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こんなバーに行ってみたい!

2020年8月11日 07:05 BOOKウォッチ

 コロナ禍のいま、出版がもう少し早ければと悔やまれる本が散見される。本書『バーテンダーの流儀』(集英社新書)もそんな一冊だ。3密を避けるために、営業の自粛が求められたバーなどの飲食店。マスターが一人で営む正統派のバーは「接待を伴う」という決まり文句が当てはまらないので、セーフだと思うのだが、客足は鈍っているようだ。しかるべき時期に行ってみたいバーとバーテンダーを取り上げた本だ。

漫画『バーテンダー』の原作者

 
 著者の城アラキさんは、ヒット作『バーテンダー』『ソムリエ』をはじめ、酒と酒にまつわる人間関係を描き続けてきた漫画原作者。『バーテンダー』は16年連載され、今年(2020年)完結した。見習いバーテンダーに「漫画の『バーテンダー』を読んでバーテンダーになりました」と、こっそり打ち明けられたこともあるという。
 

 ・ホテルのバーに「扉」がない理由は何か? 
 ・「最初の一杯」は何を頼むのがベストか? 
 ・なぜバーで酔っ払ってはいけないのか? 
 ・なぜバーで「あちらの女性に一杯」が迷惑なのか?
 

 初心者から通まで、誰もがバーを楽しめるコツやエピソードを披露している。

バーテンダーという生き方を選ぶ

 
 酒は好きだが、あまり行儀がいい客とは言えない評者には耳が痛い卓見があちこちに書いてあり、酔いが醒める思いがした。バーで酔っ払う客だから、どうしようもない。
 
 気の利いた警句のような文章がいくつもある。
 

「人はバーテンダーという仕事に就くのではない。  
  バーテンダーという生き方を選ぶのだ」
 

 どうです。かっこいいでしょう。

伝説の「コウベハイボール」

 
 そんな凛としたバーテンダーに出会ったことがある。よく冷やしたグラスとウイスキー、そこに炭酸を注ぐというハイボールのスタイルを生んだのが、かつて神戸市にあった「コウベハイボール」だ。ハイボール発祥の店で、ここから全国に広まったという。1980年代、評者の職場がこの店の上階にあったため、毎晩のように先輩と連れ立って店に通った。
 
 飲むのは当然、ハイボールのみ。つまみはあまり記憶にない。ナッツなど乾き物くらいしかなかったような気がする。マスターはほとんど客と話さなかった。黙々とシェイクし、グラスに酒を注いだ。
 
 この店は切り絵作家の成田一徹さんがバーの切り絵作家になるきっかけを作った店でもある。成田さんは急逝したが、その新刊『NARITA ITTETSU to the BAR』(Office Ittetsu監修、『to the BAR』編纂委員会編纂、神戸新聞総合出版センター刊、2014年)が出たことを本書で知った。本書の帯に成田さんの切り絵が使われている。

新聞記者からバーテンダーに

 
 成田さんの原画の保管管理は畏友でもあった大阪の「Bar UK」の荒川英二さんが行っている。大阪市北区曽根崎新地にある店では成田さんの切り絵原画を展示している。
 
 荒川さんはグリコ森永事件の頃、兵庫県警を回っていた元朝日新聞記者だ。独特の取材方法で事件にリアルタイムで迫った敏腕記者だった。退職後、堂島川に面したビルの地下に店を構えた。新聞記者からバーテンダーに。まさに「バーテンダーという生き方を選んだ」人だと思う。もちろん、「コウベハイボール」がお手本であることは言うまでもない。
 
 巻末には「Bar UK」をはじめ、城さんが厳選した全国のBARリスト100が収められている。本書でマナーを予習してから行くといいだろう。
 
 BOOKウォッチでは、サントリー宣伝部勤務を経て作家になった吉村喜彦さんの『バー堂島』(ハルキ文庫)などを紹介済みだ。
  
(BOOKウォッチ編集部)

書名: バーテンダーの流儀
監修・編集・著者名: 城アラキ 著
出版社名: 集英社
出版年月日: 2020年4月22日
定価: 本体820円+税
判型・ページ数: 新書判・220ページ
ISBN: 9784087211177

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飢餓のガダルカナルで大隊長は肉の缶詰を独占していた・・・

2020年8月11日 06:30 BOOKウォッチ

 タイトルを見ただけで、何となくわかったような気分になる。『兵士たちの戦後史――戦後日本社会を支えた人びと』 (岩波現代文庫)。あの戦争を戦った元日本軍兵士が、戦後の日本社会でどう生きて、どんな思いを抱いていたかという物語――。
 
 たしかにその通りの内容だが、いろいろと認識を新たにするような話が出てくる。とにかく「エビデンス」が豊富なのだ。「元日本軍兵士」と言っても多様で、決してひとくくりにできないことがよくわかる。

「日本軍兵士」の多くは餓死

 
 著者の吉田裕さんは1954年生まれ。一橋大学大学院社会学研究科特任教授。東京大空襲・戦災資料センター館長。2017年に出した『日本軍兵士――アジア・太平洋戦争の現実』 (中公新書)がベストセラーになった。アジア・太平洋賞特別賞や新書大賞を受賞。BOOKウォッチでも紹介した。
 
 同書の最大の特徴は、兵士たちの最期が、実は悲惨なものだったということを克明に伝えたこと。「壮絶な戦死」の実相を、これでもかというくらい綿密に綴っていた。
 
 アジア・太平洋戦争の日本人の戦没者は、日本政府によると、約310万人。軍人・軍属が約230万人、外地の一般邦人が約30万人、空襲などによる日本国内の戦災死没者が約50万人。この中で多数を占める軍人・軍属の死で最も目立つのは「餓死」だったというのだ。
 
 栄養失調による餓死と、栄養失調による体力消耗でマラリアなどに感染して病死した広義の餓死を合わせると140万人(61%)と見るのが元一橋大教授の藤原彰氏(『餓死した英霊たち』)。これを過大とする現代史研究者の秦郁彦氏も、37%という餓死推定率を示し、「内外の戦史に類を見ない異常な高率」(『旧日本陸海軍の生態学』)と指摘しているという。どちらにしても相当な数字だ。
 
 形式上は「戦病死」とされていても、実態は異なる死も多かった。代表格が「自殺」「自決」だ。さらに怖いのが「処置」だという。
 
 上官の命令による「他殺」である。傷病兵など足手まといの兵士に自決を勧告、応じなければ射殺、もしくは衛生兵による「注射」――同書にはそうした「戦死」の実相がこってり記されていた。

『日本軍兵士』の原点

 
 本書は、2011年7月、「シリーズ戦争の経験を問う」の一冊として岩波書店から刊行され、このほど文庫化されたもの。したがって原著は『日本軍兵士』よりも前の刊行だ。以下の構成となっている。
 

 序章 一つの時代の終わり 
 第一章 敗戦と占領  
 1 戦場の諸相  
 2 敗戦と復員  
 第二章 講和条約の発効 
 1 講和条約の発効と 「逆コース」  
 2 旧軍人の結集  
 3 「戦記もの」ブームと 「戦中派」の登場 
 第三章 高度成長と戦争体験の風化  
 1 高度経済成長下の日本社会  
 2 戦友会・旧軍人団体の発展  
 3 「戦記もの」の動向 
 第四章 高揚の中の対立と分化(一九七〇年代‐一九八〇年代)  
 1 戦友会・旧軍人団体の最盛期  
 2 最盛期の背景  
 3 変化の兆し  
 4 語り始めた元兵士たち 
 第五章 終焉の時代へ  
 1 旧軍人団体の活動の停滞  
 2 侵略戦争論への反発  
 3 持続する変化 終章 経験を引き受けるということ
 

 本書執筆のきっかけは戦場体験者の急減だ。会員の死亡や高齢化で「戦友会」は次々と解散、戦後を生きた「元兵士」は減る一方。著者はジャーナリストではないので、最後の生き証人に改めて取材したり、インタビューしたりしたわけではない。現代史の研究者として、元兵士たちが書き残してきた手記や証言に注目する。そこから改めて彼らの戦後を浮かび上がらせている。その手法がのちに『日本軍兵士』でも生かされたと言えるだろう。

上官と下級兵士に情報格差

 
 旧軍人の回顧録には、実は「格差」が存在することはよく知られている。戦争が終わって10年もたたないころ、早くも「戦記・戦史」の出版ラッシュが訪れた。筆者の多くは、「元高級将校」。戦争を推進した人たちだった。彼らは豊富な情報を持っており、執筆するだけの知力、ネットワークもあった。主たる狙いは、戦争の正当化だった。
 
 続いて下士官クラスの実録物が登場する。数多く出版された。「日本軍の威勢の良いものほど売れ行きがよい」(読売新聞、1956年4月14日)という戦記ものブームが起きた。しかし、読売新聞が「戦記もの"ブーム"をどう見るか」という投稿を募集したところ、集まった400通のうち、批判的、否定的なものが260余通、肯定的なものが80余通、ブームは間もなく消滅する、が50余通だったという。
 
 「文藝春秋」は1955年、幕僚将校や司令官クラスを執筆者に「日本陸海軍の総決算」という特集を組んだ。当時の編集長によれば、「将軍や参謀は敗戦の責任者であるのに反省していない」という投書が多かったという。
 
 この当時の「戦争回顧もの」の執筆者は、軍の階級的には下士官が下限。一般兵士の手記はあまりなかった。そのことについて作家の野呂邦暢は、1975年のエッセイで、「下級兵士たちは戦場においても情報を得ることが極めて稀で、自分がどこの何という地点に居るのかさえ知らないことが多い。ただ無我夢中で戦うだけである。経験した戦いを戦後振り返ってみても、自分がいつ何をしたかということが断片的な記憶の域からでない」と書いている。つまり、まとまった何かを書き残そうとしても、将官たちとは情報格差があった。

軍隊は地獄だった

 
 そこで吉田さんが注目したのは、「戦友会誌」のたぐいである。かつては戦友会ごとに保管されていたが、会員の死亡や高齢化で戦友会を解散、会報がまとめて図書館などに寄贈されるケースが増えてきた。そこには雑多な投稿が掲載されている。それらを丹念にチェックすることで、「下級兵士」の実像を探った。本書の「エビデンス」となっている。
 
 まず「戦友会誌」からわかるのは、「戦友会」に加入することを嫌がる人がたくさんいたことだった。たとえば「ラバウルの戦友」第3号(1970年)には、「しごかれた胸糞の悪い思い出ばかり・・・1、2号代ご送金しますが、以後は打ち切ってください」という投稿が載っている。編集者は「同趣旨の来信は他に3通あり」と記している。
 
 歩兵第六二連隊(香川・善通寺)は1984年、中隊史の編集への協力を呼び掛けた。元兵士の一人から、こんな返事が届いた。
 

「あの戦時の中隊内は一生わすれない暴力の集団です。ですから中隊の会合又刊行等には不参加させていただきますので今後一切便りをくれないで下さい。鬼のような古参兵にはいまだに『いきどおり』を思います・・・一生のうち一番ぢごくでくらしたやうなもの」
 

 金沢で編成された歩兵第七連隊の戦友会「歩七会」の組織率は24.5%。実際に、戦友会の会員になっても、活動していたのは一部にとどまっていたようだ。「歩五八会」(新潟・高田)は1972年6月、「中隊懇親会の案内」を170人に往復はがきで送ったが、出席35、欠席45、残りの90人からは「何の連絡もなかった」という。戦後の「戦友会」に積極参加していたのは「元兵士」の一部だったことがわかる。

「遺族への配慮」が殺し文句

 
 「会誌」には意外な側面があった。かなり手厳しい内容の寄稿でも、「戦友」によるものなので、掲載されることが少なくなかったのだ。
 
 たとえば、先の「ラバウルの戦友」誌の第8号(1971年)にはガダルカナルで「隊員が飢餓状態にあるにもかかわらず、肉の缶詰を独占していた大隊長や、米の分配の際に不正をして自分の取り分を増やそうとした中隊長」などの醜聞も掲載されている。こうした投稿に対しては、実態は認めつつも「遺族が読まれた場合、どのような感をもたれるであろうか」という反応もあった。「遺族への配慮」が、証言を封じる「殺し文句」となっていたことがわかると吉田さん。。
 
 「南京事件」についてはこんなこともあった。陸軍将校OBなどの団体、偕行社の機関誌「偕行」が、1984年4月号から85年2月号にかけ「南京戦史」を連載した。南京事件が架空だということを論証しようとした企画だった。ところが、捕虜などの大量虐殺を裏付ける史料や証言が次々と現れてくる。結局、85年3月号で「『証言による南京戦史』(最終回)〈その総括的考察〉」を掲載し、「この大量の不法処理には弁解の余地はない。旧日本軍の縁につながる者として、中国人民に深く詫びるしかない。まことに相すまぬ、むごいことであった」との立場を明確にしたという。その後、さらに内部で論争が続いたそうだ。
 
 本書では、「戦友会会誌の変化」「加害行為への言及」「内部論争の公然化」「旧陸軍航空隊関係者内の対立」「部隊史に対する批判・部隊史の変化」「慰安婦問題をめぐる論争」「語り始めた元兵士たち」などの項目もある。上級、下級など軍の階級間の対立だけでなく、上級の中でも意見対立があったことがわかる。

殺人、強姦、極限状態の人肉食

 
 海軍飛行科予備学生第十四期の戦友会では、集まりに来ない多くの仲間を「レジスタンス組」と呼んでいた。その一人は、「私は一日に少なくとも一回は戦死した奴のことを思い出す。『生きている奴とはつき合っていなくても、死んだ奴とはつき合っている』」と書き残している。このほか、度胸試しの殺人、強姦、極限状態の人肉食などを戦後の手記で証言した人もいる。戦場から生き返った元兵士が、どのようなトラウマを抱えながら戦後を生きたか、よくわかる構成となっている。
 
 「序章」の冒頭では、井上靖の「昭和も遠く」という一文が引用されている。あの戦争で兵士として死んでしまった若き友人たちを偲ぶ内容だ。作家の静かな怒りが伝わり、一読に値する。
 
 BOOKウォッチでは関連で『帝国軍人』 (角川新書)、『戦慄の記録 インパール』(岩波書店)、『ノモンハン 責任なき戦い』 (講談社現代新書)、『なぜ必敗の戦争を始めたのか』(文春新書)、『日本人はなぜ戦争へと向かったのか 戦中編』(NHK出版)、『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』(新潮文庫)、『論点別 昭和史 戦争への道』 (講談社現代新書)、『戦争とトラウマ――不可視化された日本兵の戦争神経症』(吉川弘文館)、『保守と大東亜戦争』(集英社新書)、『みんなで戦争――銃後美談と動員のフォークロア』(青弓社)、『帝国軍人の弁明』(筑摩選書)、『マーシャル、父の戦場――ある日本兵の日記をめぐる歴史実践』(みずき書林)、『特攻――自殺兵器となった学徒兵兄弟の証言』(新日本出版社)、『不死身の特攻兵』(講談社現代新書)、『海軍伏龍特攻隊』(光人社NF文庫)、『陸軍・秘密情報機関の男』(新日本出版社)、『僕は少年ゲリラ兵だった――陸軍中野学校が作った沖縄秘密部隊』(新潮社)、『増補 南京事件論争史』(平凡社)、『戦前不敬発言大全』(パブリブ刊)、『文書・証言による日本軍「慰安婦」強制連行』(論創社)、『陸軍登戸研究所〈秘密戦〉の世界――風船爆弾・生物兵器・偽札を探る』(明治大学出版会)、『731部隊と戦後日本』(花伝社)、『証言 治安維持法』(NHK出版新書)、『抹殺された日本軍恤兵部の正体――この組織は何をし、なぜ忘れ去られたのか? 』(扶桑社新書)、『アメリカの原爆神話と情報操作』(朝日新聞出版)、『本土空襲 全記録』(株式会社KADOKAWA)、『大本営発表』(幻冬舎新書)など多数を紹介済みだ。

(BOOKウォッチ編集部)

書名: 兵士たちの戦後史
サブタイトル: 戦後日本社会を支えた人びと
監修・編集・著者名: 吉田裕 著
出版社名: 岩波書店
出版年月日: 2020年2月24日
定価: 本体1540円+税
判型・ページ数: A6判・370ページ
ISBN: 9784006004163

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ばっさりショートヘアの与田祐希が濡れ髪!? NMB48加藤夕夏が裏表紙を飾る「BOMB」

2020年8月10日 18:30 BOOKウォッチ

 ばっさりと髪を切り、ショートヘアになった乃木坂46の与田祐希さん。「BOMB(ボム)」2020年9月号(ワン・パブリッシング)の表紙と巻頭ページに登場している。

画像は、乃木坂46の与田祐希さんが表紙を飾る「BOMB」2020年9月号(ワン・パブリッシング)
 
 誌面では、真っ白いTシャツにブルーのサロペット、エメラルドグリーンのタイトなタンクトップ姿など、夏らしいさわやかな装いだけでなく、素肌感ある黒のトップスや、バスルームで濡れ髪姿といった、セクシーで大人っぽさを感じるショットが見られる。

画像は、「BOMB」2020年9月号(ワン・パブリッシング)の裏表紙。NMB48の加藤夕夏さん
 
 裏表紙には、NMB48の加藤夕夏さんがビキニで登場。大人セクシーなカットが見どころだ。
 
 付録は2つある。ひとつは、夏らしい衣装でこちらを見つめる与田さんのB2(515ミリ×728ミリ)サイズ超ビッグ両面ポスターだ。以下の画像はポスターのサンプル写真(提供:ワン・パブリッシング)

 

 
 
 もうひとつは、加藤さんと乃木坂46の掛橋沙耶香さんの両面ポスター。こちらも迫力のB2サイズ。以下の画像はポスターのサンプル写真(提供:ワン・パブリッシング)

掛橋沙耶香さん(乃木坂46)

加藤夕夏さん(NMB48)
 
 そのほか、小芝風花さんや木下彩音さん、アンジュルムなども登場する。美女たちを眺めながら、家でゆっくり過ごすのも悪くない。
 
(BOOKウォッチ編集部)

書名: BOMB 2020年9月号
監修・編集・著者名: BOMB 編集部 編
出版社名: ワン・パブリッシング
出版年月日: 2020年8月 6日
定価: 本体998円+税
判型・ページ数: AB判

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検索できない! ここでしか読めない! 「オレンジページ」ベテラン編集者らによるレシピ本

2020年8月10日 16:31 BOOKウォッチ

 日々、料理家のレシピに触れている雑誌の編集者たちは、家でどんな料理を作っているのだろう。
 
 東京都港区にオフィスを構える、料理雑誌「オレンジページ」(株式会社オレンジページ)のベテラン編集者4人による緊急企画が実現した。在宅勤務が続く中、自宅でセルフ調理&撮影、編集作業とリモートワークで、それぞれのお気に入りレシピを紹介する、とっておきの電子書籍が完成。2020年7月31日から、「和食」と「おやつ」の2種が、各電子書籍ストア(※)で順次配信スタートしている。

画像は、『検索できないレシピ 和食 オレぺの中の人のうちの味・好きな味』(左)と『検索できないレシピ おやつ オレぺの中の人のうちの味・好きな味』(右・いずれもオレンジページ)
 
 本書『検索できないレシピ 和食 オレぺの中の人のうちの味・好きな味』『検索できないレシピ おやつ オレぺの中の人のうちの味・好きな味』のテーマは、「検索できない」おいしいレシピ。4人の編集者たちは、次のように考えてレシピを厳選した。

●入社26年目 計量が苦手な山田さんの場合(和食編)
「それってあり?」とだれもが思う驚きに満ちたもの。それでいてアレンジがしやすい自由なレシピ
●入社28年目 「人が喜ぶため」に料理をしている宮川さんの場合(おやつ編)
素朴で飾り気がなくても、「ホームメイド」ならではのおいしさ&温かさが感じられるレシピ
●入社28年目 独身生活満喫中の福島さんの場合(和食編)
自分でなにかを作るときエッセンスとして活用できる技や工夫が隠されているレシピ
●入社25年目 甘党の息子がいる藤井さんの場合(おやつ編)
子どもといっしょに楽しく作れるもの。生地の工程がシンプルで、形作りの作業がおもしろいレシピ

 それぞれ異なる理想がある様子。これまでに数え切れないほどのレシピを世に送り出してきた、4人の料理編集者がくり返し作っているというレシピを、本書では紹介している。

『検索できないレシピ おやつ オレぺの中の人のうちの味・好きな味』(オレンジページ)より、宮川さんの「昔ながらの堅いカスタードプリン」
 
 これまでどこにも出してこなかった、検索できないプライベートレシピを、それにまつわるおいしい物語とともに味わえる貴重なレシピ本だ。
 
 たとえば、宮川さんの「昔ながらの堅いカスタードプリン」や、福島さんの「ポークカレー」など、おいしそうなのはもちろん、どこか懐かしいぬくもりがこちらにまで伝わってくる。

『検索できないレシピ 和食 オレぺの中の人のうちの味・好きな味』(オレンジページ)より、福島さんの「ポークカレー」
 
 さらに、レシピ誕生の裏話や料理家とのエピソード、自分で作り続けているうちにつのった思いや工夫、子ども時代の「食」の思い出まで。これまで限られた紙のページの中では書ききれなかった、読みごたえ十分のアナザーストーリーもたっぷり詰まっている。
 
 普通のレシピ本では満足できない人にこそ、ぜひ手にとってみてほしい。

※取り扱い電子書籍ストア
Kindle/楽天Kobo/Reader store/auブックパス/ebookjapan/dブック/ブックウォーカー/GoolgePlay/キノッピー ほか

(BOOKウォッチ編集部)

書名: 検索できないレシピ 和食 オレぺの中の人のうちの味・好きな味、検索できないレシピ おやつ オレぺの中の人のうちの味・好きな味
監修・編集・著者名: オレンジページ 編集部 編
出版社名: オレンジページ
出版年月日: 2020年7月31日
定価: 各550円(税込み)
備考: 電子版のみ。「和食」「おやつ」の2種あり。

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cat_12_issue_oa-bookwatch oa-bookwatch_0_jo9hpexg35o3_お盆って何をする日? 意外と知らない日本の歳時記 jo9hpexg35o3 jo9hpexg35o3 お盆って何をする日? 意外と知らない日本の歳時記 oa-bookwatch 0

お盆って何をする日? 意外と知らない日本の歳時記

2020年8月10日 11:31 BOOKウォッチ

 世の中はお盆休み。よく聞くけれど、そもそもお盆って何をする日? そう聞かれたら即答できるだろうか。今年の夏は、家でゆっくりと日本の歳時記を学ぶのもいいかもしれない。

画像は、『きょうは なにして 遊ぶ? 季節のこよみ』(偕成社)の表紙
 
 『きょうは なにして 遊ぶ? 季節のこよみ』(偕成社)は、「朝日小学生新聞」の人気連載を単行本化したもの。日本のこよみや年中行事などを子どもにもわかりやすく解説している。項目は春夏秋冬に分かれ、春は「ひなまつり」「花かんむり」、夏は「新茶」「夏至」「七夕」「お盆」「暑気払い」、秋は「お月見」、冬は「鏡開き」などが豊富なイラストと共に紹介されている。

写真は、『きょうは なにして 遊ぶ? 季節のこよみ』(偕成社)より。夏の「お盆」のページ
 
 お盆のページには、「お正月と同じくらいに一年の中でも重要なもの」と説明されている。本来は7月13日から16日がお盆だが、ひと月遅れでする家や地域もある。お盆には家族でお墓に仏さまを迎えに行く。お盆の間は家に来ている仏さまを歓迎し、ごちそうをお供えして、みんなで食べる。
 
 お盆にはキュウリの馬やナスの牛を作って飾る風習もある。これらは仏さまの乗り物でキュウリの馬に乗ってあの世から早足でやってきて、お盆が終わるころには牛に乗ってゆっくりと帰っていくのだとか。
 
 著者は、ほっこりするやさしいタッチで定評のあるイラストレーターの平野恵理子さん。全編に登場するキャラクター「サイジくん」と「コヨミちゃん」と一緒に1年をたどることで、子どもにも理解しやすく構成されている。
 
 各季節の最後には、松尾芭蕉や与謝野晶子などによる季節に合った俳句を掲載しているほか、巻末のコラムには新暦と旧暦、二十四節気、十二支、和風月名など、こよみに関する話もある。

写真は、『きょうは なにして 遊ぶ? 季節のこよみ』(偕成社)より。こよみのコラムページ
 
(BOOKウォッチ編集部)

書名: きょうは なにして 遊ぶ? 季節のこよみ
監修・編集・著者名: 平野恵理子 著
出版社名: 偕成社
出版年月日: 2019年7月30日
定価: 本体2,000円+ 税
判型・ページ数: 128ページ
ISBN: 9784035334804

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cat_12_issue_oa-bookwatch oa-bookwatch_0_lblvj4a1y025_1940年、東京湾岸で万国博覧会が開かれる予定だった! lblvj4a1y025 lblvj4a1y025 1940年、東京湾岸で万国博覧会が開かれる予定だった! oa-bookwatch 0

1940年、東京湾岸で万国博覧会が開かれる予定だった!

2020年8月10日 08:15 BOOKウォッチ

 東京オリンピックが予定通り開催されていたならば、多くの競技会場として世界中から人が集まり、世界中の人々が注視していたに違いない東京湾岸。その歴史と文化について、地域ごとにエピソードを紹介し一冊にまとめた読み物が本書『ぐるっと湾岸 再発見』(花伝社)である。

著者は「湾岸人」の建築学部教授

 
 東京湾岸と言うと、「何もない埋め立て地」「大規模開発の連続で人間味に欠ける」と思われがちだが、そうしたイメージを覆す内容になっている。
 
 著者の志村秀明さんは芝浦工業大学建築学部教授。1968年、東京湾岸の月島に生まれ、月島在住。勤務先の芝浦工大はやはり湾岸の豊洲にあるから、どっぷり東京湾岸につかった人と言っていいだろう。

街歩きのガイドブックにも

 
 晴海、豊洲、東雲・辰巳、有明などの13章から成るが、セールスポイントは以下の4点だ。
 

 ・地域ごとに章を設け、晴海、豊洲など近年注目の集まる地域から、東雲・辰巳などこれまであまり歴史
 ・文化の文脈で語られることのなかった地域までを網羅していること 
 ・見開き構成を基本とし、章の冒頭に地図を掲載し、街歩きのガイドブックとしても使えること 
 ・最終の第13章では明治以降の東京湾岸の開発の歴史をまとめ、都市計画を通史的に紹介していること 
 ・延期になった東京2020オリンピックの多くの会場を有し、注目が集まる地域を網羅的に知ることができること
 

海底の土砂を積み上げて埋立地に

 
 原稿の初出は、東京湾岸地域の情報誌「豊洲 Brisa」と「りんかい Breeze」の連載コラムだ。計41本のコラムを11の地区ごとに紹介した。
 
 徳川家康による江戸開府以来、東京湾岸は東京の発展を支えてきた。特に明治以降の歴史をこうコンパクトにまとめている。
 

「東京湾には隅田川が上流から絶えず土砂を運んでくるために、水深が浅く、大型船が入って来られませんでした。そこで、海底の土砂を積み上げてできたのが埋立地で、それら埋立地群によって東京湾岸地域が形成されていきます」
 

 近代化には工場が付きものだ。中央区石川島(中央区佃)と、明治時代に埋められた月島に、まず造船所や鉄工所といった工場がつくられ、昭和初期に埋め立てが完成した豊洲にも造船所や鉄工所がつくられた。
 
 戦後、石炭などの燃料やガス、電気が必要となったが、東京には発電所やガス工場をつくる土地がなかった。そこで豊洲埠頭(豊洲6丁目)を埋め立てて、石炭埠頭や発電所、ガス工場を建設した。
 
 築地市場から豊洲市場への移転に際し、有害物質が地下から検出された。それはこのガス工場に由来するものだった。

オリンピック、万博との奇縁

 
 オリンピックにかんして、このエリアは不思議な因縁があることを本書で知った。幻に終わった1940年の東京五輪。その年に、東京湾岸の晴海・豊洲・東雲・有明を会場にした「日本万国博覧会」が開催される予定だったが、同じ理由で中止になったという。
 
 もし、来年に延期された東京五輪が中止になると、ますます因縁が深いエリアだという気がする。

東京湾岸は千葉、神奈川も

 
 しかし、五輪が仮に中止になっても、東京湾岸は今後、ますます発展することは間違いない。評者は週1回、江東区の新木場駅から千葉の蘇我駅までJR京葉線に乗ることにしている。かつて「ゴミの島」と呼ばれた「夢の島」埋立地にはスポーツ施設や工場が立ち並び、葛西臨海公園は癒しのスポットになっている。さらに千葉県浦安市に入ると、「東京ディズニーランド」と「東京ディズニーシー」の威容がそびえる。市川市、船橋市には巨大な工場や倉庫が並び、日本離れした景観になっている。
 
 気分が晴れないときでも、京葉線に乗ると、悩みごとがちっぽけなことに思えてくる。まさに「超景観」とでも言うべき展観だ。
 
 東京湾岸は東京だけではない。千葉県や神奈川県を視野に入れた類書の刊行を望みたい。
 
 BOOKウォッチでは、関連で『選手村マンション「晴海フラッグ」は買いか?』(朝日新聞出版)、『限界のタワーマンション』 (集英社新書)などを紹介済みだ。

(BOOKウォッチ編集部)

書名: ぐるっと湾岸 再発見
サブタイトル: 東京湾岸それぞれの物語
監修・編集・著者名: 志村秀明 著
出版社名: 花伝社
出版年月日: 2020年7月20日
定価: 本体1500円+税
判型・ページ数: 四六判・208ページ
ISBN: 9784763409331

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鉄板カラー「紺色」のオシャレ幅を広げる特集「VERY」

2020年8月10日 07:31 BOOKウォッチ

 何かと例年通りには行かないことが多い今日この頃。「そろそろこの生活に慣れていかないと」と新しい日常でのファッションを模索し始めた人も多いのでは。

画像は、「VERY」2020年9月号(光文社)
 
 ファッション誌「VERY」2020年9月号(光文社)では、「楽するカジュアルから脱皮しなきゃ! 9月のリスタートきれいめ服プラン」と題し、ステイホーム中のただラクなだけの服と気合を入れて着こなす服のちょうど中間とも言える、あか抜けたコーディネートを紹介している。
 
 特集の中で、目を引いたのは、着回しの優先度を上げたい人向けの「母らしさだけじゃない! 失敗しない紺の選び方」。紺色は子どもの送迎や学校行事、ママ会などさまざまなシーンで役立つ鉄板カラーだが、デザインや組み合わせでオシャレの幅がグッと広がることがわかる内容だ。
 
 シンプルなスタイルを秋らしく更新したい人へ向けたページでは、着なれた"おうち服"にちょい足しすると外出用のコーデに早変わりするテクニックを紹介している。買い物の参考になりそうだ。ほかに、ゆるっとシルエットに頼りきっていた人向けのプランなどもある。
 
 また、注目したいのはモデルや「VERY」編集部も頼りにしているという「あおきさん占い。」の青木良文さんによる金運アップの財布選び。記事によると、3年以上使っている財布には金運が生まれないとも言われているそう。
 
 今年は金の年で財布を替えるチャンス。財布は使い始めが肝心で、新月の9月17日がおすすめ。誌面では、財布の色や形など運を呼ぶキーワードが詳しく紹介されている。

画像は、「VERY」2020年9月号(光文社)の貼り込み付録(撮影:BOOKウォッチ編集部)
 
 「VERY」9月号には、貼り込み付録がある。「LUX プレミアム ボタニフィーク」のシャンプー、トリートメント、ボディソープ2種のお試しサシェ4品だ。心地いい香りに包まれて、1日の疲れをいやしてみては。

(BOOKウォッチ編集部)

書名: VERY 2020年9月号
監修・編集・著者名: VERY 編集部 編
出版社名: 光文社
出版年月日: 2020年8月 6日
定価: 本体709円+税
備考: 電子版あり(付録なし)

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cat_12_issue_oa-bookwatch oa-bookwatch_0_90yt2th72d9k_保阪正康さんが後藤田正晴氏から頼まれこと 90yt2th72d9k 90yt2th72d9k 保阪正康さんが後藤田正晴氏から頼まれこと oa-bookwatch 0

保阪正康さんが後藤田正晴氏から頼まれこと

2020年8月10日 06:45 BOOKウォッチ

 J-CASTニュースで「不可視の視点」を連載しているノンフィクション作家、保阪正康さんの新刊が出た。『近現代史からの警告』 (講談社現代新書)だ。連載と同じく明治維新後の日本の近現代史を振り返り、教訓を探っている。これまで類書でも書いてきたようなことが少なくないが、新たに「緊急書下ろし」として、「コロナと近代日本」が収録されている。

演繹的史観を否定

 
 本書の冒頭で保阪さんは自身の立場を明確にしている。「私は唯物史観による歴史解釈に反対の立場です」。
 
 戦後長く、日本の歴史学の世界では、唯物史観による歴史解釈が極めて大きな影響力を持っていた。人類史は、原始社会から徐々に進化し、封建社会を経て資本主義に至り、やがて共産主義が実現するというマルクス主義の歴史観だ。
 
 中心になっていた学術団体が「歴史学研究会」(歴研)。1932年にファシズムに反対する立場で結成されたが、弾圧強化で44年に解散、46年1月に活動を再開した。
 
 唯物史観の特徴は、演繹的に歴史を見ること。まず論理や法則があって、それに合わせて史実を拾い上げていく。自らの論理に都合の悪い史実は切り捨てられる傾向があったと保阪さんは見る。
 
 一方、皇国史観は対極にあった。1937年、文部省が刊行した『国体の本義』は、「大日本帝国は、万世一系の天皇皇祖の神勅を奉じて永遠にこれを統治し給ふ。これ、我が万古不易の国体である」と説く。こちらもまず、定義がある。やはり演繹的な歴史観だ。最近の歴史修正主義も、まず大東亜戦争は聖戦であるという旗を立て、それに見合う史実を集めて見せつけようとする。これまた、非常にたちの悪い演繹的歴史観だと保阪さんは見る。

読売の「昭和史の天皇」を評価

 
 以上からわかるように、保阪さんは唯物史観も皇国史観も、歴史修正主義も否定する。では保阪さんの立脚点は何か。「歴史は帰納的に捉えるべきだという立場です」。
 
 要するに、最初に結論をつくらない。実証を積み重ねていく。なぜ戦争は起こったのか。そこに日本人の国民性はどう関わったのか。なぜ二十歳そこそこの若者が銃を担いで中国や、ニューギニアの奥地に向かわなければならなかったのか。太平洋に沈められ、今なお眠っているのか――。
 
 戦後の日本で、こうした実証的な歴史検証は、ジャーナリズムが果たしてきたという。たとえば、読売新聞は1967(昭和42)年から1975(昭和50)年まで「昭和史の天皇」を連載した。のべ1万人から聞き書きし、単行本で30巻になっている。今の読売新聞に対し、保阪さんは批判的な考えも持つが、この実証的な研究は評価する。
 
 保阪さん自身は1978年に『破綻――陸軍省軍務局と日米開戦』を出したころから、ジャーナリズムの一翼で本格的に近現代史の研究を続けている。実証主義的に歴史を探求することは、事実に立脚して権力を監視するというジャーナリズムの基本的な柱であり、生命線だと強調する。

肉声を聞いてきた強み

 
 学者は主として文献史料を重視するが、ジャーナリストは当事者に取材する。近年、保阪さんの現代史研究者としての重みが増しているのは、早い時期に取材を始めたことで、今は亡き多数の関係者の肉声に触れていることが大きい。
 
 『昭和史の急所――戦争・天皇・日本人』 (朝日新書)によれば、保阪さんは、戦争関係者だけで4000人近くと会っているという。戦争を指導する立場の人から、末端の兵士まで多彩だ。100以上の戦友会の内輪の集まりにも足を運んできた。これまでに確か約300人の主要な旧軍人にインタビューしてきたと書いてあったと記憶する。したがって、エピソードには事欠かない。東条英機の妻にも取材している。
 
 そうした中から、本書に出てくる二つを紹介しよう。一つは戦後の復興、高度成長に関わった人たちの胸の内だ。戦時下では、どちらかと言えば「冷遇」されていた人々が戦後、能力を発揮したという。
 
 たとえば、「短期現役士官制度(短現)」の出身者。海軍は1938(昭和13)年から、一般大学の出身者に特別教育を施して主計将校に仕立てていた。彼らの中の生存者は戦後、大企業、官庁などで活躍する。「短現」の11期生からは中央官庁の長官や事務次官が8人も出ている。一時期は、官邸での次官会議が11期生の同窓会のようだったという。
 
 「短現」の出身者の中には戦前、日米の国力差について手厳しい分析を残していた人もいた。もちろん、そうした分析は、当時は取り上げられなかった。元主計将校だった官僚の一人は、保阪さんに「戦争の原価計算のできない軍事国家を二度と作ってはいけないというのが、短現で学んだ者たちの共通の意識だ」と吐露している。
 
 戦後、財界幹部になった一人は語る。「財界人と言われる立場だけどね、僕らを戦争勢力などという左翼的言辞に、僕らは内心で怒っているんだ。バカなことを言いなさんな。僕らはあの戦争の裏を見てきて、この国を軍人の残したツケを払って、常識が通用する国にしたという一点で経済復興を成し遂げたんだからね。むしろ僕らの方が反戦主義者だよ」。

「シベリア撤兵」を調査

 
 保阪さんはある時期から、官房長官を務めた後藤田正晴氏と昵懇になった。そのエピソードも興味深い。後藤田氏から内々に頼まれ、「シベリア撤兵」の法的根拠を調べたことがあるというのだ。なぜシベリア撤兵を調べるのかと理由を聞くと、PKOで自衛隊が撤兵する際の法的根拠を知りたかったのだという。「一度、兵隊を出したら、退くことのためにどれだけエネルギーを使うか。それにはどんな法的根拠があるか」、それを「シベリア出兵の時点の問題として押さえて、現在のPKOでもきちんと考えなくてはいけない」と説明したという。
 
 1918年、日本はシベリアに出兵したが、日ソ双方で虐殺事件が起きて撤退までに7年もかかった。本当に歴史を見て、真剣に現在と向き合っている人は、こういうことも考えているのだということを、保阪さんは痛感したという。
 
 そして、話は「コロナ」の現在へと進む。安倍首相に「歴史観」はあるか――。
 
 マスクの配布。給付金では二転三転。外出禁止を強調するあまり、自宅で愛犬と戯れる映像をネット配信・・・安倍政権を支持するしない以前に、もはや首相の考え方が自分たちとは決定的に乖離しているのではないかと受け止めた国民が多いのではないでしょうかと、保阪さんは苦言を呈する。
 
 そういえば、7月29日の朝日新聞オピニオン面では、駒野剛編集委員が、「真の保守とは」という論考で、後藤田氏を取り上げていた。「歴史から逃げたらあかん」という後藤田氏の言葉をひきながら、「ペルシャ湾」がらみで、中曽根首相の方針に対して真っ向から反対した話を紹介。過去の官房長官の中には、後藤田氏のように「ならぬものはならぬ」と体を張る長官が何人もいたこと、現在の菅義偉長官は、安倍首相と一心同体になっていることなどを書いていた。
 
 BOOKウォッチでは関連で『シベリア出兵――「住民虐殺戦争」の真相』(花伝社)、『なぜ必敗の戦争を始めたのか』(文春新書)、『帝国軍人』 (角川新書)、『軍事機密費』(岩波書店)、『ネット右派の歴史社会学』(青弓社)など、保阪さんの著書では『昭和の怪物 七つの謎』 (講談社現代新書)、『帝国軍人の弁明』(筑摩選書)、『天皇陛下「生前退位」への想い』(新潮文庫)などを紹介済みだ。

(BOOKウォッチ編集部)

書名: 近現代史からの警告
監修・編集・著者名: 保阪正康 著
出版社名: 講談社
出版年月日: 2020年6月17日
定価: 本体900円+税
判型・ページ数: 新書判・256ページ
ISBN: 9784065199367

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ビル・ゲイツが2度絶賛 世界的大富豪を「宗旨変え」させた1冊って?

2020年8月9日 18:31 BOOKウォッチ

「マインドフルネス」。
 日本国内でも数多の書籍が出版され、すっかり聞きなじみのある言葉にはなったものの、その内容をいざ説明しようとすると、うまくできない人もいるだろう。

画像は、『頭を「からっぽ」にするレッスン 10分間瞑想でマインドフルに生きる』(辰巳出版)
 
 2020年9月19日、『頭を「からっぽ」にするレッスン 10分間瞑想でマインドフルに生きる』(辰巳出版)が発売される。本書は、2011年12月に刊行され、入手困難な状況が続いている『からっぽ! 10分間瞑想が忙しいココロを楽にする(原題:The Headspace Guide To Meditation and Mindfulness)』(辰巳出版)を改題、再編集したものだ。
 
 原書となる "The Headspace Guide To Meditation and Mindfulness" を、ビル・ゲイツさんが公式ブログ「GatesNotes」で、 2018年に続き2020年にも激賞したことをきっかけに、今回の復刊発売が決まった。
 
 本書を、瞑想・マインドフルネスの入門書として高く評価しているゲイツさんは、以下のコメントを寄せている。

「25歳のころの私なら鼻で笑っていただろうが、今の私は妻のメリンダともども瞑想にすっかりはまっている」(「2018年 GatesNotes お気に入りの5冊より抜粋)

「私を宗旨変えさせたのは、この本と著者であるアンディが作った<ヘッドスペース>のアプリだ。(中略)日々、ストレスを解消し心を集中させるしばしの時間が誰にとっても必要なこの時代に、はじめての1歩としてうってつけの1冊だ」(「2020年GatesNotes お勧めの本」より抜粋)

 著者のアンディ・プディコムさんは、イギリス保険医療委員会公認の、臨床瞑想コンサルタントである。チベットの僧院で正式な仏僧となった後、瞑想普及のための団体「ヘッドスペース」を創設した。現在は「瞑想を誰にとっても身近なものにし、なるべく多くの人に瞑想に親しんでもらいたい」という理念をもち、活動に励んでいる。
 
 あのゲイツさんが2度も薦めた本ということもあり、世界各国で刊行されベスト&ロングセラーになっている名著の復刊。この機会は見逃せない。

(BOOKウォッチ編集部)

書名: 頭を「からっぽ」にするレッスン 10分間瞑想でマインドフルに生きる
監修・編集・著者名: アンディ・プディコム 著、満園真木 訳
出版社名: 辰巳出版
出版年月日: 2020年9月19日
定価: 本体1,400円+税
判型・ページ数: 四六簡易フランス装・256ページ
ISBN: 9784777826704

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大根で楽にウロコが取れる!目からウロコの家事の知恵750

2020年8月9日 16:01 BOOKウォッチ

 困ったときは、先人の知恵を借りるのが解決への近道だ。主婦の友社から発売されている『昔ながらの家事コツと裏ワザ750選』には、お金や手間をかけずにできる暮らしの知恵が詰まっている。

『昔ながらの家事コツと裏ワザ750選』(主婦の友社)
 
 本書は、同社が1917年から2008年まで刊行していた雑誌「主婦の友」の記事アーカイブを厳選したもの。昭和から平成にかけて、当時の読者から生まれたアイデアの数々が紹介されている。

ハンガー+ストッキングで簡易モップに。ホコリはストッキングの静電気で吸い取られ舞い上がらない。カーテンレールなど手が届かないところにもぴったりフィット。画像は、『昔ながらの家事コツと裏ワザ750選』(主婦の友社)より

大根の切れ端で魚のウロコ取りがラクにできる。画像は、『昔ながらの家事コツと裏ワザ750選』(主婦の友社)より

 ここで、家事裏ワザのアイデアを一部紹介しよう。
・いかの皮は野菜ネットでこするとスルリ
・レモンはレンジ加熱でしぼりやすくなる
・タワー洗いで食器洗いをラクに&節約
・せっけんに輪ゴムを巻くと泡立ちアップ
・カーペットの髪の毛はゴム手袋でとる
・靴下は裏返して洗えば毛玉なし
・ハエよけには網戸に酢水スプレーを
・くっついた切手は冷蔵庫で冷やしてはがす

引用元キャプション

 これだけでも、十分に目からウロコが落ちる。便利グッズや家電が進化した現代でも役立つワザばかりだ。

画像は、『昔ながらの家事コツと裏ワザ750選』(主婦の友社)より
 
 料理や掃除、洗濯、住まいなど、家事の種類別に掲載されているので、困った時に探しやすい。使いたい食材やアイテム名でも逆引きができるので、思いついたらサッとページを開ける。

【CONTENTS】
第1章:料理のコツと裏ワザ
第2章:掃除のコツと裏ワザ
第3章:洗濯のコツと裏ワザ
第4章:住まいのコツと裏ワザ
第5章:健康のコツと裏ワザ
第6章:美容のコツと裏ワザ

 一つひとつ見ていくと、先人の知恵はエコで節約もできることが多い。これからは、何かを捨てる前に本書を開いてみようと思う。

(BOOKウォッチ編集部)

書名: 昔ながらの家事コツと裏ワザ750選
監修・編集・著者名: 主婦の友社 編
出版社名: 主婦の友社
出版年月日: 2020年7月28日
定価: 本体1,200円+税
判型・ページ数: B5判・112ページ
ISBN: 9784074446889

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