プロ野球のマウンドでいつも注目されるのは先発投手、そして抑え投手。中継ぎ投手が注目されることは少ない。そして、すべての試合で準備をするが、投げるとは限らない。登板数と注目度以上に、負荷がかかっているのが中継ぎだ。
西武の佐野泰雄は今季31試合に登板。中継ぎだけでなく、短いイニング限定の先発起用もこなした。通算イニング数55回3分の1という数字も示す通り、回をまたいだロングリリーフを任される機会も多い。
時に8点ビハインドの9回というような、試合がほぼ決してしまった場面での登板もある。それでも「どんな場面でも、しっかり自分の球を投げることは変わらない」と常に全力を尽くす。
自分では出番を選べない。とにかく直面した状況に対応し、ベストの投球をする。佐野のスタンスは、中継ぎに求められる仕事を体現するものだ。
中継ぎ投手。
彼らの献身なくして、チームはフルシーズンを戦い抜くことはできない。
(連載終わり)