「すちーむ」ってなぁに?というよい子のみんな集まれー! 「ハロー! Steam広場」は,PCゲームのダウンロード販売サイトSteamで公開されている気になるタイトルを,筆者が独断と偏見でピックアップして紹介する,とっても有意義なコーナーだ。毎週欠かさずチェックすれば,ボタン連打にいつでも対応できるよう定規を持ち歩く上級Steamerにジョブチェンジできるかも。ちなみに編集長いわく,「幅跳びは47度,やり投げは75度でUFOが落とせる」らしいが,なんの話だろうか。
ハロー!Steam広場第231回は,「Emily Wants To Play」の制作者による新作ホラーゲーム「Pacify」を紹介しよう。本作は,屋敷を徘徊する少女の亡霊を成仏させるため,彼女に捕まらないように人形を集めて回るゲームだ。この手のゲームには珍しく,最大4人で協力できるのがウリとなっている。
最大4人で協力できる鬼ごっこ系ホラーゲーム「Pacify」
今回は海外のインディーズゲーム開発者であるShawn Hitchcock氏の新作「Pacify」を紹介しよう。
Shawn Hitchcock氏は,ピザの配達に来た主人公がその家に巣食う悪霊達から逃げ惑うという,Steamでは有名なホラーゲーム「Emily Wants To Play」の制作者である。そんな同氏が手がける「Pacify」もまた,鬼ごっこ系のホラーゲームであり,Emilyと同じく驚いて飛び上がってしまうような演出が用意されている。
ところで,本連載ではこれまでにも多くのホラーゲームを紹介してきたが,当の筆者自身はホラーゲームが大の苦手である。とくに,鬼から逃げながらキーアイテムを見つけていくタイプのゲームは,捕まった時のびっくり演出が苦手なので,Steamストアでリリースされても極力避けてきた。
もちろん,それだけが理由なわけではない。本当に。いわゆる鬼ごっこ系ホラーゲームは,ベースとなるシステムが完成しているため,プレイしなくてもどんな面白さかは分かるのだ。強がりじゃないぞ。
気を取り直して続けるが,ではなぜ同じタイプであるはずの「Pacify」を取り上げるのかというと,あるワードが筆者の興味を惹きつけたからだ。そのワードとは「オンライン協力プレイ」である。この手のゲームは,大概にして一人心細くプレイするのがお決まりなのだが,本作では最大4人で協力できてしまうのだ。ちなみに対戦もあるようだが,今回は執筆までに試せなかった(マッチしなかった)ので割愛させていただく。
ホラーゲームというものは,ほかのプレイヤーがそばにいるだけで怖さが和らぐもので,「バイオハザード」や「デッドスペース」ではパンツをとっかえひっかえしながらなんとかクリアした筆者も,協力プレイが搭載された「バイオハザード アウトブレイク」や「デッドスペース3」は,一度もちびることなくクリアできている。
そんなわけで,たとえEmilyと同等に怖いゲームだったとしても,「Pacify」は余裕を持ってプレイできるとふんだわけだ。
本作の舞台となるのは寂れたお屋敷であり,そこには現世に恨みを持った少女の亡霊が徘徊している。プレイヤー達は彼女を成仏させるため,屋敷内に配置された人形を拾い,焼却炉ですべて燃やさなければならない。人形の配置はランダムであり,燃やすためには薪やマッチといったキーアイテムも探す必要がある。
少女の亡霊の行動はまったく読めないが,近くにいると足音やうめき声がするので,これを避けるように進みながら,キーアイテムを見つけ,人形を燃やして脱出を目指すというのが大まかな流れだ。
思ったとおり,ほかのプレイヤーと一緒に行動していれば怖さは“幾分か”和らぐ。しかし,ゲーム内では懐中電灯をカチカチするくらいしかコミュニケーションを取る手段がないうえ,屋敷の作りが複雑なので,ちょっと油断するとすぐにはぐれてしまう。
筆者としては,人形を探すことよりも,ほかのプレイヤーの背中にピッタシとくっついて回ることのほうが重要だったのだが,後ろが気になってちょっと振り向いたその数秒で,さっきまで前にいたプレイヤーがいなくなったりするから恐ろしい。
人形をすべて燃やしきる前に少女に捕まってしまうと,自分が人形にされてしまう。ただ,人形になっても操作はできるので,ほかのプレイヤーをサポートしたり,視点が低くなったことを利用して少女のパンツを覗き見たりと,死んだからできるようなこともある。このあたりも協力プレイならではだろう。なお,全滅すると全員が人形部屋に連行されてゲームオーバーになる。
ゲームの内容自体はよくある鬼ごっこ系ホラーゲームだが,やはり協力プレイで遊べるという部分が大きい。全員がボイスチャットでコミニケーションできる身内であれば,友達4人で心霊スポットに潜入してみた的なノリで楽しめることだろう。
1つ難点があるとすれば,野良でやっている人が少ないということだ。時間帯によっては何時間待ってもマッチングしないこともあるので,この連載を読んだプレイヤーで賑わうことを願うばかり。価格は520円とリーズナブルになっているので,一緒に遊んでくれそうな友達に送りつけてみるのも良いかもしれない。