あなたに手紙を書きます。好ききらいが多いあなたに手紙を書きます。
今、ダイエットに苦しんでいる私ですが、小学生のころはやせっぽちでした。好ききらいが激しかったのです。ニンジン、ブロッコリー、納豆が苦手でした。鶏肉の皮を見ると寒気がし、今は大好きなおすしもきらいでした。生魚が食べられなかったのです。おかげで体が弱かった。風邪はよくひくし、貧血でよくたおれていました。
そんな私が変わったのは、盲腸の手術をしてからです。簡単な手術でしたが、当時の私は体にメスを入れられることがこわくてしょうがなかったのです。「これはきっと好ききらいばかり言っていたからにちがいない」。そう思った私は、退院したのをきっかけに、ニンジンにもブロッコリーにも挑戦したのです。
夏休みのキャンプで、カレーを作ったのもいい経験になりました。不思議なことに自分で作ったものは、何でもおいしいのです。納豆も生魚も食べられるようになり、鶏肉は好物になりました。かかった期間は2か月程度でした。「これはきらい」と決めつけるのをやめて、「強い体を作る」と決めたとたん、好ききらいが消えたのです。
大事なことは「きらい」という思いこみを捨てること。「これを食べれば元気になれる」と言い聞かせ、「好きだ! 好きだ! 好きだ!」と言いながら食べてみる。すると案外簡単に食べられるようになるものだよ。ぜひ試してみてください。
* *
ひきた・よしあき 博報堂のスピーチライター、博報財団コミュニケーション コンサルタント。
外部リンク
第一生命保険は8日、子どもたちに「大人になったらなりたいもの」をたずねるランキングで、平成の30年間の集計を発表しました。

※食べ物屋さんは1991、92年の「お菓子屋さん」をふくむ
※男の子は96年、サッカー選手と野球選手がともに1位
男の子はほとんどの年で「野球選手」と「サッカー選手」が首位を争い、女の子は「食べ物屋さん」が22年間不動のトップに。その内訳をみると2008年以降、「パティシエ」を挙げる女の子が約3割をしめました。
第一生命の営業担当者が、全国の保育園・幼稚園児と小学生に毎年、アンケートをしています。最新の30回目は去年の夏に1千人に聞きました。男の子は1位が「サッカー選手」で2位は「野球選手」、女の子は1位が「食べ物屋さん」で2位は「保育園・幼稚園の先生」でした。
外部リンク
世代を超えたステキな歌を届けてくれるタニケンさんに、インタビュー
歌いながら手と手をタッチ。目と目を合わせてニッコリ
優しさ、温かみにあふれた柔らかな歌声で心を癒やしてくれるタニケンさん。「歌はコミュニケーションツール」と、ライブでは表情はもちろん、身ぶり手ぶりも豊かに、子どもたちをはじめあらゆる世代の来場者と心を通わせています。そんなタニケンさんに歌に込める思いや、親子で歌を楽しむコツを聞きました。 取材・文/藤田実子 撮影/キノシタメグミ
声に個性がないのがコンプレックスだった
子どもの頃から歌うのが大好きでした。兵庫県の山あいの田舎町で育ったため、犬の散歩のときなど大声で歌いながら歩いていても誰にも文句を言われなかったんです。チェッカーズの「涙のリクエスト」を真っ暗な夜道で熱唱していましたね(笑い)。
中高生の頃は、こういったはやりのポップスやビートルズ、ボブ・ディランなどの洋楽が好きで、ロック歌手などを夢見ていました。大人になってライブ活動などをするようになると、「もっと声をつぶした方がいいんじゃない?」と言われたりすることも多く、声に個性がないというのがコンプレックスでした。
子どもたちに美しい日本語を届けたい
転機は、NHK Eテレの「フックブックロー」で平積傑作・通称けっさくくんの役をもらったことです。子どもたちはもちろん、一緒に見ているいろいろな年代の人たちの心に届くような歌が選曲されていたんです。そして、番組の原作者であり偉大な作詞家である故・山川啓介先生に「君はすてきなものを持っているね」と声をほめられたんです!
それからですね、「このままでいいんだ。これでいいんだ」と自分の声に自信が持てるようになったのは。また、この番組がきっかけで、子どもたちに歌を届けるという喜びに目覚め、自分の方向性が定まりました。山川先生、それから作曲家の服部隆之先生に出会うことができたのは、僕の人生にとって本当に大きなことでした。「子どもたちにこそ、美しい日本語を届けないとね」と言われ、歌詞やメロディーのよさはもちろん、発音にも気をつかっています。
歌い継がれてきた名曲に思いを込めて
歌選びも、オリジナル曲を出すことにこだわらず、小さなお子さんからお年寄りまでみんなで一緒に歌えるような、歌い継がれてきた名曲を自分の声で届けたいと思うようになりました。そんな思いの中から生まれた企画が、先月リリースした「Suteki Song Shop」というCDです。
僕はすてきな歌がそろっているお店の店長さんという設定。年4回のペースでリリースする予定ですが、今回は「あしたははれる」を筆頭に、童謡、懐メロ、キッズソングなどいろいろなジャンルの曲を選曲しています。
「あしたははれる」は、うたのおにいさんとして活躍されるだけでなく、数々の名曲を生み出した坂田おさむさんの歌です。
歌詞が心にスーッと入ってきて、いつまでも余韻が残りますよね。「フックブックロー」のオープニング曲「青空しんこきゅう」は、山川先生の作詞、服部先生の作曲で、僕にとってとても大切な歌。「走っても、歩いても地球のスピードは同じです。焦っても、のんびりでも明日はちゃんと来るんです……」って歌詞も心にしみます。これはお子さんだけでなく、毎日頑張っている大人の人にも聴いてもらいたい名曲です。
子どもたちには、自然に体が動く楽しい歌を
子どもたちに向けて歌を歌っていて思うのは、心をつかむのに「インパクト」は大事、ということです。僕は憧れのボブ・ディランをまねしてこのヘアスタイルにしていたのですが、これが子どもにウケたんですね(笑い)。また、大きな声で歌うことで、子どもたちも一緒に歌いやすくなるようです。
そして手拍子を打ったり、隣の人と手をつないだり、タッチしたり、手遊びを入れたり。わーっと手を振る、イエーイと手を上げる、歌に合わせて体を動かすなど身ぶり手ぶりをすると子どももどんどんノリがよくなります。「バスにのって」「しゅりけんにんじゃ」はライブでお子さんたちのノリがものすごくいい曲なので、今回のCDにも収録しています。
楽しみ方はいろいろ子どもの個性を尊重する
おうちで歌を聴くときも、お子さんと一緒に歌ったり、身ぶり手ぶりをしたりして、歌を全身で楽しんでもらえたらうれしいですね。とはいえ、「歌を楽しむこと」を強制しないでくださいね。まずはお母さん、お父さんたちが楽しんでいる姿を見せることが大事。
僕もいつも本気で楽しく歌っているんです。じゃないと子どもにはすぐに見抜かれてしまいます。また、すぐに一緒に歌ったりはしゃいだりする子どももいれば、じーっと聴いたり観察したりして自分の内面で静かに楽しんでいる子どももいます。いろいろな性格があるように、感情表現も本当にさまざまです。「うちの子、ノリが悪い」「音楽が好きじゃないみたい」なんて決めつけたりせず、その子なりの楽しみ方を尊重してあげてくださいね。
* *
タニケンさん(谷本賢一郎) 1974年生まれ、兵庫県佐用町出身。2011年からNHK E テレで放送されていた「フックブックロー」けっさくくん役としてレギュラー出演(16年4月終了)。NHKエデュケーショナル「遊育(あそいく)」から生まれた「たにぞう&タニケン&きよこのからだ遊育計画」(キングレコード)のCD&DVDを18年にリリース。19年2月にはソロ活動第1弾「うたの店長さん タニケンのすてきな歌がそろっています Suteki Song Shop ~あしたははれる」をリリース。全国で行うファミリーコンサートに加え、野外フェスにも出演するかたわら、ほぼ毎月福島の被災地訪問や、学校・保育園・幼稚園でもミニライブ活動もライフワークの一環として行っている。
外部リンク
子どもの「やりたい気持ち」が育つ、はみがき・おきがえ絵本
──『はみがきれっしゃ』は歯ブラシがかわいい列車になっていて、歯磨きが苦手な子も口をあーんと開けてしまうと人気ですね。この絵本を作ろうと思ったきっかけは何ですか?

食事時、なかなかごはんを食べずにぐずっていた2歳のおいっ子が、父親がスプーンを大好きな新幹線に見たてて「びゅーーん!」と口に近づけたら、笑い声をあげて食べはじめたんです。「やりなさい」ではなく、ちょっとした工夫、言葉かけひとつで子どもの気持ちは転換できるんだなと思いました。それがきっかけでアイデアが生まれました。
──『パジャマでぽん!』はがんばってお着替えする子どもが、とても可愛らしく描かれています。

保育園に取材に行って、2、3歳児の様子を見せてもらいました。絵を描く際は、そのときに撮った写真を身近に貼って、毎日見ながら「やわらかくなれー」「まるくなれー」と思いながら描いていました。
外部リンク
テスト1週間前のおすすめの勉強法を教えてください。【もぎもぎさん/神奈川・中1・女子】

手で耳で記憶、そして寝る!
お。シンプルでいいですねえ。もぎもぎさんは中1ということで、テストにまだまだ慣れてないからコツが知りたいのかもね。
さて。人によってやり方が千差万別なんで、絶対これ!というのはないけれど、俺なりのやつ教えるね。
まず絶対寝ること! これはマストで。記憶というのは睡眠により頭に定着するらしいんだよね。睡眠時間削って勉強したって、記憶を定着させないと意味がないんだよね。だから、勉強したら寝ろ!
次に、書いて書いて書きまくれ! 俺、あんまり蛍光ペンを信じてないんだよ。大切なポイントを蛍光ペンで色塗って覚える人いるけど、なんか無理だったんだよなー、軽い感じがして。それよりも大変だけどノートに書きまくる。書くことで覚えやすくなるよ。
あと英語や古文は口に出せ! 暗記ものは声にするのはなかなか効果あるよ。声に出したら耳が覚えるんだよ。例えば「アウグストゥス」を覚えたいとする。書きまくるのはもちろん効果あるけど、ウやスが多くて、ややこしいわけよ。
そういう時は音で覚える。歌詞を覚えるみたいに音で覚えると、テスト中に忘れたとしても「あうぐ、あうぐ、あうぐす!」、そこまできたら自動的に「アウグストゥス!」て思い出せるんだな。せっかく「五感」があるんだから、視覚だけでなく聴覚も使っちゃおう!

* *
ヒャダイン(本名・前山田健一)。音楽クリエーター。1980年生まれ。京都大学卒業後、本格的な音楽活動をスタート。でんぱ組.IncやAKB48、超特急など多くのアーティストに楽曲を提供している。
外部リンク
大いに遊び、「強敵」対策開始
これから入試をむかえるみなさん、もうひとがんばりです。ベストのコンディションで本番に臨んでください。
入試を終えたみなさん、お疲れさまでした。第1志望校に合格した人にとっても、目標に届かなかった人にとっても、受験に向けた取り組みで価値があるのは努力そのものです。残念な結果に終わった場合、受け入れるのに時間がかかるかもしれませんが、前向きなパワーにかえてほしいと願います。
受験を終えたら、次に待っているのは大学入試。「この時期から、その話をするか!」という声が聞こえてきそうですが、こちらは相当な「強敵」です。はやめに取りかかることが、より効果的な対策に結びつきます。春休みは、次の学年の「0学期」。今月から始めてください。
そうは言っても、みなさんの大半が「がんばってきたんだから遊びたい」と考えるはず。もちろん、大いに遊んでください。でも、期限を定め、少しずつ勉強を再開しましょう。
1週間は集中的に遊び、それから少しずつ、もとに戻すのが一例。1日に30分でも構わないので、頭を使い始めます。
取り組みたいことの一つは、中学で学んだことの総整理。これまで使ってきた問題集や参考書の復習から始めます。「見たくない」と感じるかもしれませんが、そこは我慢! 使い慣れた教材のほうが思い出すのに時間がかかりません。
もう一つは高校に向けての予習。書店で薄めの参考書を手にしたり、インターネットで配信されている動画を活用したりします。英検や漢検の勉強をするのもおすすめです。
新しい勉強法を楽しもう
大学入試はいま、大きくかわろうとしています。これまで以上に図や表が取り上げられ、より「考える」姿勢が求められます。勉強のやり方も少しずつかえる必要がありそうですね。
朝日中高生新聞の読み方を「3段階」にかえてみるのが一つの方法。

まずは本文(記事)全体を読みます。次に本文と一緒に盛り込まれている図や表を確認。そして、図や表を本文と照らし合わせ、本文で詳しく説明されている部分に線を引きます。この「線引き学習」は線を引きながら読むことで、頭のなかで大事な点が「流れてしまう」ことを防げます。
相反する考えが盛り込まれたコラムなどをもとに、200字で意見をまとめる勉強法も効果が期待できます。題材になりそうなのが、一つのテーマに対して3人ほどが意見を伝える朝日新聞の「耕論」というコーナー。複数の意見を読み取り、自分の意見を書く力は、新たな大学入試でも問われます。ぼくも塾の授業の冒頭で取り組んでいますが、確実に力がつきますよ。
この連載も今回で一度、着地します。勉強は生きているかぎりつづき、学ぶ楽しさに1日でもはやく気がついてもらえればと考え、3年間つづけてきました。高校受験はもちろん、大学受験でも使える勉強法を紹介してきましたのでこれからも使ってください。
* *

清水章弘(しみず・あきひろ) 私立海城中学高校、東京大学教育学部を経て、同大学院修了。勉強のやり方を教える塾「プラスティー」を東京と京都で経営。著書に『「苦手」も「キライ」も克服できる!「小学校の算数」が1冊でちゃんとわかる本』(PHP研究所)『勉強ができるぼくのつくりかた』(PHP研究所)など。
外部リンク
雑貨や文房具など日常的に使うものにちょっとした工夫があると、使いやすくなったり、楽しい気分になったりしますね。2月に東京ビッグサイト(東京・有明)で開かれた「ギフト・ショー」で見つけたアイデアグッズの一部を紹介します。(浴野朝香)
【消せる筆ペン】準備も、練習も、気軽な書道
「書道をやってみたいけど、準備するのが面倒だし、道具が重そう……」。そんな声を受けて作られたのが、エポックケミカル(埼玉県久喜市)の「消せる筆ペン」です。
「消せる筆ペン」は水性です。ホワイトボードや専用の半紙に文字を書き、ティッシュなどで簡単に消せるので、繰り返し練習することができます。インクや穂先の研究で、開発には約3年間かかりました。
同社の商品開発デザイン課長、井本彩子さんによると、文鎮や墨汁といった習字道具一式をそろえると、重さは2キロ弱になります。
「消せる筆ペンなら準備の手間をかけずに、遊び感覚で習字を楽しんでもらえるのでは」と井本さん。
専用半紙は、表面がホワイトボードのようにコーティングしてある和紙です。裏が透けるので、下にお手本を敷いて習字の練習をすることができます。
消せる筆ペンは1980円(税別)。消せる筆ペン1本と専用半紙5枚、専用カートリッジ1本がまとまった3点セットは2480円(税別)
【浴衣&あずま袋】この模様は世界に1枚だけ
グラフィックデザイナーの平本ゆりさんは、ライトブルーやライトグリーン、エメラルドといったパステルカラーの模様が入った涼しげな浴衣を展示していました。群馬県桐生市にある実家の染色業者「桐染」の4代目として、昨年8月から浴衣を作り始めました。
模様は籠や筒を使って付けます。籠染と呼ばれる染め方では、生地を二つの籠の間にはさんで染め上げます。模様は、まだらなしわのようになります。
筒染では、生地を筒状に縫い合わせ、筒にかぶせて染めます。生地の絞り加減で模様を調整し、模様は不規則な横じまになります。どちらも手作業なので、同じ模様は1枚もありません。
一方で、浴衣を作った後の余った布を無駄にしたくないと、その布で「あずま袋」と呼ばれる袋も作っています。あずま袋は、手ぬぐいをたたんで2カ所縫い合わせるだけでできあがる袋で、昔から日本で使われてきました。
平本さんは「先人の知恵がつまったあずま袋を1度使ってみてほしい。普段着にも合います」と話しています。
桐染のあずま袋はピンク、ライトグリーンなど全8色で、各3600円(税抜き)。
外部リンク
友達や家族と、考えや思いを上手に伝え合えたら、コミュニケーションがもっと楽しくなりますね。研究所の博士と助手が、みんなの悩みを解決します! 博士役は『伝え方が9割』の著者で、コピーライターの佐々木圭一さんです。
キャッチボールの相手をして
助手 今日は、4年生のサトルくんからの相談です!
「最近、野球クラブに入りました。キャッチボールのとき、上級生が『サトルは下手だから、いやだ』と言って、相手をしてくれません。何と言えばいいですか?」
助手 上級生だと、気をつかいますよね。
博士 目上の人と話すときこそ「伝え方の技術」を使ってみてほしい!
助手 どんな技術がききますか?
博士 おすすめは、「認められたい欲」だよ。相手をほめる言葉を入れるんだ。
「タカシくんみたいに、はやい球が投げられる選手になりたいんだ。だから、教えてください!」
上級生は後輩から認められたり、尊敬されたりすると、うれしいんだよ。
助手 なるほど。私も使えるようになりたい!
博士 じゃあ、私に対して、「認められたい欲」を使ってごらん。
助手 はい! えっと、えっと、えっと……。
博士 どうしたの?
助手 ほめるところが思いつかない……。
博士 ひどいこと言うね。
助手 あ、伝え方だけは、すごい!
博士 だけって言うな!
* *
ささき・けいいち コピーライター。著書『伝え方が9割』はシリーズが131万部突破。
外部リンク
きちんと考えよう「性」のこと
体は、その人だけの大切なもの。人の体に勝手にさわるのはいけないことです。「性」に関する大切なお話です。大人といっしょに読んで、自分の体について考えましょう。(近藤理恵)
勝手に触らない、触らせない

看護師で助産師の大貫詩織さん(27歳)は小学校や中学校で、体の仕組みや子どもがどうやって産まれるのかなど、「性」に関わる講演を行っています。
「性教育を通して、自分の体や、ほかの人の体を大切にすることなどを伝えています。それは『人権』につながる大切な話です」
小学生のみなさんは、人と自分の間には、見えない「境界線」があることを知りましょう。「仲良くなりたいからと、相手の気持ちを確認せずに、いきなり手をつないだり、さわったりすることは、人が相手との間に引いた『境界線』に入ってしまっていることになります」

特に、水着でかくれる「プライベートゾーン」と呼ばれる部分は、あなただけのとても大切なところです。このゾーンは、人にさわらせてはいけません。反対に、勝手に人に見せたり、あなたの気持ちに反してさわらせたりするのもいけないことです。親しい関係や親であってもだめです。
加えて、「口」もプライベートゾーンと同じように、勝手にさわったり、さわらせたりしてはいけません。
悩みは恥ずかしがらず相談

子どもが、プライベートゾーンが大切な部分だと知らないことにつけこみ、さわろうとする悪い大人もいます。それは犯罪行為です。「もし、プライベートゾーンをさわられるなどして、いやな気持ちやこわい思いをしたら、大人に伝えてください」
時に、悪い人は「誰にも言ってはいけないよ」と言います。しかし、大貫さんは「その場合でも自分の気持ちを大事にして、大人に伝えてください」と言います。
話を聞いた大人は、被害にあった子どもを責めるような言動をとってはいけません。「大人は『話してくれてありがとう』と子どもを守ってほしい。責められた子どもは『自分が悪かったんだ』と思い、よけいに言えなくなってしまいます」
大人もごまかさずに答えて

性に関する話をすると、思春期をむかえる中学生くらいで、恥ずかしがる人が多くなる印象だそうです。しかし、「決して恥ずかしいことではありません」と大貫さん。
「成長するにつれて、体に変化が生まれてきます。不思議に思ったり、不安を感じたりすることもあるでしょう。心配なことがあっても大人に聞けない人も多いです。性に関することは、決して『聞いてはいけないこと』ではありません」
子どもから聞かれた大人も、ごまかさずに話してほしいと言います。「すぐに答えられなければ、調べてからでもいいです。家庭でも性に関してオープンに話すことが、子どもたちの体を守ることにつながります」
外部リンク
映画「君は月夜に光り輝く」で、死が近づくと体が発光する「発光病」をわずらう高校生・渡良瀬まみずを演じた。入院中のまみずが、自分の「かなえられない願い」をクラスメートの卓也に代わりにやってもらう「代行体験」を通じて、生きる喜びをとりもどしていく。
撮影現場でも「生きててよかった」と感じることが多かったという。卓也に手を引かれて病院の屋上へ上がる場面では、手をつないで体温を感じるだけで、ふしぎと涙があふれそうになった。「カットがかかったら、カメラマンさんが泣いていて。みんながつながっているような現場でした」
芯をもって生き通し、あとを生きていく人たちに強い気持ちを残していくまみずの姿は新鮮にうつる。それだけに「記憶に残るような映画になっているはず」と自信はある。
小学3年生のときにスカウトされ、芸能界入り。もともと興味はなかったが、バラエティー番組が好きだったこともあり「(スカウトされて)テレビに出られるんだ!と思ったんです」。しかしそんなにあまくはなく「事務所へ行ってみたら、同世代でがんばっている子たちがたくさんいて『え、どういうこと?』ってなりました(笑)」。
モデルと俳優業で経験を積み、去年はNHK連続テレビ小説「半分、青い。」で主役を演じきった。活躍が期待される若手俳優の一人としてめまぐるしい日々を送るが、ささいな幸せを感じることをわすれない。
「赤信号につかまらなかったり、晴れていたりするだけでうれしい。いつもの光景が今日もやってくるだけでうれしいです」

1999年9月24日生まれ、東京都出身。主な出演作に映画「帝一の國」「ミックス。」、NHK連続テレビ小説「半分、青い。」など。映画「君は月夜に光り輝く」は15日公開。
(文・佐藤美咲、写真・品田裕美)