「夫に妊活を理解してほしい」の声を受けて
・女性だけではなく、男性も理解しておくべき妊娠のメカニズムから、体外受精、パートナーのメンタルケア、不妊治療にかかるお金の話までを網羅した点。
・データはすべてエビデンスとなる研究論文や調査元の参照をつけ「怪しさ」を排除した点。感情論ではなく、科学的に「妊活」を進めるために必要最低限の内容を記載している。
・主人公のサラリーマン「せいじ」と産婦人科専門医「きょうこ先生」の対話をとおして学ぶことができる点。顔文字、図、グラフも多く、見やすさ、読みやすさに配慮している。
なお、本書は「日本が『子どもを授かる喜び』で溢れるように書籍を広めたい!」と呼びかけ、クラウドファンディングにより資金を集めつくられたという。
妊活における「三つの現実」
・現実1 子作りの正しい方法を知らずに、僕たちは大人になっている
学校の授業で習ったのは「避妊はとても大切」ということ。「避妊をやめても、すぐに子どもができるわけではない」とは、学校の先生は教えてくれなかった。
・現実2 子どもを授かりたくても、なかなか授かれない
日本で子どもができずに悩んだことがある夫婦は3組に1組。不妊治療をしたことがある夫婦は5.5組に1組。年間出生数が約95万人にまで減少しているなか、「体外受精」で生まれてくる子どもは近年では5万人超、18人に1人にまで増えている。
・現実3 妊娠できない原因の約半分は男性にもある
「不妊症=女性のカラダの問題」と思われがちだが、実は不妊に悩む夫婦の48%は男性にも原因があるとされている。
「ごく稀なこと」ではない
「いまも、FacebookやInstagramを見れば、誰かが結婚式を挙げ、妊娠し、出産していて、みんなの『いいね』が飛び交っている......でもその『妊娠』や『出産』の背景にある『夫婦の努力』はSNSではわかりません」
「不妊治療や養子縁組に対しては、偏見とまではいかなくても、どこか『自分とは関係のない話』として距離を感じる方が多いのではないでしょうか。ただ、それは当事者たちがオープンに語らない、語れないという状況があるだけで、本当は決して『ごく稀なこと』ではないと知っておいてほしいと思います」
(BOOKウォッチ編集部 Yukako)
書名: やさしく正しい妊活大事典
監修・編集・著者名: 吉川 雄司 著、月花 瑶子 監修
出版社名: 株式会社プレジデント社
出版年月日: 2019年7月 8日
定価: 本体1500円+税
判型・ページ数: 四六判・240ページ
ISBN: 9784833451444