鈴木俊一五輪担当相(衆院岩手2区)が代表を務める資金管理団体「清鈴会」が、2013~15年の3年間にガソリン代を計1412万円支出したと政治資金収支報告書に記載していたことが9日、分かりました。鈴木氏の事務所は「7人が政治活動に車を使用した」と説明していますが、高額過ぎるのではないかとの見方も出ています。
報告書や事務所への取材によると、ガソリン代の支出額は13年が491万円、14年が382万円、15年が539万円。15年1月には1回分の支払いが174万円に上るケースもありました。同事務所は「岩手県は土地が広く、当時7人が車を1台ずつ使用して各地を回った。1人が1日250~300キロは走っている」と説明しました。
長崎は9日、原爆が投下されてから72年を迎えました。安倍晋三首相は長崎市で開かれた「原爆犠牲者慰霊平和祈念式典」後に記者会見をし、国連で7月に採択された核兵器禁止条約に加わらない理由として「核兵器国の参加が不可欠だ。我が国のアプローチと異なることから署名、批准することはない」などと話しました。
岸田文雄氏が「ポスト安倍」へ意欲、「戦う時は勝つ」
自民党の岸田文雄政調会長は9日午後のTBS番組で「戦う時には勝たないといけない。教訓として大事にしている」と持論を披露した上で、安倍晋三首相の後継「ポスト安倍」への意欲を重ねて表明しました。来年9月の党総裁選で首相が立候補した場合の対応を問われると「政治の世界は、一寸先は闇だ。将来のことは何も言わない」と明言を避けました。
安倍政権を支えながら、情勢を見極めて総裁選対応を判断する姿勢を鮮明に。政治信条として「多様性の尊重」を訴えました。「戦う時は勝つ」との教訓は2000年の党内抗争「加藤の乱」で得たと説明しました。
この後、岸田氏は記者団に、憲法改正論議について「党での議論を丁寧に進めることが結果として国民の理解につながり、改憲の議論を前に進めることにもつながる」と述べ、拙速は避けるべきだとの考えを示しました。「首相が言う『スケジュールありきではない』というスタンスと一致する」とも語りました。
江崎沖北相の辞任必要なし 「原稿朗読」発言で首相
安倍晋三首相は9日、長崎市で記者会見し、国会答弁で誤らないよう「役所の原稿を朗読する」と発言した江崎鉄磨沖縄北方担当相について、辞任は必要ないとの考えを示しました。「江崎氏には、今後、一層緊張感を持って職務に当たってほしい」と述べました。
江崎氏の閣僚としての取り組みについて首相は「昨日から早速、沖縄を訪問し、(翁長雄志)知事と会談を行うなど、担当相として積極的に仕事に当たっていただいている」と強調。民進党は江崎氏の更迭を求めていました。
民進党の山井和則国対委員長は9日、自民党の森山裕国対委員長と国会内で会談し、「役所の原稿を朗読する」と発言した江崎鉄磨沖縄北方担当相について、10日に行う衆院安全保障委員会の閉会中審査への出席を求めました。森山氏は拒否しました。
森山氏は、南スーダン国連平和維持活動(PKO)部隊の日報隠蔽問題を巡り、野党が要求している稲田朋美元防衛相の参考人招致について改めて拒みました。学校法人「加計学園」問題に関する衆院予算委員会の開催にも応じませんでした。
新党結成を目指す細野氏、"民進離党"となった背景は
民進党の細野豪志元環境相は8日、野田佳彦幹事長に離党届を提出。その後の記者会見で、安保法制をめぐる議論や共産党との選挙協力などで党の対応に疑問を感じたことなどが離党を考えるきっかけになったと説明しました。
細野氏は会見で「基本政策が根本的に異なる共産党との共闘は信念に反する」と説明。その上で「新しい政権政党をつくるため、まずは裸一貫1人で立ち上がる決意をした」と述べました。
細野氏が設立を目指す新党では、幼児教育や子育て支援など人生前半の社会保障など納税者や働く人を重視した政策、北朝鮮の脅威などに対応できる現実的な外交安保政策など5つの理念を掲げるといいます。
また、政治団体「日本ファーストの会」を設立した若狭勝衆院議員との協議に意欲を示しており、若狭氏の動きについては「注目している。機会があれば話をしたい」と語りました。
民進党の枝野幸男元官房長官は8日、国会内で記者会見し、9月1日投開票の党代表選に立候補する意向を正式に表明。「勇気を持って先頭に立ち、議員生活24年の経験を生かさなければならない」と述べました。リベラル派が推しています。
枝野氏は憲法9条改正に強く反対し、蓮舫執行部が目指した「2030年代原発ゼロ」政策の目標年次前倒しを公約に掲げ、保守派の代表格である前原誠司元外相との違いを打ち出しました。会見では「自民党に代わり得る政権の担い手は民進党以外あり得ない」と指摘しました。
国税庁は8日、前財務省理財局長で、7月に同庁長官に着任した佐川宣寿氏の就任会見を実施しないと発表しました。歴代長官が就任会見で抱負を述べるのは慣例で、会見を実施しないのは極めて異例。
理由は「諸般の事情」としていますが、森友学園問題について記者の質問を受けたくないためとみられます。
佐川長官は先の国会で、担当局長として学校法人「森友学園」への国有地格安払い下げ問題について答弁。学園側との交渉経緯などを野党に追及された際、「記録は廃棄した」「確認は控える」との答弁を繰り返し、説明責任を果たしていないと批判を浴びました。
江崎鉄磨沖縄北方担当相は8日の記者会見で、オーストラリア沖で起きた米軍新型輸送機オスプレイの墜落事故に関連し「日米地位協定をもう少し見直さないといけない」との認識を示しました。沖縄県などは日本に不利な内容だとして見直しを求めています。
沖縄振興などを担当する沖縄北方担当相が在日米軍の法的地位を定めた地位協定見直しに触れるのは異例。江崎氏は地位協定について「私は門外漢だ」と述べ、具体的な見直しの方向性には踏み込みませんでした。
民進党の細野豪志元環境相は8日、野田佳彦幹事長に国会内で会い、離党届を提出しました。その後、記者会見し「新しい政権政党をつくるためにまずは裸一貫、一人で立ち上がる」と表明。安倍政権批判の受け皿になる新党が必要との認識を強調しました。
細野氏は会見で、離党する理由について「基本政策が根本的に異なる共産党との共闘は信念に反する」と説明。また、小池百合子東京都知事と近く、政治団体「日本ファーストの会」を設立した若狭勝衆院議員との協議に意欲を示しました。
細野、若狭両氏は現段階で別々に新党構想を描いていますが、両氏とも早期の衆院解散・総選挙があり得るとみており、政治情勢によって協力が加速する可能性もあります。