「まさかコロナで離婚になるとは思いもよりませんでした」。
子育て情報サイト「ママスタ」の掲示板で、夫に「離婚してほしい」と言われたというスレ主が悲痛な声を上げている(「コロナウイルスで離婚」)。
●コロナ流行後にさらに神経質になった妻…夫「疲れた」
「もともと神経質」だというスレ主は、コロナ流行後にさらに神経質に。玄関前で靴と上着を脱ぎ、うがいと手の除菌をし、すぐにシャワーを浴びるようにしていた。
夫も当初はスレ主に合わせていたが、徐々に「馬鹿らしい」「疲れた」と言うように。最終的に、夫は手洗いとうがいしかしなくなった。
スレ主によると、このことが原因で夫婦げんかになり、夫は「俺をばい菌扱いするなら出て行く」と実家へ帰ってしまったという。その後、スレ主のもとに届いた夫からのLINEには「今回に限らず神経質過ぎて疲れた。離婚したい」と書かれていた。
スレッドには170をこえるコメントが集まり、「価値観が違いすぎてお互いが疲れるなら離婚した方がいいと思う」「旦那さんの気持ち分かる」などの声が上がった。
また、スレ主の夫と同じように「神経質な妻」との離婚を考えているという男性がつぎのコメントを寄せている。
「コロナが拡大していても仕事はしないといけない、でも家に帰るとウイルスウイルスって言われる。何のために働いてるんだろう、働きに行くことを否定されているのではないか…しんどい…ってなりますよ」
●法的な離婚原因として認められるのか
コロナをきっかけに、夫(または妻)が「離婚したい」と言ってきた場合、応じなければならないのだろうか。冨本和男弁護士は「必ず応じなければいけないわけではありません。離婚するためには、原則として、夫婦の合意が必要です」と説明する。
「もし夫の方が協議離婚や調停離婚に応じなければ、妻は裁判に訴えるしかありません。それには、それなりの時間がかかります。
そして、仮に裁判になったとしても、『婚姻を継続し難い重大な事由』がなければ、離婚は認められません。離婚を切り出されたからといっても、必ず離婚に至るわけではないのです」
スレ主のように夫婦間の「価値観の違い」は「婚姻を継続し難い重大な事由」になるのだろうか。
「『価値観の違い』のみでは『婚姻を継続し難い重大な事由』にはあたらないでしょう。裁判所が『夫婦関係の修復(回復)の可能性がない』と判断することが必要です」