取材・文/藤田実子 撮影/鈴木拓也
定番? 冒険? 迷ったり 工夫したりが醍醐味!
冬木れいさん推奨“おにパ”おすすめ六選
具だくさん 楽しいおにぎりパーティーのコツ
缶詰で手軽に!
漬物、作り置き薬味で味の幅が広がります
マグロはおにぎりに混ぜやすいよう1〜2㎝の角切りにして、煮切りしょうゆやワサビを溶かしたしょうゆを絡めておくだけ
好みの塩・酢加減でしめたサバを軽く焼きます
おにぎりパーティーをもっと盛り上げるキーワードは「食べ比べ」
[お米]
今回は、2016年秋に岩手県からデビューした「銀河のしずく」(左)と、昨年から本格的な栽培が始まったばかりの福井県産「いちほまれ」(右)の話題の新品種2種を食べ比べました。どちらもお米の風味や甘さ、粘りなどをほどよく残しながらもしつこすぎないのでどんな具とも合います。一粒一粒がしっかりしていて、つややかな白さは抜群。冷めても甘みが残るのが特徴でおにぎりに最適です。
[のり]
冬から春先が収穫期ののり。一番最初に摘み取られたのりは、「初摘み」「新のり」と呼ばれ、やわらかく香り高いのが特徴の期間限定品。青のりを混ぜたものは、「青まぜ」「こんのり」などさまざまな呼び方がありますが、独特の風味がおにぎりと合います。寿司用はやや厚手で風味が濃くパリパリの食感です。
[塩]
産地、製法などで味がまったく違う塩。均等に味がなじむようにパウダー状にした「おにぎり塩」や、柚子の皮をブレンドしたもの、燻製塩、藻塩、トリュフ塩など素材との相性を考えつつ塩を選ぶのも楽しいですよ。
[サケ]
紅サケ、銀ザケ、時ザケなど時期や産地、加工により種類豊富。塩気も甘塩・中辛・辛塩といろいろありますし、脂がのったもの、カラッとしたものなど、ひとくちにサケといってもこんなに違いがあるんだということを実感できます。
漬物、作り置き薬味で味の幅が広がります
[練り梅おかか]
鍋に梅干し10個程度を入れ、ひまわり油などをひたひたに注ぎ、弱火で身がほぐれるまで煮ます。種を取り出し、かつお節を適量加えて全体をよく混ぜ合わせたら火を止め、冷めたら出来上がり。冷蔵庫で1カ月くらい保存可能です。
[ショウガのかえし漬け]
みりんを煮切り、アルコール分を飛ばして、同量のしょうゆと合わせておきます。これを“かえし”と呼びます。ショウガの皮をむき、2ミリの厚さにスライスしてかえしに浸し、1日ほどおいたら出来上がり。冷蔵庫で1カ月くらい保存可能です。
[ゴマみそパウダー]
すりゴマ 1袋(70g)と同量のみそをよく混ぜ込み、弱火にかけたフライパンで煎りながら水分を飛ばしていきます。パラパラになったら、熱々のところにショウガ汁 30ccほどをかけまわして火を止め、余熱で水分を飛ばしたら完成。冷蔵庫で1カ月くらい保存可能です。
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教わったのは……料理研究家 冬木れいさん
美味しい食卓と健康をテーマに、本草学を取り入れた江戸料理からスパイス料理までを幅広く紹介。地方食材を中心に、レシピや商品開発も数多く手がける。時代劇ドラマ「ブシメシ!」(NHK)の料理監修や、最近では「趣味どきっ!」(NHK Eテレ)の「鍋の王国」で案内役を務めた。国際薬膳師、本草薬膳研究会副会長、希望郷いわて文化大使、とちぎ江戸料理アドバイザー、良い食品づくりの会・会友