cat_1_issue_oa-aera oa-aera_0_c26vawyekevj_【沖昌之】階段を転げ落ちる猫 ハチワレさんは七転び八起き! c26vawyekevj c26vawyekevj 【沖昌之】階段を転げ落ちる猫 ハチワレさんは七転び八起き! oa-aera 0

【沖昌之】階段を転げ落ちる猫 ハチワレさんは七転び八起き!

2020年10月12日 19:00 AERA/撮影・沖昌之

 主に外猫を撮影し、猫の自然な姿をとらえた写真が人気の猫写真家・沖昌之さん。「今週の猫しゃあしゃあ」では、そんな沖さんが出会った猫たちを紹介します。今回は「猫だけど『犬神家』の真似します!」をお届けします。

【トランを足で突っぱねるユリア 仲良し2匹のプロレス終わりの合図】

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 このハチワレさんは、ゴロンゴロンするのが大好き。以前、テンションが上がりすぎたのか、ゴロンゴロンしながら、この階段を転がり落ちたのを見たんです。それで今回も同じ状況になるかなと思い、カメラを構えて待ちました。そうしたら案の定……(笑)。『犬神家の一族』の佐清(スケキヨ)さんのような瞬間が撮れて、笑ってしまいました。でも、すぐにたくさん撫でて、ご機嫌取りましたよ。

【野球場でドヤ顔の黒猫 ここは俺様のテリトリーだニャ】

<沖昌之>
猫写真家。主に外猫を撮影し、猫の自然な姿をとらえた写真が人気。写真集に『必死すぎるネコ』『明日はきっとうまくいく』など。インスタは@okirakuoki

※AERA 2020年10月12日号

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cat_1_issue_oa-aera oa-aera_0_suxcy4hjqipz_小説家・古市憲寿の魅力は普段とのギャップにあり? 「今だからこそやさしい話を書きたい」 suxcy4hjqipz suxcy4hjqipz 小説家・古市憲寿の魅力は普段とのギャップにあり? 「今だからこそやさしい話を書きたい」 oa-aera 0

小説家・古市憲寿の魅力は普段とのギャップにあり? 「今だからこそやさしい話を書きたい」

2020年10月12日 18:00 AERA

 AERAで連載中の「この人この本」では、いま読んでおくべき一冊を取り上げ、そこに込めた思いや舞台裏を著者にインタビュー。

 社会学者・古市憲寿さんによる小説『アスク・ミー・ホワイ』が刊行された。ドラッグやセクシュアリティーの問題も織り込まれた、純度の高いラブストーリーだ。著者の古市さんに、同著に込めた思いを聞いた。

【有働アナに対してムキになって…「菅首相」の“野心”が見えた瞬間 池上彰と佐藤優が語る】

*  *  *
 年甲斐もなく、ドキドキさせられてしまった。社会学者にして2度の芥川賞候補に挙がった古市憲寿さん(35)の新作は、かなり純度の高い情熱的なラブストーリーだ。今年4月からツイッターで発表してきたものをまとめた。

「コロナの流行で本屋にも行きにくいなか、読んでもらえる手段はなにか、と考えました。反応がダイレクトに来るおもしろさもありましたね」

 執筆の動機は2018年、友人を訪ねてアムステルダムを旅したことだ。世界中からユニークな若者が集まる街を舞台にしたいと構想を練った。

 物語の主人公はアムステルダムで冴えない日々を送る青年ヤマト。ある日、彼は日本から来た“港くん”に出会う。彼は薬物使用疑惑とセクシュアリティーにまつわる報道で引退した俳優だった。現実の人物をリアルに想起させるが、

「特定のモデルがいるというよりも、表舞台から消えざるを得なかった人たちが、今も幸せだといいなと思いながら書きました。ただモデルについてあれこれ言ってもらえるのは嬉しいです。読者が『誰か』を思い出してくれたということなので」

 実在のブランド名や人物名など固有名詞を意図的に盛り込み“いま”を描く。自身がメディアで見せるクールなキャラクターと、小説におけるギャップも作家・古市憲寿の魅力の一つだ。

「あまりエモーションでは書いてないんです。冷静に客観的に『この2人が出会ったら、こうなるだろうな』という感じ。それより頭を使うのはテーマです。今回はドラッグやセクシュアリティーの問題。ドラッグは絶対に悪なのか? 同性愛と異性愛は完璧に分けられるものなのか? その間にあるグラデーションをどう物語に落とし込むかに苦心します」

 性別を超えて港くんという“個”に引かれていくヤマトの行動は多様化する現代の性を鮮明に映し出している。『平成くん、さようなら』では安楽死問題を扱った。社会学者の目は時代の空気を的確に捉え、常に少し先の未来を見据える。

「答えの出しにくい問題などテーマによって論文よりも物語のほうが伝わりやすいと思うものを小説にしています。それに学者の視点は長期的には大事だけれど『いま、その言葉が誰かを救うか』を考えると心許ない。この時代にいま自分に何ができるのかと考えたとき、やさしい話を書きたいと思ったんです。コロナがなければ、結末も違ったかもしれません」

(フリーランス記者・中村千晶)

※AERA 2020年10月12日号

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津波リスク「計算して大騒ぎするのを避ける」とのメモも 原発事故で国が隠し続けた真実

2020年10月12日 18:00 AERA

 東京電力福島第一原発の事故について、9月30日、仙台高裁は「国にも責任がある」とする判決を出した。東電に津波対策をとらせる立場にあった、経済産業省の旧原子力安全・保安院が全くその役割を果たしていなかったことなど、国の責任を示す事実が次々に明らかになったためだ。AERA 2020年10月12日号では、国が隠し続けた原発事故の真実に迫った。

【核のごみ最終処分場で渦中の寿都町長が激白 「4、5年先を考えたら、今から手を打たねば」 】

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 隠していたのは保安院だけではない。政府事故調査委員会も、重要な事実を知りながら、報告書に書いていないことがある。内閣府が今年7月に開示した文書から、事故調による国の責任隠しも見えてきた。

 保安院は事故1年前の10年4月に、傘下の旧独立行政法人原子力安全基盤機構(JNES)に指示して、東北電力女川原発の津波想定が妥当か確かめさせた。そのおよそ半年前の09年9月、保安院は東電から、869年の貞観津波が再来すれば福島第一の敷地に津波が遡上する可能性があるという報告も受けていた。

■部下に送ったメール

 当然、福島第一でも貞観津波のリスクを精査しなければならない。ところが保安院は「JNESのクロスチェックでは、女川と福島の津波について重点的に実施する予定になっているが、福島の状況に基づきJNESをよくコントロールしたい(無邪気に計算してJNESが大騒ぎすることは避ける)」と東電に話していた(東電作成のメモ)。

 事故調は、女川原発についてJNESが作成した報告書を集めていたことが内閣府の開示でわかった。10年の時点で、保安院やJNESは貞観津波を想定すべき確実なものと判断していたと、事故調は知っていたのだ。

 しかし事故調は、このことを報告書に全く書いていない。

 東電作成のメモにある「福島の状況に基づき」とは、東電が福島第一でプルサーマルを進めようとしていたことを指す。プルトニウムをウランに混ぜて原発で燃やすプルサーマルの実施は、核燃料サイクルを維持するために経産省が推進してきた。

 福島県の佐藤雄平知事(当時)は10年2月、プルサーマル実施の前に、国に耐震安全性の確認を求めた。保安院の森山善範審議官(当時)は同年3月24日、部下にこんなメールを送っている。

「耐震安全性の確認では、貞観の地震による津波評価が最大の不確定要素である旨、院長、次長、黒木(慎一)審議官に話しておきました」「福島は、敷地があまり高くなく、もともと津波に対しては注意が必要な地点だが、貞観の地震は敷地高を大きく超えるおそれがある」「貞観の地震について検討が進んでいる中で、はたして津波に対して評価せずにすむのかは疑問」

■開示請求「3年かかる」

 森山審議官はメールについて検察にこう説明していたことが、19年に明らかになった。

「貞観地震について審議が活発化すれば、10年8月に予定していたプルサーマル実施までに審議が終了せず、プルサーマルを推進する立場の資源エネルギー庁などから非難される可能性がありました」

 仙台高裁は、「喫緊の対策措置を講じなければならなくなる可能性を認識しながら、そうなった場合の影響の大きさを恐れるあまり、そのような試算自体を避け、あるいはそのような試算結果が公になることを避けようとしていたものと認めざるを得ない」と判断した。

 かつて九州大学副学長を務め、事故調の委員だった故・吉岡斉氏は、こう話していた。

「他の政府審議会と同様、事故調は役人主導。事務局が用意した文案にもとづいて検討する」「霞が関官僚に対して甘い傾向がある。政府が設置することの問題点はここに現れた」

「加害者」である国の調査報告では、まだ隠されたままの事実もあるだろう。事故調が集めた文書リストの中から、疑わしい文書約60点の追加開示を7月に請求すると、「開示は3年後になる」と内閣府から通知がきた。「著しく大量である」「担当部局において、請求事案が多数ある」などの理由だった。

 最高裁で決着がつくまで、不利な情報は隠し通すつもりなのだろうか。(ジャーナリスト・添田孝史) 

※AERA 2020年10月12日号より抜粋

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堂本光一が作る新たな“ショー・マスト・ゴー・オン” 「Endless SHOCK」が動き出した

2020年10月12日 18:00 AERA

 2月下旬にコロナ禍で公演中止を余儀なくされた「Endless SHOCK」が、ついに動きだした。9月15日に大阪・梅田芸術劇場で開幕したのは「あれから3年後」を描いた舞台だ。AERA 2020年10月12日号に掲載された記事を紹介する。

【二宮和也「アドバイスを聞くとしたら、あの4人だけ」 メンバーを信頼する理由】

*  *  *
 堂本光一(41)のライフワークである主演舞台「SHOCK」シリーズ、その記念すべき20周年となる今年の「Endless SHOCK(エンドレス ショック)」帝国劇場公演は2月下旬、コロナ禍により公演途中での中止を余儀なくされた。ダンスにアクロバット、激しい殺陣に客席上空を舞うフライング……SHOCKという作品の醍醐味であるこれらの特性を考えると、公演続行は観客や共演者にとってあまりにも危険と考えた光一の素早い決断からだった。それから半年後の9月15日、SHOCKは大阪・梅田芸術劇場で、新たな構成・演出のスピンオフ舞台「Endless SHOCK ─Eternal─」となって再び動きだした。開幕前日の会見で光一は、キャスト全員が子細な感染症対策ガイドラインを厳守してステージに立つことを強調した。

「まだ油断の出来ない状況の中で、SHOCKで何が出来るのかを考えました。準備してきたものを思い切ってやらせていただきます」(光一)

 俳優陣の発声による飛沫を考慮し、ステージ前のオーケストラピットは空のままに、オケはステージ奥の段上へと移された。開幕してすぐに聴こえてきたのは、コウイチ(光一)、タツヤ(上田竜也)、リカ(梅田彩佳)、オーナー(前田美波里)ら、ブロードウェーのショーカンパニー全員が揃う“SHOCK本編のラストシーン”のメロディーだ。物語はそのラストから3年後、ショーの最中に命を落とし、さまよい続ける魂が果てるまでパフォーマンスを続けたコウイチのことを、仲間たちが回顧する形で展開する。過去の出来事、つまりSHOCK本編のさまざまなシーンが、演出をわずかに変化させて次々と繰り出されていく。主に、コウイチを殺めてしまったタツヤ、コウイチを想い続けるリカ、そしてオーナーが当時と現在(3年後)を行き来しながら、それぞれの思慕や悔恨を語っていく構成が面白い。

 会見で上田は「SHOCK本編の魅力をギュッと詰めて、なおかつ新しい試みをしています。過去の自分と今の自分、その表現の切り替えがすごく難しかった」と振り返り、前田は「今回、自分の役についてたくさんの肉付けが出来た。またいつものSHOCKに戻った時に、もっと役が膨らむのでは。すごい経験をさせていただきました」と自信の笑みを見せた。梅田は、「リカの気持ちを原稿用紙5枚に書いてきて」という光一の悪戯っぽい依頼に対し、本当に詳細な胸の内を綴ったという。

「リカはコウイチさんが亡くなった後、どんな感じで過ごしていたんだろう……と思っていたので、今回の舞台で、あ、こんなふうに思っていたんだなって答え合わせが出来た気がします」(梅田)

 舞台の大きな見どころであるコウイチの“階段落ち”や、怒声飛び交う熾烈な戦闘シーンの実演はなく、舞台前面に下ろされた紗幕や舞台後方のホリゾントにそれらのシーン映像が流された。大階段の上に立つタツヤの目線から見たコウイチの表情など、これまでにない新鮮な光景が映し出されて興味をそそる。荒々しい立ち回りシーンを映すと同時に、ステージでは俳優陣がストップモーションやスローモーションで戦闘イメージを表すなど、緩急を重ねて見せる演出も効いていた。

「大人数がかなりの至近距離で斬り合う戦いのシーンは、やっぱりリスキー。リアルな出来事ではなく誰かの記憶の中という表現なので、映像を使ってリスクを回避しました。ただ一対一での殺陣は、いつも通りのスピードで表現しています」(光一)

 その言葉通り、コウイチとタツヤの対決シーンは、本編に劣らぬ緊迫のぶつかり合いに息をのんだ。太鼓の競演も変わらぬ迫力で興奮をあおる。さらに嬉しい驚きは、当初はやらない予定だったコウイチのフライングの登場だ。客席上空を飛ばなければ可能であることがわかり、真紅のリボンを腕に巻きつけて飛ぶリボンフライング、傘を掲げて回り舞うフライングをステージ上空で披露。やはり“SHOCKといえばフライング”。制限のある中でこれを観客に届けられたことは、カンパニーにとっても大きな喜びに違いない。

 それぞれの楽曲の振り付けはほぼ本編そのままに、キレのあるダンスや艶やかな群舞を堪能。休憩なしの2時間で、本編の見どころをまんべんなく味わい、さらに新たな台詞やシーンも楽しめるという充足感たっぷりのステージに仕上がっていた。この公演を続けるために、光一は「とにかく袖にハケたら、手も、脱いだ衣装もすぐに消毒」「楽屋に行くエレベーターは4人までしか乗れないので、やっと着いた時には休憩が終わる」「外食禁止なので夜ご飯は毎日お弁当」と、裏での努力を笑いを交えて語っていた。SHOCKの根幹にあるテーマは“ショー・マスト・ゴー・オン”。今、光一はこの言葉を新たに解釈し、公演に臨んでいる。

「今大事なのは、どんなに小さいことでも何かがあった場合には、すぐに幕を閉めること。そうしなければ、また幕を開けることが出来なくなってしまうと思う。そういう意味でのショー・マスト・ゴー・オンだと、僕は今、認識しています」(光一)

 一回、一回に座長の覚悟を込め、“永遠なるSHOCK”は千秋楽を目指す。また新たな年のSHOCKへとつなぐために。

(ライター・上野紀子)

※AERA 2020年10月12日号

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看板には「抱いて抱いて抱きまくれ!」 夜の水族館での「性いっぱい展」がパワーアップして帰ってきた

2020年10月12日 18:00 AERA/撮影・高橋有紀

 生き物たちの性を扱う特別展が東京・池袋の水族館で開催中だ。展示方法は独特で、エロスと生殖の境界に挑戦するかのようだ。AERA2020年10月12日号の記事を紹介する。

【小島慶子「生理は個別の健康問題であり社会の課題 リアルに語れる場を増やしていきたい」】

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 暗闇の水槽をライトアップするピンクの光。ネオンカラーで書き込まれたボードが並ぶ。「拘束プレイ」に「コワモテソフトプレイ」、「抱いて抱いて抱きまくれ!」など、なにやらいかがわしい文字が並ぶ。

 東京・池袋のサンシャイン水族館で開催中の「もっと●性いっぱい展」(●はハートマーク)。タイトルもノリノリだが、昨年好評だった「性いっぱい展」をパワーアップしたこちらの展示、いたって真面目な取り組みで、生き物たちの性と繁殖をテーマにした特別展なのだ。

■繁殖は水族館の使命

 水族館といえば通常は海を想起させる青の涼しげな空間だが、この夜間展示中だけはピンクにライトアップされる。なんともムーディーな空間で、ペンギン柄のマスクをつけた丸山克志館長が語る。

「性というテーマは、展示で長年扱いたいと思いながらも、難しいものでした。たくさんの人に興味を持ってもらえるように入り口を広げつつも、おふざけになっちゃいけないし、エロだけでもない。種の保存という水族館の使命を伝えるために、展示や表現、会場の雰囲気の作り方など工夫を重ねました」

 さらに今年はコロナという状況下でもある。人の密集を避けるため、解説は各自がスマホで読めるようにした。また、昨年のウリは「触って楽しむ展示」だったが、いまの状況では不特定多数が接触することは避ける必要がある。手で触れずに生き物の世界を体感できる展示として、アシカやカワウソの“アピール臭”の匂いを嗅ぐ「クンクンの壁」のコーナー、型紙で作られたハート型の小道具の先端を鍵のように使ってトラフザメの生殖器の硬さを確かめる「ツンツンの壁」のコーナーが設置された。

 ところで、海の生き物の性と繁殖に、どんな面白さが潜んでいるのだろうか。飼育スタッフが語るトークイベントで紹介されたのは、こんな例。

 スミレナガハナダイは性転換する魚だ。「雌性先熟」という特徴を持ち、メスからオスに性転換する。小さい間はメスで子を残して、大きくなるとオスに性転換し、ハレム(一雄多雌の集団)を作ってメスを独占するのだという。

 また、軟体動物のアメフラシの場合は、雌雄同体で一つの個体が男性器も女性器も持っている。アメフラシは動きが遅く行動範囲も狭いので、少ない出会いで確実に子孫を残せるように、ということらしい。

「いろいろな性の仕組みがありますが、生き物によって生態や特徴が異なるので、それぞれの生き物が、子孫を残すために一番効率のいい方法を取っているんです」(飼育スタッフ)

■種と性の世界の多様性

 こうしたトークイベントやコンテンツは、会場に足を運べない人でもオンラインで楽しめる。「交尾」「おっぱい」などをトークテーマに、飼育スタッフが真面目な知識を熱く語るトークイベント(1千円)のほか、生き物の貴重な交尾・交接動画が見られる「デジタル袋とじ」(200円)も。

 コロナ禍での開催について、丸山館長がこう話す。

「状況に応じたディスタンスを保つことが必要な今だからこそ、人と生き物が近くにあることを感じたときに、その温かさや生きるためのパワーをより感じることが多くなったのではないでしょうか。種の多様性、性の世界の多様性を改めて感じてもらうことで、今ならではの投げかけができたら」

 性別のあり方から子育ての仕方まで、多様性にあふれる生き物たちの世界。「ダイバーシティー」を声高に叫ぶニンゲン界より、もしかしてずっと進んでる?(編集部・高橋有紀)

【芸能界を夢見た女性が暗殺犯に…金正男氏暗殺事件に迫る映画】

※AERA 2020年10月12日号

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cat_1_issue_oa-aera oa-aera_0_easjiqsjwxi3_お尻の筋肉を使っていますか? ストレッチと歩幅見直しで歩き方を改善 easjiqsjwxi3 easjiqsjwxi3 お尻の筋肉を使っていますか? ストレッチと歩幅見直しで歩き方を改善 oa-aera 0

お尻の筋肉を使っていますか? ストレッチと歩幅見直しで歩き方を改善

2020年10月12日 18:00 AERA

 一口に歩き方といっても、腕の振りや姿勢、体重移動など注意点は多い。一度にすべてを正そうとせず、ポイントを押さえていくことが大切だ。正しい歩き方が一度身につけば一生モノ、努力するだけの価値はある。AERA 2020年10月12日号は「歩き方」を特集。

【150日で30キロ減の医療記者が明かす「必ず結果が出るダイエットの考え方」】

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「まずは自分が歩いている動画を撮って、じっくり観察してみてください」

 こう話すのは、『10歳若返る骨盤腸整ウォーキング』の著者でウォーキング講師の山崎美歩呼さんだ(※山崎の「崎」は正しくは「立さき」)。山崎さんの教室では、最初に生徒に自分の歩き姿を動画で見てもらい、歩き方を自覚してもらうことから始めるという。

 というわけで、筆者の歩行中の動画を山崎さんに送って見てもらった。「腕の振りが左右で違う」「猫背になっている」「つま先が上がらず、歩幅が狭い」「体重移動ができていない」などのダメ出しを受ける。あまりの多さに不安になるが、山崎さんによるとほとんどの人が同様の問題を抱えているという。

 しかし、欠点がわかっただけでは、直せる気がしない。そこで山崎さんに、正しい歩行姿勢をつくるストレッチを教えてもらった。

 これらのストレッチを実行して体を整え、同時に歩行時にも姿勢を意識することが大切だという。たとえば、しっかり背筋が伸びれば腕が後ろに振れるようになり、上半身が前のめりになるのを防ぐ。また、かかとで着地してつま先で蹴る動作ができるようになると、ふくらはぎの筋肉がしっかり使えるようになる。すると、血液循環が改善し、基礎代謝向上も期待できるという。

「とくに首、肩甲骨、腰、お尻、もも、ふくらはぎなど、体の後ろ側にある筋肉を意識してください。間違った歩き方を続けるのは、曲がった釘をガンガン打ち続けるようなもの。でも、一度正しい歩き方を身につければ一生モノです」(山崎さん)

 福岡県在住の看護師・田中聖子さん(44)は山崎さんの指導で歩き方を変え、約2カ月で12キロの減量に成功した。もともと猫背で反り腰だったことから、「お尻の筋肉が使えていない」と指摘されたという。

「歩くのにお尻の筋肉が必要だということをその時初めて知りました。かかと着地をして親指の付け根で押し出すことを意識するとお尻の筋肉が使えるようになり、すぐにキュッと引き締まりました」(田中さん)

 次は歩幅。大きな歩幅で歩くことができれば歩行速度が上がり、運動効果も高まる。だが、小さな歩幅でちょこまか歩くクセがついた人が急に変えるのは難しい。

 そこで『やせる3拍子ウォーク』の著書がある山口マユウさんが提案するのが、「3歩目だけ歩幅を広げる」歩き方。

「理想的な歩幅は身長マイナス100センチ、つまり160センチの人なら60センチ程度ですが、その歩幅で歩いている人はほとんどいません。まずは3歩目だけ、いつもより8センチ長い歩幅をとってみてください」(山口さん)

 3歩目の歩幅を広げると、左右交互に広い歩幅がやってくる。「タン・タン・ターン」とリズムに乗れて軽快だ。常に広い歩幅を維持するより、負担感も少ない。

 これを実行して2週間で体重4キロ減を果たしたのが、大阪府の会社経営者・佐藤研さん(46)。常に車移動で、ほとんど歩かない生活を送っていたところ、40歳を過ぎたあたりから体重が増加。身長170センチ、68キロ、へそまわり88.8センチに。健康診断で血圧とコレステロール値が高いと言われたことがきっかけで、山口さんのウォーキング教室に通うようになった。

 2駅分ほど歩くことにし、教わった通りに3歩目だけ歩幅を広げ、かかとで着地して後ろ足のふくらはぎに力を入れ、指で地面を強く蹴るように心がけてみた。結果、わずか2週間で体重は64キロ、へそまわりは83.5センチになり、上が180あった血圧は降圧剤を服用しつつではあるが、120程度に改善した。

「運動嫌いの僕でもできた。半年以上続いた運動は、人生で初めてです」(佐藤さん)

(編集部・藤井直樹)

※AERA 2020年10月12日号より抜粋

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10歳くらいから要注意 「思春期の入り口」で親が気をつけたい4つのこと

2020年10月12日 18:00 AERA/写真・iStock

 急に口数が減った、話しかけてもうるさがる……。小学校4年生頃からこんな子どもの変化を感じる親御さんが多いようです。「なんか反抗的」「そっけなくて寂しい」などいろいろな思いにかられますが、「これって思春期?」と思ったとき、親はどのようなかかわり方をすればよいのでしょうか。『AERA with Kids秋号』(朝日新聞出版)では、「思春期の入り口の子ども」の接し方について、花まる学習会で小学校高学年から中学生を教える大塚剛史先生に取材をしています。

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「10歳ぐらいになって、親の言うことをうるさがったり反抗的になったりするのは、思春期の入り口に立ったサイン。喜んでいい」

 大塚剛史先生はこう話します。反抗的な態度が喜ばしいとはどういうことでしょうか。

「そのような態度は順調に成長している証拠です。これまでちゃんと育ててきたから、お子さんがちゃんと反抗期に入れたんですよ」

 そうはいっても子どもの変化に戸惑うもの。実際、子どもはどのように変化していくのでしょうか。

「一般的に、10歳ごろになると自我が芽生えます。それまでは親の言うとおりにしていればいいと思っていたけれど、自分はどうしたいのか考え、現実とのギャップに思い悩むようになる。これが思春期です。中学生くらいでこの葛藤を十分に経験すると、高校に入るころには“じゃあ自分はこうしていこう”と、見えてくる。そして自分の道を歩き出します」

 葛藤したり思い悩んだりすることが思春期の姿となると、親子関係がぎくしゃくするのもうなずけます。

「しかし、ここで子どもの変化に親がうまく対応できないと、子どもが心を閉ざしたり、衝突したりすることが出てきてしまいます」

 対応の失敗の一つが、親の過干渉だと大塚先生は話します。

「自分で解決しようとがんばっている最中に、親が以前と同様に手を貸し続ける。“うるさいな、自分でする”と反抗できる子はいいのですが、自分で解決する気力が奪われてしまう子も。親の言うとおりにしたほうがラクだからです」

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 では、親はどうしたらいいのでしょうか?

 子育ては昆虫観察に似ている、と大塚先生は話します。思春期の子どもは繭(まゆ)の中にいて、中で何が起こっているかわからない。でも無理に知ろうとナイフを入れては、子どもが育たない。だから親は環境を整えて見守るしかない――。

「小学校高学年は、まさに繭の中で一生懸命『自分』をつくっている最中です。自分と向き合わせるためにはある程度そっとしておくことがこの時期大事ですが、すべて放っておいてほしいわけではなく、認めたりほめたりしてほしいときもたくさんある。それらは繭の中で成長の糧となるので、なるべく子どもの姿を受け止めて声をかけてほしいですね」

 繭越しだから表現がトーンダウンして伝わることもあるので、親からすると戸惑うことも。

「例えば思春期の子がいう“普通”は、ほめ言葉です。“お父さんってどう?”と聞いて“普通”といったら、大好きということ(笑)。“別に”や“普通”の一言から、満足なのか不満なのかうれしいのか楽しいのか、親御さんが注意してみていたらわかります」

 勉強して点が悪くても、それをどう変えていくかは自分次第。“〇点しかとれなかったの?”とネガティブな言葉とともに勉強のおぜん立てをするのではなく、横でそっと見守ってほしいと、大塚先生は話します。

 放っておくことと認めることのさじ加減は毎日の関わりの中で少しずつ見えてくるもの。関係が悪化しないよう、関わり方の4つの注意点を見てみましょう。

1.根掘り葉掘り聞かないでそっとしておく

友だちと遊んできた子に「楽しかった?」と聞いても「別に」。もしかしたら友だちとトラブルがあって、自分で解決しようとしているのかもしれません。しつこく詮索せずに見守って。

2.本人が言いたそうなら受け止めて聞く

まだ甘えたいこともあるのが、この時期。本人から話してきたり、なんとなく質問してほしそうなそぶりを見せたら、話を聞いて。何か具体的なアドバイスをするより、聞くことに徹するのがおすすめ。

3.正面切って戦闘態勢にならない

親子で衝突すると、子どもが自分の葛藤に向き合いにくくなるうえ、イライラを外で発散しかねません。自分がどんな大人を目指せばいいのかわからなくなってしまう可能性も。

4.日によって気分のムラがあることを理解

昨日はいろいろ話してくれたのに、今日は質問しても「うざ」。そんなこともあるものだと受け流すことが大事。次に子どもから話しかけられて、「どうせうざいんでしょ!」の仕返しは禁物。

(取材・文=松田慶子)

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cat_1_issue_oa-aera oa-aera_0_1wmcmha3f41g_大島優子「ほかにいい人、いるんじゃないか?と思ったことも」。石井裕也監督との対談で語った 1wmcmha3f41g 1wmcmha3f41g 大島優子「ほかにいい人、いるんじゃないか?と思ったことも」。石井裕也監督との対談で語った oa-aera 0

大島優子「ほかにいい人、いるんじゃないか?と思ったことも」。石井裕也監督との対談で語った

2020年10月12日 18:00 AERA/撮影・小黒冴夏

「愛」をテーマに考えたとき「死」と「生」が浮かんだ──。石井裕也監督は最新作「生きちゃった」についてこう語る。ヒロインを演じた大島優子さんは、演じるなかで「死」を感じ、「生」を願った瞬間があったという。撮影を通じて見えたもの、感じたことを、語り合った。AERA 2020年10月12日号に掲載された記事を紹介する。

【白石麻衣、自粛期間中にお風呂で乃木坂の曲をヘビロテ 卒業後のチャレンジとは】

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 石井裕也監督(37)の最新作「生きちゃった」は幼なじみだった男女3人を描いた物語。大島優子さん(31)が演じたのは5歳の娘を持つ女性。満たされない何かを抱え、不倫相手との情事を夫に目撃されてしまう難しい役どころだ。

石井裕也(以下、石井):大島さんは俳優として強烈な生命力を持っている方だとずっと思っていました。「こういう役はやらないだろうなあ」と聞いてみたらOKだったのでびっくりしました。

大島優子(以下、大島):いまの自分に必要なチャレンジだと思いました。演じながら「心を裸にしている」感じがありました。そういう感覚になったのは初めてです。

石井:僕にとっても目の覚めるような体験でした。俳優という人間の、肉体の熱気や魂の動きを撮った、という手応えのある映画。それ以外に映画のおもしろさってあったっけ? って。

大島:私が演じる奈津美は、愛されたいという願望がすごく強い。誰でもいいわけじゃないけれど、誰かに絶対的に愛してほしい。その願望は誰にでもあるし、私にもある。奈津美はもがいていたのだと思います。「愛はどこ?」「本当はこの家庭にあるはずなのに!」と探しているうちに、ああなってしまった。だから私には「不倫」という感覚ではなかったです。

石井:まさにそうだと思う。愛って素晴らしくもあるけれど、人の心を削り取っていくものでもあるから。僕、映画撮っていて初めて怖くなっちゃった場面があるんです。奈津美がホテルで北村有起哉さんと向き合う重要なシーンで、大島さん、本番中にいきなり叫んだんですよ。

大島:あはは(笑)。

石井:自分がコントロールできないところに俳優が行ってしまった、と感じた初めての経験でした。本当に大島さん死んじゃうかも、と思った。

大島:お芝居をしながら「死」を初めて感じたんです。あの瞬間に自然に奈津美になっていて、娘のことが思い浮かんだんですよね。そこから「生きたい」という感情が生まれて、あの表現に行き着いたのかもしれない。自分でもびっくりしました。

石井:大島さんは感性がすごく鋭いし、動物的な勘がある。

大島:直感や運動神経はいいほうですが、最近はあまりそういう自分を過信しないようにしているんです。やっぱり30代になって年齢的に動けなくなって鈍さが出てきた。それもそれでいいのかなと思うんですけど。

石井:そう、それがよかった。30代ならではの肉体、鈍さのようなものがちゃんとあった。

大島:撮影中ずっと食べまくって、太ったんです。体の重い感じを体感しよう、って。

 大島さんは2017年から1年間、米国留学を経験。それが演技にも影響を与えたという。

大島:私、ずっと留学したくて、20代のうちに行っておこうと。あと、ちょっと仕事が嫌いになりそうだったので(笑)。子役からずっとこの世界にいるから「ほかにいい人、いるんじゃないか?」って。でも結局、一途でした。それで心が軽くなりました。いままで自分への負荷をかけるわりには、心に浸透しないまま、無理に吐き出していたんです。だから余計に疲れていたし、重かった。でも役が「すん」と自分に入って、体の底でポンッと跳ね返って自然に外に出す感覚がつかめてきたのかな。たぶんアメリカで自分が「何者でもない」ってことがわかったからだと思うんです。大島優子という存在を知らない人たちと出会って「自分は何者か」を見つめ直せた気がします。

石井:僕も今年韓国で映画を撮ったんですが、ものすごく苦労したんです。それは最近出した『映画演出・個人的研究課題』にも書いたんですけど、海外って言葉もうまく通じないし、食も文化も違う。そのなかで自分が大事にしてきたものを捨てなきゃいけなくなる。でも身軽になることで真に大切な、本質みたいなものが見えてくる。

大島:まさにそうですね。ちなみに、タイトルはなぜ「生き“ちゃった”」なんですか?

石井:「愛」をテーマに考えたとき「死」と「生」が思い浮かんだんです。愛することは強烈に生きることで、つまりは皮肉なほど死に近づいていく。死というものの重みが感じづらい現代だからこそ、「生きる」という能動的な言葉がしっくりこなくて。「ちゃった」くらいの滑稽さのほうが腑に落ちる。

大島:いま本当に生と死は隣り合わせになっている。いま生きていることも「もしかして、なんか……生きちゃってる?」みたいな感覚、よくわかります。

石井:今回、大島さんをはじめ(仲野)太賀君、若葉(竜也)君に異常なほどの迫力と熱気があった。なぜそこまで本気でさらけだそうとしてくれたの?

大島:「なにくそ!」っていう人たちが集まったのかもしれないですね。自分の置かれている状況や社会、愛に対してなど対象はそれぞれだと思うんですけど。

石井:なるほど。

大島:そういう怒りや思いはパワーになる。全員がそこで響き合っていたから自分が生半可でやるとそこから落ちてしまう、という気持ちでした。でも公開されてみないと、このチャレンジが成功か失敗かはわからないですよね(笑)。

石井:いや、大丈夫でしょう!(笑)

○大島優子(おおしま・ゆうこ):1988年、栃木県出身。2006年から14年までAKB48として活動。「紙の月」(14年、吉田大八監督)、「ロマンス」(15年、タナダユキ監督)など出演作多数

○石井裕也(いしい・ゆうや):1983年、埼玉県出身。近作に映画「夜空はいつでも最高密度の青色だ」(2017年)、「町田くんの世界」(19年)などがある。近著に『映画演出・個人的研究課題』(朝日新聞出版)

(フリーランス記者・中村千晶)

※AERA 2020年10月12日号

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ダラダラ「1万歩」は「何もしない」人と大差なし!? 筋力・持久力アップに効くのは「速歩き」

2020年10月12日 18:00 AERA/撮影・東川哲也

 厚生労働省も推奨する「1日1万歩歩行」。ところが、普通に1万歩歩いただけでは、筋力・持久力の向上において家にいた人と大差がない、というデータがある。歩くことで得られるメリットは山のようにある。しかしそれを受け取るには速度と姿勢の見直しが必要だ。AERA 2020年10月12日号は「歩き方」を特集。

【150日で30キロ減の医療記者が明かす「必ず結果が出るダイエットの考え方」】

*  *  *
 3階まで階段を上っても、息切れしない。地面に座ったとき、手を使わずに立ち上がれる。

 ウォーキングを始めて約1年半、北海道在住の会社員・長沼秀直さん(54)は、確実に体力がついたことを実感している。

 開始当初の体重は90キロ、体脂肪率は32%。高血糖や高血圧にも悩まされ、通勤の際に1駅ほど余分に歩いたり、週に1度プールで泳いだりしていたが、効果は感じられなかった。

 だが昨年4月、職場が変わり定時に帰宅できるようになったのをきっかけに、インターネットで見つけたウォーキング法を始めた。それは1日8千歩を歩き、そのうち20分を速歩きにするというもの。

 通勤時に遠回りをするなどして約1時間、3キロを毎日歩いた。速歩きではスポーツウォッチで心拍数をチェック、120くらいを目指す。ちょっときついが、息が上がらないくらいの速さだ。1カ月経ち、2カ月経っても体重に変化が見られず心が折れそうになったが、4カ月目、ついに体重が減少し始めた。

「後で計算してわかったのですが、最初の3カ月にも脂肪はちゃんと減っていて、同じだけ筋肉量が増えていたんです」

 現在、体重は約10キロ減。体脂肪率は28%に。生活習慣病関連の数値はすべて正常の範囲内に改善した。

「歩くことは体によい」。多くの人がそう信じている。だが、実はただ普通に歩くだけでは減量や筋力アップなど、体に対する効果はほとんど期待できないことがわかってきた。

 信州大学医学部特任教授の能勢博さん(67)はこう指摘する。

「運動療法の国際基準では、体力向上には体力の上限60%以上の強度の運動を1日30分以上、週3日以上やることが必要とされています。ところが、普通歩きでは40%程度の体力しか使えていないのです」

 これをデータで証明したのが、能勢さんらのグループの研究だ。1日1万歩の普通歩きをしたグループの5カ月後の筋力・持久力のアップ率は、何もしなかったグループとほとんど変わらなかった。ところが、1日約52分、速歩きとゆっくり歩きを交互に行ったグループは、ハムストリングの筋力が約17%、大腿四頭筋の筋力が約13%、持久力の指標である最高酸素消費量が約10%向上した。体力年齢でいうと10歳若返ったことになるという。

 なぜ、速歩きとゆっくり歩きなのか。実は当初は被験者に「30分連続の速歩き」をリクエストした。ところがほとんどの人が「きつい」「面白くない」という理由で、実行してくれなかったのだという。

「きつい運動をすると筋肉に乳酸がたまって息切れや筋肉痛を引き起こします。しかしそこに2~3分のゆっくりとした運動を挟むことで乳酸が代謝され、再びきつい運動が可能になるのです」(能勢さん)

 この歩き方は持久力を鍛える有酸素運動と、筋力をアップさせる無酸素運動の両方の効果があるとされ、「インターバル速歩」として注目を浴びている。速歩き3分、普通歩き3分を交互に繰り返すだけの簡単な方法だ。速歩きの目安となるのは歩行の場合、「ちょっときつい」と感じるが、隣に人がいたら会話ができる程度。より正確に知りたい場合は、心拍数を目安にするとよい。

 まずはこれを1日30分以上、週に4日以上続けることが目標となる。約9千人のエビデンスに基づく研究報告では、1週間で「汗をかきやすくなる」、2週間で「肥満傾向の人が体重の減少を自覚」、5カ月で「高血圧・高血糖・肥満の症状が20%改善」といった効果が報告されているという。

 多くの効果が得られるのには理由がある。鍵は細胞に存在し、エネルギーを生み出す源となるミトコンドリアという小器官だ。

 体力は20代早々にピークを迎え、30歳以降は10歳ごとに5~10%ずつ落ちていくが、同時にミトコンドリアも減少し、その機能も低下する。ミトコンドリアの機能が低下すると、組織を傷害する活性酸素が産生され、それに反応して、「炎症性サイトカイン」という物質が分泌されて、体内のさまざまな場所で炎症反応が引き起こされる。これが血管内皮細胞で起きると動脈硬化や高血圧に、脳細胞で起きると認知症やうつ病に、免疫細胞で起きるとがんになると、最近の研究で指摘されている。筋力や持久力が上がるとミトコンドリアの量が増え、活性化することがわかっている。

「つまりインターバル速歩など、最大体力の70%程度の運動をすることで、病気の根本原因を除去することができるのです」(同)

 都内在住の大学教授・佐藤達郎さん(61)も、以前は1日1万歩を目標に歩いていたが、ほとんど効果を感じられず、3年ほど前にやめてしまった。しかし1年前、フェイスブックで「インターバル速歩がいい」と書いてあるのを見つけ、仕事の合間や移動などを利用して挑戦してみた。すると、目に見えて体調がよくなったという。

「以前は夜中に目がさめてしばらく眠れないということがあったのですが、今は毎日7~8時間ぐっすりです。僕は高血糖ですが、インターバル速歩を始めてから血糖コントロールができています。1日1万歩に比べれば心理的にすごく楽なんですが、足腰の筋力もアップして疲れにくくなりました」(佐藤さん)

 速歩きをする際の速度は人によって異なるが、目標を持つ場合、「時速7キロ」が一つの目安になる。そう指摘するのは、アシックススポーツ工学研究所主席研究員の市川将さんだ。

「ウォーキングから徐々に速度を上げていき、自然と走り出すのは時速7~8キロ。時速7キロは、ギリギリ走り出さないくらいの速度です」(市川さん)

 一般的に、ウォーキングよりランニングのほうが、運動効果は高いとされている。しかし時速8キロ以上の速度では、ウォーキングのエネルギー消費量はランニングを上回る。時速7キロ歩行はランニングに近いエネルギー消費量がありながら、故障のリスクが低い究極の運動法ともいえる。ランニングは蹴り出しの際に体重の2~3倍の力が足にかかるが、ウォーキングであれば、足にかかる最大負荷は1.2~1.6倍程度。スポーツ初心者でも安全に取り組める。とはいえ、普通歩行の時速は4~5キロと言われ、時速7キロ歩行はそう簡単ではない。

「そもそも正しい姿勢ができていないと、速く歩くことはできません。たとえば、すり足のようにペタペタと足裏全体をつく歩きでは歩幅が小さくなる。速く歩けるということは、基本的な歩行姿勢はできているともいえます」(同)

(編集部・藤井直樹、ライター・井上有紀子)

※AERA 2020年10月12日号より抜粋

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核のごみ最終処分場で渦中の寿都町長が激白 「4、5年先を考えたら、今から手を打たねば」

2020年10月9日 19:00 AERA/(c)朝日新聞社

 原発の使用済み核燃料から出る高レベル放射性廃棄物、いわゆる「核のごみ」の最終処分場をめぐって、北海道寿都(すっつ)町は、8日、国の選定プロセスの第1段階となる「文献調査」に応募すると発表した。2年間の文献調査で最大20億円の交付金が得られ、地域振興に期待するという。これに先立ち、AERAでは9月24日に片岡春雄・寿都町長にインタビュー。応募の「真意」を尋ねた。

【非正規雇用者がコロナ禍で「116万人減」…失業者は一体どこに消えた?】

*  *  *
――原発の使用済み核燃料から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)最終処分場の文献調査への応募を検討したのはどうしてですか?

 実は昨年まで、さほど関心はありませんでした。寿都町は30年も前から、全国に先駆け風力発電事業を始めた自治体です。そうしたことから、他にも有効活用できるエネルギー政策は何だろうかと、昨年4月から議会や産業団体と一緒にエネルギー全般に関する勉強会を開いていて、その中で出てきたのが核のごみ。当初は関心がなかったのですが、今年になって新型コロナウイルスの感染が広がり、相当長引くと感じました。そうなると、町は、当面は風力発電やふるさと納税の利益で財政がひっ迫することはありませんが4、5年先を考えた時、今から何か手を打っておかないといけない。何ができるか考えた時にタイミング的にも一番よかったのが、今回の文献調査でした。

――核のごみの受け入れについては、いままでどの自治体も手を挙げてきませんでした。それだけ風評被害も含め心配があると思います。

 2007年に高知県の東洋町の町長が思い切って手を挙げると住民の猛反発を受け、結局、出直し町長選で敗れて撤回された。しかし、寿都町は30キロ圏内に泊原発があり、核廃棄物が出ています。この始末をどうするのか。どこかの地域で受け入れなければならないのなら、前向きに議論をするべきではないか、と。

――ということは、核のごみ問題に「一石を投じたい」という思いですか。

 そう。そこが一番です。いきなり最終処分場をつくって核のごみを町に持ってくるという話ではありません。「賛成か反対か」と結論を急ぐのではなく、まず「核のごみとはなんぞや」というところから勉強していきましょうと言っているのです。

――しかし、寿都町の町民有志の団体が8月末に行った署名では、町の人口約2900人の2割に達する695人が応募の撤回を求めました。民意をどう考えていますか。

 署名運動の仕方にもよると思います。「核のごみを持ってくる」と言われたら、「そんなものはいらない」と答えるでしょう。また核のごみがよくわからない中で、あまりにも核のイメージが先行してしまい、みなさん不安に感じるのは当然だと思います。

――専門家の中には、寿都から太平洋側の長万部にかけて延びる黒松内(くろまつない)低地断層帯という活断層の危険性を指摘している人もいます。地震のリスクはどう捉えていますか。

 専門家の方たちは誰も断定的なことは言っていません。活断層の上が危ないのはもちろんですが、そこから離れた場所でも「危ないだろう」と可能性の話をしています。だから私は、活断層から10キロ、20キロ離れた場所はボーリングをして、どういう地層になっているのか調査をします。

――ボーリングの結果、「安全でない」とわかったら、調査は打ち切るということですか?

 当然、できるわけないじゃないですか。いくら国が望んでも最終処分場の建設はストップします。

――途中でストップできるでしょうか?

 国はいつでも止められると言ってくれています。「文献調査」の後に「概要調査」、その次に「精密調査」と3段階あります。その都度、いつでも辞退することができると、国は言ってくれています。「国なんか信用できない」という意見もずいぶんあります。だから私は、梶山弘志経済産業大臣から「市町村長の意に反して第二段階に進まない」という一筆をいただいています。

――では町長自身、仮に寿都町に最終処分場をつくるとなった場合、どうしますか?

 今は結論が出せるわけではない。国が言っている説明が本当で最終処分場は安全なのか。その答えをいま私に求められてもわからない。だから今は、賛成、反対は抜きにして学ぼうと。単純な話なんです。

(構成・文/編集部・野村昌二)

※AERAオンライン限定記事

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