◆横浜DeNA10-1広島
ピープルズが多彩な変化球でカープ打線を幻惑した。「いい攻めができた」と5回1失点で来日初勝利。終始ポーカーフェースだった28歳はウイニングボールを手にし、「妻に感謝したい」とまぶしい笑顔を見せた。
7月21日以来の1軍のマウンドは丁寧な投球が光った。「調子が良かった」というスライダーとツーシームを左右の打者に投げ分け、チェンジアップを沈めた。空気が乾燥している出身地の米テキサス州で「小さい頃から投げてきた」というナックルカーブも効果的に織り交ぜた。
ピンチを背負った四回も冷静だった。無死二塁から一直で併殺とし、最後は4番鈴木誠を空振り三振に仕留めた。「相手は機動力がある打線。不要な四球は出さない」。宣言通りの見事な無四球ピッチングだった。
来日4年目の先輩パットンが頼れる存在だ。ラグビーボールでキャッチボールをする間柄で、ボール球を使って日本の打者を打ち取るすべを教わった。米国時代から続けているという登板前にピザを食べるルーティンは、初のビジター試合のためお預けに。それでも「おいしいステーキを食べた」とスタミナを養った。
「勝てて楽しかった。ここから白星を積み重ねたい」と言う右腕の好投に「印象的な活躍だった。来週? 投げる可能性は高い」とラミレス監督。今永、平良と左右の柱を欠いた先発陣のジョーカーとして頼もしい存在だ。
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