AERAの連載「午後3時のしいたけ.相談室」では、話題の占い師であり作家のしいたけ.さんが読者からの相談に回答。しいたけ.さんの独特な語り口でアドバイスをお届けします。
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Q:思い込みが激しい自分を変えようと思ってます。幼い頃からとかく一つの考えに
執着しがちな性格です。救われてきたところもあるんですが、しんどいことも多く、疲れてきてしまいました。そういう自分に飽きも感じていて、変えどきなのだろうなと感じます。自分がもっと楽になれる道を模索していこうと思ってます。(女性/会社員/24歳/おうし座)
A:一つの考えへの執着。例えば階段を上るときは左足から上らないと気がすまないとか、他人のことを「こうに違いない」と決めつけすぎてしまうとか、あと心配性という思考パターンの場合もあるかもしれませんね。
いずれにしてもそれは一つの癖みたいなもので、その癖を直すためにはある程度長期的な思考訓練なども必要になってきたりもします。短期的に、どう「思い込み」に対抗していくかも考えなくてはいけないです。
アドバイスとしては「生活の中でカタルシスを取り入れましょう」とお伝えしたいです。代表的なカタルシスは辛いものとかホラー。カタルシスって何かと言うと、自分を壊す瞬間。ちょっとだけそこに成分としての自傷行為が入っていたりもする。痛みを感じ、そこから解放されたときに素の自分に戻れる。
自分がこういう性格だと思っている性格は、実は「役割」である場合も多いです。例えば、本来の性格はいい加減でだらしないところがあっても、長女として生まれたとか、学校で部活のリーダーをやらなければいけないみたいになると、本来の性格と違う性格が伸びていきます。それが一致している人はあまり苦しまないんだけど、本来の素の性格と社会的な立場として求められる性格にズレがある場合、自分がいるポジションで全然違う性格を求められる場合には、苦しさを感じてしまう。
もし本当は一つのことに執着するほうが気持ちがいいのに、仕事の場面でそうではなくバランスが求められているような場合は、例えば休日にはとことん一つのことにハマる時間を作ってみてください。バランス能力をゼロパーセントにする日を持つイメージ。
人って誰かと一緒にいると、違うものが絶対混じってくるんです。まぁそうじゃないと社会生活が送れないから。
例えば一人で回転寿司に行ったときには自分の好きなものだけ頼めるのに、誰かと一緒だと不思議なんですけどついバランスを考えてしまう。「この人マグロばっかり食べて子どもみたい」とか思われたくなくて、イカとかヒラメ楽しんだりして。だから、あえて好きなものだけ食べる日、“カタルシスデー”を作りましょう。
おうし座は、自分の定番を崩すのに勇気がいる人が多い気がします。アイスならチョコミント、蕎麦なら天ざる、とか定番があって、新メニューを見て悩みに悩んでやっぱり天ざるを選ぶ人たちです。そこは無理に崩さずに人とシェアするのがいいと思います。
しいたけ./占い師、作家。早稲田大学大学院政治学研究科修了。哲学を研究しながら、占いを学問として勉強。「VOGUE GIRL」での連載「WEEKLY! しいたけ占い」でも人気
※AERA 2021年3月29日号
【「いい依存」の定義とは? 依存体質の人にしいたけ.さんがアドバイス】
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