大型ルーキーは、一流打者の証しとされる3割到達で偉業達成なるか─。
横浜DeNAの牧秀悟内野手(23)=写真=が17日のヤクルト戦で2安打を放ち、打率は2割9分8厘まで上昇。1986年の清原和博(西武)以来となる史上4人目の「3割、20本塁打」を視界に捉えた。広島・栗林、阪神・佐藤輝らと新人王を激しく争う背番号2にとって、シーズンは残り6試合。数々の球団記録を塗り替えてきたバットマンから最後まで目が離せない。
プロ野球界では過去に新人の打率3割到達者は11人いるが、98年の坪井智哉(阪神)高橋由伸(巨人)を最後に誕生していない。越えるべき壁は高いが、今の勢いでは可能な数字だ。
6日から4番に座る牧は、相手の攻め方が厳しくなる中でも10月の月間打率が3割6分7厘と好調を維持。ここ3試合連続で複数安打を放ち、13日の広島戦(マツダ)では佐藤輝に1本差に迫る22本塁打とした。「いつ佐藤(輝)も復活するか分からない。勝手にライバルとして見ている」。2003年に25本塁打を放った村田修一が持つ球団の二塁手最多記録更新も視野に入れる。
ここまで138安打、29二塁打、11度の猛打賞、67得点と球団の新人記録を次々と更新。8月25日の阪神戦では新人でプロ野球史上初めてサイクル安打も達成し、239塁打は1958年の長嶋茂雄(巨人)の290に次いで新人史上2番目の記録だ。左投手から3割2分5厘、右投手でも2割8分8厘とどちらも苦にせずコンスタントに数字を積み上げた。
新人の「3割、20本塁打」は58年の長嶋、81年の石毛宏典(西武)、86年の清原のみ。高まる周囲の期待にも、地に足を着けて臨む姿勢は変わらない。
「自分の打撃を崩さないようにしたい。3割を目指して一日一日をやっていきたい」
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