弁護士資格がない者に名義を貸し、債務整理などの法律事務をさせたなどとして、弁護士法違反の罪に問われた弁護士・高砂あゆみ被告人(東京弁護士会)に対して、大阪地裁(西川篤志裁判長)は4月25日、懲役1年6月、執行猶予3年(求刑1年6月)を言い渡した。
判決によると、高砂被告人は、2017年1月から2018年8月ごろにかけて、自身が代表を務めていた「あゆみ共同法律事務所」において、弁護士や弁護士でない者に、報酬を得る目的で、債務整理の交渉などの法律事務をさせた。
高砂被告人は、自身が事務員として働いていた司法書士事務所の運営者などと結託。司法書士が扱うことができない140万円を超える債務整理が適法に扱われているように見せかけるため、「あゆみ共同法律事務所」を設立して、代表社員に就任した。この点について、西川裁判長は「非弁活動を助長した」と指摘した。
また、「あゆみ共同法律事務所」では、弁護士でない者の判断で希望とは異なる内容で勝手に和解を成立させられた依頼者がいたことから「違法性の程度は大きい」と指摘。高砂被告人へ月100万円の報酬支払いが約束されていた点も「強く非難されないといけない」と述べた。
一方で、西川裁判長は「被告人が司法書士事務所の事務員として稼働する中、たまたま弁護士資格を有していて、運営者に取り込まれた側面は否定できない」ともして、執行猶予をつけた。