学びは未来をつくる「魔法」
投資家で京都大学の先生(客員准教授)である著者。先月、病気のため47歳で亡くなりました。この本は「14歳のきみたち」が新しい時代を生きぬくための特別講義、という位置づけです。
なぜ勉強しなくてはならないのか。著者は「みなさんが学んでいるものの正体、それは『魔法』」だといいます。江戸時代の侍が現代にタイムスリップしたら、どう見えるか。鉄の鳥が雲の上を飛び、手のひらの小さな板で、話したり遊んだり調べたりする……。みなさんは学校で「魔法の基礎」を学んでいるのです。
グローバル化が進み「世界」がひとつになった21世紀は、安い(賃金の)人が選ばれる時代です。文句さえいわないロボットに仕事が奪われかねません。でも、著者は「未来には、ひとつだけいいところがある。未来はつくることができる」といいます。
①日常の「小さな違和感」をほり下げ、②自分だけの仮説を立て、③新しい考え方を「ルール」をつくって広め、④仲間とともに、⑤逆風の先にミライをつくる――。①~⑤に著名な人物をそれぞれ登場させて、計19人の変革者を紹介しています。
勉強法は載っていませんが、勉強が何をもたらすのか、将来どう役立てていったらいいか、展望を持てるはず。巻末には「授業の最後を飾る変革者、それは『きみ』だ」というメッセージがあり、著者の思いが息づいています。
外部リンク