AERAの連載「午後3時のしいたけ.相談室」では、話題の占師であり作家のしいたけ.さんが読者からの相談に回答。しいたけ.さんの独特な語り口でアドバイスをお届けします。
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Q:電車の人身事故に立て続けに遭遇する時があります。乗りたい電車が人身事故で止まる、乗っていた電車が人身事故、最寄り駅で人身事故を目撃、と1週間に3回あったときも。自分の状態が悪いときも多く、何かメッセージがあるのかな、と思ってしまいます。連続遭遇をどうとらえればいいでしょうか。(女性/会社員/42歳/さそり座)
A:世の中には「見届け人」という役割の人がいるように思います。それこそ事故現場を目撃してしまったり、付き合う人がちょっと病気になってしまったり。
過去に占った方で「付き合う人がすぐ仕事を辞めてしまう」という方がいました。その方も、相手の「もうこれ以上は頑張れない」という姿を見届ける役割を担っていたように思います。恋人はその人と付き合うことで安心感を抱き、今まで自分に嘘をついて頑張ってきたけどもう自然な姿に戻ろう、と鎧を脱ぐことができたのかもしれません。
占師としての立場から言うと、見届け人が「心が痛む出来事」を体験した時は「仕事など、頑張らなければいけない物事の頑張りを、勇気を出して2割ぐらい減少させましょう」というタイミングのことが多いです。仕事とか義務って処理能力がある人とか「なんでも修行だと思ってやっちゃおうとする人」にこれでもかと来ちゃうでしょう?
人間は、無意識のうちにバリアーを張って生きています。自分が不快になるものは絶対近づけたくないし、嫌な人とは会いたくない。見届け人とか、バリアーが弱い人は、異様に優しくて、差別のない人です。だからこそいろんな出来事を面白がれるし、見届けることができる。そういう人が、自分で「気をつけなきゃ」って思っても、それは難しいかもしれません。
そういう人には、恋人や親友など縁がある人として、ちょっと性格きつめの人が近づいてきてくれます。自分を守るこま犬みたいな感じで「そいつは信用しちゃダメ」などとアドバイスをくれます。
見届け人としての運命かもしれないなと思って、事故現場に遭ったときは「大変でしたね」ときちんと心の中で手を合わせてあげてください。
一方で、さそり座という星座も身の回りでハプニングなどがなぜか多くあったりする人たちなのです。さそり座にはかなり「見届け人」としてのセンスがあり、「物事のいい面だけではなくて、裏のドラマもきちんと見届けよう」とする人たちでもあります。でも、その裏面がキツくなってしまったら、やっぱり同様に「自分がやらなきゃ」と思う基準を勇気を出して落としていってください。もうね、LINEは3日後に返すとか。
それ以外は自分が鎧を脱ぐ、武装を解除するための儀式が必要です。おすすめは外国製の香りが強いせっけんなどで手や顔を洗うこと。香りはその人を守ってくれる。スイッチをオフにするいい手段です。覚えておいてくださいね。
しいたけ./占師、作家。早稲田大学大学院政治学研究科修了。哲学を研究しながら、占いを学問として勉強。「VOGUE GIRL」での連載「WEEKLY! しいたけ占い」でも人気
※AERA 2020年9月14日号
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