今シーズン、神奈川新聞のベイスターズ担当記者が独断でチームの月間MVPを選ぶ新企画、初回の3・4月はドラフト2位ルーキーの牧秀悟内野手(23)=資料写真=だ。
月間22打点は堂々のセ・リーグ2位タイ。打率2割8分8厘、6本塁打も上位に名を連ねた。6勝21敗4分けと苦しんだチーム唯一の光と言っていい活躍だった。
プロ初安打は開幕2戦目の3月27日の巨人戦(東京ドーム)。9打席目で一塁後方にポトリと落ちる幸運な内野安打にほっとした表情は、まさに新人そのものだった。
しかし、以降は大学日本代表で4番を任された実績や経験を証明。出場30試合で複数安打は10度を数えた。開幕から投手陣が振るわず引き分けを挟んで6連敗中も快音を響かせ続けた。
「何回もお立ち台に上がってもおかしくなかった」と頭を下げるのは木塚投手コーチ。牧本人に「(脚光を浴びる)チャンスをつぶして申し訳ない」と伝えたこともあったという。
うならされたのは、3月31日のヤクルト戦(横浜)の一打だ。5点ビハインドの六回無死一、二塁から初球の甘いフォークボールを逃さずに仕留めた。左越えのプロ初本塁打。好機に積極的にフルスイングできる精神力や勝負強さは、新人離れしている。
開幕当初こそ、グラウンドで一人過ごすことも多かったが、今ではナインの中心にいる。声出しを任され、佐野やオースティンらと談笑する姿もよく見掛ける。すっかりムードメーカーとしての顔も定着した。
担当スカウトだった河原隆一スカウティングディレクターは「今は疲れがあると思うが、(阪神の同期)佐藤輝にも負けたくないと思っているはず」と期待する。さらなる成長が楽しみでならない。
外部リンク