cat_1_issue_oa-aera oa-aera_0_jt5kh07h9lm7_子どもの集中力「3分もたない」の指摘も…オンライン授業に悪戦苦闘する親子 jt5kh07h9lm7 jt5kh07h9lm7 子どもの集中力「3分もたない」の指摘も…オンライン授業に悪戦苦闘する親子 oa-aera 0

子どもの集中力「3分もたない」の指摘も…オンライン授業に悪戦苦闘する親子

2020年9月28日 19:00 AERA

 コロナ禍で広まったオンライン授業。しかし新たな学習様式は、子どもはもちろん親にも負担を強いているようだ。AERA 2020年9月28日号では、オンライン授業に悪戦苦闘する親子らを取材した。

【子どものウンチのにおいが今もわからない 新型コロナに3月に感染した記者が語る】

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 都内の会社員女性(47)の息子(中1)と娘(小4)が通う区立の学校では、オンライン授業は強制ではなかった。在宅勤務の合間に何度か動画を再生したものの、娘が誤ってキーボードに触れて画面が消えるたびに「ママー」と呼ばれ、仕事を中断。娘は授業内容に興味を示さず、結局ほとんど受講しなかった。

「自分が隣に座って、つきっきりで見てあげれば勉強したかもしれませんが、在宅とはいえ仕事をしている身でそれはできませんでした」(会社員女性)

 授業が再開した後は、学校側はオンライン授業で配信した内容はもうやったことにしている様子だった。娘は「教えてもらっていないことはわからないよ」と怒っていた。

 休校中の家庭学習について調査したベネッセコーポレーション「進研ゼミ中学講座」商品責任者の山根伊都子さんは、「公立の小中学校で本格的なオンライン授業を行うことは大変難しかったのではないか」と話す。

 同社が幼稚園年中から高校3年の子どもがいる全国2800世帯を対象に5月に実施したネット調査によると、学校からデジタル機器を使って行う学習や宿題が出されたのは、小学校高学年で15%、中学生で18.9%。ただ、同社に寄せられた声として聞こえてきたこととしては、週1回の登校日にプリントが手渡され、自宅で動画を見たうえで宿題をするといった強制力がないものが多かった。保護者から寄せられた「オンライン授業への不安や不満」のトップは、小学校高学年から高校生は「子どもが本当に理解できているかわからない」(43.1~45.8%)、小学校低学年は「集中力が続かない」(38.8%)。その他、「わからないところを質問できない」「受け身な学習になりがち」など、共通するのは“一方通行型”の授業という点だ。

■キーワードは“自律力”

 山根さんによると、子どもの集中力が持続するのは15分くらい。ただ観ているだけの受け身の動画の場合は「3分もたない」という。

「そのため当社では、チャット機能を使ってリアルタイムで一人ひとりの疑問に答えたり、“なるほどボタン”で一緒に授業を受けている子のリアクションがわかるようにするなど工夫しています」(山根さん)

 教育方法学が専門の早稲田大学大学院の田中博之教授も、先の休校中のオンライン授業に対し「改善が必要」と指摘する。

「先生たちも突然のことで準備が整わず、研究も経験も実践もないまま始めることになった。今後は双方向型の授業が増えていくことは間違いない。その際、授業内容を各学年に合った形にするべきです」

 田中教授によれば、小学校中学年からは話し合いなど対話討論型の授業が望ましい。

「お互いが気持ちよく発言できる術を覚えたら、かえってオンラインのほうが濃密な討論ができるんです。また、不登校や障がいのある子どもが参加しやすいということもあります。社会の多様性におけるオンライン授業の重要性は明らかです」

 先述のベネッセの調査では、「(休校明けに)学習習慣を取り戻せるか」について小学生から高校生の保護者の過半数が「不安」と回答。田中教授は言う。

「家庭学習のキーワードは“自律力”。まずは自分自身で学習計画を立て、後で大人と一緒に振り返る。結局、どういう環境でもこれに尽きます」

(編集部・藤井直樹)

※AERA 2020年9月28日号より抜粋

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古代ギリシャ人も筋トレをしていた! 筋肉の謎に迫る

2020年9月28日 19:00 AERA

 夏バテや新型コロナの影響で、運動不足になっている人も多いだろう。正しい知識を身につけて、筋肉を鍛えることが大事。小中学生向けニュース月刊誌「ジュニアエラ」10月号では、運動生理学とトレーニング科学が専門の石井直方・東京大学名誉教授の監修のもと、「筋肉の謎に迫る」を特集した。

【10秒押すだけ、体が硬い人向けも…手軽に肩こり解消「YouTube神動画」はじめの1歩】

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 人はいつから筋肉トレーニング(筋トレ)を始めたのだろう? 紀元前に繁栄した古代ギリシャで、今に通じる合理的なトレーニングが行われていたことが、歴史書に記された「クロトナのミロ」のエピソードによって知られている。ミロは少年時代から子牛をかついで歩くことを日課とし、牛が成長してもそのまま続けたので、筋肉が鍛えられ、古代オリンピックのレスリング競技で6連覇したと伝えられている。筋肉を太くするには負荷を徐々に増やす必要があるが、ミロはそれを実践していたことになる。

 ゴリラの上半身はたくましいが、おしりの筋肉「大臀筋」はあまり発達していない。一方、ヒトは誰でも大臀筋が発達している。直立するのに欠かせない筋肉だからだ。地球の重力に抗って直立姿勢を保つために働く筋肉を「抗重力筋」というが、大臀筋はその中で最大の筋肉だ。

 そんな人間も、無重力の宇宙に長くいると、抗重力筋が衰えてしまう。国際宇宙ステーション(ISS)に6カ月滞在した宇宙飛行士の筋力は、平均10~20%も低下するという。そのため宇宙飛行士は、ISSで1日約2時間半、筋トレやランニングをするという。

 みんなも新型コロナウイルスの影響で運動不足になっていないかな? 筋肉は、スポーツをするときだけでなく、毎日の暮らしにも大切な存在だ。また、目的に合わせた筋トレをすると、スポーツのパフォーマンス向上にもつながり、“燃えやすい”体をつくることもできる。

 筋肉というと、運動するときに使うというイメージがあるかもしれない。けれど、実は体を動かす「骨格筋」、心臓を動かす「心筋」、内臓や血管の壁をつくる「平滑筋」の3種類がある。

 このうち意識的に動かせる「随意筋」は骨格筋だけで、心筋と平滑筋は、自分の意思で動かしたり止めたりできない「不随意筋」だ。たとえば心臓が止まったら死んでしまうが、心配は無用。心筋は、ぐっすり寝ている間も休まず働いてくれているからだ。

 一方、骨格筋は、脳からの指令を受けて動く。たとえば脳が「右腕を素早く曲げろ」という指令を出すと、指令は運動神経を通して右腕の「上腕二頭筋」に伝わり、筋肉が素早く縮む。縮むときに生まれた力が腱に伝わり、腱とつながる骨が動いて、右腕が曲がる。

 筋肉は自分で伸びることができないので、「上腕二頭筋と上腕三頭筋」「大腿四頭筋とハムストリング」のように、反対方向に引っ張る筋肉とペアになって動く。上腕二頭筋が縮んで曲がった腕は、上腕三頭筋が縮むことで元に戻る。

 男性は、男性ホルモンの影響で、思春期にさしかかると三角筋や僧帽筋を中心に骨格筋が発達してくる。このため、一般に、男性は女性に比べて骨格筋の量が多い。

 骨格筋の発達のピークは20代半ばで、それ以降、トレーニングをしない人の筋肉は徐々に減っていく。大腿四頭筋の場合、80歳で約半分になってしまうという。筋繊維が萎縮して細くなるだけでなく、数そのものも減っていくからだ。

 日常生活のあらゆる行動は、骨格筋に依存している。だから、アスリートをめざす人でなくても、子どものころから骨格筋を鍛え、体の土台をつくっておくことがとても重要なんだ。

※月刊ジュニアエラ 2020年10月号より

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「ひたすら面白いと思うことを」KAT-TUN中丸雄一  オタ芸、ブラホック外しをソロライブで極めた理由

2020年9月28日 19:00 AERA

 KAT−TUNの中丸雄一による、1年半ぶりのソロアクトライブ「中丸君の楽しい時間4」の上演が始まった。構成・演出もすべて自分が手掛け、やりたいことのみを詰め込んだセルフプロデュース公演だ。AERA 2020年9月28日号から。

【NEWS増田貴久「出会えた運命を感じてる」 にんじんを見て泣きそうになったことも】

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――ソロアクトライブ「中丸君の楽しい時間」は、2008年に初演、17年に第2弾、19年に第3弾を上演し、今回で第4弾となる。前回はコントや自身がレギュラー出演している「シューイチ」を彷彿(ほうふつ)とさせる番組のパロディー、洋画のアテレコ、驚異の速さを誇る「ブラホック外し競技」の実演などで笑わせつつ、プロジェクションマッピングなどを駆使したスタイリッシュなパフォーマンスでも観客を魅了した。今回はどういう企画で楽しませてくれるのか。

■自分が面白いものを

中丸:ひたすら自分が面白いと思うことを自由にやる、というのは今回も同じですね。だいたい、いつも七つくらいコーナーがあるんですが、前回のライブでウケが良かったものを半分残して、半分は変える形でやっています。ただ、今まではコーナーを優先して、全体のストーリーみたいなものは二の次だったんです。でも、全体を通して繋がっているメッセージみたいなものがあると、ライブとしてもっと上質なものになるんじゃないかなと思って、今回はそういう方向も強化しています。ちなみに、取材では“ブラホック”のことばかり聞かれるんですが、冷静に考えたら恥ずかしい競技ですし、親も呼べないので、それに代わるチャレンジ企画を考えています。ただ、あれを超える企画にしようと思うと、また親を呼べなくなりそうですけど(笑)。

 なんにしても、こうやって自由なことができる場をいただけるのは本当に楽しいですね。一人舞台は責任も大きいですが、いいものを作ればダイレクトに評価もしてもらえる。やりがいを感じています。

■家でも楽しんでほしい

――今までの公演と大きく異なることもある。新型コロナウイルスの感染拡大防止で会場の客席が半分しか使えない。だが一方で、配信も決定した。

中丸:客席が半分に減るということで、限られた予算のなかでいかに面白いものを作るか。配信も意識した演出にしなきゃいけないですし……それを考えるのは大変ではあるんですが、アイデア次第ではチャンスにもできるな、と思っています。せっかくだから、誰もやったことがない新しいテクノロジーを使ったことにも挑戦したい。そういう新しい機材の情報などは、日ごろから世界中のパフォーマーの映像をYouTubeでチェックしたりして、アンテナは張っていますね。もちろん、やりたいものがすべてできるわけではないんですが。

 でも、今まで以上にいろいろな人に見てもらえるのはうれしいです。今はまだ遠出をしたりするのが怖いという声もあると思うので、そんな人には家で安心して見ていただきたいですね。配信は新しい試みでもあるので、いつも僕のライブを友だちと一緒に見ているという人も、ぜひ配信もそれぞれの家で楽しんでいただけるとうれしいです(笑)。

――背中を丸め、ときに「えーと、なんだ……」と言葉を探りつつ、飄々(ひょうひょう)と語る姿に独特の存在感があり、どこか「アイドルらしくない」。そんな彼が作り上げるコントの世界も独特のセンスで構築されている。

中丸:僕、糸井重里さんがシナリオを担当している「MOTHER2」というゲームがめっちゃめっちゃ好きなんですよ。キャラクター設定や、セリフ、音楽、すべてにおいてセンスがすごくて、僕の人格形成に関わるくらい影響を受けているんです。僕が作るコントや、言葉のチョイスにも当然その影響はあると思います。

 こういうライブってどうしても、なんというか「アイドルがやることなんて、たかが知れてるでしょう」と見られてしまうと思うんです。そこを何とか覆したいというモチベーションはあります。ま、そう言いつつ、僕もしょうもないことをやっていたりもするんですが。だから、一番うれしい感想は「普通に面白かったよ」と言われることかな。僕も普通にうれしいです(笑)。ただ、身近な人には自分から進んで「見に来て」とは言ってない。恥ずかしいのと、手のうちを見られる感じが嫌なんです。

――KAT−TUNのメンバーも自分からは誘わない。KAT−TUNがホームなら、この舞台はあくまで個人の「ローカルな場」。そんな自由な場だからこそ出せた遊び心が、思いがけず、ホームとつながることもあった。

■オタ芸版をライブで

中丸:KAT−TUNの楽曲をいじるコーナーがあるんですけど、去年「Keep the faith」にオタ芸のコールを入れたオタ芸バージョンを作ったら、ものすごくウケたんですよ。もう、驚くほど笑ってくれて。それを会場で見ていた上田(竜也)くんが、「KAT−TUNのライブでやりたい」と言ってくれたんです。でも、僕はかっこいいKAT−TUNのイメージが崩れることを危惧して、僕の舞台にとどめた方がいいと思った。上田くんは、「それでもやったほうがいい」と強く言ってくれて。そうしたら、亀梨(和也)くんも納得して、去年発売したアルバムに、僕が歌詞をつけたオタ芸の曲も入れることになったんです。KAT−TUNのライブでやったら、またそこでも非常にウケて。加えて、自粛期間中にネット配信したライブでも、その歌を感染予防の替え歌バージョンにして、ファンの皆さんに楽しんでもらいました。一人で勝手に遊んでいたものが、いろいろな形で発展していくのは、不思議というか、面白いもんだなあと思いましたね。

――ライブの準備はコロナ以前から進めてきたことだが、外出自粛期間を経て思うことがある。

中丸:エンターテインメントに関わる者として、何もできなくて無力さも感じました。それで自分にできることを考えて、「ステイホーム4コマ漫画」を描いて、事務所の公式SNSにアップしたりしましたが……。エンタメってなくても生きていけるかもしれないけど、エンタメがないと人生はだいぶつまらない。僕自身がそう実感しました。この舞台も、息抜きの娯楽としてみなさんに楽しんでいただけたらうれしいです。

――公演中はどうリラックスしているのだろうか。

中丸:なんやかんや1日2回公演やったりすると、体力的にしんどくなってきたので、マッサージは必須ですね。最近、ずっと欲しかったものを買ったんです。半年くらいまったく服も買ってなかったので、気分転換の意味も込めて。「シューイチ」でベランピング(ベランダキャンプのこと)のグッズを紹介したんですが、僕もベランピングをやろうと、リクライニングできてゴロンと横になれる椅子を買いました。舞台で疲れたらそこに寝て日光浴してリラックスしたい。まだ届いてないんですが、今から楽しみにしています。

(構成 ライター・大道絵里子)

※AERA 2020年9月27日号

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#先生死ぬかも…SNSで教師が悲鳴 オンライン授業で負担増「これ以上は地獄」

2020年9月28日 19:00 AERA

 今年、一気に広がったオンライン授業。3月から2カ月半の休校中に、小中高大の各学校だけでなく塾でも唐突にスタートした。あれから半年。親と教師の悪戦苦闘は続き、疲労の度合いは増している。AERA 2020年9月28日号では、オンライン授業に苦戦する教師らを取材した。

【子どもの「コロナいじめ」増加 親にできる防止策】

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「1週間確保できたはずの夏休みが、オンライン授業の準備のために、実質仕事になりました」

 東京都で教員をしている女性(30)は、ため息をついた。勤務先の公立小学校では、休校中から、タブレットの使用法やオンライン学習支援サービス「eライブラリ」について研修が行われている。eライブラリは双方向性で、ドリルなど課題を出したり進捗を確認したりできるほか、児童がメールで質問もできる。この夏休み、試みとして、eライブラリで宿題を出した。

 すると、「子どもからメールが来ている。個別に進捗確認と連絡をするように」と、お盆中に管理職から指示があった。

 休み前から、コロナ禍での勤務状況は過酷だった。休憩なしで1日7時間の授業をこなし、放課後は消毒作業を行い、仕事を終えるのは午後9時過ぎ。睡眠時間は不足がちで、体力的にもうギリギリだ。

「次に休校したら、Zoomによるオンライン授業をすぐにやると言われています。これ以上、仕事が増えるのは地獄です」

 8月、SNSで「#先生死ぬかも」がトレンド入りし、教員らが窮状を投稿した。AERAがアンケートを行ったところ、「感染予防対策に時間をとられる」「学習の遅れを取り戻すため授業時間が増えた」などに加え、「オンライン授業の準備が大変」という声が特に目立った。

 神奈川県の私立小学校に勤務する女性(45)は、5月の連休明けから約1カ月間、週に2、3回、1本10分程度の授業動画をオンラインで配信していた。

「45分の授業の要点を10分にまとめ、パワーポイントでスライドを作り、解説を録音する。校長がチェックして修正があれば撮り直します。学校に撮影に行くこともあり、動画1本作るのに丸1日かかっていました」

 女性はオンライン授業にならぬよう、「祈るばかり」だという。

■倦怠感が抜けない

 都内の公立高校で政治経済を教える男性(60)は、1週間に1回1テーマ、20分の音声による「授業」を配信している。原稿をまとめ、夜の教室でリハーサルを行い、スマホで録音する。パソコンでチャイムの音も加えるという力作だ。1本の授業を作るのに、最低3日はかかる。

 負担増は自覚している。

「倦怠(けんたい)感が抜けず、血圧も高止まりです。週末の休みは月に1日あるかないか」

 生徒からは好評で、コロナ禍が収まっても続けるつもりだ。

 通常授業が再開され、オンライン授業の機会は減りつつある。だが、いつまた必要に迫られるかわからない。備えておきたい意識が、教育関係者にはある。

 教育研究家の妹尾昌俊さん(41)も、双方向性で遠隔で行うことができるオンライン授業のメリットを、「不登校も含めた多様な子どもの教育機会を保障できる」と認めたうえで、運用面での課題を指摘する。

「ただでさえ教員が業務過多に陥りがちな現状で、普段の業務に加えてオンライン授業を完璧に行おうとしたり、自分たちで教材まで作ろうとすることは、現実的ではありません」

 ならば、どうすればよいのだろうか。

「一部の自治体が行っているように、編集は行わず、通常の教室で行われる授業をシンプルにライブ配信する。教員の負担を増やさない形であれば、実現できるのではと思います」

 理想の追求ではなく、持続可能なオンライン授業が求められている。(編集部・小長光哲郎)

※AERA 2020年9月28日号より抜粋

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小島慶子「与野党の人事に絶望、女性が輝けない国・日本 女性は海外を見て」

2020年9月28日 19:00 AERA

 タレントでエッセイストの小島慶子さんが「AERA」で連載する「幸複のススメ!」をお届けします。多くの原稿を抱え、夫と息子たちが住むオーストラリアと、仕事のある日本とを往復する小島さん。日々の暮らしの中から生まれる思いを綴ります。

【小島慶子「“美白”は差別か美容か 美意識に潜む先入観」】

*  *  *
“女性が輝く”のは、既存の男性中心社会にとって都合の良い形でだけ。それがこの約8年の女性政策の本音であったことは明らかです。低賃金の非正規雇用の女性を増やして人手不足を補う一方で、女性幹部を3割に増やす目標は17年かけても達成されず、さらに10年先送り。パンデミックが起きた途端に、不安定な立場で働く女性たちが真っ先に失職しました。女性の人生は父親か夫の庇護のもとにある前提で制度が作られ、男性に依存しなければあっという間に相対的貧困に陥るような構造が温存されています。女性を男性のお世話係として確保しておくにはいい方法ですが、女性が経済的社会的に自立して生きていくための助けにはなりません。男性優位社会の維持強化のために 女性を“活用”しようというのが本心でしょう。口先では女性を励ますけれど、自分が変わる気はない。同じような振る舞いは企業やメディアなどの組織にも見られます。

 自民党総裁選と新生立憲民主党の人事の顔ぶれも、絶望的なまでに男性ばかりです。この先何年経ったら政界をはじめどこの職場でも女性リーダーが半数を占めるようになるのかと考えると、自分が生きている間は無理かもしれないという気がしてきました。

 若い女性にはぜひ、日本ではない場所で勉強したり働いたりすることを視野に入れてほしいです。ジェンダー平等に前向きな取り組みをしている社会で経験を積み、人脈を築いてほしい。近場なら台湾もいいでしょう、親日的ですし、テクノロジー面でも先進的です。男尊女卑的な役割分担に適応するためにエネルギーを割くよりも、視野を広げ、自分の強みを伸ばすことに注力できる環境を探して下さい。これは本気で言っています。日本では、活力と可能性に満ちた貴重な時間を生かせません。世界は広く、学びはあなたを強くするでしょう。

小島慶子(こじま・けいこ)/エッセイスト。1972年生まれ。東京大学大学院情報学環客員研究員。近著に『幸せな結婚』(新潮社)。『仕事と子育てが大変すぎてリアルに泣いているママたちへ!』(日経BP社)が発売中

※AERA 2020年9月28日号

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東大総長選で教員から「透明性」に疑義 有力候補者が選考から漏れる

2020年9月28日 19:00 AERA

 東京大学では五神(ごのかみ)真・総長の来年3月の任期満了に伴い、9月30日、次の総長を選ぶための、教員による大規模な選挙が予定されている。しかし、その選挙を前に、候補者の選考過程を疑問視する声が上がり、総長選考会議の議長に教員や学部長らから質問状や要望書が提出される事態にまで発展している。

【難関国立大に強い実力校ランキング! 東大「現役進学率」で王者・開成を上回る高校とは?】

 東大の総長は、3段階を経て決まる。まず、教職員を代表する178人の「代議員会」による選挙で10人以内の候補者が選ばれる。これに「経営協議会」の推薦者2人程度を加え「第1次総長候補者」が決まる。

 次に、学内の教員8人と学外の経営協議会の8人で構成する「総長選考会議」が候補者のインタビューを行ったうえで、「第2次総長候補者」を3~5人に絞り込む。総長選考会議の議長を務めるのは、元東大総長の小宮山宏氏だ。総長選考会議は9月7日に開かれ、学内で公表された資料によると、工学系2人、医学系1人の3人が選ばれたことがわかった。
 
 ところが、その候補者一覧を見て教員たちは違和感を覚えた。前回は5人だった候補者が3人に減っていたからだ。そのなかには、前回の総長選では次点で、今回も下馬評で最有力候補とされていた、医学系の教授の名前が入っていなかった。しかも女性や文系学部からの候補者もいない。この偏りも問題だと感じたという。

 また、2次候補者の名前は会議の翌日、告示されたが、前回はホームページに公開されたのに対し、今回は学内のみに公表という点も違った。

 9月16日、田中純・総合文化研究科教授を代表とする教員有志は、総長選考会議の小宮山議長宛てに「選考の透明性と公平性」を問う質問状を送った。田中教授は言う。

「候補者の個々人を批判するつもりは全くありません。しかし、多くの人が不可解に思う人選が、選考会議のブラックボックスの中で行われたことは問題です。私たち教員は、学内の民意の反映ともいえる、代議員が選んだ第1次候補者の名前も知らされていません。公正な選考が行われたのか、確かめようがないわけです。透明性を確保し、選考の過程を明らかにする必要があります」

 小宮山議長はアエラの取材に、メールで次のように答えた。

「総長選考会議の審議の経過については、選考終了後の10月2日の会見で説明する予定です。選考会議では、今回、学内の合意を得て改定した『求められる総長像』に照らして、最良の方を選出するという方針で臨み、面接を含めた調査を行い、慎重かつ丁寧な検討を行ってきました。また、選考の実施方法については、これまで数年間かけて選考会議で審議し、部局長への意見照会も反映させ詳細を詰めてきました。選考の枠組みの策定は、候補者の名前が出てくる前に完了しており、そのルールに忠実に従いながら選考を進めてきています。公正さや透明性の確保も学内の合意を形成したうえで進めています」

 教員たちが総長選に「学内の民意が反映されているか」に敏感に反応するのは、「大学の自治」に対する危機感があるからだ。2004年の大学の法人化以降、権限は総長に集中し、政界や財界が大学への関与を強めることを懸念している。阿部公彦・人文社会系研究科教授は言う。

「大学入試改革で、英語民間試験の活用について、東大は『現時点で入試に用いるのは拙速』と発表していたにもかかわらず、政界の圧力を受けて方向転換した経緯がある。今回の選考過程に同様の懸念を感じるのです」

 佐倉統・情報学環教授は次のように語る。

「数の論理だけでいえば、工学部の人数が最も多いので、総長は毎回、工学部から輩出されることになる。ところが、そうしないできたのが東大。各々が学部にとらわれず、そのときどきで最もふさわしい人物を選んできたからです。そうしたことを東大は矜持にもしてきた。ところが今回は選択肢がないに等しく、多様な意思の反映のしようがない」

 教員による最終投票まで、すでに1週間を切った。60代の理系の教授は言う。

「選考過程に疑念を抱かれたまま選出されても、新総長は重荷を背負うことになる。だれもが納得するかたちで選ばれる道筋をつけることが大事だ」

(編集部・石田かおる)

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“マスクリテラシー”にドン引き、別れを決意 コロナ禍で激変する恋愛模様

 新型コロナウイルスは、人と人とのつながりや関係性にさまざまな変化をもたらした。 なかでも大きく変わったのが恋愛や結婚をめぐる風景だ。AERA 2020年9月28日号で掲載された記事から。

【コロナ離婚の意外な原因 「子育ての軸」を持たない夫婦は弱い】

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「スッと熱が引いていくのを感じた。文字通り、冷めました」

 神奈川県の女性(31)はそう話す。6月初旬、ひとまわり年上の男性とデートした。3月以来2カ月半ぶりのこと。昨冬に知り合ってから月2回ほどのペースでデートを重ね、体の関係も持った。どちらからも「告白」はしておらず、女性のなかでは「彼氏一歩手前」。年の差は気にならず、「久しぶりに“恋が始まった”と思っていました」。

 緊急事態宣言中は一度も会わなかった。週に2回ほど高齢の祖母の家を訪ねる必要があり、自分が感染するわけにはいかない。事情は相手も理解してくれていた、はずだった。

■価値観が可視化された

 首都圏の感染者がグッと減り、「本当に楽しみだった」デートの当日、駅の待ち合わせ場所に現れた相手はマスクをしていなかった。「忘れたの?」と尋ねると、笑って言われた。

「マスクだらけで気持ち悪い。重症化しないから大丈夫だよ」

 さらに、「電車の同じ車両でマスクをしていないのは俺だけだった」と誇るように加えた。

「マスクは万一のときに他人にうつさないためのマナー。そこに思いいたらない人なのかと思うと一気に冷めてしまって。早めに気づけてよかった」(女性)

 その日は体調がよくないからと早々に切り上げ、その後、何度かLINEでやり取りはしたが、「もう終わり」だという。

 新型コロナウイルスは恋愛模様をも変えつつある。これまで「価値観の一致」は恋人や結婚相手に求める「定番」だった。だが、マッチングアプリ専門メディアなどを手がけるパラソルが運営し、未婚男女の本音を研究する「恋愛婚活ラボ」所長の伊藤早紀さんは、そこに明確な柱ができたと指摘する。

「会うか会わないか、マスクをするかしないか、どれだけの接触を持つかのスタンスは人それぞれ。これまでフワッとしていた“価値観の一致”という概念がコロナを通して可視化できるようになりました」

 伊藤さんが手がけるマッチングサービスでも、感染者の急増時、「夜のデートは躊躇するから昼、空いているお店にしてほしい」という女性に対し男性が「もう予約しているのに」と不満を漏らし、デートを取りやめる例などがあった。

「コロナがなければ普通に会って、付き合い始めていたかもしれない。でも、そういう二人はいずれ破局します。深い関係になる前に価値観の違いに気づけたと言えます」(伊藤さん)

■出会いはオンラインへ

 コロナ禍で、「出会い」も変わりつつある。以前から出会いは恋愛をめぐる大きな課題だった。リクルートブライダル総研の「恋愛・結婚調査2019」では、恋人がいない理由として53.4%の人が「出会いがない」ことを挙げているが、その傾向はより顕著になった。取材でも、嘆く声が多く聞かれた。

「授業はオンラインでサークルも休み。異性と知り合って仲良くなる場がない」(21歳・大学生男性)
「出かける場所、会う人をだいぶ制限している。もともと仲がいい人としか会わないから、新たな出会いが生まれない」(28歳・会社員女性)

 そんななか、出会いの場として改めて注目されるのがマッチングアプリなどのオンラインサービスだ。前出の「恋愛婚活ラボ」がアプリ利用者に対して行った調査では、緊急事態宣言解除後の出会いの手段として男性の58%、女性の62%が「オンラインツール“のみ”を使う」と回答した。伊藤さんは言う。

「これまではアプリを利用している人も趣味の集まりや友人の紹介、合コンなどリアルの場とオンラインを併用して出会いを探していた。それが、オンライン重視になっています」

 マッチングアプリはプロフィルや顔写真を見て、OKと思える相手と効率よく会えることが特徴だ。

■利用者層にも変化が現れた。

「アプリには、恋人は求めていないけれど異性とお酒を飲んで、あわよくばその先もというカジュアルな出会いを求める層が一定数いました。しかし、緊急事態宣言中はその層がアプリを離れ、真剣に恋人を探したい人が増えた印象です」(伊藤さん)

 アプリでマッチングした後は、直接会ってデート、が「定番」だった。しかし、そこにも変化の波は押し寄せた。直接会う前に、ビデオ通話機能を使って「デート」するのだ。マッチングアプリ経由でオンラインデートを経験した女性(32)はこう話す。

「これまでは、会って問題ない人かメッセージのやり取りを重ねて慎重に判断していました。疲れるし、いい人を逃していたかもしれない。でも、オンラインならとりあえず会ってみようと気軽に構えられます。どうしてもイヤなら接続不良のふりをして消えることもできるし」

 アプリの効率を歓迎する一方で、寂しさも感じている。

「今までで一番長く付き合った相手はバーでたまたま会った人。偶然が重なって思いもよらない人と親しくなるのはおもしろい。アプリや婚活サービスだとプロフィルで選ぶので、同じタイプの男性ばかりになる」(女性)

 リクルートブライダル総研の「婚活実態調査2020」によると、去年結婚した人のうち、マッチングアプリなどネット系婚活サービスを通して結婚したのは6.3%。新婚カップルの15組に1組だ。その割合はさらに高まると予想される。ブライダル総研の落合歩所長は言う。

「ネット系婚活サービスは目的が明確で、効率がよく煩わしさがない。今の若者の合理的な思考にマッチしています。大企業も参入しており、悪いイメージもかなり払拭されました。コロナ禍でメリットに気づく人も増え、さらに伸びると思います」

 従来型の結婚相談所も、オンライン化を進めている。千葉県の「ユカリリトルハート」では、3月からビデオ通話を使った「オンラインお見合い」を始めた。運営者の唐仁原景子さんは圧倒的にメリットが多いと話す。

「最初の出会いのハードルがグッと下がりました。リアルのお見合いでは、身なりを整えて時間をかけて出かけても、会ってみたら“まったく合わない”ことも少なくなかった。最初をオンラインにすることでこの労力が解消されました。いいなと思えばリアルで会えばいいし、ダメでもダメージが小さいんです」

 唐仁原さんは、お見合いの成功のカギは「いかに多くの人と会うか」だと言い切る。最初のお見合いをオンライン化することで会える人数が格段に増えるという。緊急事態宣言が明け、結婚相談所業界全体でみると以前のようなリアルなお見合いに戻りつつあるが、いまも会員にはオンラインを勧めている。(編集部・川口穣)

※AERA 2020年9月28日号より抜粋

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桜を見る会「疑惑の前夜祭」と同じ会場で出陣式開いた菅氏 安倍政権の「負の遺産」放置の姿勢鮮明に

2020年9月25日 19:00 AERA

 9月16日に誕生した「菅政権」。モリカケや桜を見る会などの問題の責任の一端を負う菅氏は、これらの安倍政権時代の「負の遺産」にどう向き合うのか。AERA 2020年9月28日号の記事を紹介する。

*  *  *
「誰かが出馬してこの国難を解決しなければならない」

 9月8日、東京・紀尾井町にあるホテルニューオータニ「鶴の間」であった総裁選の出陣式で菅義偉氏はこう力を込めた。

「鶴の間」は2019年4月12日、安倍晋三氏が「桜を見る会」の前夜祭に使った宴会場だ。1人5千円という安すぎる会費に「安倍氏側が補填したのでは」との疑惑がなお残る。負の遺産を含めた「継承」を象徴するかのような一場面だった。

 指摘は当たりません──。安倍政権下の数々の疑惑にそんな言葉を繰り返し、記者や国民に無力感を味わわせてきた菅氏が、負の遺産にどう向き合うか。桜を見る会や森友学園の疑惑を追及している神戸学院大学の上脇博之教授は「菅氏はこれからも変わらないだろう」と言う。

 森友学園問題では、財務省が公文書を改ざんしたことが18年3月に発覚。その後も公文書の不適切な管理は続いた。桜を見る会では、内閣府が昨年11月に国会へ提出した推薦者名簿の一部を隠す加工をしていた。

「森友問題で反省したのなら、内閣府で問題が起きるはずがありません。さらに招待者名簿はすべて破棄されたといいます。菅氏が改善しようと動いていないのは明らかです」

【有働アナに対してムキになって…「菅首相」の“野心”が見えた瞬間 池上彰と佐藤優が語る】

■権力維持に手段選ばず


 菅氏は日々の会見で、安倍政権への追及をかわす役割を果たしてきた。安倍氏の「お友達優遇」が疑われた加計学園問題で、すでに辞職していた元文部科学次官の前川喜平さん(65)に対して、官房長官の立場から異例の個人攻撃を仕掛けたのも菅氏だった。

 17年5月、獣医学部が設置された経緯について前川さんは個別のメディアの取材を受け、「総理のご意向」と書かれた文科省作成の文書の存在を認めた。すると菅氏は「地位に恋々としがみついた」などと発言し、前川氏の社会的信用を傷つけた。

 その数日前、職員の天下り問題で辞職して4カ月が過ぎていたが、文科省の幹部を通じて官邸側から前川さんに接触があった。

「和泉(洋人・首相)補佐官が『会いたい』と言ったら、対応されますか」

 菅氏の懐刀と言われる官邸官僚。前川さんは当時、過去の出会い系バー通いについて、読売新聞から取材をかけられていたという。和泉氏との面会には応じず、翌朝、記事は出た。接触は取引のためだったと思った。信用はさらに傷付いた。前川さんは、菅氏の差配の可能性を考える。その菅氏について、前川さんはこう評する。

「権力の維持や拡大のためには手段を選ばない人」

 菅氏側からみれば、安倍政権の負の遺産をいかに放置し続けたままで評価を上げていくかが課題になる。政治評論家の伊藤惇夫さんはこう解説する。

「実利を与えるような政策がうまくツボにはまれば、それなりの評価を受ける可能性はあります。懐が豊かになる人たちがどれだけ増えるかです。それが今後、総理としての菅さんの評価につながるでしょう」

 だがその前に菅氏は、負の遺産のたなざらしにどれだけの国民が納得しているかも見極める必要があるだろう。(編集部・小田健司)

※AERA 2020年9月28日号

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しいたけ.さん「夫婦・家族が持つ『守る・守られる』の機能は大切だからこそ、決断は慎重に」

2020年9月25日 19:00 AERA/photo・gettyimages

 AERAの連載「午後3時のしいたけ.相談室」では、話題の占師であり作家のしいたけ.さんが読者からの相談に回答。しいたけ.さんの独特な語り口でアドバイスをお届けします。

【教育のプロが語る“コロナ離婚”の意外な原因】

*  *  *
Q:フリーランスで仕事をしています。旦那とは23歳で結婚し、かれこれ20年くらい一緒にいます。子どもも大きくなり、お互い空気のような存在。やんわりと「締め」の空気が流れ、息子が高校にあがる3年後に卒婚しようと話し合いました。息子も了承済みです。が、コロナもあり安定のためにもこのまま続けるべきか迷います。(女性/美容関係/40歳/いて座)

A:いて座は夫婦関係も、欧米型のパートナーシップ感覚に近い人が多かったりします。だからなのか、いて座から卒婚の話を聞くことは多いです。

 そもそも「結婚」や「家族」には二つの大きな側面があります。一つは愛情。お互い引かれ合って好きになり、愛情で結ばれる。もう一つが「機能」です。大人になるとやらなければいけないことが多くありますが、一人の人間には得意なことと不得意なことがある。それを一つの組織としてカバーし合って難局を乗り越えていきましょう、つらいことがあったら慰め合いましょう、というのが家族の「機能」の一つでもあります。

 10年や20年の長い間を家族として過ごした人同士は、信頼関係があり、友達に戻っても家族としての機能は残せるケースがあると思います。家族のうちは、法的な契約も含めてできないことがありますが、合意の上なら友達に戻ってもより家族の機能を強化できるかもしれない。世の中には離婚後のほうが仲がいいご夫婦も多くいらっしゃいます。

いて座は、恋愛関係をキープしたいという気持ちが結構強いように思います。生活を共にしてその人の現実面が全部見えてしまうと、テンションが下がってしまう人たちでもあるのです。

 卒婚は、今後増えていくだろうなと思います。今の時代に生まれてきてしまった僕らは、80代まで成長し続けなきゃいけないから。昔は40代である意味一線から退けたけど、今は80代まで毎年アップデートしないといけない。刺激がないとアップデートできない人たちもいると思うんです。いくつになってもガールフレンドやボーイフレンドがほしい、気持ちとして若くありたい。合意の上ならそういう生き方もありだと思います。

 ただし、なんですが。やっぱりコロナのこともあり、今は慎重に進めたほうがいい、というのが個人的な意見です。1カ月後がどうなるかわからない時代に我々は急激に突入してしまいました。収まってはいくだろうけど、やっぱり防衛機能は強くあった方がいい。自分の仕事は順調でも、パートナーや子どもが、いつ気持ちや心が折れてしまうとも限りません。そういう時に「守る・守られる」という二つの機能は、維持しておいてもいい気がするんですよね。

 友達関係とか夫婦関係を解消する、切るというのはいつでもできます。落ち着いたら切っていってもいいけど、こういう状況が続く限りは支え合う人も必要です。来年以降まで様子を見られてもいいのではないでしょうか。

○しいたけ./占師、作家。早稲田大学大学院政治学研究科修了。哲学を研究しながら、占いを学問として勉強。「VOGUE GIRL」での連載「WEEKLY! しいたけ占い」でも人気

※AERA 2020年8月3日号

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インフル×コロナ、「ツインデミック」への警戒強まる 感染予防のためにできること

2020年9月25日 19:00 AERA

 9月に入り、波はあるものの、新型コロナウイルスの新規感染者は一時期よりは減少したように見える。だが、コロナウイルスは夏よりも冬に流行することが多い。秋冬にかけ、新型コロナとインフルエンザの「ツインデミック」を警戒する必要がある。AERA 2020年9月28日号から。

*  *  *
「インフルエンザのワクチンはいつから打てますか?」

 成宗診療所(東京都杉並区)には、9月早々からこんな問い合わせが続々と入りだした。

「例年、インフルエンザワクチンの問い合わせは、杉並区から高齢者に対して案内が送られる9月末になってから。今年はずいぶん早い」

 と加藤章院長は言う。多くの内科系や小児科系の診療所やクリニックが似た状況にある。

 背景には、9月に入り「第2波」こそ収まったように見えるものの、いまだに新型コロナウイルスが収束しない状況がある。今後、日本も含めた北半球でインフルエンザの流行する季節を迎えなければならないことで、新型コロナウイルスとインフルエンザの「ツインデミック」が起こる可能性があり警戒が必要だ、と国内外の専門家が警鐘を鳴らしている。

 日本感染症学会も、両方が流行する場合に備えた委員会を立ち上げ、提言を出した。

■コロナは冬季に流行


 通常の風邪を引き起こすコロナウイルスは、夏よりも冬に感染が広まりやすい。ハーバード大学の研究チームが通常のコロナウイルスの流行パターンに基づいて予測したところ、新型コロナウイルスも、冬季に夏季よりも大きな流行を起こす可能性があるという。

 第2波が収束方向に向かい、イベントの人数制限は解除され、GoToキャンペーンには東京が追加される予定だ。5~8月にインフルエンザの季節を迎えた南半球の多くの国で、インフルエンザの報告がほとんどなかったというニュースも加わって、警戒を緩めている人もいるだろう。

 世界保健機関(WHO)によると、オーストラリアは昨年、5~7月にかけて調べた検体の2~3割がインフルエンザ陽性だった。ところが今年は、調べた検体数は昨年より多いのに、4月以降、インフルエンザ陽性だった検体はほぼゼロだ。南アフリカやチリでも同様だ。

 日本では厚生労働省が国内約5千カ所の医療機関のインフルエンザ発生状況を、毎年9月に入る第36週から調べる。今年の第36週(8月31日~9月6日)の報告は、岐阜県、大阪府、沖縄県から1件ずつ、合計3件だけだった。昨年の第36週は3813件。岩手、山形、島根の3県を除くすべての都道府県から報告があった。一昨年は338件だった。

 インフルエンザ発生が少ない一因として、新型コロナウイルスの感染予防対策の効果が考えられる。

「ウイルス干渉」の可能性を指摘する専門家もいる。2種類のウイルスに同時に感染すると、体内でウイルス同士の競合が起こり、片方のウイルスの増殖が抑制される、というのだ。

 だが、基本的な感染防止対策まで緩めるわけにはいかない。

 季節性インフルエンザの流行規模は、もともと新型コロナウイルスよりはるかに大きい。国内の感染者数だけで通常、1シーズン約1千万人だ。しかも、発熱など新型コロナウイルスと症状が似ている。

 規模が小さくても、ある程度、インフルエンザが流行した場合、医療現場などでは大きな混乱が起きる可能性がある。

 倉敷中央病院呼吸器内科主任部長の石田直さんは言う。

「突発的に高熱が出るといったインフルエンザに特徴的な症状が出るか、味覚障害や嗅覚障害が起きるといった新型コロナウイルスに特徴的な症状が出ない限り、症状だけからインフルエンザと新型コロナウイルスを鑑別するのは困難です。従って、インフルエンザが流行して感染者が増え、熱の出た多くの人が、新型コロナウイルス患者を診療する態勢の整っていない診療所や一般病院の外来を受診すると、大混乱が生じる恐れがあります」

■検査をする重要性


 石田さんが委員長を務めた日本感染症学会の委員会がまとめた前述の提言では、症状のみでインフルエンザと診断して治療を行うと、新型コロナウイルスへの感染を見逃す恐れがあるとして、原則として両方の検査を実施するよう推奨している。ただし、新型コロナウイルスの迅速診断キットは供給数が少ないので、地域の流行状況や患者の行動歴などを考慮して感染リスクが低ければ、まずインフルエンザの迅速診断キットで検査するという選択肢も紹介している。

 提言によると、新型コロナウイルスとインフルエンザの混合感染の報告はまだ少なく、重症化するという報告はこれまでのところ無いという。

 今年はインフルエンザワクチンの接種希望者が増えそうだ。

 日本や欧米などの6カ国の小児医療センター17カ所で3月下旬から6月末に実施された調査では、回答した保護者2422人のうち、昨季、子どもにインフルエンザワクチンを受けさせなかった1459人中418人(29%)が、今季はワクチンを受けさせると答えた。

 調査を基に計算した調査対象国全体における1~19歳の子どものインフルエンザワクチン接種率は、昨季の38%から今季は16ポイント高くなる見通しだ。また、保護者自身の接種率も昨季の41%から18ポイント高くなる見通しだ。

 国際調査チームの一員、聖マリアンナ医科大学の勝田友博講師(小児科)によると、国内の子どもや保護者の接種率も、昨季の6割程度から、今季は8割ほどに上がりそうだという。

「新型コロナウイルスのワクチンがまだできていないので、インフルエンザについてはしっかりとワクチンを接種して重症化を防ぎ、もし両方のウイルスが流行した場合の混乱に備えるしかありません」(勝田さん)

■時期をずらした接種も


 ただし、希望者が全員、ワクチンを接種できるかどうかはわからない。今季、供給されるのは成人量で6356万回分の見込みだ。

 加藤勝信・厚労相(現・官房長官)は9月11日、閣議後の会見で国民に対し、重症化リスクの高い人など、優先順位の高い人からワクチンを接種できるよう、時期をずらした接種などに協力を求めた。65歳以上の高齢者や、60歳以上で心臓や呼吸器などの基礎疾患がある人は10月1日から。10月26日以降は原則として誰でも接種できるが、日本感染症学会が強く接種を推奨している医療従事者や基礎疾患のある人、妊婦、生後6カ月~小学2年生までの子どもが優先的に接種を受けられるよう呼びかけた。

 厚労省はインフルエンザの流行に備え、新型コロナウイルスの診療体制などの見直しも始めた。現在は感染症法上、「指定感染症」になっており、感染が疑われる人は原則、入院することになっている。

 しかし、インフルエンザの流行で発熱患者が増えれば、見分けがつかないので疑い患者が増え、医療機関や保健所などがパンクする恐れがある。すると、本来なら救える患者が救えなくなってしまう。

■バカンスで再び拡大


 厚労省は専門家によるワーキンググループ(WG)を作り、指定感染症としての措置や運用について見直しの議論を始めた。

「無症状者や軽症者を含めて原則として入院とする必要があるかどうかも、議論するテーマの一つです」

 WGメンバーの一員、齋藤智也・国立保健医療科学院健康危機管理研究部長は言う。

 今すでに感染者の多い自治体では知事の権限で無症状や軽症の感染者らにはホテルなどの療養施設で療養してもらうところもあるが、全国的にそれが原則となる可能性もある。見直しの議論は月内にはまとまる予定だ。

 インフルエンザウイルスは地球上から消えたわけではない。バカンスの季節に人々の移動制限を緩和したフランスやスペインなどで最近、春の第1波を上回る新型コロナウイルスの感染が起きているように、ツインデミックを防げるかどうかは、個人の感染予防対策や、国際的な人々の往来、さまざまな活動の再開の仕方に影響される。

 前出の石田さんは、感染予防対策の継続を訴える。

「手洗いやマスク、3密を避けるといった新型コロナウイルスの感染予防対策は、インフルエンザをはじめとする様々な感染症の予防にもなるので、継続してほしい」

(ライター・大岩ゆり)

※AERA 2020年9月28日号

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