朝読書におすすめの本をご紹介する『まっこリ~ナのCafe BonBon』。小説やエッセイ、暮らしや料理の本など心に効く本をセレクトしています。
今日の「まっこリ~ナのカフェボンボン」の本棚は、『未来のだるまちゃんへ』。
『だるまちゃんとてんぐちゃん』『からすのパンやさん』など、数々の名作絵本を生んだかこさとしさんが人生について語った自叙伝です。子どもたちのために生きたかこさんからのメッセージが心に響きます。
だるまちゃんには子どもたちの姿が宿っている。そう語るかこさんにとって、人生の先生はいつも身近にいる子どもたちでした。長く愛され続けてきた「だるまちゃん」シリーズの主人公、だるまちゃんのモデルは、かこさんが出会ってきたたくさんの子どもたちが投影されているのだそうです。
やんちゃで、いたずらで、騒がしくて、自由で、大人の思い通りになんてならなくて当たり前。それでいて、心の中では親の苦労をわかって心配したり切ない思いもしている。本書では、そんな子どもたちの姿が生き生きと語られています。
並はずれて子煩悩だったというお父さんの話、里山のふるさとで遊んだ思い出、東京で出会った子どもたちのこと、戦時中の生活、そして十九歳で迎えた敗戦。かこさんが乗り越えてきたつらい体験も苦い後悔もすべて語ることで、子どもたちの役に立ちたいという思いが強く伝わってきます。
大らかな温かい言葉に、明日を生きる勇気がわいてきます。子どもたちはもちろん、かつて子どもだった大人たち、子育て中の方々にオススメしたい一冊です。
ラブ&ピースな一日を。
この記事を書いた人:まっこリ~ナ(編集者・ライター)