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「基本的には石鹸で洗ってください。固形石鹸でもハンドソープでも大丈夫。種類はとくに気にする必要はありません。成分として含まれる界面活性剤がウイルスに付着し、死滅させる効果があります。また、アルコール消毒液を併用する必要はなく、どちらかひとつで構いません」
「2回とも使ってください。入るときは、店にウイルスを持ち込まないため。ただ、店の中の商品は不特定多数の人が触っています。何か商品に触れたら『その手はもう汚れているんだ』という意識で買い物を続け、店を出る前に消毒です」
「これらは非常に曖昧な言葉で、明確な定義はありません。その言葉を信用して『消毒したつもり』になってしまうのはよくありません」
「あとは『アルコール(エタノール)が60%以上入っている』との表示のある消毒液や、お手拭きやお掃除用ウェットティッシュなどに使われる低水準消毒薬(塩化ベンザルコニウムなど)もウイルスに効きます」
「やめたほうがいいです。まず空気中に拡散して吸い込むと人体への悪影響があります。また、空気中を浮遊するウイルスを消毒薬が正確にとらえて死滅させる可能性にかけるのは、まったく非効率です」
■換気に加え湿度管理も
「口からまっすぐ飛び出す飛沫はカットできても、放射線状に飛び散っていくものは防げません。マスクで鼻と口を隙間なく覆うのが原則。不織布マスクでも布マスクでも大丈夫です」
「先に食べるだけ食べて、おしゃべりするときにマスクを着ける。お酒を飲みながら何かつまむときは、黙って食べて、お酒を一杯飲んでマスクして。味気ないですけど、そんな方法しかないのでは……。あとは『誰かと向かい合って食事をすることは、危険な行為だ』ということを、一人ひとりがいま一度心に留めるしかないと思います」
「ウイルスの過ごしにくい環境は湿度40%から60%。厚労省は60%を推奨しています」
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■慣れずに基本の徹底を
「もし万が一、ウイルスを持っている人がお風呂に入ると、壁やタイルにウイルスが付着する可能性はあります」
「ただ、浴室内の空気中にウイルスが舞う可能性はありますし、その後に入ったお年寄りがそれを吸入することはあり得るとは思います。その意味では、お年寄りを新鮮な空気のお風呂に最初に入れてあげるのは意味あることかもしれません」
「初詣はほとんどが屋外で過ごすので密閉状態は避けられる。あとは『そこに滞留すること』をできるだけ避けるようにしてください」
「また、初詣は2月3日の節分までに行けば間に合うとされていますので、できるだけ三が日に集中しないよう、分散を心掛けることも大切です」
「マスクと適切な手洗い、人混みの中に行かず換気のいい場所にいる。基本はそこに尽きると思います。ただ、やはり人間は必ず、状況に慣れてきてしまいます。どうしても緩んでくる。やるべきことはすごく単純なことなので、一人ひとりがそれを忘れないで継続していく力、気持ちが重要だと思います」
(編集部・小長光哲郎)
※AERA 2020年11月30日号より抜粋
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