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「親がいいと思うときにほめ、都合が悪いときに叱るのは“条件つきの声かけ”。子どもが欲しいのは親の評価ではなく、いつでも体験や成長のプロセスを共有してくれる安心感です」と島村さん。
◎親の言うことを守れたらごほうび 守れなかったら罰を与える
「ごほうびと罰」を与えるようなほめ方・叱り方は、アメとムチで子どもの行動をコントロールしているともいえます。短期的には「いい子」になっても、将来親子関係が悪化したり、常に他人の評価や顔色をうかがうようになったりする危険性も。結果、本当の意味での自己肯定感を持ちにくくなってしまいます。将来自立した大人になってほしいと願うなら、今から子どもの行動や挑戦に正面から向き合い、思いや考えに寄り添う声かけを目指していきたいですね。
◎子どもの人格についてほめたり叱ったりする
「いいね」「優しいね」といった才能をほめてばかりいると、親の期待通りの自分でいなければというプレッシャーを子どもに与えかねません。結果、「学びたい」「人に優しくしたい」といった内的動機が、「ほめられたい」という外的動機に変わることも。もちろん、「意地悪ね」「わがままな子」などという否定的なレッテルを貼るのもNG。存在を否定されたと感じてしまいます。結果ではなく努力の過程をほめ、人格ではなく問題行動を注意することが大切です。
◎とりあえず「すごいね!」「えらい」とほめてしまう
子どもの自己肯定感を上げようとほめることは、悪いことではありません、もちろん本当にすごいと思ったら「すごい!」と言ってOKです。でもおおげさなほめ言葉だけを繰り返していると、子どもは何をほめられているかわからなくなってしまいます。「本当に自分を見てくれているのかな?」と不安になったり、よくない結果が出たら「自分はすごくない」と自己評価を下げることになったりする場合も。頑張っていることを認め、具体的にほめるようにしましょう。
◎「ダメ!」「違う!」と頭ごなしの否定をよく言う
(取材・文/玉居子泰子)
※「AERA with Kids春号」から抜粋