あなたに手紙を書きます。好ききらいが多いあなたに手紙を書きます。
今、ダイエットに苦しんでいる私ですが、小学生のころはやせっぽちでした。好ききらいが激しかったのです。ニンジン、ブロッコリー、納豆が苦手でした。鶏肉の皮を見ると寒気がし、今は大好きなおすしもきらいでした。生魚が食べられなかったのです。おかげで体が弱かった。風邪はよくひくし、貧血でよくたおれていました。
そんな私が変わったのは、盲腸の手術をしてからです。簡単な手術でしたが、当時の私は体にメスを入れられることがこわくてしょうがなかったのです。「これはきっと好ききらいばかり言っていたからにちがいない」。そう思った私は、退院したのをきっかけに、ニンジンにもブロッコリーにも挑戦したのです。
夏休みのキャンプで、カレーを作ったのもいい経験になりました。不思議なことに自分で作ったものは、何でもおいしいのです。納豆も生魚も食べられるようになり、鶏肉は好物になりました。かかった期間は2か月程度でした。「これはきらい」と決めつけるのをやめて、「強い体を作る」と決めたとたん、好ききらいが消えたのです。
大事なことは「きらい」という思いこみを捨てること。「これを食べれば元気になれる」と言い聞かせ、「好きだ! 好きだ! 好きだ!」と言いながら食べてみる。すると案外簡単に食べられるようになるものだよ。ぜひ試してみてください。
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ひきた・よしあき 博報堂のスピーチライター、博報財団コミュニケーション コンサルタント。
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