cat_14_issue_oa-bengo4com oa-bengo4com_0_2ddea15a94e7_「レッドブルを飲んでも翼が生えない!」カナダで集団訴訟 2ddea15a94e7 2ddea15a94e7 「レッドブルを飲んでも翼が生えない!」カナダで集団訴訟 oa-bengo4com 0

「レッドブルを飲んでも翼が生えない!」カナダで集団訴訟

レッドブルを飲んだら、翼が生える――。本当にそう信じた人たちが、飲んでも翼が生えないのは「虚偽広告」にあたるとして、レッドブル社(オーストリア)を相手取って、カナダで集団訴訟を起したところ、このほど和解に至ったそうです。

米誌『Newsweek』などによりますと、あるカナダ人男性が2016年、レッドブル社は、製品の効能について、誤った情報を広めているとして、集団訴訟を起こしました。レッドブルに含まれる成分が、コーヒーのような他の安価な製品より効能が高いとうたっていることが法律違反だと主張していました。

レッドブルはカフェイン入りの炭酸飲料(エナジードリンク)で、「翼をさずける」というキャッチコピーで知られています。今回の和解によって、レッドブル社は、総額85万カナダドル(64万米ドル)、1人あたり10米ドルの補償金を支払うことになったということです。

カナダとは法律が違いますが、今回のような訴訟は、日本でも可能なのでしょうか。「翼をさずける」というキャッチコピーは法的に問題ないのでしょうか。消費者問題にくわしい上田孝治弁護士に聞きました。

●特定適格消費者団体による救済制度がある


――今回のような集団訴訟は日本で可能でしょうか?

日本では、集団的な消費者被害に関する救済制度があります。この制度は、一定の要件を満たして、内閣総理大臣から認定された「特定適格消費者団体」が、消費者に代わって被害回復裁判手続をおこなって、事業者から被害金額を取り戻したうえで、被害者に分配するという仕組みです。

したがって、一般論で言えば、不当な広告などを信じて商品を購入した多数の消費者がいる場合、この制度に基づいて、集団的に支払った商品代金を取り戻すことができます。

――広告は規制されているのでしょうか?

広告については、景品表示法で、品質や内容に関する不当表示として「優良誤認表示」が、取引条件に関する不当表示として「有利誤認表示」が禁止されています。このうち、優良誤認表示というのは、商品などの品質その他の内容について、実際のものよりも著しく優良であると示すこと、また、事実に相違して他の事業者よりも著しく優良であると示すことです。

たとえば、国産有名ブランド牛の肉であるかのように表示していたところ、実際はブランド牛ではない国産牛肉だったようなケースがこれにあたります。

●「翼をさずける」だけでは「不当表示」にあたらない


――「翼をさずける」というキャッチコピーは?

「翼をさずける」というキャッチコピーについて言えば、これは、レッドブルを飲めば、そのぐらい元気になるというようなイメージ表現であって、実際に翼が生えてくるという意味でないことは明らかです。そこだけで言えば、不当表示にはもちろんあたりません。仮に、レッドブルを飲んで、本当に翼が生えてきたとしたら、そのほうが、よほど問題になるのではないでしょうか。

もちろん、レッドブルの広告において、その含有する成分や具体的な効能などについて実際よりも著しく優良なものであるような表示がされているのであれば、不当表示にあたる可能性があります。そのときには、「翼をさずける」というキャッチコピーが、表示の不当性の象徴的な表現になるとは思います。

――消費者は損害賠償をもとめることはできるのか?

景品表示法に基づく不当表示規制に違反した場合、行政による差し止めなどの措置命令や、課徴金納付命令という仕組みは用意されています。しかし、商品の購入者の損害賠償請求など、民事的な請求を直接根拠づける規定は景品表示法にはありません。

したがって、不当な表示を信じて商品を購入したことが、民法の不法行為に基づく損害賠償請求などの要件を満たしてはじめて、購入者である消費者は、「特定適格消費者団体」による被害回復制度を利用して返金を受けることが可能になります。

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cat_14_issue_oa-bengo4com oa-bengo4com_0_30bf76629458_スリランカ人を強制送還、家族にも連絡できず悲惨 30bf76629458 30bf76629458 スリランカ人を強制送還、家族にも連絡できず悲惨 oa-bengo4com 0

スリランカ人を強制送還、家族にも連絡できず悲惨

日本弁護士連合会(日弁連)は9月25日、定例記者会見を開き、法務省と出入国在留管理庁に対して、「裁判を受ける権利」を侵害する強制送還や、「家族に対する恣意的な干渉の禁止」に違反する強制送還をしないよう警告したことを明らかにした。警告書は9月24日付。

●異議申立て棄却の翌日に強制送還


髙田智美弁護士(日弁連・人権救済調査室嘱託)の説明によると、日本政府が用意したチャーター機によって、2014年12月18日に強制送還されたスリランカ国籍の男性3人と支援者ら9人(計12人)が申立人となり、「裁判を受ける権利」の侵害、国際人権法違反を理由に人権救済申立てをしたという。

申立人3人は難民申請をおこなっていたが、その後、難民認定をしない処分(難民不認定処分)を受けた。そこで、異議申立てをおこなったところ、2014年12月17日に東京入国管理局で異議申立て棄却の告知を受け、その際に取消訴訟を提起できることを書面などで教示されていた。

しかし翌日、申立人3人は強制送還され、取消訴訟の提起が不可能になった。

中には「家族と連絡をさせてほしい」と頼んだにも関わらず、認められなかった申立人もいたようだ。

日弁連は憲法32条が保障する「裁判を受ける権利」を侵害し、「家族に対する恣意的な干渉を禁止する市民的及び政治的権利に関する国際規約(自由権規約)」17条に違反すると認定。警告をおこなった。

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cat_14_issue_oa-bengo4com oa-bengo4com_0_466f94d12eed_レオパレス「違法」でヤバすぎ! オーナーが地検に嘆願書 466f94d12eed 466f94d12eed レオパレス「違法」でヤバすぎ! オーナーが地検に嘆願書 oa-bengo4com 0

レオパレス「違法」でヤバすぎ! オーナーが地検に嘆願書

アパートの建築請負・賃貸を手がける「レオパレス21」(東京)の施工不良問題で、岐阜県のオーナーが9月25日、同社を建築基準法違反で捜査するようもとめる嘆願書を東京地方検察庁に提出した。このオーナーの親族が同日、東京・霞が関の司法記者クラブで会見して公表した。

レオパレスをめぐっては、嘆願書を提出した岐阜県のオーナーのアパートが昨年、『ガイアの夜明け』(テレビ東京)で取り上げられたことをきっかけに、屋根裏に「界壁」と呼ばれる仕切りが設置されていないなど、建築基準法の基準にあわない物件が2万棟以上みつかっている。

嘆願書は、「同社による法令違反行為に厳粛に向き合うとともに、類似被害の防止という観点からも、未完成の公訴時効が漫然と完成することは、一人のオーナーとして到底看過できません」として、東京地検に捜査をもとめている。

●建築基準法の公訴時効は3年で成立


この日の会見に出席した岐阜県のオーナーの親族、那須弘樹さん(59)によると、建築基準法違反の公訴時効は3年で成立するため、そのアパート(2003年竣工、2004年完成)について、告訴することはできなかったという。

しかし、ことし4月、2016年以降に竣工したアパートが全国で数十棟あまりあることがわかった。具体的な住所や建物名などが明らかにされていないことから、刑事告発ではなく、嘆願書の提出というかたちにした。

なお、レオパレスは全棟(3万1759棟)の調査を発表しているが、那須さんの親族のアパートについては調査や修繕をされることなく、ことし8月27日をもって、一方的に賃貸借契約を解除されたという。那須さんの親族は9月13日、解除は無効として、岐阜地裁に提訴している。

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cat_14_issue_oa-bengo4com oa-bengo4com_0_9ff75380f906_N国とのトラブルでアダルトグッズ送りつけも…裁判結果は 9ff75380f906 9ff75380f906 N国とのトラブルでアダルトグッズ送りつけも…裁判結果は oa-bengo4com 0

N国とのトラブルでアダルトグッズ送りつけも…裁判結果は

全国の選挙を取材している選挙ウォッチャーちだい氏(41)が9月24日、NHKから国民を守る党(N国)所属の立川市議との裁判に勝訴したことを受け、記者会見を開いた。

ちだい氏は、ネット記事の記述が名誉毀損にあたるとして、立川市議の久保田学氏から200万円を求める裁判を起こされたが、言論活動の萎縮をねらった「スラップ訴訟」だとして反訴していた。

千葉地裁松戸支部(江尻禎裁判長)で9月19日にあった判決は、久保田氏の請求を棄却。さらに提訴自体が不法行為になるとして久保田氏に約78万5000円の支払いを命じた。

●アダルトグッズなどの送りつけ被害も


ちだい氏の自宅には、N国とのトラブルの過程で何者かからアダルトグッズや果物などが代引きで送られてくるようになり、大学や専門学校などの案内資料も毎日のように届いているという。

ちだい氏は、裁判について「弁護士に依頼することになり、経済的負担が大きかった」。裁判を起こすことだけでなく、大人数での嫌がらせなども問題視し、「議論ができなくなってしまう。民主主義を損ねる行為だ」と警鐘を鳴らした。

控訴するかどうかについて、久保田氏に電話取材したところ「お答えする言葉を持ち合わせておりません」との回答があり、「忙しいのでいいですか」と電話は切られた。ちだい氏側は仮に控訴された場合、「慰謝料の額を不服として、こちらも控訴する」としている。

なお、ちだい氏は同じ記事の別の記述についても、N国と立花孝志党首から名誉毀損で裁判を起こされており、係争中だ。

●N国・立花党首「スラップ訴訟」と動画で発言


ちだい氏はN国の立花党首が当選した、2017年11月の東京都葛飾区議選から本格的にN国の動向を取材しはじめた。

判決によると2018年6月、久保田氏が立川市議選に立候補したことについて、ネットメディアに「立川市に居住実態がほとんどない」とする記事を書いたところ、久保田氏から名誉毀損で訴えられていた。

裁判で久保田氏は代理人をつけず、居住実態を示すものとして住民票しか提出しなかった。選挙前に配信した自身の動画の中でも立川市に住んでいないかのような発言をしていたことなどもあり、裁判所は名誉毀損を認めなかった(真実性の判断はせず、真実相当性を認めた)。

この点について、ちだいさんの代理人・馬奈木厳太郎弁護士は「たとえば、公共料金の領収書など、格別の負担もなく証明できるのに、証拠を出さなかった」と指摘した。

また、久保田氏が2019年5月12日に配信した動画の中で、立花党首が今回の裁判について次のように発言していたことなどを踏まえ、久保田氏による提訴自体が不法行為を構成すると判断している。

「この裁判は、そもそも勝って、ちだい君からお金を貰いにいくためにやった裁判じゃなくて、いわゆるスラップ訴訟、スラップっていうのは、裁判をして相手に経済的ダメージを与えるための裁判の事をスラップ訴訟と言うんですよ」(判決文ママ)

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cat_14_issue_oa-bengo4com oa-bengo4com_0_7acdea8e3e75_「自分好みの髪の毛だ!」 夜行バスで勝手に切った男の罪 7acdea8e3e75 7acdea8e3e75 「自分好みの髪の毛だ!」 夜行バスで勝手に切った男の罪 oa-bengo4com 0

「自分好みの髪の毛だ!」 夜行バスで勝手に切った男の罪

夜行バスの車内で、眠っていた女性客の髪を無断で切ったとして、会社員の20代男性が9月上旬、暴行の疑いで滋賀県警に逮捕された。

報道によると、男性は、9月8日午後11時から9日午前4時ごろにかけて、福岡市から名古屋市まで走行していた夜行バスの車内で、前の席で眠っていた女性客の髪を20センチほど、3回にわけてハサミで切った疑いが持たれている。

警察の取り調べに対して、男性は「自分好みの髪の毛だった」と話しているということだ。今回のケースのように、他人の髪を切ったら、どんな罪に問われるのか。村木亨輔弁護士に聞いた。

●傷害罪が適用されたケースも


「考えられるのは、今回の逮捕容疑である暴行罪と、傷害罪です。

暴行罪の法定刑は『2年以下の懲役もしくは30万円以下の罰金または拘留もしくは科料』です。傷害罪は『15年以下の懲役または50万円以下の罰金』です。

つまり、傷害罪のほうが重い罪となっています」

適用される場面は、どのように違うのだろうか。

「暴行とは、『人の身体に対する不法な有形力の行使』とされています。また、傷害とは、『身体の生理機能の障害』または『健康状態の不良な変更』とされています。

今回のケースとよく似た裁判例として、女性の髪の毛を根本から切除した事件で、傷害罪の成立を認めた判決があります。

たとえば、失神させる、性病に感染させる、ノイローゼにさせる――などのように、外傷を負わせた場合でなくても、傷害と評価されることがあるのです。

一方で、カミソリで根本から切り取った事件で、暴行罪の成立に留めた判決もあります」

今回のケースをどう考えるか。

「男性が『自分好みの髪の毛だった』ことを理由に、夜行バスの車内で眠っていた女性客の髪を無断で切ったとのことですが、暴行もしくは傷害の責任を問われると思われます。いずれの罪で処罰を受けるとしても、男性としては、自身の行動について猛省する必要があるといえるでしょう」

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cat_14_issue_oa-bengo4com oa-bengo4com_0_68fe6cc00690_会計前にジュースを飲む子ども、店は親の責任を問えるか 68fe6cc00690 68fe6cc00690 会計前にジュースを飲む子ども、店は親の責任を問えるか oa-bengo4com 0

会計前にジュースを飲む子ども、店は親の責任を問えるか

子どもが会計前の商品を飲んでいて、めちゃくちゃびっくりしたーー。

子育て情報サイト「ママスタ」の掲示板には、「久々に見た。会計前に品物飲ませてる親」と題したスレッドで、こんな声が寄せられている。

スレ主は、スーパーでジョアを飲んでいる2歳ぐらいの子どもを見たという。ところが、「それもレジしないといけないから!」という子どもの母親の声を聞き、子どもが飲んでいるのは会計前の商品だと判明。母親は、そのまま飲みかけのジョアをレジに通したようだ。

スレッドには、ほかにも「となりのトトロ」を見た後に買い物に行ったところ、子どもが商品のきゅうりをかじってしまったというコメントが寄せられている。投稿者は「(子どもは)まだ未就園児だったけどきつく叱った」という。

このように、会計前の商品を食べたり、飲んだりしてしまった場合、法的に問題があるのだろうか。石井龍一弁護士に聞いた。

●「窃盗罪」にあたる可能性も


ーー会計前の商品を飲んだり、食べたりした場合は「窃盗罪」にあたるのだろうか

「『他人が占有する財物を、占有者の意思に反して、自己の占有(ある物を物理的に支配すること)に移転させる』と、窃盗罪が成立します。

スーパーで売られている飲み物やきゅうりなどの商品も『財物』であり、店内に置かれている間は、店が占有していることになります。

客がレジに持って行って代金を払えば、商品(=財物)は、客の占有に移ることになります。しかし、代金を払う前に飲んだり、食べたりしてしまえば、まだ店側が占有している商品を、客が店側の意思に反して、自己の占有に移転させることになってしまいます。

これは、紛れもない窃盗行為です」

ーー母親があとでレジで代金を払っても、なかったことにはできないのだろうか

「いったん成立した窃盗罪は、その後に代金を払ったりお金で弁償したりしても、なかったことにはなりません。

また、子どもが犯罪を犯したとしても、その親が刑事責任を問われるわけではありません。しかし、民事上の責任としては、親は子の監督責任がありますから、子どもがやったことについて親が監督義務違反として損害賠償責任を負うことになります」

●レストランとスーパー、コンビニは取引形態がちがう


ーーレストランでは、代金を支払う前に食事をしても文句を言われない。なぜだろうか

「スーパーやコンビニの取引形態は、レジで代金を支払うのと商品の引渡しが同時にされます。一方で、レストランでは、先に食事をして代金は後払いという取引形態が一般的です。

レストラン側がこのような取引形態を承諾しているので、代金を払う前に料理(=財物)を食べても、店側の意思に反して占有を移転させたとは考えられないのです。

ちなみに、食べた後に代金を払わずに逃げたら、窃盗ではなく『詐欺罪』が成立します」

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cat_14_issue_oa-bengo4com oa-bengo4com_0_38a3241dbb7d_ヤバすぎる「求人詐欺」は減少、残された課題 38a3241dbb7d 38a3241dbb7d ヤバすぎる「求人詐欺」は減少、残された課題 oa-bengo4com 0

ヤバすぎる「求人詐欺」は減少、残された課題

求人票の内容と実際の労働条件が異なる「求人詐欺」。厚労省によると、近年は減少傾向にあるようだ。全国のハローワークにおける2018年度の相談件数は6811件で、前年度から20%ほど減った。

相談を受けると、ハローワークはすぐに事実を確認する。2018年度はこのうち2967件で相違が判明。是正指導をしたという。

人手不足などを背景にハローワークへの求人は増加傾向にある。しかし、相談件数と実際に求人詐欺が判明した件数はいずれも減っている。2017年の職業安定法(職安法)改正などの影響が考えられそうだ。

とはいえ、まだハローワークだけで毎年度3000件ほどの事例が確認されている。残された課題にはどんなものがあるのか、市橋耕太弁護士に聞いた。

●救済が難しい「求人詐欺」


ーー求人詐欺の被害ではどんな類型が多いのでしょうか?

「いわゆる求人詐欺とは、求人で示された労働条件と実際の労働条件が異なることをいい、実際の労働条件よりも好待遇であるかのように示すことで求職者を集める手法として利用されています。

特に、いわゆる固定残業代(みなし残業代などとも呼ばれ、一定の残業時間を想定して定額の残業代を支払う仕組み)を給与額に上乗せして、給与が高いと誤信させる手法が問題になっています。

働き出した後で実際には不利な労働条件であることを知ったとか、入社前後に求人時より不利な労働条件を示されたが断れずに同意してしまったなどのトラブルとして表れています」

ーー「ほかの企業の選考を断ってしまった」「早期退職すると次の転職で不利になる」といった理由から、不利な条件でも辞められないという話も聞きます。法的に救済できないのでしょうか?

「法的には、求人時の有利な労働条件で労働契約が成立しているものとして、不利な労働条件が適用されないとか、不利な労働条件についての同意が無効である、などとして争う余地がありますが、泣き寝入りしてしまうケースも多発しています」

●求人サイト、情報の適正化は「努力義務」に留まる


ーーハローワークでは求人詐欺が減っているそうです。職安法改正の影響は感じますか?

「職安法の改正に伴い、前述した固定残業代を含む労働条件について募集の当初から明示しなければならないことなどが定められました。

また、違反した求人者(募集企業など)等に対しては勧告ができ、勧告に従わない場合にはその旨を公表できるようになりました。

相談にいらっしゃる方について、求人詐欺が減ったという感覚はまだありませんが、こういった改正が未然にトラブルを防ぐことに役立っている可能性はあると思います」

ーーどのような部分に課題が残っていると感じますか?

「今回の改正において、いわゆる求人サイトなどの『募集情報等提供事業者』が職安法の規制対象となりました。

しかし、掲載する情報を適正化する措置は努力義務にとどまり、重要な求職ツールである求人サイトに対する規制がまだまだ不十分であるといえます。

求人詐欺に対しては、労働者も十分なワークルールの知識とそれを実践する能力を身につけることが有効です。ワークルール教育の拡充も必要だといえるでしょう」

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cat_14_issue_oa-bengo4com oa-bengo4com_0_167848ff300d_名馬のたてがみが切り取られ、メルカリに? 酷い事件続発 167848ff300d 167848ff300d 名馬のたてがみが切り取られ、メルカリに? 酷い事件続発 oa-bengo4com 0

名馬のたてがみが切り取られ、メルカリに? 酷い事件続発

引退した名馬のたてがみを切り取る事件が相次いで起きている。

9月15日には、タイキシャトル(牡25歳)、ローズキングダム(牡12歳)と2頭のG1馬のたてがみが切られていることが分かった。

さらにダービー馬ウイニングチケット(牡29歳)や菊花賞などを制したビワハヤヒデ(牡29歳)も被害に。ウイニングチケットについては、たてがみがメルカリで販売されていたという情報も出ている。

●補助金は月2万円、監視カメラは数百万円


被害にあった牧場では、監視カメラの導入などが検討されている。

ヴェルサイユファームでは、暗視機能のついたカメラ8台を設置予定。電気工事なども含め、費用は200万円超になる見込みだ。現在、一般見学を中止しており、再開するとしてもカメラ設置後、しばらくしてからになるという。

サラブレッドは経済動物。引退後、乗馬や繁殖など「第二の馬生」を終えた後、余生の面倒を十分に見てもらえる馬は少ない。課題を解決しようと、さまざまな団体が活動している。

ジャパン・スタッドブック・インターナショナルも「引退名馬繋養展示事業」として、常設展示などを条件に助成金をつけている。しかし、中央競馬の重賞馬で月2万円しか出ない。馬の管理や見学対応としては割に合わないと考える関係者も少なくない。

今回被害にあったタイキシャトルもこの助成金の対象馬。認定NPO法人「引退馬協会」から預託されているヴェルサイユファームの岩崎崇文社長は次のように話す。

「高額な監視カメラが必要になるなら、『助成金なんていらないから見学をやめたい』という考えが出てきます。引退馬を受け入れてくれる牧場もなくなっていくでしょう。一部の人の心ない行為が引退馬の行く先を狭めていることを理解して欲しいです」

引退馬の余生は個人や複数で里親になったり、寄付したりするファンの支えが大きい。しかし、有名馬の見学が縮小されるようなら、そうした支援も縮んでいきかねない。

●「馬に携わっている人はみんな許せないはず」


人間の髪の毛を切れば、暴行罪などに問われるが、今回は他人の動物の毛を切り取ったということで、器物損壊罪にあたりうる。すでに警察が捜査を開始している。

「最初から売ってお金にする目的だったと分かれば、窃盗罪が適用されるかもしれません」と話すのは、北海道の足立敬太弁護士。

器物損壊罪の法定刑は「3年以下の懲役または30万円以下の罰金もしく科料(1000〜9999円)」。一方、窃盗罪なら「10年以下の懲役または50万円以下の罰金」と重くなる。

足立弁護士は三冠馬オルフェーヴルの一口馬主でもあった。

「競走馬は生まれた時から骨身を削って戦いに明け暮れている。ようやく余生を送れるようになった、それも歴史に残るような名馬のたてがみを切り取ろうだなんて、敬意がなさすぎます。馬は繊細な生き物で、馬の命に関わる大事故につながるおそれもあります」

今後は馬を守るため、牧場が費用をかけてセキュリティーを強化することが予想される。ファンが馬に触れ合う機会も制限されていくだろう。心ない行動が馬事文化に大きなダメージを与えている。

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cat_14_issue_oa-bengo4com oa-bengo4com_0_d00672513777_ふるさと納税、総務省が「暴走」した末の大敗北、なぜ? d00672513777 d00672513777 ふるさと納税、総務省が「暴走」した末の大敗北、なぜ? oa-bengo4com 0

ふるさと納税、総務省が「暴走」した末の大敗北、なぜ?

2019年9月23日 08:49 弁護士ドットコム

泉佐野市がふるさと納税制度の対象自治体の指定から除外されたことは不当だとして争っていた件について、国地方係争処理委員会は、9月3日、除外決定を再検討するよう総務大臣に対し勧告しました。

この勧告は、総務省にとって相当厳しい決定と言えます。というものも、「国地方係争処理委員会」は総務省が所管する委員会で、飼い犬に手を噛まれるようなものだからです。総務大臣に対する勧告文が自らの総務省のホームページに掲載されているという恥ずかしい状態です。

なぜ、このような勧告が出たのか、ふるさと納税のしくみと国と地方との関係を概観しながら、双方の主張と国地方係争処理委員会の勧告内容について確認してみたいと思います。(ライター・メタルスライム)

●過熱した返礼品競争、総務省が4市町を制度の対象外に


ふるさと納税制度は、「今は都会に住んでいても、自分を育んでくれた『ふるさと』に、自分の意思で、いくらかでも納税できる制度があっても良いのではないか」という問題意識から生まれたものです。

もっとも、現行のふるさと納税制度は、ふるさとに直接納税するわけではなく、地方自治体に寄附を行った場合に、寄附額のうち2,000円を越える部分について、所得税と住民税から原則として全額が控除されるという制度です。「ふるさと」という名前は付いていますが、ふるさとに限らずどの地方自治体に対しても寄付をして、控除を受けることができます。

各自治体は寄付の受入額を増やすため、過度な返礼品や地域と関係がないと思われる返礼品を提供するなどして競争が過熱していきました。それを受け、総務省は、2017年と2018年に返礼品は、寄付額の3割以下でかつ地場産品とするよう総務大臣名の通知を出しました。

これに対し、ふるさと納税に積極的に取り組んでいる地方自治体からは、返礼品を3割に抑えることは地場産業の振興に逆行するし、地場産品のない地域もあることから不平等であるとして反発がありました。そもそも返礼品を決めるのは地方自治体であって、国がとやかく言うのは、地方自治の本旨に反するという意見もあります。

これに対し総務省は、法律を改正して、2019年6月から総務省に従わない自治体は制度から除外するという事前審査制度に変更しました。そして、これまで総務省の言うことを聞かなかった4市町を制度の対象外としました 。そのひとつが「泉佐野市」(大阪府)です。

●国と地方自治体の関係・「国地方係争処理委員会」の役割


国と地方自治体の関係というと、国が上で地方公共団体がその下にあると思われている人も多いかもしれませんが、国と地方自治体との関係は、上下・主従の関係ではなく、対等・協力の関係にあります。

地方のことは地方が行うという地方分権推進の観点から、地方自治法245条の2では、地方公共団体が国に関与を受けるのは法律によらなければならないとされています。また、同法245条の3では、国の関与は必要最小限でなければならず、地方公共団体の自主性に配慮しなければならないとしています。

このように国と地方自治体が対等の関係であることから、国と地方自治体の間で紛争が生じたときは第三者の介入が必要になります。それが、「国地方係争処理委員会」です(地方自治法250条の7)。

●双方の主張と国地方係争処理委員会の勧告内容

以下に泉佐野市、総務省の主な主張と、国地方係争処理委員会の勧告内容をまとめました。

(1)泉佐野市の主な主張

・総務省が泉佐野市を指定しなかったのは裁量権の逸脱濫用にあたり違法である。

・総務大臣名の通知は技術的助言にすぎず、法的拘束力のない技術的助言に反したからといって指定しないのは法治主義に反する。

・泉佐野市は、法律施行以降は基準に従うと表明しているのに、改正後の法律を過去に遡って適用するのは不合理である。

・改正後の法律では指定を取り消せるので、仮に泉佐野市が基準に違反したら指定を取り消せばすむはずである。

・過去の実績をもとに不指定となると、泉佐野市は永遠にふるさと納税を活用できない。

(2)総務省の主な主張

・地方団体の自主性も、無制限に許されるものではなく、国家全体の利害や他の地方団体の正常な財政運営に与える影響をも考慮しつつ行動すべきである。

・2度通知を出したが言うことを聞かず、泉佐野市にも直接改善を要請したが聞き入れられなかった。

・指定するかどうかを過去の実績を元に判断することは合理的である。過去に基準を守らないものは今後も守らないと推認できる。

・法施行後にふるさと納税が禁止されるのであって、法律の遡及適用ではない。

(3)国地方係争処理委員会の判断

・総務省は、記載の虚偽と添付書類の不備を主張するが、申出書の記載および添付書類に不備はなく、不指定の理由にはならない。

・返礼品の豪華さを強調し多額の寄付(平成30年度は498億円)を集めた泉佐野市の行為は、他の自治体に不利益を及ぼしふるさと納税制度の存続が危ぶまれる状況を招いた。しかし、過去の募集態様等が基準に該当しないとしても、行為時点で違法ではなく、単に技術的助言に反する募集行為にすぎないのであるから、不指定の理由とすべきではない。

・国は、判断基準の設定、公表や理由の記載について地方自治法の趣旨にのっとり適切に対応すべきである。

・泉佐野市は、法施行後は返礼品を送付しないとしているのに、法定返礼品基準に適合しない募集を行う可能性ありといえるのか、検討を要する状況にある。

・よって、総務省は、泉佐野市に対して本決定の通知を受けた日から30日以内に、本決定の趣旨に従い、再度の検討を行った上で、その結果を理由とともに泉佐野市に通知することを勧告する。

●総務省はなぜ暴走したのか


今回の総務省の主張は法律的に考えると無理筋であることは否めません。法令の効力はその法の施行前にはさかのぼって適用されないという「法の不遡及」は法律の大原則だからです。本来、新制度スタート後に不適正な取り組みをしたかどうかで判断すべき事柄です。

では、なぜ総務省はこんな無理筋な決定をしたのかと言えば、総務省のメンツが潰されたからです。今回の件を噛み砕いていうと、総務省は「国が基準を示して自治体に従うように言ったのに、これに従わないのはけしからん。こうなった以上は、国の力を見せつけるため法律で規制するしかない」と考えたわけです。

ところが、泉佐野市は「法律で規制されるなら従わざるを得ないので、法律施行後は返礼品を送付しない」と宣言しました。総務省としては、「めんどうな法律まで作らせられて、やっと制裁を加えられると思ったのに、泉佐野市に制裁を加えられないのは許せない」ということで泉佐野市を強引に指定から除外したのでしょう。

総務省は、地方分権の旗振り役で、どの省庁よりもその重要性は理解しているはずです。にもかかわらず、このような失策をしてしまったのは、依然として国が地方を下に見ていることの表れだと思います。総務省はもとより霞が関の全省庁は、今回の決定を真摯に受けて、自らの行為におごりはないか襟を正す必要があるのではないでしょうか。

勧告を受けて、今後、総務省がどのような判断をするかが注目されますが、指定除外を取り消さなければ、泉佐野市は高等裁判所に提訴することができます。そうなれば、この問題は法廷の場で争われることになります(地方自治法251条の5)。今後も目が離せない状況が続きます。

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ネットで「淫売、夫は強姦魔」と誹謗中傷、投稿者との闘い

「昔淫売をやっていた」「娘にも淫売を強要」「旦那は強姦魔」「研究費を着服した」「不正に学位を取得」……。サイエンスライターの片瀬久美子さんに対するツイッター上での誹謗中傷は2年前のある日、始まった。片瀬さんが投稿者を相手取った損害賠償請求訴訟で、今年7月、投稿者に約264万円の支払いを命じる判決が下された。

片瀬さんの主張が全面的に認められた形となる。今回、中傷被害の実態や訴訟に至るまでの経緯、裁判の苦労などを、片瀬さん本人に聞いた。

●「淫売」「旦那は強姦魔」といった誹謗中傷


――ツイッター上での誹謗中傷投稿が始まったのはいつ頃で、それに対して片瀬さんは当時、どのように対応していたのでしょうか?

「書き込みが始まったのは2017年7月です。森友・加計問題に関する公文書開示について政府や行政機関には国民に対する説明責任があるといった趣旨のツイートをしたことで、一部の人達からの反発を受けたことがきっかけでした。

複数のアカウントから私に対して『淫売』『旦那は強姦魔』などといった誹謗中傷の書き込みが繰り返されました。発信者を特定し、損害賠償請求訴訟を起こしたのは、そのうちの1つのアカウント(X1)に対してです。

中傷投稿に対しては、書き込み内容を否定する投稿を必要最小限に行ったのみで、できるだけ応戦しないようにしていました」

ーーツイッターには、不適切な投稿をアカウントや投稿をツイッター社に「通報」する仕組みがありますが、利用しなかったのでしょうか。

「最初に中傷してきたアカウントをツイッター社に通報したのですが『Twitterのルールに違反していない』という回答でした。これだけ酷い中傷なのにTwitter社から問題なしと判断されたことで、私は中傷を受けても仕方のない人物だとみなされた様に感じられて、さらに深く傷つきました。

後日、何らかの理由でそのアカウントが凍結されましたが、また別のアカウントから同じような誹謗中傷投稿が繰り返されました。

しかし、何度通報してもTwitter社は『ルール違反ではない』として私への中傷を容認し続けました。そのため、最後の手段としてX1に対して法的手続きを始めることにしました。

お金も時間もかかる手続きを始めたのは、娘や家族に対しても中傷されたことが大きいです。自分が強姦魔と書かれ、夫もかなり怒っていました」

●発信者情報開示請求→警察に相談→被害届受理→本人特定


――誹謗中傷投稿に対してその発信者を相手取り法的な手続きをするには、その前段階として発信者情報開示請求を行わなければならないですよね。

「そうです。投稿者を特定する前段階として、まずツイッター社に対して2018年4月、発信者情報開示請求を行い、翌月、開示の決定がなされました。

そこで得たIPアドレスをもとに、インターネットサービスプロバイダ(ISP)に対しても発信者情報開示請求を行い、また、並行して、警察に相談し、被害届が受理されました。最終的な本人特定は警察が行いました。

私が住む函館市の警察署が捜査を担当してくれましたが、本人特定のために相手の居住地(埼玉県)に何度も赴く必要があり約1年かかりました。相手の居住地にある警察署にバトンタッチできたら、もっと早く特定できただろうと思います」

――誹謗中傷に関しては、警察署や担当者の熱意によって、対応はマチマチだと聞きます。しっかりと対応してもらうために、警察に相談する際には、どのような準備をされていったのでしょうか。

「そのアカウント(X1)から私に対する誹謗中傷の投稿をできる限り記録し、弁護士さんから警察に連絡をして名誉毀損事件として捜査をお願いしました。私が一人でのこのこ行くよりも、弁護士さんが交渉する方が話をきちんと聞いてもらえるだろうと考えたからです。クレーマーが来たとか、被害妄想で言っているわけじゃないということを示せるようにしました。

すると、『これはひどいね』『こんなこと書かれたらたまらんね』と言葉をかけてくれて。親身になって動いてくださいました」

●応戦しなかった理由


――誹謗中傷の書き込み主に対する訴訟は、その書き込みをチェックして保存しなければならないため、その作業自体、精神的な負担が大きいように思います。

「そうなんですよね。ツイッター社は、消された書き込みや凍結されたアカウントの書き込みを開示してはくれないので、自分でこまめに記録して保存するしかないのが、大変でした。自分に対する誹謗中傷を監視しながら記録していく作業は自傷的な行為に近く、大変なストレスになります。胃がキリキリと痛んだり、気分が滅入り吐き気に襲われたりもしました。

やっぱり悔しい、って思うときも多々あり、夫には弱音を吐いていました。でもツイッター上では、冷静に。ムキにならずに淡々と書き込みを否定し、やめてくださいと伝えるのみにとどめました。丁寧な口調で丁重に応じるよう、いつも心がけていました。

のちに訴訟を起こすと考えているのであれば、応戦することは不利になります。相手を挑発して罵倒させたというか。あなたが言わなかったら相手もそういう発言はしなかったんじゃないですか、とか、言わせたあなたにも責任の一端はありますね、と判断されかねない。ですので、そこはとても気を使っていました」

――そして、警察から書き込み主が誰かを教えてもらい、損害賠償請求訴訟を起こしたんですね。被告側はどのような対応でしたか?

「そのアカウント主は60歳代の男性でした。法的手段として刑事のみでやるよりも、民事でも訴えて裁判所の判断を仰ごうと思いました。

『民事であっても事実摘示型の名誉毀損(注1)と認定されたら、刑事でも名誉毀損が成立するので(注2)、起訴してもらいやすくなると考えたからです。

(注1「Aさんが不倫している」という様な、直接的に事実を述べて社会的評価を低下させる類型:参考「インターネットにおける誹謗中傷法的対策マニュアル(第3版)」P58 注2 上記事実摘示型のものは民事刑事双方ともに名誉毀損として処理される:参考「最新判例にみるインターネット上の名誉毀損の理論と実務(第2版)」P26)

被告が出廷し易いようにと、私の地元ではなく、さいたま地裁でやりました。しかし、民事裁判の口頭弁論に本人も、代理人も出てきませんでした。

訴状を送達する段階から、受け取りを何度か拒否されたため、居住地に相手が住んでいるのか確認する『現地調査』も行いました。生活実態があることが確認されたため『付郵便送達』という方法でようやく送達が完了しました」

●確定後も「被告側からは一切、支払いはない」


――ネット上の誹謗中傷での賠償金としては高額だなと思うのですが、どういう事情が評価されたのでしょうか。

「被告側が出廷せず、答弁書も出さず、全く何も反論をしなかったので、こちらの主張を全て認める判決が下されました。ただし、被告が出廷しない欠席裁判でも慰謝料額は裁判官の裁量で決められます。

今回、慰謝料として200万円が命じられたのは、裁判官がそれだけ悪質だと判断したからだと思います。『謝罪文の掲載』ではなく『謝罪文の交付』という珍しい請求もしたのですが、これも認められました」

ーー「謝罪文の交付」とは、何でしょうか?

「謝罪文を書いて原告側に渡すことです。よくあるのは被告側が中傷行為をした媒体(新聞や雑誌、SNSならば被告のアカウント)に謝罪文を掲載することを請求するものですが、本件では被告のツイッターアカウントが凍結されており、謝罪文をそのアカウントの固定ツイート等に掲示してもらうのは不可能なので、変則的な請求をしました」

――損害賠償と、謝罪文の交付を求めて訴訟提起し、判決ではどちらも認められましたが、賠償金や謝罪文の交付は現在、どのような状況になっているのでしょう。

「さいたま地裁で判決が言い渡されたのち、被告側は控訴をしておらず確定していますが、被告側からは一切、支払いもなければ、謝罪文の交付も行われていません。

弁護士さんから被告男性に裁判所の命令に従うように求める通知書を8月末に送付して頂きましたが、それに対しても何の返答もありません。謝罪文の交付については、裁判所に『間接強制』の申立てをしているところです。

民事の裁判は終わりましたが、現在、刑事の方では検察の裁定(判断)を待っている状況です。不起訴になってほしくはありません。損害賠償も払わない、謝罪文も交付しない、そのうえ不起訴となれば、投稿に対して責任を取らすことができません」

――お話を聞き、ネット上の誹謗中傷に対して被害者側はここまで大変な思いをしなければいけないのかと驚きました。

「泣き寝入りなんかするもんか、と戦い続けましたが、経済的にも精神的にも大変でした。本来であれば、仕事に注げるはずの時間も奪われました。

私の場合は、弁護士費用(Twitter社に対する発信者情報開示請求と被告男性に対する民事と刑事の各法的手続きを合わせて)として、これまでに100万円程かかっています。その他にも、北海道に住んでいますから東京の弁護士事務所での打ち合わせや、埼玉県の裁判所や検察庁に行くとなると、交通費や宿泊費、移動の時間も取られました。

誹謗中傷された場合、アカウントを消して逃げるとか、別アカウントを作り直した方が、負担が少ないのかもしれません。

しかし、私のように仕事関係でツイッターのアカウントを使っている人などは、さっとアカウントを消して逃げるということはできませんし、被害者の多くが我慢してしまうと加害者たちが野放し状態となり、ネット環境は改善していきません。

覚悟を決めてやっていますが、今回の経験を通じてネットトラブルについて様々な問題点も見えてきました」

【取材協力】片瀬久美子さん 京都大学大学院理学研究科修了。博士(理学)。専門は細胞分子生物学。著書に『放射性物質をめぐるあやしい情報と不安に付け込む人たち』(光文社新書:もうダマされないための「科学」講義収録)、『あなたの隣のニセ科学』(JOURNALoftheJAPANSKEPTICSVol.21)など。

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