「片付け」とは分けて考えて
教科書やプリント、ノート、図工や理科の作品、さらに塾のテキストにプリントに……。新しい学年が始まる前にきちんと整理しませんか。家庭教師で整理収納アドバイザーでもある中島亜季さんに、持ち物だけでなく頭もすっきりする整理法を聞きました。朝小リポーターの整理の悩みと解決法、工夫も紹介します。(中田美和子)
まず「片付け」と「整理」を分けて考えましょう。片付けは、使った人が使った物を元の場所にもどす、足りなくなった物を補うなど、ふだんの物の出し入れのことです。それに対して整理は物をしまう仕組み作りのことです。整理の手順はこうです。
①持ち物を全て点検
一つのスペースの持ち物を全部出してみます。「こんなにあるんだ!」と量がわかり、数や種類、色などの好みもわかります。
②いる物といらない物に分ける
「なぜ必要か」「なぜ取っておきたいか」を考えて、必要な物を取り出しましょう。おうちの人とやり取りしながらするといいですよ。理由を考えてきちんと説明することは、頭の中を整理して情報を伝える勉強になります。
使わないと思う物は手放しましょう。捨てる以外にも、おうちの人にたのんでだれかにゆずったり売ってもらったりするのもいいでしょう。自分が使わなくても大事にしてくれるお友だちのところで活躍してくれます。
③分類する
作文を書くときのように「いつ、どこで、だれが、何を、何のために、どのように」を考えて分類します。学校か塾か、使う時期はいつか、教科は何かなどです。
④収納する
必要な物を必要なときに必要なだけ使えるように収納します。まずはランドセルの置き場を決めましょう。学校に置いてきていい物が多いなら、ランドセルの中を教科書のいつもの置き場にしても大丈夫です。
ドリルやプリントなどの紙の物はファイルボックスに立てるのが基本です。大事なのは置く物と置く場所をセットにして、必ず両方に名前を書くことです。こうするとだれもが元の場所に片付けられます。
無理せず続ける
みなさんが悩むのは②の「区別」でしょう。
教科書はつまずいたときのふり返りのために、前の2学年分は取っておきましょう。プリントやドリルは、春休みにまちがえたところを解き直してから捨てます。間に合わない? 今年はゴールデンウィークに長い休みもありますよ。
塾の教材は、まちがえた問題、解答の番号に印をつけて、解き直しがしやすいようにしておきましょう。小テストは解き直してから捨てます。公開テストは弱点を知るために、解説や成績とセットで取っておきます。
整理も片付けもいきなり完ぺきにするのは無理です。家族で「これだけはやろう」という範囲を決めて、続けられることを続けるのが大切です。
朝小リポーターの「困ってます」
――クローゼットがうまく整理できません。衣がえの直後はきれいですが、だんだんくずれてきてしまいます。(宮城県・小6)
中島さん(以下な) ポールをクリップで仕切って、トップス(シャツや上着)やボトムス(パンツやスカート)で分けてかけます。ハンガーをテープやリボンで色分けすると、いいですよ。
――お下がりの服と今着ている服、夏物と冬物の服をどう整理したらいいですか。(東京都・小2)
な 長くしまう衣服は湿気をのがせるように、ビニール製ではなく布や不織布のボックスに入れます。季節ごとにトップス、ボトムス、サイズ別(身長何センチ用など)に分けておきましょう。
――赤ちゃんのころからの写真や友だちからもらった写真がバラバラになっています。(東京都・小5)
な 今は写真はデジタルデータにして残すことが多いです。データにしてクラウド(大きなデータベースに保存すること)を使えば、もし災害にあった場合もなくなりません。データの保存量は上限を決めて、学年末に残すものを選びましょう。
――昔のカレンダー、がんばったノート、図工の作品など、思い出があって捨てられません。(神奈川県・6年)
な これからも増える思い出のために、今あるスペースをパンパンにしないほうがいいですね。一生の思い出にするものか、よく考えてね。ノートは重ねた高さをはかって、これだけがんばったとわかるようにして写真に撮ったらどうでしょう。工作は手に持って記念写真を撮りましょう。
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