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鶴房汐恩(以下、鶴房):歌詞が日本語なだけで、あとはK−POPじゃないですか? 音もリズムもそうだし、全員のダンスを揃えることに重点を置くところも日本とは違う。
金城碧海(以下、金城):ボーカルトレーニングも、韓国とリモートでつないで韓国の方にやっていただいているんです。僕らの楽曲を聞いてもらえると、ちょっと韓国人が歌っているような歌い方になっていることに気が付くと思います。歌う時の日本語の発音を“韓国人っぽい日本語”に直されたりもしますし(笑)。
豆原一成(以下、豆原):そういう面でも、今までにない新しい時代の音楽ですよね。令和な感じ?(笑)
白岩瑠姫:僕たちは視聴者投票で生まれたグループ。JAMの皆さんの応援のおかげで夢を叶えられたし、こうやってさまざまな活動をさせていただけているのもJAMのみなさんのおかげです。JAMのパワーは、僕たちの原動力であり強みです。
金城:大所帯というのは、やっぱり強いですよね。ダンスでも同じことを3人でやるより11人でやるほうが、インパクトがあると思いますし、11人が一つの楽曲に声を乗せることで、いろんな化学反応が起きる。それが面白いと思います。
鶴房:僕たち11人は、顔も性格も得意分野も、考え方も全く違う。だから見ている人は、誰か一人は“おっ”と気になるタイプのメンバーがいると思います。あとは、ふざけるときはふざけ、練習する時は練習する、切り替えの速さも武器かな。まとめ役は奨くん(與那城)です。
與那城奨:一応リーダーなんで(笑)。練習をまとめるだけでなく、メンバーには「一般常識的なことをきっちりしよう」と伝えるようにしています。挨拶をきちんとしましょうとか、荷物はまとめておきましょうとか、トイレは座ってしましょうとか(笑)。パフォーマンスの面では、蓮が司令塔です。ステージリハやMV撮影の時、指示を出してくれたりもします。
川西拓実:蓮くんと豆(豆原)は、僕たちのダンスの先生でもあります。楽曲の振り付け動画が韓国から送られてくると、それを二人が覚えてくれて、僕たちに落としてくれるんです。豆は子どもにダンスを教えていたこともあるし、蓮くんも丁寧に教えてくれます。普通、蓮くんにレッスン頼んだら、めっちゃ高いですよ。それを無料でやってもらってるなんて、贅沢ですよね。
川尻蓮(以下、川尻):バックダンサー出身なので、周りのメンバーに比べてステージに立ってきた回数が多いんです。だからこそ、見えることもある。それに、将来、ダンスの振り付けやステージ演出、プロデュースもやりたいと思っているので、修業の一環だと思えば、無料でもお釣りが来るくらいです(笑)。
仕事をする上で大切にしていることとはなんだろうか。
豆原:命を燃やすというか。一つ一つの仕事に、今ある命を燃やして全力で取り組むことが一番かなって思っています。
川尻:僕は、逆にがむしゃらにやるだけが正解ではないと思っていて。たまには一歩引いて見ることも必要だと思うし、立ち止まる時間があってもいいと思う。壁があったら、乗り越えてもいいし、回り道をしてもいいし、穴を開けてもいい。そういう柔軟な心は持っていたいなと思っています。
木全翔也(以下、木全):速度を上げることだけが人生じゃない、って、ガンジーも言っていましたしね(笑)。僕は楽しむことですね。自分がワクワクしないと多分見ている人も楽しくないと思うので。
河野純喜:僕も、頑張ることを楽しむ。楽しむことを頑張る。それはどんな分野の仕事でも一緒やないかなと思います。
■「腰が曲がるまで」目標
佐藤景瑚:一緒に仕事をする人を好きになることですね。昔は人の悪いところをめっちゃ見る癖があったんですけど、最近は相手を好きになって、いいところを見つけて褒めることを心がけています。こっちが先に好きになって、相手にもこっちを好きになってもらう。仕事って嫌われたら終わりやもん、絶対。
グループとして、ひとつの目標はドーム公演だという。
大平祥生:ドーム公演は絶対に叶えたいです。僕たちは挨拶の時、グループ名を言う前に「GO TO THE TOP」って付けるんですけど、早くトップをとって、「GOT THE TOP」に変えたいですね。
豆原:僕もドームやアリーナのような大きいステージに立ちたいです。そこから見る風景はどんなものなのか、知りたいです。
木全翔也(以下、木全):個人的なことでもいいですか? JO1に楽曲制作。あとは、居酒屋経営とか、ファッションの仕事もしてみたいです。
鶴房:いいやん。いいと思うよ。僕はずっと幸せの中で生きたいです。幸せというのは、まさしくJO1のことです。今のような毎日が続いて、30代の後半くらいに、「ああ、コロナの時あんなことしていたなあ」なんて、お酒を飲みながら振り返りたい。それ、普通に良くないですか?
河野純喜(以下、河野):ええな。30歳、40歳、いや、70歳になってもみんなでライブしていたいなあ。
木全:今の半分も腕上がらへんちゃう?
河野:全員が揃ってたら、それはそれでええんちゃう? 腰が曲がって、全員同じ背丈になっているかもしれんし(笑)。
(ライター・酒井美絵子)
※AERA 2020年11月30日号より抜粋