「『江戸時代は家で産んでいたはずだって自分に言い聞かせていたんです。私にもできるはずって』
誰にも頼らず、たった一人で理恵さんは子どもを産もうとした。里帰り出産した姉が置いていったベビー服を引っ張り出した。陣痛が始まってバスタオルとビニール袋を、風呂場に備えた。
『おなかがすっごく痛かったんです。すっごく痛かった』」
(『赤ちゃんポストの真実』(小学館)「序章」より)
画像は、『赤ちゃんポストの真実』(小学館)
画像は、『赤ちゃんポストの真実』(小学館)より。全144件中、51件では父母などからの手紙が置かれていたことがわかる
「取材を重ねてきたものの、赤ちゃんポストについての結論を私は出すことができない(中略)何が『正しい』のか分からない。答えがわからない問いだからこそ、さまざまな立場の人間が繰り返し考え続ける必要があるのではないか、と考えた。
価値観は時代とともに変わっていくものだろう。
後世、検証する上で同時代の関係者の証言が少しでも役立つのなら、本書を出版する意味もあるだろうと自分を納得させている」
(本書「あとがき」より)
(BOOKウォッチ編集部)
書名: 赤ちゃんポストの真実
監修・編集・著者名: 森本修代 著
出版社名: 小学館
出版年月日: 2020年6月30日
定価: 本体1,500円+税
判型・ページ数: 四六判・320ページ
ISBN: 9784093887724