前回、箱の外で考えるスキルを使って「やりたいこと」を20個書き出してみました。今度はいよいよ行動に移す時です。
これはお子さんの非認知能力を育むために、とても重要なポイントなのです。なぜなら行動すれば必ず「やっぱり違った」「うまくいかない」など、いろんな問題や葛藤が出てくるから。
そこで「格好いい完璧なママ」ではなく、問題を抱える「格好悪いママ」になることが、お子さんが強い心を育んでいくための鍵なのです。
例えば「今日編み物教室に行ったけど、難しい。どうすればうまくなるかな」という感じで、お子さんと対話してみましょう。
そして、少しずつ克服していく自分の姿を見せます。子どもは親の生きる姿を観察して、まねして成長します。
そんな背中を見せられる親は、子どもの非認知能力を確実に育むのです。
一歩を踏み出さない親は、自分のやりたいことをやる機会を失うだけじゃなく、子どもの非認知能力を育む機会をも手放しているのです。
そう考えると勇気が出てきませんか?
ハードルを下げる
でも勇気だけじゃ、踏み出せません。必要なのは、一歩を踏み出すために「自分へのハードルを下げる」という訓練をすることです。
私たちは何かをやりたいと思った時にいきなり完成した自分を思い描き、初心者であることを忘れてしまいます。
いきなり自分に大きな結果を求め、プロ並みの技術習得を期待してしまう。
それはまるで登山をしたことのない人が、ある日突然エベレストに登ろうとするようなもの。恐怖で足がすくみ、一歩も踏み出せずにやめてしまうことでしょう。
一歩を踏み出す鍵は、意識的に自分へのハードルを下げ、できるだけその一歩を小さくすることです。そして続けること。
自分へのハードルを下げることは、一見難しそうで躊躇してしまうことを行動に移すための素晴らしいスキルなのです。
さあ、あなたは自分の一歩を、そしてお子さんの一歩をどれだけ小さくすることができますか?
※月1回配信します。
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ボーク重子 ライフコーチ。福島県出身。大学卒業後、外資系企業に勤務。退職後、イギリスの美術系大学院で美術史を学ぶ。結婚後アメリカに渡り、アートギャラリーをオープン。著書に『世界最高の子育てー「全米最優秀女子高生」を育てた教育法』(ダイヤモンド社)、『「非認知能力」の育て方』(小学館)など。
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