◆横浜DeNA9-3中日
どれも打った瞬間、という表現がふさわしい。4連敗で4位に沈むハマスタの雰囲気を、横浜DeNAのオースティン=写真=が異次元のパワーで一変させた。
初回は先制11号3ラン、三回に弾丸ライナーの12号ソロ。極め付きは七回1死一塁だった。1ボール1ストライクからの3球目。内角低めへ食い込むシュートに両腕が伸びる。「強く振ってコンタクトしようと思った」。フルスイングしても軸足に乗せた体重100キロの巨体は全くぶれない。痛烈な打球をバックスクリーン右へ放り込んだ。
来日初の1試合3本塁打にスタンドはお祭り騒ぎ。「(コロナ禍に)我慢強く耐えた多くのファンが温かく迎えてくれたね」と感慨深くダイヤモンドを巡った。ラミレス監督は量産態勢に入ったと確信する。「3本目はベストな一発。技術面でも完璧なスイングだ」
7月31日の阪神戦でフェンスに激突し、脳振とうなどを発症。約1カ月実戦から遠ざかり、「非常にタフな難しい期間だった。思い通りにいかないことも多々あった」と苦悩を明かす。
復帰後もバッティングの状態はなかなか上向かなかったが、ナインと打ち解けた。若手と英語でジョークを飛ばし合い、遠征移動の車内ではスタッフらにドーナツを差し入れるナイスガイだ。
苦しんだ10連戦のラストゲームを「自分の打撃で勝ててうれしいね」。6打点の大暴れで、わずか1日でチームは3位に再浮上。華やかな白星で飾った勢いに乗って、首位巨人に挑みたい。
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