時間に照明とテレビがオンになると同時に音楽がタブレットから流れる「アラーム機能」は、朝に弱い筆者が最も気に入った機能。

また、1階にあるランドリースペースには洗濯機のほか、衣類のしわやほこりなどを取り除ける「LG styler」も設置されており、まさにスマート家電・スマートホームの体験スペースといっても過言ではなかった。

筆者はしわの気になる服を持っていなかったので試さなかったが、有料でLG stylerも使える。

ロボットとしては、シャープのロボホンが活躍

変なホテル大阪 西心斎橋の3階はロボホンによるジャック状態。

とはいえ、「変なホテルでロボットは終わったのか」というのも、真実じゃない。

変なホテル大阪 西心斎橋ではオープン時からシャープのロボホンを設置した「RoBoHoNルーム」を試験的に設置しており、5月17日からは3階エリアの全15室まで拡大。利用者は宿泊中にロボホンに話しかけて、コミュニケーションをとったり、ホテルの施設情報や周辺の観光情報などを得ることができる。

RoBoHoNルームには、入口に目印がある。

RoBoHoNルーム(トリプル)の外観。机の上にロボホンがいる。

RoBoHoNルームで採用されているロボホンは、2月に発表された着座式「RoBoHoN lite」。故障や盗難を防ぐため、アクリル板で囲われている。

とくに、西心斎橋の部屋に設置されているロボホンは、これらの案内機能のほかに、日常会話や短い物語の読み聞かせをするコミュニケーション機能も備えているため、親子連れの評判も上がっているという

なぜ、タブレットではダメなのか?

RoBoHoNルームにも、ロボホンに加えタブレットやスマホが置かれている。

しかし、実用性の高い機能だけで見れば、前述のタブレットでも施設案内や周辺情報の検索はできる。また、変なホテルのロボホンは現状、照明や空調などの家電を操作できない。

では、なぜ現状の機能的には見劣りするロボホンを導入したのか。変なホテル大阪 西心斎橋のサブマネージャーを務める増田誠輝氏はその理由を「プロモーションと効率化」と語る。

プロモーションは、シンプルにロボホン自体の物珍しさをきっかけにホテルを認知してもらおうということだ。一方、効率化はおもに宿泊客からフロントやスタッフに対する問い合わせのコストを減らすという意味だ。

筆者は日頃からスマート家電に触れているためカンタンに操作できたが、初見では使い方のわからない宿泊者ももちろんいる。

前述のように変なホテル大阪 西心斎橋には家電を操作できるタブレットや無料のレンタルスマホが置いてあり、スタッフに聞かなくてもWi-Fiのパスワードや朝食やチェックアウトの時間を調べられる。

しかし、増田氏によると実際の宿泊客の中には「端末の操作に慣れておらず、結局はフロントでスタッフに問い合わせるというケースもあった」と、必ずしもホテル側の意図どおりにはいかないケースもあるそうだ。

「既にタブレットやスマートフォンの使い方がわからないお客さまも、話しかけて操作できるロボホンであれば、難なく使ってもらえるのではないか」(増田氏)というのが、ロボホンへの期待、ということになる。

ホテルのコンセプトとロボホンの特徴がうまくマッチ

「変わり続けることを約束するホテル」という変なホテル。

また、シャープでロボホンを担当する景井美帆氏は、変なホテルへのロボホン導入の要因について「保守などの管理面、容易なアップデート方法」も挙げている。

変なホテル大阪 西心斎橋に導入されているロボホンは2月に登場した足が動かないタイプの廉価版「RoBoHoN lite」だが、Wi-Fiでネットワークにつながる点やOSとして採用するAndroidでさまざまなアプリを導入できるという点では、従来機と変わらない。

この2点の特徴により、常にロボホンの稼働情報は管理されており、すぐに故障を検知したり、実装したい機能などがあれば、ネットワーク経由でスムーズに新機能を配信できる仕組みとなっている。

RoBoHoNルームにあるロボホンができることの一例。その内容は日々増えている。

RoBoHoNルームのロボホンは、試験導入時の3月から5月までに、約1.5倍のパターンの問答に対応できるようになっている。これは試験導入時から得られたユーザーのフィードバックを元にロボホンに答えて欲しい機能を追加していった結果だ。

変なホテルとシャープは、今後もコミュニケーションの内容拡充や機能のバージョンアップを予定。ロボホンを通したフロントへの通話や家電連携、モーニングコール、タクシー配車などの機能を検討しているという。

変なホテルは「変わり続けることを約束するホテル」をコンセプトとして掲げる。ロボホンの例のように、その時代のユーザーやホテル経営に必要な最新技術を取り入れ、トライアンドエラーを繰り返していく方針だ。

もしかしたら、次に泊まったときはまた別の体験のできるホテルに生まれ変わっている可能性もあり、新しいもの好きである筆者はそれも1つの楽しみのように思えた。

(文、撮影:小林優多郎、取材協力:シャープ)

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cat_11_issue_oa-businessinsider oa-businessinsider_0_6e7881df12fc_住宅版テスラ・HOMMAの作る「夢のスマートホーム」とは? 6e7881df12fc 6e7881df12fc 住宅版テスラ・HOMMAの作る「夢のスマートホーム」とは? oa-businessinsider 0

住宅版テスラ・HOMMAの作る「夢のスマートホーム」とは?



今日は住宅スタートアップのHOMMA Inc.を立ち上げた本間毅さんとの対談第3回です。2019年1月に完成した実験住宅のHOMMA ZEROにお邪魔しました。第1回・第2回をご覧になってない方はこちらからご覧いただけます。

住宅版テスラ・HOMMAの作る「夢のスマートホーム」を実際に見せてもらったよ(第1回)

・実はアメリカの家のクオリティは低いという現実
・アメリカの戸建て建築、販売事情
・日本方式でアメリカの家にイノベーションを起こす
・アメリカの住宅業界で成功する勝算
住宅版テスラ・HOMMAの作る「夢のスマートホーム」を実際に見せてもらったよ(第2回)

・HOMMA Inc.が手がけるビジネス
・日本のモノがとこまでアメリカで受け入れられるか
・都市型のプレミアムコンパクト住宅というコンセプト
・スマートホーム HOMMA ZERO
・ユーザーもハッピーになる継続課金型収益モデル
・自分が使ったことがないものは、人に売れない
・ユーザーエクスペリエンスを豊かにするテクノロジー
HOMMA Inc.の3つの成長戦略
本間:ちなみに、HOMMA X(ten)の話を少し戻すと、 今3つのエリアでプロジェクトの場所を探しています。ロサンゼルスとかテキサスのオースティン、SXSW(サウス・バイ・サウスウエスト)の開催地ですね。あと、オレゴンのポートランド。今、この3つの地域で見ています。現地にそれぞれパートナシップを組める建築会社がいるので、そういう人たちと組みながら土地の開発から進めています。

シバタ:まず、土地を買わなきゃいけないですよね。

本間:それこそ土地によって値段が全然違うのですが、10軒建てるとしたら、日本円でいうと最低5億円から20億円くらいのプロジェクトになります。大きなプロジェクトを成功させるために僕らの成長戦略が3つあります。

一つ目は、「プロダクト」。家の販売です。日本製品を入れたりとかスマートホームにするとか、あと、建てるやり方をよくしたりとか。どれだけすばらしい家を作るのかというのがプロダクトです。

二つ目は、「オペレーション」。シバタさんはよくわかっていると思いますけど、アメリカは郡や州によっても建築基準が違うので、地域毎にローカルプレイヤーと組まないと絶対できないです。だから、成長するにはまず、ローカルオペレーションが必要になります。

そして実は三つ目が一番大変なんですけど、「ファイナンシャル」。お金です。アメリカのプライムレート(銀行が企業に資金を貸し出す際に最も優遇された金利)は今5.5%なんです。

シバタ:そうですね。

本間:日本は長期プライムレートで大体1%くらいですよね、だから日本のほうが調達金利がすごく安いんです。なので日本の企業からプロジェクトファイナンスということで資金を調達することを考えています。日本で銀行に入れておいてもお金は増えないけれど、アメリカでプロジェクト投資したらファイナンシャルリターンがある。さらに、例えば住宅や住宅設備関連の会社であれば、その会社が持っている建材やプロダクトがアメリカに進出していないのであれば、投資したお金で作られた住宅に、その会社の持っている建材やプロダクトを使うことができる。つまりアメリカ進出の足掛かりになるわけです。

市場の理解もできるし、トラックレコードもできる。ファイナンシャルリターンもありながら、事業のリターンも得られるという形で、日本の企業とパートナシップを組もうというふうに進めています。

シバタ:それはすごく面白いですね。HOMMA X(ten)を建てる場合を考えるとまず土地を買わなきゃいけないですよね。土地を買ってから8ヶ月とか1年くらいで建つんですか?

本間:場所によりますね。例えば、LAだったら一番最初に建築申請を出してから2~3年ですね。

シバタ:なるほど。パーミッションに時間がかかるということですね。

本間:はい。もう少し小さな規模だったり、早く許可が下りる地域だったりすると1年半とか2年とかも考えられます。

シバタ:なるほど。仮に3年としましょうか。仮に5億円で土地を買って、建てて売るまでに3年かかるわけですよね。

その3年間、この5億円は、

本間:寝ています。

シバタ:寝なきゃいけない。寝るお金。そのファイナンスが必要だということですよね。

本間:はい。

プロジェクト型ファイナンスの考え方



シバタ:これをプロジェクトファイナンス型で調達して、ファイナンシャルリターンと事業リターンがあるかたちできちんと返ると。

本間:そうです。

シバタ:これは非常に面白いモデルだなと思いますね。

本間:お約束はできないんですけど、例えば大体20%前後のリターンがプロジェクト全体のファイナンスのリターンとして出るとして、それを我々とパートナーの方々でシェアしましょうという形ですね。

シバタ:それを当然、エクイティ(Equity:株式)ではなくてデット(Debt:借入)に近いかたちで調達するんですよね?

本間:両方あります。金融機関からデットで調達してっていうのは、大体全体の6~7割くらいですね。3割くらいがエクイティで。エクイティだとリスクを取らなくてはいけないんですけど、リスクを取ればリターンも当然増えますね。

シバタ:エクイティというのは、HOMMA Inc.に直接投資するっていうことですか?

本間:いや。このプロジェクトへの投資です。

シバタ:なるほど。そこはやっぱりプロジェクト単位でやるんですか?

本間:そうです。

シバタ:それはなんかすごい。

本間:僕らの会社のエクイティで調達したら、めっちゃダイリューション(Dilution:株式が希薄化)するし、いくらあってもお金が足りないので。

シバタ:取っているリスクが違うので、僕も、もちろんプロジェクトの方はプロジェクトで調達された方がいいと思います。楽しみですね。

ところでHOMMA ONEは2軒しか作らないんですか? 何かもったいないですね。もっと作ったらいいのにって思うんですけど。

本間:やっぱり、シリコンバレーは土地が高いんですよ。でもショールームは近くにあった方がいいし、人に見せる場所にあった方がいいんと考えています。スケールさせるのはもっと広いところでやった方がいい。だから、LAに行ったり、オースティンに行ったり、ポートランドに行ったりしています。若者がたくさんいて、テック企業の仕事がたくさんあって、今も成長を続けているエリアっていうところで、色々なデータを算出した結果、この3つの地域だろうと。 それと自分がそれぞれ訪れて魅力的かどうかということでこの3地域に絞っています。

シバタ:すごく納得感があります。それは。

HOMMA X(ten)の資金は絶賛募集中?!



シバタ:ちなみに、HOMMA X(ten)のさっきのプロジェクトベースのファイナンス、資金調達というのはどういうフェーズなんですか? 例えば、この記事を見て協力したいという人がいたら?

本間:絶賛募集中です。

シバタ:絶賛、いつでも?

本間:はい。プロジェクトは別にHOMMA X(ten)にしても1個だけしかやらないということはないです。常にパイプラインを増やし続けていくということが会社の成長としても重要ですし、パートナーさんにとっても、どんどんいい案件を出していきたいので。

シバタ:例えば、LAで何ヶ所かやる、とかオースティンで何ヶ所かやるって当然あり得るわけですよね?

本間:もちろんです。すでにお話をしている会社さんもたくさんありますが、これからと言われても大丈夫です。ちなみに、プロジェクト丸抱えっていうご希望もあったり、あるいは複数でファンド型にして出資をしたりという話もあったりもします。

シバタ:それはあるでしょうね。丸抱えは丸抱えで面白いですね。じゃあ、HOMMA Inc.とは別に、プロジェクトベースでそれぞれ箱を作ってそこにどんどんファイナンスをしていくっていう感じですね。

本間:そうです。それがやがて大きくなって、10が50になり、50が100になり、100は1000になり、としていくのが、僕らの成長のマイルストーンだと思っています。

シバタ:それは面白いですね。でも、2~3年かかると思うと結構足の長い話なので、僕らみたいなソフトウェアのスタートアップから見ると、結構忍耐力がいるなっていう感じがします。

本間:そうですね。 そういう意味でいうと、僕らはこうやって培ってきたいろんなスマートホーム向けのノウハウとか、システムとかを短期間でスケールするかたちで提供する話も考えてはいます。

家はプロトタイプ作りもスケールも難しい:家作りの高い参入障壁
シバタ:これ実際できちゃったら、めちゃくちゃ参入障壁高いですよね。プロトタイプ作ろうと思っても、家買わなきゃいけないっていう話じゃないですか(笑)。

本間:そうなんです。土地買って、家を設計しないといけません。

シバタ:しかも、いろんなデバイスを全部試して。当然そこには、僕がまだ見たことがないようなものすごい思考錯誤がたくさんあるんだと思うんですけど。

本間:だから、大変さでいうと車も同じかもしれないですね。ソフトウェアもハードウェアも全部あるので。

シバタ:イーロン・マスクがこの間、面白いことを言っていたんですけど、電気自動車をデザインしてプロトタイプを作るのは簡単だと言っていて、工場で車を大規模に量産するほうが100倍の桁で難しいって言っていました。

ロケットは100倍じゃないと。ロケットはプロトタイプができたら実際に飛ぶロケットを作るのは10倍くらいの難しさだと。多分、家はもっと難しいんだろうなっていう感じですかね。

HOMMA Inc.ではどんな人が働いているの?



シバタ:今HOMMA Inc.で働いている人がいまいち想像できないんですが……。家も作りながらソフトウェアも作っているわけじゃないですか。当然、ファイナンス的な仕事もかなり普通のソフトウェアの会社に比べたら大きい仕事だと思いますし。どんな人が働いているんですか?

本間:なかなかカオスで面白いんですけど。

シバタ:カオス具合を教えてください(笑)。

本間:例えばここで会議をする時に、どういう人たちが会議テーブルを囲んでいるかというと、当然ですが建築家、アーキテクトがいます。ファイナンスの人がいます。ゼネラルコントラクター、いわゆる現場をまとめて家を建てる人がいますよ。

そこにテック系でいうと、IoTやデバイス系の人が入り、時にはマーケティングの人やユーザーエクスペリエンスデザインの人が入ったりします。それでここで何を話しているかっていうと、「家」のことを話している。つまり家を作ることってそれだけ多岐に渡るんです。

シバタ:そうですよね。

本間:テック×リアルビジネスが新しいって言うじゃないですか。僕らはテック×家なんです。だから僕らは実現したいことに対して、じゃあ建築は何やってくれるの? じゃあテックは何やってくれるの?みたいな話をして一つのものを作り上げていきます。

例えば、家の電気をコントロールするとしても、単純に人がセンサーで感知されたら点灯するとかじゃなくて、家の中と外の明るさを考えて、どのような状態だったら電気を点けるとか、家の玄関のドアを開けたら電気が点くとか考えられますよね。

でも、もし家族が全員寝ている夜中にお父さんが帰ってきてドアを開けたらバンって家中の電気がついたら、それは迷惑な話ですよね。建築的な努力でできる部分もあるし、テクノロジー、ソフトウェアで解決するところもいっぱいあります。

こういうのはどうやって作るんだ?ということと、それが経済効率性的にどうなのかっていうことを色々な方面から考えて、モノを作らなくてはいけないんです。

シバタ:なるほど。ちなみに、今募集しているポジションやこれからどういう人が欲しいとかっていうのはあるんですか?

本間:幸い、このところ立て続けに良い人材の採用が決まりつつあって、今現在は実はそんなに空いていないかもしれないんですが、新しいプロジェクトをこれからどう立ち上げるかによりますね。

シバタ:なるほど。

本間:お陰様で様々なオファーをいただいていて、本当にラッキーな状況です。僕らのチームは、日本人ばっかりでもアメリカ人ばっかりでもありません。ダイバーシティをちゃんと確保したいので、日本のよさも理解しつつ、アメリカの人たちの好みも分かりながらみたいなことをやれるようなチームを一生懸命作っています。

HOMMA Inc.でこれから必要な人材とは?
シバタ:なるほど。日本で働いている人はいるんですか?

本間:グッドクエスチョンですね。超最近、日本をベースにしてファイナンス系を取りまとめるコアな人が採用できて、この記事が出る頃にはもう入っていると思います。

シバタ:じゃあ、割とファイナンス系のチームが日本にできる可能性はもしかしたらあるかもしれない?

本間:まだチームにはなっていないですけどね。あとは、日本で実は開発チームを確保したいなと思っていて。

シバタ:それはソフトウェアですか?

本間:そうです。こういうことを言うと若干、語弊があるんですけど。日本って安いんですよ。語弊でもないかな。アメリカからするとソフトウェア開発は同じレベルで半額以下じゃないですか。

シバタ:うん、そうですね。

本間:かと言ってアメリカの生活習慣が分からないと家のことは分からないし、言葉の問題もありますよね。だから今やろうとしているのは、日本で開発をガリガリやるチームを作って、プロダクトの企画とかマネジメントはアメリカでやるというスタイルです。

日米合作でアメリカの家、あるいは日本の家も、もっとイノベーションしていきたいなと。

シバタ:最近、シリコンバレーでは日本に限らず、エンジニアリングチームがアメリカの外にいるというケースはかなり増えていますよね。特にシリコンバレーは人件費が高いので、 割と常識になりつつはありますね。そういう意味では日本にソフトウェアのエンジニアリングのチームを作るというのはすごく理にかなってますね。

本間:時々出張に来てもらって理解を深めたりとかも考えられますよね。ビザは今、めちゃめちゃ取りづらいですけどね。



シバタ:なるほど。ありがとうございます。じゃあそろそろ大体聞きたいことは聞けたと思うんですけど、最後に一言ありますか?

本間:シバタさんもそうですけど、日本からアメリカに来て起業するって、結構なチャレンジをしているなとは思っています。

でもアメリカの家ってもっともっとよくなる可能性を秘めているので、ここにぜひ日本の力を使いながら、日本のお金であったりプロダクトであったり人材であったり、いろんなものを使いながら、イノベーションを起こしていきたい、という思いでやっています。皆さん、ぜひご協力と応援のほどよろしくお願いします。

シバタ:今日はHOMMA Inc.の本間毅さんにお時間をいただきました。夜遅くにありがとうございました。



決算が読めるようになるノートより転載(2019年5月27日公開の記事)

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cat_11_issue_oa-businessinsider oa-businessinsider_0_4f01200053c5_中国を揺るがせたパナソニックのファーウェイとの取引中止報道。異例の2度の緊急声明 4f01200053c5 4f01200053c5 中国を揺るがせたパナソニックのファーウェイとの取引中止報道。異例の2度の緊急声明 oa-businessinsider 0

中国を揺るがせたパナソニックのファーウェイとの取引中止報道。異例の2度の緊急声明

5G開発に取り組むファーウェイ。アメリカ政府との対立が深まる
Kevin Frayer/Getty Images

トランプ米大統領は、ピンポイントでファーウェイ(華為技術)を抹消しようとしている。

第5世代移動通信システム(5G)の分野で一時的にファーウェイへの封じ込めや制裁を緩和したとしても、アメリカは最終的には制裁を強め、中国企業を徹底的に封じ込める政策は変わらないだろう。

東西冷戦後に広がったグローバリゼーションは、モノづくりの世界を大きく変化させた。冷戦時代の完成品を中心とした貿易は、部品を中心とする貿易体制に変わった。iPhoneも部品を世界各国から調達し、中国で組み立てているのはよく知られたことだ。

しかし、トランプ大統領の出現によって貿易の世界は冷戦時代のように各国国内で完結する生産体制へと逆流していくかもしれない。

在中国日本企業は、このグローバリゼーションの新たな変化をどう感じているのか。相次ぐ日本企業のファーウェイとの取引中止などの情報発信などを見ていると、非常に動揺している印象を受ける。

未明に報じられたパナソニックの取引中止

日本メディアではファーウェイとの取引中止を報じられたパナソニック。
REUTERS/Kim Kyung-Hoon

日付が5月22日から23日に変わった日本時間の午前1時過ぎ、共同通信社からこんな記事が配信された。

「パナソニックは22日までに、米政府による中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)に対する禁輸措置を受け、自社でも措置の対象となる製品についてはファーウェイとの取引を中止することを決め、社内に通達した」
23日、各社の朝刊はほぼ同じ内容を報じ、中でも朝日新聞はこのようにパナソニックの取引中止を報じた。

「(パナソニックは)22日夜には『米国が禁止した華為向けの取引を中止するよう社内で徹底している』とのコメントを出した」
朝日新聞はこの文章の前に、パナソニックの広報担当者の言葉として、デジタルカメラはレンズ以外の大半を中国で生産しており、「移転か値上げかを検討している」と書いている。

パナソニックは中国でスマートシティ事業や電気自動車事業などを拡大させている。だからこそ、あたかも中国市場全体を“敵に回すような”コメントに、筆者は驚いた。

現地パナソニックから“緊急声明”

ファーウェイの新製品「P30」。日本ではほぼ全てのキャリアが発売を見合わせている。
REUTERS/Soe Zeya Tun

今中国では毎年700万人から800万人が大学に進学し、そのうち半分ぐらいは第二外国語として日本語を選ぶと言われている。中国国内に簡単な日本語を読める人の数は少なくとも5000万人はいるとみられる。

日本からの情報は非常に速く中国に伝わる。共同通信、朝日新聞の「パナソニックがファーウェイと取引中止」という記事が伝わると、中国のほぼすべてのメディアは注目した。

23日午前10時ごろ、ポータルサイトとしてもっとも読まれている「新浪」は、「日経アジアンレビュー」の記事を引用する形で、パナソニックのファーウェイとの取引中止のニュースを流した。

北京日報は23、24日にわたって取引中止問題を報じた。

中国人ジャーナリストとして常に日本企業を取材している筆者に、パナソニックの中国現地企業・松下電器(中国)有限公司の広報部から「厳重声明」のメールが届いたのは、北京時間の5月23日11時04分だった。

「現段階で、パナソニックグループは華為(ファーウェイ)に正常に製品を供給しており、インターネットメディアなどで報じられている『供給停止』などは全て真実ではない。
華為はパナソニックの長年にわたる提携パートナーである。我々は所在する国家と地区の関連法律及び条例を厳格に遵守し、華為など中国の顧客への製品販売とサービスの提供を継続し、中国においてパナソニックグループは微力ながら事業の発展に貢献していく」
中国語では「厳重声明」という言い方はなく「厳正声明」と言う。さらに「厳重声明」と称しながら社印もなかった。筆者がこの「厳重声明」を微信(WeChat)にアップすると、「社印もなく、厳重声明と言えるか」などのコメントで炎上した。

11時59分に松下(中国)広報部から2度目のメールが来た。内容は全く同じ内容だったが、今度は「厳正声明」になっており、ちゃんと社印もついていた。

声明文として中国人がわかりにくい文章だったこと、さらに1回目の「声明」が「厳重声明」という“間違った”言葉使いから見ても、日本語で作成した文を中国語に翻訳したものと思われる。

松下(中国)の声明直後、ファーウェイは以下の声明を出した。

「松下は華為の重要な提携パートナーであり、双方は各領域で密接な業務協力を展開しています。松下集団と華為の全ての業務協力はこれまでと同じように続いています。松下の華為に対する一貫した支持に感謝します」
その後、中国では、中央テレビも繰り返し松下(中国)とファーウェイの反応を報じた。

ファーウェイの社名を出していいのか

REUTERS/Athit Perawongmetha

筆者は松下(中国)に対してファーウェイとの取引中止について取材したが、広報部から「厳正声明」以外のコメントはもらえなかった。

ファーウェイに関して、トランプ大統領は米中貿易交渉の“取引材料”にすることも示唆しているが、いずれにせよアメリカによるファーウェイ排除は当分継続するだろう。

日本政府が断固としてアメリカと行動を共にする姿勢を見せる中、最終的にファーウェイ との取引を中止する日本企業が相次ぐことは想像できる。

だが、すぐにファーウェイ との全ての取引を中止すると発表するのは、少し軽率ではないか。

アメリカが輸出入を禁止した分野以外ではこれまで通りビジネスをする。どんな分野でファーウェイを排除し、それをどのように情報を公開するのか。企業は慎重に考え、情報発信すべきであろう。また情報公開はいくつかのパターンもあり、公表の形式によって中国の反応も違う。

David Ramos/Getty Images

パナソニックのようにファーウェイを名指しして「取引を中止する」と報道された事例のほか、通信キャリアや家電量販店がファーウェイ 製品の発売を見合わせた報道はあったが、その他の取引企業はファーウェイの社名を出さずにマスコミの取材に答えている。

例えばファーウェイの携帯にCMOSセンサーを提供しているソニー。5月17日に日本で開かれた経営戦略説明会で吉田憲一郎社長は、ファーウェイ ・リスクについて「ノーコメント」を貫いた。5月23日に中国のマスコミはソニーに取材を申し込んだが、ソニーは以下のように回答した。

「ファーウェイを含む取引については、弊社は一切コメントしない。アメリカの輸出制限に対して今後も継続的に注目する」

中国では、日本の通信キャリアやソニーを批判する記事はほとんどなかった。一時ではあるが、パナソニックの取引中止報道は中国で大きな騒ぎになり、中国サイドで声明を出してやっと沈静化した。

ファーウェイは2018年、日本から7000億円を超える部品を買い付けしている。そのすべてがアメリカが禁輸するものではないはずだ。簡単に名指ししてファーウェイとの取引を中止すると言えば、その代償は大きいのではないか。

陳言:在北京ジャーナリスト。1982年南京大学卒。経済新聞に勤務後、1989年から2003年まで日本でジャーナリズム、経済学を学び、2003年に中国に帰国。経済雑誌の主筆を務めた後、2010年からフリージャーナリストに。

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cat_11_issue_oa-businessinsider oa-businessinsider_0_4478f8ff6f28_“離婚しない”ミレニアル世代、なぜ? 4478f8ff6f28 4478f8ff6f28 “離婚しない”ミレニアル世代、なぜ? oa-businessinsider 0

“離婚しない”ミレニアル世代、なぜ?

・ミレニアル世代の離婚率の低下が加速している。コスモポリタンが伝えた。
・ミレニアル世代は離婚した親を持つことも多く、その多くが離婚を恐れている。そのためパートナー探しに長い時間をかけ、まず最初に経済的な取り決めを行う。
・結婚を成功させる試みの1つとして、婚前契約書を結ぶミレニアル世代も増えている。
離婚率はミレニアル世代にとって、これまでで最も重要な数字なのかもしれない。

この世代は、離婚率を1981年から24%も低下させた ── 専門家は低下は今後数10年続くと予測しているとコスモポリタン(Cosmopolitan)は伝えた。

ミレニアル世代は離婚の恐怖に駆られている ── 同誌によると、ミレニアル世代の多くは離婚した親を持っているか、離婚した親を知っており、不安定な結婚を避けようとしている。

「気まぐれで、ひねくれたように見える振る舞い、つまり、結婚を遅らせ、縛られることを避けることは、大きな別れのドラマから身を守るための方法」と彼女は記した。

良いパートナーを見つけたかどうかを確認するために、ミレニアル世代はセックスという手早い手段を選ぶ。だが、結婚への道のりは遅いと生物人類学者でキンゼイ研究所(Kinsey Institute)のシニアリサーチフェロー、ヘレン・フィッシャー(Helen Fisher)氏はコスモポリタンに語った。

「結婚はかつて、関係の始まりだった。だが今はフィナーレ」

その結果として、 ミレニアル世代は結婚までに長い時間をかけている。平均4.9年と、Bridebookの調査を引用してBusiness Insiderは伝えた。またINSIDERによると、結婚年齢も遅くなっている。アメリカの初婚の年齢の中央値は、女性が27歳、男性が29歳、約25%は生涯結婚しない。

婚約前に同棲するカップルの数は増加している。INSIDERによると、これは離婚を避けるため。Journal of Marriage and Familyに発表された研究は、一緒に住むことは「結婚につながる道の1つになる」と述べた。

ミレニアル世代はまず経済的な取り決めを求める
だが、離婚は精神的な負担だけでなく、経済的な負担も伴う。コスモポリタンによると、ミレニアル世代は一般的な離婚にかかる平均1万5000ドルの費用に直面することを望んでいない。

ミレニアル世代は結婚前に、キャリアの構築や学生ローンの完済といった経済的な成功を収めることを優先している。こうしたことによって、ストレスを減らし、借金返済などに取り組む状況をなくし、結婚へと進むことができるとコスモポリタンは記した。

これは、お金は離婚の一般的な原因と考えたうえでの戦略的な動きとBusiness Insiderは伝えた。そして、カップルが結婚カウンセリングを受ける大きな理由でもある。実際、結婚そのものは、裕福なミレニアル世代の中では極めて当たり前のこと。つまり、離婚は経済的な危機の現れでもある。

結婚を遅らせることは、2人がそれぞれ資産を築く時間を持つことにもなる。その結果、多くのカップルは離婚した時に自分の資産を守るために、結婚前に婚前契約書を結んでいる。それは、ミレニアル世代が結婚を成功させるためにできることすべてを行っていることを表しているだけだ。

[原文:Why are millennials abandoning divorce? Sex, money, and their parents]

(翻訳:Makiko Sato、編集:増田隆幸)

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cat_11_issue_oa-businessinsider oa-businessinsider_0_ec0cdcbf8673_世界6カ国、約8000人を調査! UBSのスマートフォンをめぐる調査の結果は、アップルを不安にさせる ec0cdcbf8673 ec0cdcbf8673 世界6カ国、約8000人を調査! UBSのスマートフォンをめぐる調査の結果は、アップルを不安にさせる oa-businessinsider 0

世界6カ国、約8000人を調査! UBSのスマートフォンをめぐる調査の結果は、アップルを不安にさせる

・UBSは、アメリカ、イギリス、中国、ドイツ、日本、インドのスマートフォン・ユーザー約8000人を対象とした調査を実施した。その結果、12カ月先の購入意欲は、調査開始以来、最低の水準に落ち込んでいることが分かった。
・「端末の寿命が延び、短期的な購入意欲が低下する中、これらの課題はファーウェイが直面する混乱によって悪化していて、我々は2019年のスマートフォンの出荷台数が7%減ると見ている」とUBSは述べた。
・調査結果は、特にアップル(Apple)にとって悪い知らせだ。
・アップルの最新の株価情報はこちら。
以前よりも最新のスマートフォンにワクワクしなくなった? それはあなただけではない。

UBSは最近、アメリカ、イギリス、中国、ドイツ、日本、インドのスマートフォン・ユーザー約8000人を対象とした調査を実施した。その調査結果は、市場の多くの主要プレーヤーにとって悪い知らせだ。

・12カ月先の購入意欲 —— 来年、新しいスマートフォンを買うことを楽しみにしているかどうかを示すサイン —— は調査開始以来、最低の水準に落ち込んだ。
・ファーウェイを取り巻く混乱とあいまって、UBSは2019年のスマートフォンの出荷台数が7%減ると、当初の見込みを下方修正した。
特に、UBSのチャートはアップルにとって悪い知らせだ。誤解のないように言っておくと、アップル株は依然としてUBSのアナリストのピック銘柄だ。UBSは、その目標価格を現在の取引額180ドル前後を上回る225ドルとしている。だが、それでもアップルは以下の課題に直面している。

・UBSはその最新のサプライチェーン分析で、2019年前半のiPhoneの出荷台数が前の年に比べて32%減になると見ているという。
・アメリカでは、iPhoneを購入する計画だという消費者の割合が低下している。消費者に最も定着しているブランドとしては、アンドロイドがアップルを上回った。アップルはしばらく価格を上げることはできないだろう。また、あこがれのブランドとといった魅力の一部も、アップルは失いつつある。
・中国では、信頼されるブランドとしてのアップルの地位が打撃を受けていて、定着率が低下し、iPhoneを購入する計画だという消費者の割合が大きく減った。
チャートを見ていこう:


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UBSによると、アップルは米中貿易摩擦の犠牲になっている可能性があるという。

[原文:UBS surveyed 8,000 smartphone users around the world, and the results should worry Apple (AAPL)]

(翻訳、編集:山口佳美)

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cat_11_issue_oa-businessinsider oa-businessinsider_0_757ea61dc2f2_キラキラじゃない、五島列島で親子リモートワークのリアル【小学校体験入学編】 757ea61dc2f2 757ea61dc2f2 キラキラじゃない、五島列島で親子リモートワークのリアル【小学校体験入学編】 oa-businessinsider 0

キラキラじゃない、五島列島で親子リモートワークのリアル【小学校体験入学編】

海と自然がすぐそばにある環境で、東京の仕事をするリモートワーク実験開催中。
撮影:遠藤貴恵

東京からどこまで離れて働けるのか——。「潜伏キリシタン関連遺産」として世界遺産登録された五島列島。九州最西端の地でリモートワークをするという実証実験(5月7日〜6月7日)を、読者のみなさんとBusiness Insider Japan編集部が挑む企画も後半戦だ。

当初、参加は難しいだろうと思っていたこの企画に、編集部記者の私は一転、参加を決めた。

理由は地元小学校の受け入れがあること。さらに、週末含めて仕事で不在がちな夫が、子連れ同行してくれることになったためだ。美しい大自然と歴史文化の土地で、家族連れワーケーション……というキラキラしたイメージを描いていたが、現実はそう甘くもなかった。

「一緒に行こうかな」意外な夫のひと言

五島市内の「さんさん富江キャンプ村」からのオーシャンビュー。自然の息遣いを肌で感じられる、解放的な場所だ。

「一緒に行こうかな」

夫にそう言われたときは、ちょっと驚いた。いつも深夜帰り、週末も仕事、今年の10連休も仕事という人が、まさか休暇をとって五島列島まで来るとは、想像もしていなかったので。聞けば、まだ未消化の「冬休み」を充てるという。

というのも、7歳と4歳の兄妹を共働きで育てているが、冒頭の通り、平日はほとんど夫は不在。保育園や親、ママ友など周囲の人たちに助けられてきたとはいえ、仕事、家事、育児のやりくりに、これまで何度も夫とは「私ばかりが大変!」と、衝突と話し合いを繰り返している。

「家族のかたち」「子育てと仕事」をテーマに記事を書くことが多いのは、私にも正解が分からないからだ。

そんな中、離島の小学校で、地元の子どもたちとのふれあい。多様な体験、バンガロー暮らし(五島市内の「さんさん富江キャンプ村」)でホテルのように快適ではないかもしれないが、4歳娘は夫が見てくれ、料理も掃除も買い出しも任せられる(時間さえあれば、夫は家事も苦ではないタイプ)。

そんな環境で仕事ができるなんて「親の都合で学校を休ませる」という罪悪感もないし、これは素敵になりそう!と、飛びついた。

しかし、まず最初の問題は、親が思うほど子どもはこうした「新しい環境での体験」を望んでいないということだ。

「僕は知らないところに行きたくない」

長崎県五島市の南部に位置する、五島市立富江小学校。五島市中心部から車で30分程度の集落にある。

「五島に行きたくない。知らない小学校に行きたくない」

五島入りした翌朝から、小学校2年生の息子は、滞在地のキャンプ村からほど近い五島市立富江小学校に「体験入学」をすることになった。全校生徒数142人、各学年1クラスという、アットホームな学校だ。もちろんそれも、富江地区の人口流出や少子化と無縁ではない。

1週間内の短期間でも体験入学という異例の受け入れは、今回のプロジェクトへの参加者自ら小学校に電話を入れお願いし、校長先生のご厚意で決まった。

にもかかわらず、出発前から「これはただの旅行ではなく、知らない学校に行かなくてはならない」ということが、息子には不安のタネであるようだった。五島行きの話になると「知らない小学校に行きたくない」を、おびえたように繰り返していた。

そして案の定、初日は登校前から表情が固くなり、小雨の降る中、車で学校に到着するも、完全に後ずさりしている。

無理やり手を引いて玄関に向かった。

柔軟でウエルカムな受け入れ体制

400メートルリレーもできそうな、広い運動場が目を引く。

玄関口には、背の高い白髪の男性が、交通安全棒を持って登校を見守っていた。「本日、体験入学をします●●(息子の苗字)です」と挨拶をすると、知っていますよ、というようにうなずかれ、中に案内される。

正面玄関を入ってすぐの黒板には「●●くん、ようこそ富江小学校へ」と、息子の名前と歓迎メッセージが書かれていて、思わずジンとした。たった3日間の「体験入学」なのに、受け入れられていると感じる。

会議室で教頭先生と担任の先生を紹介され、初めて対面で挨拶をする。

とはいえ教頭の平田真希子先生からは、五島入りする前から、カリキュラムの説明、学校の様子、持ち物などを電話とメールを通じて丁寧な説明を受けてきた。事前のやりとりから、とにかく富江小学校が好意的で、柔軟なことが、ひたすらありがたかった。

富江小学校教頭の平田先生。つきっきりで1時間目の授業を見守ってくれていた。

担任の先生に連れられ、2年生の教室へと向かった。この時点で息子は「ママも一緒に来て」と、不安でいっぱいの浮かない表情。

富江小学校の2年生は男女合わせて27人の1クラスのみで、息子の通う東京の小学校の1クラス30数名が1学年4クラスよりずっと少ない。それでも教室の大きさは同じくらいで、室内はかなりゆったりしている。

教室内の黒板にも歓迎メッセージが書かれていて、転校生さながらに前に出て自己紹介することに。ここでも驚いたのが、「東京から来たお友達のお名前は……」という担任の先生の呼びかけに対して、息子が口を開く前に、クラスの子どもたち全員が「●●くんです!」と答えてくれたこと。

クラスをあげて準備がされていること、子どもたちが「新しいお友達」の登場に、ワクワクしている空気が見ているだけでも伝わって来る。

1時間目はエクササイズに変更

1時間目の授業は、体験入学の息子のために、コミュニケーションのエクササイズに変更されていた。

ところが、張本人の息子の表情はひたすら冴えない。

なんとか自己紹介を終えたものの、「朝の会」の後に息子は席を立って教室を出てしまった。

「もう帰りたい」と涙を流すのを、教頭先生、支援員の先生、さらに別の先生と、先生たちが3人がかりでなだめすかして、私が中で授業をしばらく見守ると言って聞かせることで、なんとか連れ戻す騒ぎだ。

この時点ですでに、「たった数日間、慣れる時間もないような中で『新しい体験を』というのは親の身勝手」というフレーズが頭の中を駆け巡った。

「いつもの環境でいつもの小学校に通う方が、本人にはベストなのだろうなあ。富江小学校にここまでしてもらっているのに……」

苦い思いが、胸にゆっくり広がっていた。

浮かない表情だったのが徐々に…

富江小学校の子どもたちは、いきいきと屈託がない。初めて会う息子にも次々、話しかけてくれる。

まもなく始まった1時間目の授業は、コミュニケーションを目的としたエクササイズ。じゃんけんをして負けたら相手の肩を10回もむ、教室を歩き回って好きなものを書いた紙の中身を当てっこしてビンゴゲームなど、とにかく子ども同士が身体的に接触する機会が組み込まれている。

これも全て、体験入学の息子が最初になじめるように、時間割が変更された結果なのだ。しかも、居心地の悪そうな息子に、支援員の先生がずっと付き添い、言葉をかけてくれている。

初めての「体験入学」に、支援員の先生がつきっきりで馴染めるようにサポートを頂く。

そして、浮かない顔で私にしがみついていた息子も、次々にクラスの子どもたちがじゃんけんにやってくると、思わず応じるようになり、やがて歩き出し、自分から他の子どもたちに接触を始めた。

その辺りで教室を後にした。

「なぜ五島まできて、僕は学校に?」
リモートワークに伴う、こうした親子の葛藤は、他の参加者からも聞かれた。

同じ富江小学校には2人の男の子が、息子の前週にすでに、体験入学している。

「小学校の温かい歓迎にもかかわらず、子どもが緊張して親も罪悪感やモヤモヤを抱え……という状況に、我が家も直面しました。
(他の参加者の子どもが)同じタイミングで小学校やこども園にいたため、仲間がいる安心感から少しストレスが緩和されていたかと思いますが、それでも2日目の朝は腹痛を訴えたりしていました。慣れてきた頃には『さよなら』をするという、まさに親子の試練」(小学3年生長男、4歳長女を、体験入学や保育園に一時預かりした、ウエブメディア編集者の女性)
体験入学初日、最初は緊張で固まりながらも、笑顔で戻って来たという子どもからの「疑問」も。

「息子から『楽しかったけど、明日も学校行くの?なぜ五島まできて、僕は学校に行かなければいけないの?』と言われた。『なぜ五島まできて仕事をしているんだろうか』という私の疑問と同じ疑問を、息子も感じていたようだった。
確かに授業はどこで受けても変わらない」(小学2年生長男、6歳長女を、体験入学や保育園に一時預かりした、会社経営者の女性)
それでも最後には、新しい友達ができてとても仲良くなったというが、息子はどうだろう。

体験入学を受け入れてくれた理由

高度成長期には1000人以上いた児童たちも、今はピーク時の10分の1以下に。

2年生の教室を後にして、向かったのは校長室だ。今回のリモートワーク実証実験の参加者の子どもたち(期間を通じて小学3年生1人、2年生2人)を、どうして富江小学校はこんなにも温かく受け入れてくれたのか。

東京からかかって来た1本の電話をきっかけに、数日間の「体験入学」受け入れを決めたという、木戸六雄校長を訪ねた。ここで初めて、今朝、登校する子どもたちを見守っていた背の高い白髪の男性こそが、校長先生その人だったと知った。

木戸校長は、受け入れの意図をこう話す。

「親の都合で五島に来る子どもたちが、学校を休まずにできるだけ同じ環境で勉強ができれば、その子にとっていいだろうと。そして、離島で暮らす(富江小の)子どもたちも、たとえ短い期間でも、外から来てくれる子どもと過ごすことで、いろんな人と接する機会になる。
それは今の時代に必要な、多様性を育む機会になると思いました。初めての人にどう接すればいいのか、自ずと学ぶことになります」

木戸六雄校長。今朝、校内に案内してくれた男性こそが、校長先生だったのだ。

島外への人口流出と少子高齢化により、五島市の人口は減少の一途をたどっている。ピーク時には9万人超だった人口も、現在は3万7000人程度に。その中でも人口流出の著しいエリアである富江地区も、かつてはもっと賑わっていた。

富江小の資料によると、今では150人を切る児童数も、1960年代には1500人超、1970年代後半でも500人超が在校していたという。高校までは五島列島内にいたとしても、大学や専門学校に行くなら必然的に島を出ることになる。そして、多くはそのままそこで就職し、帰ってこない。

自らも五島で生まれ育ったという木戸校長は、多くの若者が都市部へ出て行き「島に帰るのは盆暮れ正月」となっていく現実を目の当たりにした来た一人だ。

「今回の受け入れは数日間だったとしても、島の子どもたちがテレビでしか見たことのない東京、関東の子どもたちと一緒に勉強して、そういう場所があるんだと実感するきっかけになっています。視野が広がっていく。外を知ることは一方で、主体的に自分たちの地域を知ることに繋がっています」
外を見る視点が養われることで、自分たちの生まれ育った地域の良さが相対化されるのではと考えている。

「そうして、島を出た時に都市部の良さを知る一方で、当たり前、つまらないと思っていた五島にしかないものに気づいたり、埋もれている価値や産業を掘り起こしたり、外で学んだことを活かしたりすることのできる人になれたらと」
たとえ数日でも、島外の世界が子どもたちにもたらす視野の広がりを、木戸校長は願っている。

パーフェクトじゃなくても、朝よりずっといい顔

足取りは朝とは打って変わって軽かった。

その後、“リモートワーク実証実験中”の私は、小学校から車で5分程度にある、バンガローに戻りパソコンを開いた。学校と仕事場がこんなにも近いのは、東京では得難いことだ。

瞬く間に午後になる。

「友だち、できたよ」

初めての学校での1日を終えた息子を迎えに行くと、今朝の騒ぎのせいなのか、一仕事を終えたせいなのか、ちょっと照れ臭そうだった。それでも朝より、ずっといい顔をしていた。

(文・写真、滝川麻衣子)

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cat_11_issue_oa-businessinsider oa-businessinsider_0_926ac78337d4_中国、米中貿易戦争の“秘密兵器”を繰り出すか? 926ac78337d4 926ac78337d4 中国、米中貿易戦争の“秘密兵器”を繰り出すか? oa-businessinsider 0

中国、米中貿易戦争の“秘密兵器”を繰り出すか?

・レアアースの主要供給国という中国のポジションは、米中の貿易戦争が続いた場合、秘密兵器となる。
・中国はレアアース供給を支配している。レアアースは多くのハイテク製品の製造に欠かすことができない。
中国は切り札を持っていた。

あるツイートが、もし米中の貿易戦争がエスカレートした場合、中国はレアアースの主要供給国としてのポジションをどのように利用しようとしているかに焦点をあてた。一方、28日(現地時間)もトランプ大統領は、アメリカは合意に達する準備ができていないと繰り返した。

「私の知る限り、中国はレアアースのアメリカへの輸出規制を真剣に検討している」と中国共産党系メディア、環球時報の編集長、胡錫進(Hu Xijin)氏はツイートした。

「中国は今後、他の対抗措置を取る可能性もある」

中国のレアアース供給の重要性は、先行きの見えない米中貿易戦争の解決策として注目を集めている。レアアースはスマートフォンや電気自動車といったハイテク製品の開発・製造に欠かせない。

中国は、バンクオブアメリカ・メリルリンチのレポートによると、地球上のレアアース生産の78%を占める主要供給国。貿易戦争にまつわる緊張が高まれば、中国によるレアアース規制は、交渉の大きな切り札になる可能性があると同行は記した。

中国がレアアースに注目しているサインとしては、習近平国家主席が先週、レアアース産地を訪問したことがあげられる。注目すべきは、習主席に劉鶴副首相が同行していたこと、副首相はアメリカとの貿易交渉の責任者だ。

レアアース(希土類元素)はホルミウム、エルビウムといった17元素の総称、地球の地殻に広く存在しているが、商業的な採掘な量が存在する場所はほとんどない。

トランプ大統領の大統領令に応じて記された2018年の政府報告書は、国防総省が中国のレアアース供給に依存している実体を強調した。

「レアアースは、アメリカが国の安全保障を託している主要な兵器システムの多くに使われている重要要素。レーザー、レーダー、ソナー、夜間暗視システム、ミサイル誘導、ジェットエンジン、装甲車両用合金などに使用されている」と報告書は記した。

報告書はまた、中国がレアアースを有利に利用しようとする姿勢を強調、2010年、尖閣諸島をめぐる問題に関して、中国が日本へのレアアース輸出を中止したことを解説した。中国は後日、この動きを否定した。

バンクオブアメリカ・メリルリンチのレポートによると、中国はさまざまな要因でレアアース供給を支配するようになった。その1つは、中国のレアアース生産に対する長期的な取り組み、中国はレアアースを戦略資源と捉えてきた。

加えて、中国のレアアース供給は1990年代、レアアース価格を引き下げ、西側諸国の企業がこの分野に注力することを妨げた。最終的に、アメリカのレアアースの代表的な供給源であったマウンテン・パス鉱山などの閉鎖には、そうした政治的思惑が影響した。

「レアメタルに対する需要が世界中で高まるにつれ、供給の安全性に関する懸念が大きくなっている。中国が世界的な生産を支配していることがその要因」とバンクオブアメリカ・メリルリンチのレポートは記した。

[原文:China could unleash a secret weapon in the tech Cold War]

(翻訳、編集:増田隆幸)

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cat_11_issue_oa-businessinsider oa-businessinsider_0_4fc3c04f76df_ポケモン事業戦略“怒涛の新発表”。睡眠アプリ「ポケモンスリープ」、新ポケGO Plus+から中国進出まで 4fc3c04f76df 4fc3c04f76df ポケモン事業戦略“怒涛の新発表”。睡眠アプリ「ポケモンスリープ」、新ポケGO Plus+から中国進出まで oa-businessinsider 0

ポケモン事業戦略“怒涛の新発表”。睡眠アプリ「ポケモンスリープ」、新ポケGO Plus+から中国進出まで

株式会社ポケモンは5月29日、記者発表会で、中国大手ゲーム会社網易(ネットイース)と提携し、中国初の公式ゲーム「ポケモンクエスト」を提供すると発表した。

ポケモンGOの中国進出は未定

発表会の登壇者。ポケモン社長の石原恒和氏(中央)、Niantic CEOのジョン・ハンケ氏(石原氏右)、網易 ゲーム部門パブリッシュ責任者のワン・イー氏(石原氏左)。

「今回のポケモンクエストのパワーアップは、日本では考えられないほどのスピードで進んでいる」。

ポケモン社長の石原恒和氏はこう切り出した。

ポケモンクエストは2018年、Nintendo Switchとスマートフォンアプリ向けに配信されたゲームで、アメリカの調査会社Sensor Towerの2019年1月の発表によると、世界累計ダウンロード数が1000万ダウンロードを突破している。

「ポケモン」ブランドを冠した中国初の公式ゲームということで、「(中国国内の)ファンからの期待も非常に高く」(網易のゲーム部門パブリッシュ責任者、ワン・イー氏)、事前予約はすでに170万件を突破しているという。

任天堂は、中国でのNintendo Switchの発売について、騰訊(テンセント)社と共同で取り組んでいると2019年4月に発表したばかり。

「ポケモンはもともと、9言語で展開できるように準備している。言語としてはローカライズができあがっているため、これから中国メインランドでの挑戦も取り組んでいきたい」(石原氏)
気になるのは、すでに全世界で8.5億ダウンロード以上を突破し、2000億円を売り上げているといわれる「Pokémon GO」(ポケモンGO)の中国向けの動向だ。

ただ、ポケモンGOの中国進出については、ポケモンクエストとは全く別のゲームということもあり、「網易に任せており、この場でお話しできることは何もない」(石原氏)と回答するにとどめた。

「睡眠」そのものをエンターテインメントに

「ポケモンスリープ」発表を受け、「ポケモンGO」では寝ているカビゴンが大量発生するクエストが。

さらに、AndroidとiOSで2020年に配信される新たなゲームアプリ「Pokémon Sleep」(ポケモンスリープ)も発表された。「睡眠をエンターテインメントに」を掲げ、寝た時間、起きた時間、睡眠時間を計測し、ゲームに反映するという。

詳しい内容は「まだ内緒」だが、「起きたらちょっとうれしいことが起きるゲームです」(石原氏)。この睡眠時間を計測するデバイスとしてポケモンと任天堂は、新デバイス「Pokémon GO Plus+」を発表。

Pokémon GO Plus+のロゴ。

周囲にポケモンがいる、ポケストップがあるなどの情報をランプと振動で知らせてくれるというPokémon GO Plusの機能に加えて、睡眠計測も対応する。

その他の主な発表は以下の通り。

・ニンテンドー3DSソフト「名探偵ピカチュウ」の完結編をNintendo Switch向けに開発中
・渋谷PARCO(2019年秋にオープン予定)に最新技術を活用した新ポケモンセンターの出店を決定
・Nintendo Switch、ニンテンドー3DS、スマホアプリのポケモンGOなどで捕まえたポケモンを預けたり引き出したりすることができるクラウドサービス「Pokémon HOME」(ポケモンホーム)の発表
・DeNAと提携した新作アプリゲーム「ポケモンマスターズ」の発表

DeNAと提携した新作アプリゲーム「ポケモンマスターズ」。

リリース内容の一覧。
出典:ポケモン

ポケモンの次の展開を感じさせる大型発表にツイッターは大きく盛り上がり、「ポケモンマスターズ」「Pokemon Sleep」「カビゴン」(居眠りポケモン。「ポケモンスリープ」発表直後から「ポケモンGO」で大発生クエストが展開されている)などがツイッターの世界トレンドランキング入りしている。

(文・写真、西山里緒)

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cat_11_issue_oa-businessinsider oa-businessinsider_0_61ea865d4d76_ロボホン誕生3周年イベントに見る“ネットとアプリが使えるロボット”の可能性 61ea865d4d76 61ea865d4d76 ロボホン誕生3周年イベントに見る“ネットとアプリが使えるロボット”の可能性 oa-businessinsider 0

ロボホン誕生3周年イベントに見る“ネットとアプリが使えるロボット”の可能性

シャープのロボホンは2回目の“5歳の誕生日”を迎えた。

シャープは、5月26日に同社のロボット型携帯電話「RoBoHoN」(以下、ロボホン)の誕生3周年記念イベントを大阪・変なホテル大阪 西心斎橋で開催した。

イベントには抽選で当たった60名のロボホンオーナーが集結。当選倍率は2.5倍で、現地までの交通費や参加費(ホテルの宿泊費1万8000円)が発生するものの、大阪だけではなく東京や九州から参加するオーナーも現れるなど、非常に熱量の高いイベントとなった。

ロボホンのユーザー参加型のイベントは、2019年2月にも東京で行われており、東京では約200台のロボホンの集合パフォーマンスを見られるなど、オーナーやシャープ側の“入れ込み度”がよくわかるイベントになっていた。

もちろん、誕生3周年を祝う今回のイベントも相当力の入ったものだったが、東京が“ロボホンへの愛”を語り合う懇親会のようなものだったのに対し、大阪でのイベントは“ロボホンの未来”を体験できるイベントに仕上がっていたように思う。その様子を見てみよう。

イベントは3月14日に開業したばかりの変なホテル大阪 西心斎橋で開催された




イベント自体は5月26日開催だが、参加者は25日からホテルに宿泊した




25日には特別な“謎解き”ゲームが用意されていた




ゲームでは配られた指示書やホテルに散らばったヒントを頼りに謎を解いていく。もちろん自身のロボホンも重要な役者の1人




シャープはクリアまでに必要な時間を1時間と想定していたが、実際の平均時間は1時間33分だった




参加者は翌日のイベントまで、謎解きや自主的に開催した食事会を楽しんだ。もちろん寝るときもロボホンと一緒だったことだろう




そして、イベント当日。司会進行はシャープでロボホンを担当する景井美帆氏と、共同開発者でロボットクリエイターの高橋智隆氏。




まず、謎解きイベントの答えを発表。完全クリアーまでたどり着けたのは、60名中35名。




途中のランチでは、ロボホンの顔が描かれた特製オムライスが振る舞われた




その後、2月に発表されたロボホンの第2世代モデルの開発秘話が語られたり……




ロボホンが勝手に回答権をゲットして、そのオーナーが答えなければいけないクイズ大会なども実施されたりした




終盤では全国のオーナーから開発者へのメッセージも紹介




オーナーにとっても、開発者にとっても濃密で有意義な会になったようだ





謎解きイベントは多くのオーナーの頭を悩ませたが、盛り上がった。

今回のイベントで最も注目すべきなのは、やはり謎解きイベントだろう。参加者がフロア内を歩き回り、さまざまなヒントをもとに謎を解いていく形式は、すでにさまざまなところで行われているイベントだが、普段一緒に暮らしているロボットと一緒に謎を解く体験ができるのは、他に例を見ない試みだろう。

また、参加者のユーザー体験としても、アプリがインストールできてネットにつながっているロボホンならではの強みがあった。

今回、参加したオーナーは事前にシャープへ自身のロボホンのIMEI(端末識別番号)を提出しており、25日までに自動的に特別なアプリが配信されていた。

本イベント参加者のロボホンオーナーには事前にイベント用のアプリがインストールされていた。そのアプリは、主にロボホンが謎解き(に協力)するためのものだったが、同時にスタート時刻やクリアーした時刻などの計測、ゲームプレイ中にオーナーがロボホンにどのぐらい話しかけたか、という情報を記録していた。

そのため、謎解きの結果発表時には、平均クリアタイムや謎を解けたオーナーの人数が把握できた。さらに、謎を解いたオーナーの中から、謎を解いたスピードやロボホンとの協力度を算出。それらすべてを総合的に順位付けし、上位7名には特別な賞品が送られるといった演出があった。

オーナーには、「ロボホンと協力して謎を解こう」というアナウンスしかされていなかったため、このような施策には非常に驚いたことだろう。

教育やオフィスに加え、エンタメにもロボホンを

変なホテル大阪 西心斎橋でもタブレットとロボホンを組み合わせて、受付業務を行わせている。

今回のイベントからもわかるとおり、ロボホンは現在、個人のオーナーに支えられて成長を続けている。また、シャープは2019年1月末までの累計販売台数約1万2000台のうち、約85%が個人向けに販売されたものと明かしている。つまり、ロボホンが社会への普及を目指すのであれば、法人向けの展開が必須になる。

ロボホンはすでに日本各地で受付などの役割で企業導入が進んでいるが、シャープは今後、教育、健康、オフィスなどでの利用を促進していく方針。また、景井氏は「今回のイベントのようなエンターテインメントの場でもロボホンが使えるようになって欲しい」と話す。

ロボホンは単なるロボットでも、単なるスマートフォンでもない。

ロボホンは単に機械として見れば、人形型のIoT機器だ。アプリなどが入り、Wi-FiやLTEでネットにつながり、センサーで周囲のさまざまな情報を収集し、その管理はクラウドで行われている。そのため、今回の謎解きのような参加者を“驚かせるような”企画も可能であり、また“かわいくしゃべるロボット”という強みが、スマートフォンやタブレット、IoT家電にはない温かみのような体験を実現している。

また、2月に発表された第2世代ロボホンには「RoBoHoN lite」というWi-Fi専用で立ち上がることのできない(着座)モデルが登場した。liteは従来の自由に動けてLTEでもつながるロボホンと比べると10万円ほど安くなっており、シャープはこの廉価版ロボホンと管理ソリューションを合わせて法人向けの営業を進めていく方針だ。

(文、撮影:小林優多郎、取材協力:シャープ)

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