仕事やふだんの生活で、自分の持ち味を生かし、能力を最大限に生かすにはどうしたらいいか──。現代人の悩みをすくいあげるスペシャリスト、しいたけ.さんに自分の持ち味を生かす方法を相談した。
【人はなぜ不倫する? 「世の中、理解者に巡り合えていない人は多い」としいたけ.さん】
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まずは海辺に子どもが2人立っている絵を見てほしい。この絵をどこから見るか? 選んだ番号によって、あなたのタイプがわかる。
(1)全体像を見る。どういう状況にあるのか全体が気になる
(2)手前の子ども2人の表情に目がいく。笑っている? 泣きそう? 表情で状況を感知
(3)配色に目がいく。絵のきれいさやかわいさに注目する
(4)周辺の情報に目が留まる。背景にいる浮輪の子どもや、海辺の生物などに注目
【タイプ診断】
(1)リーダータイプ
1を選んだあなたは、全体の状況を把握していないと不安なリーダータイプ。
ものごとに対して、自分が向き合う価値があるものか、値踏みするような見方をします。話題性があるかどうか、ネタとして使えるかなどがものさし。「何のために◯◯をするか」とよく自問し、ムダな時間は1秒でも使いたくないタイプです。
(2)組織人タイプ
2を選んだあなたは、人の顔色が気になる組織人タイプです。
本当の笑顔なのか、作り笑いなのか、表情から状況を感知しようとします。子どもが泣きだしそうだったら「世話しなきゃいけないな」と、自分が「しなければいけないこと」をよく考えるタイプだと言えます。
(3)ムードメーカータイプ
3を選んだあなたは、ムードメーカータイプです。
「わー楽しそう、ここ行きたい」と、直感的に考え、ポジティブシンキングで、ちょっと自己チューです。絵を見るときも「配色がきれい」「ここに行ってみたい」と、おもしろそうかどうかで考えます。承認欲求が強いですが、根は組織人と同じく小心者。サービス精神で自分からおどけたことを言って、周りを盛り上げようとする人たちです。
(4)作家タイプ
4を選んだあなたは、作家タイプ。
中心にいるタイプではないので、絵を見るときも、立ち位置として自分に似た、孤独で脇役的なものを探します。コミュニケーションは苦手で、得意分野以外の話は聞かず、人に何か相談をするときにはすでに自分の中で「決定」した後という特徴があります。職人気質とも言えます。
【自分の持ち味を生かすには?】
いま、潜在的にみんなが人間不信を抱えている気がします。
それはどうしてか。「この人の言うことを聞いてれば大丈夫」「この組織に所属していれば大丈夫」が揺らぎ、消えつつあるからです。自分のことは自分で考えないといけない、まさに時代の転機にあります。
ただ、あまり怖がらなくて大丈夫です。
そのときに、どうやって自分の持ち味を生かしていくのか。それを知ることって、もしかしたら、占いが担える部分でもあるのかなって思うんですね。
リーダータイプの人にお伝えしたいのは、「いちばん目立たない人の声を聞いてほしい」ということです。リーダータイプって普段、声の大きい人の話だけを聞いて、「喋らないなら、あなたも私に賛成でいいね」って封じちゃうようなところがあります。見切っちゃう人たちだから、彼らにとって声を出さない人はいないも同然なんですね。
今は時代的に全員が声を上げているとき。聞こえにくいけれど、新入社員とか、声の小さい人も声を上げています。そういう人の話をちゃんと聞いて、どれだけ巻き込めるかが、リーダーの評価になります。「ああこの子、実はすごく頼りになる」「ちゃんと考えてるんだな」って発見できると、みんなで問題を共有して向き合っていくことができます。
組織人タイプはちょっと特殊で、自力で運を切り開くっていうより、誰かを応援してその人から運をもらう、っていうタイプの人たちです。
「この店もうちょっといろんな人に知ってもらえると嬉しいな」と思ったら、勝手にそのお店のPRをしちゃってください。そうすると、自分にもいい流れが来やすい。家族とか同僚とかお店とか、アイドル、いわゆる「推し」でもいいと思います。身近に応援する人を何人か見つけて、勝手に応援団活動を。持ち味が生きます。
組織人タイプが苦手な質問があります。僕も言われるのが苦手なのですが、「あなたは何がしたいの?」って言われるとうまく答えられない。
自分は何がしたいのか目標を持って主体的に生きることがよしとされがちですが、実は人を応援することでそれ以上の結果を出していける、そういう持ち味がある人たちもいることをみなさんに知っておいてほしいです。
ムードメーカータイプは、力が強そうな人についていくというか、いわゆる太鼓持ちみたいなところがある。でも今年はそうやって頼りにしてきた先輩や同僚たちが自分の道を歩き出していくとき。ついていく人がいなくなって、「え、私どうしよう」という状況に陥ります。キーワードは「自立」。「私はこう思う」「私はここに行きたい」って、間違ってもいいから自分の意見を喋ったほうがいい。
それには自分で自分を励ますことが必要です。具体的にやってほしいのが、夜寝る前の「今日よかったこと会議」ですね。ひとつだけでいいので、「今日頑張ったこと」を挙げて自分を褒めてください。例えば「今日早めに事務所に来てみんなのためにクーラーをつけておいた。よくやった、グッジョブ」って。自信を蓄積していきましょう。
作家タイプが今年持ち味を生かすためには、「耳に痛い意見も聞くこと」が必要です。
今は、新しい分野ややりたいことをやるために扉を開けようとしているときです。いろんな人とコラボしたり助けてもらったりする必要があるから、自分の世界だけで閉じちゃうともったいない。経験が多い人に話を聞いて、弱点とか足りないことを指摘されたら、すごくラッキーだと思ってください。それを手直ししたらもっとよくなるだけだから。
作家タイプは自分の弱点を指摘されるとすぐLINEとかをブロックしようとしがちですが、それはやめておきましょう。自分をもうちょっと開くことって、怖いかもしれないけど、必要だし本当に自分のためになると思います。(編集部・高橋有紀)
※AERA 2019年9月2日号より抜粋
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