・ギャップが低迷している。姉妹ブランドのオールドネイビー、バナナ・リパブリック、アスレタに追い抜かれてしまった。
・直近の四半期売り上げは、同社全体では2%増となった。だが、ギャップ・ブランドの売り上げは5%減となったと報じられた。
・理由を探るためにギャップの店舗を訪れてみた。
低迷するブランド、ギャップ(Gap)は姉妹ブランドに追い抜かれてしまった。
同ブランドをはじめ、バナナ・リパブリック(Banana Republic)、オールドネイビー(Old Navy)、アスレタ(Athleta)を保有するアパレル企業ギャップ(Gap Inc.)の直近の四半期売り上げは2%増加した。その原動力となったのはオールドネイビーとアスレタ。7四半期連続の売り上げ増となった。
だが、社名となっているブランド「ギャップ」自体は低迷している。直近の四半期の売り上げは5%減となった。
「景気上昇の潮流が、小売店という船を浮かび上がらせた。だが、穴の空いた船を浮上させることはできない。我々は、ギャップはまだ大きな穴が空いた船だと考えている」とグローバルデータ・リテール(GlobalData Retail)のマネージング・ディレクター、ニール・サンダース(Neil Saunders)氏はリテール・ダイブ(Retail Dive)にメールで語った。
ギャップは店舗にある商品のほぼすべてを値下げするという誤りを繰り返している。利益を圧迫し、顧客は正規の価格で買わなくなってしまった。また、姉妹ブランドのオールドネイビーと同じようなデザインとクオリティにもかかわらず、ギャップの方がずっと価格が高い。
だが、同社CEOのアート・ペック(Art Peck )氏は8月23日(現地時間)、「四半期ごとにパフォーマンスが向上している。最悪の時期は過ぎたと信じている」と語った。
ギャップの店舗は今、どうなっているのか。ニューヨークにある店舗を訪れてみた。
金融街にあるギャップに行ってみた。ショーウィンドウには40%オフのサインがあり、入り口の外には70%オフのサインがあった。
Business Insider/Jessica Tyler
1階はレディース。
Business Insider/Jessica Tyler
概して、かなり値段が高かった。
Business Insider/Jessica Tyler
Tシャツでさえ少し高め。グレーのシンプルなTシャツは35ドル。
Business Insider/Jessica Tyler
価格に対して、デザインはそれほどでもない。並べられているシャツは伸びて、しわが寄っているものも多かった。
Business Insider/Jessica Tyler
誰をターゲットにしているのか分からない。店にある商品の多くは、姉妹ブランドのオールドネイビーと競合しているように思えた。だが価格はギャップの方が高い。
Business Insider/Jessica Tyler
小物も割高。このベルトは35ドル。
Business Insider/Jessica Tyler
ロゴ入りパーカーは40ドル。だが店内のほとんどの商品は40%オフになっていた。
Business Insider/Jessica Tyler
スリープウェアもある。
Business Insider/Jessica Tyler
スポーツウェアもある。
Business Insider/Jessica Tyler
だが、スポーツウェアとして売られていたものの中には、あまりスポーツに向いてなさそうな商品もあった。
Business Insider/Jessica Tyler
広々としたセール・コーナーには、水着、Tシャツ、デニムが並べられ、すべて15ドル以下になっていた。デニムは元の価格の75%オフ近くになっていた。
Business Insider/Jessica Tyler
2階はキッズ。価格はレディースとほぼ同じ。
Business Insider/Jessica Tyler
メンズは地下。レディースやキッズよりも高かった。ジーンズは約80ドル、フランネルのシャツは60ドル。
Business Insider/Jessica Tyler
シミがついた商品もあった。
Business Insider/Jessica Tyler
ギャップの服のクオリティは高いが、商品は基本的に姉妹ブランドのオールドネイビーと同じ。だが、価格はかなり高かった。ギャップが低迷している理由は明らかだった。
Business Insider/Jessica Tyler
[原文:Gap is struggling to keep up with its sister brands — we visited the store and saw why (GAP)]
(翻訳:R. Yamaguchi、編集:増田隆幸)